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宮殿
43.精霊の加護
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返事の手紙を書き、ミオに託して数日、キアラはマナヴィカの離宮を訪れていた。庭に作られた席の周りに精霊が集まっていて、礼拝堂より濃密な気配が心地よい。
「神子様、お加減はいかがかしら」
「……マナヴィカ様がお招きくださって、とても元気になりました。ありがとうございます、マナヴィカ様」
「まあ……お力になれたのなら、嬉しいです」
マナヴィカが嬉しそうに返してくれて、キアラも久しぶりに自然と笑えた気がした。
沈んでばかりはいられないし、平静を取り戻さなければと思っても、自分でどうにかするのは難しかったのだ。マナヴィカが誘ってくれて本当に助かった。
そっとミオが戻してくれたカップに、ふわりとクリームの雲が広がっている。ヴァルヴェキア風のお茶はとても甘くて、ヨラガンとも、カガルトゥラードとも違った飲み物のようだ。
「……神子様、お気を悪くされるかもしれないのですけれど……お伺いしても、よろしいかしら」
塩味の強いさくさくしたお菓子がおいしい、とかじっていたら問いかけられて、キアラはゆっくり目を瞬いた。口の中にものが入っているときに話してはいけないから、こくりと飲み込んで、お茶で口を潤して、それから口元を拭って頷く。
「いかがなさいましたか、マナヴィカ様」
「……ゲラルド様の、ことですの」
少し顔はこわばってしまったが、何かを取り落としたり、手で引っかけてしまったりしなかったから、落ちついていられたほうだろう。
とっさに握りしめてしまった両手をなんとか緩めて、一つ、深く息をつく。
「どういった、お話ですか」
あまり心が通い合っている様子ではなかったが、マナヴィカはゲラルドの妻なのだ。キアラが傷ついた行為にせよ、気になってもおかしくない。
「……ゲラルド様の精霊の加護を、神子様が取り上げたというのは、本当ですか?」
「……え……?」
ただ、言われたことをすぐには理解できず、キアラは瞬きをくり返した。
精霊の加護は、誰しも生まれながらに与えられていると言われている。それは精霊が与えてくれるものであって、本人の行動の結果ではないし、そもそも人がどうこうできるものでもない。
キアラが精霊に祝福された神子だからといって、何かできるわけではないはずだ。
「ど、どういう……こと、ですか、ゲラルド様は……」
「……私も、直接はお会いできていないのですけれど……」
髪も瞳も赤いゲラルドは、火の精霊の加護があついのだろうと半ばあこがれを込めて噂されていた。
しかし今は見る影もなく、加護を失って黒髪になっている、という話らしい。書類に目を通すような公務こそしてはいるが、ほとんど自室にこもっていて、人前に姿を現さなくなったそうだ。マナヴィカとさえ、会おうとしないらしい。
「……ミオ、シア……?」
二人を振り返ると、きまり悪そうに目を逸らされてしまった。
「ほんとう、なのですか……」
ゲラルドがキアラの前に現れないのは、悪いことをしたとわかっているからだ、と思っていた。気まずくて謝れないのかもしれない、もしかしたら、キアラと会ってはいけないと誰かに言われたのかもしれない、とも思っていた。
だって、ミオとシアは、ゲラルドが黒髪になったなど、ひと言も言わなかった。
「……神子様は、たいへん傷ついていらっしゃいました。ゲラルド様のお話をすれば、また御心にご負担を強いるのではないかと思い……申し訳ありません」
ミオとシアが、二人して膝をついて頭を下げてしまった。慌ててキアラも席を立って、二人の傍に屈む。
「怒って、いませんから……顔をあげてください、あの、驚いて、しまって……」
二人の手をそれぞれ取って、二対の青い瞳と視線を合わせる。怒っていないのだということをもう一度念押しして、キアラはミオとシアを立ち上がらせた。
ミオとシアを責めるような気持ちは、もちろんない。キアラにゲラルドのことを黙っていたのは事実だが、キアラに意地悪をしようとしたわけではないし、ゲラルドをかばっているわけでもない。ただ、キアラに優しくあろうとしてくれただけだ。
「ゲラルド様が、黒い髪になってしまわれたのは、本当、なのですね」
「……我々も、噂を聞き及んだだけですが……事実のようです」
「……わかりました。ありがとうございます、ミオ」
少しためらってから、手を伸ばしてミオとシアの頭を撫でる。怒っていないし、嫌いになっていないことが伝わってくれたらと思う。
それからきちんとマナヴィカに謝って、キアラは椅子に座り直した。話の途中で席を立ってしまったのはよくない。
「……ゲラルド様の、ご加護、ですが……私は、何もしておりません」
「……そのようですね、ご存じなかったくらいですもの」
黒い髪の人は、精霊の加護を失うほど悪いことをしたのだと思われてしまう。だからゲラルドは部屋から出られずにいるのだろう。ルガートたちも、何もしていないのに悪い人だと思われて困っていたから、きっとゲラルドにも同じようなことが降りかかってしまう。
ひどいことをしてきた人ではあるが、ひどい目に遭っているなら何とかしたい、と思う。
「……ミオ、シア……ゲラルド様が、私の部屋を出るとき……お見かけしましたか」
「いいえ、はっきりとは……」
キアラの部屋の横には、ミオとシアが休んだり控えていたりするための部屋があって、あの日、二人はそこにいたそうだ。そうしたらキアラの部屋の前で何か騒ぎがあって、どうかしたのかと様子を見に出たら、おそらくゲラルドと侍従と思われる人物が遠くに走っていくのは見えた。何事かと二人で顔を見合わせていたら、キアラの泣き声が聞こえてきて、慌てて部屋に入った、ということらしい。
それ以来、ミオもシアも、ゲラルドの姿は見ていない。
「……ゲラルド様がおこもりになったのは、神子様のヒートのころからです。ですから……神子様のもとへ向かわれて、何かご不興を買ったのかしらと……申し訳ありません」
「いいえ……そう、お考えになっても、おかしくない、のでしょう……」
あの日、キアラは何もしていない。ゲラルドが恐ろしくて、身を縮めて震えていただけだ。
けれど、キアラの部屋に行って、そのあとから自室にこもり始めたというのなら、ゲラルドが黒髪になったことと、キアラが結びつけられてもおかしくない。
キアラにそんな力はないのに。
「あ……」
「神子様? いかがなさいました?」
それで、エドゥアルドがゲラルドを許してほしいと、わざわざ言ってきたのだろうか。キアラが怒っているから、ゲラルドは加護を失ってしまって、キアラが許せば、加護が戻ると思ったのかもしれない。
そんなことは、できないのだけれど。
「……精霊の、加護は……また、いただけるものなのでしょうか……?」
「……残念ですけれど、私は存じません。それに……黒髪の人が新たに加護を得たというお話も、聞いたことがありません」
「そう、ですか……」
もし、努力して加護を受けられる方法があるなら、ルガートたちも試していただろう。彼らは黒髪のまま、憤りや悲しみを抱えて、ひどい扱いを受けることを仕方ないとあきらめていた。例えルガートたちにはどうにもできなくても、ゲラルドは王子なのだから、やり方さえわかっていれば何としても加護を取り戻そうとするはずだ。
周囲の精霊の気配は、ゲラルドの話をしていても、怒っているような様子はない。キアラの周りに濃密に集まって、何をするともなしに漂っているだけだ。キアラが何か言葉でお願いしたとしても、通じるとは思えない。
「ゲラルド様は、すっかり……大人しい方になってしまわれたそうです」
精霊の加護を失うと、今まで目には見えなくとも与えられていた恩恵をも失ってしまう。
火の精霊の場合は、自信をつけさせたり情熱を持たせたりといった人の心を鼓舞する力が強く、今のゲラルドは以前のような力強さをすっかり失ってしまったそうだ。自信がなくおどおどしていて、公務をこなしてこそいるが、何事にも消極的になってしまったらしい。
「あんなに……強そうな、方でいらしたのに……?」
「……どんなに強くても、アルファでも……精霊のほうが、強いのかもしれません」
マナヴィカの傍の穏やかな気配の精霊が、もの言いたげに動いた気がした。
「神子様、お加減はいかがかしら」
「……マナヴィカ様がお招きくださって、とても元気になりました。ありがとうございます、マナヴィカ様」
「まあ……お力になれたのなら、嬉しいです」
マナヴィカが嬉しそうに返してくれて、キアラも久しぶりに自然と笑えた気がした。
沈んでばかりはいられないし、平静を取り戻さなければと思っても、自分でどうにかするのは難しかったのだ。マナヴィカが誘ってくれて本当に助かった。
そっとミオが戻してくれたカップに、ふわりとクリームの雲が広がっている。ヴァルヴェキア風のお茶はとても甘くて、ヨラガンとも、カガルトゥラードとも違った飲み物のようだ。
「……神子様、お気を悪くされるかもしれないのですけれど……お伺いしても、よろしいかしら」
塩味の強いさくさくしたお菓子がおいしい、とかじっていたら問いかけられて、キアラはゆっくり目を瞬いた。口の中にものが入っているときに話してはいけないから、こくりと飲み込んで、お茶で口を潤して、それから口元を拭って頷く。
「いかがなさいましたか、マナヴィカ様」
「……ゲラルド様の、ことですの」
少し顔はこわばってしまったが、何かを取り落としたり、手で引っかけてしまったりしなかったから、落ちついていられたほうだろう。
とっさに握りしめてしまった両手をなんとか緩めて、一つ、深く息をつく。
「どういった、お話ですか」
あまり心が通い合っている様子ではなかったが、マナヴィカはゲラルドの妻なのだ。キアラが傷ついた行為にせよ、気になってもおかしくない。
「……ゲラルド様の精霊の加護を、神子様が取り上げたというのは、本当ですか?」
「……え……?」
ただ、言われたことをすぐには理解できず、キアラは瞬きをくり返した。
精霊の加護は、誰しも生まれながらに与えられていると言われている。それは精霊が与えてくれるものであって、本人の行動の結果ではないし、そもそも人がどうこうできるものでもない。
キアラが精霊に祝福された神子だからといって、何かできるわけではないはずだ。
「ど、どういう……こと、ですか、ゲラルド様は……」
「……私も、直接はお会いできていないのですけれど……」
髪も瞳も赤いゲラルドは、火の精霊の加護があついのだろうと半ばあこがれを込めて噂されていた。
しかし今は見る影もなく、加護を失って黒髪になっている、という話らしい。書類に目を通すような公務こそしてはいるが、ほとんど自室にこもっていて、人前に姿を現さなくなったそうだ。マナヴィカとさえ、会おうとしないらしい。
「……ミオ、シア……?」
二人を振り返ると、きまり悪そうに目を逸らされてしまった。
「ほんとう、なのですか……」
ゲラルドがキアラの前に現れないのは、悪いことをしたとわかっているからだ、と思っていた。気まずくて謝れないのかもしれない、もしかしたら、キアラと会ってはいけないと誰かに言われたのかもしれない、とも思っていた。
だって、ミオとシアは、ゲラルドが黒髪になったなど、ひと言も言わなかった。
「……神子様は、たいへん傷ついていらっしゃいました。ゲラルド様のお話をすれば、また御心にご負担を強いるのではないかと思い……申し訳ありません」
ミオとシアが、二人して膝をついて頭を下げてしまった。慌ててキアラも席を立って、二人の傍に屈む。
「怒って、いませんから……顔をあげてください、あの、驚いて、しまって……」
二人の手をそれぞれ取って、二対の青い瞳と視線を合わせる。怒っていないのだということをもう一度念押しして、キアラはミオとシアを立ち上がらせた。
ミオとシアを責めるような気持ちは、もちろんない。キアラにゲラルドのことを黙っていたのは事実だが、キアラに意地悪をしようとしたわけではないし、ゲラルドをかばっているわけでもない。ただ、キアラに優しくあろうとしてくれただけだ。
「ゲラルド様が、黒い髪になってしまわれたのは、本当、なのですね」
「……我々も、噂を聞き及んだだけですが……事実のようです」
「……わかりました。ありがとうございます、ミオ」
少しためらってから、手を伸ばしてミオとシアの頭を撫でる。怒っていないし、嫌いになっていないことが伝わってくれたらと思う。
それからきちんとマナヴィカに謝って、キアラは椅子に座り直した。話の途中で席を立ってしまったのはよくない。
「……ゲラルド様の、ご加護、ですが……私は、何もしておりません」
「……そのようですね、ご存じなかったくらいですもの」
黒い髪の人は、精霊の加護を失うほど悪いことをしたのだと思われてしまう。だからゲラルドは部屋から出られずにいるのだろう。ルガートたちも、何もしていないのに悪い人だと思われて困っていたから、きっとゲラルドにも同じようなことが降りかかってしまう。
ひどいことをしてきた人ではあるが、ひどい目に遭っているなら何とかしたい、と思う。
「……ミオ、シア……ゲラルド様が、私の部屋を出るとき……お見かけしましたか」
「いいえ、はっきりとは……」
キアラの部屋の横には、ミオとシアが休んだり控えていたりするための部屋があって、あの日、二人はそこにいたそうだ。そうしたらキアラの部屋の前で何か騒ぎがあって、どうかしたのかと様子を見に出たら、おそらくゲラルドと侍従と思われる人物が遠くに走っていくのは見えた。何事かと二人で顔を見合わせていたら、キアラの泣き声が聞こえてきて、慌てて部屋に入った、ということらしい。
それ以来、ミオもシアも、ゲラルドの姿は見ていない。
「……ゲラルド様がおこもりになったのは、神子様のヒートのころからです。ですから……神子様のもとへ向かわれて、何かご不興を買ったのかしらと……申し訳ありません」
「いいえ……そう、お考えになっても、おかしくない、のでしょう……」
あの日、キアラは何もしていない。ゲラルドが恐ろしくて、身を縮めて震えていただけだ。
けれど、キアラの部屋に行って、そのあとから自室にこもり始めたというのなら、ゲラルドが黒髪になったことと、キアラが結びつけられてもおかしくない。
キアラにそんな力はないのに。
「あ……」
「神子様? いかがなさいました?」
それで、エドゥアルドがゲラルドを許してほしいと、わざわざ言ってきたのだろうか。キアラが怒っているから、ゲラルドは加護を失ってしまって、キアラが許せば、加護が戻ると思ったのかもしれない。
そんなことは、できないのだけれど。
「……精霊の、加護は……また、いただけるものなのでしょうか……?」
「……残念ですけれど、私は存じません。それに……黒髪の人が新たに加護を得たというお話も、聞いたことがありません」
「そう、ですか……」
もし、努力して加護を受けられる方法があるなら、ルガートたちも試していただろう。彼らは黒髪のまま、憤りや悲しみを抱えて、ひどい扱いを受けることを仕方ないとあきらめていた。例えルガートたちにはどうにもできなくても、ゲラルドは王子なのだから、やり方さえわかっていれば何としても加護を取り戻そうとするはずだ。
周囲の精霊の気配は、ゲラルドの話をしていても、怒っているような様子はない。キアラの周りに濃密に集まって、何をするともなしに漂っているだけだ。キアラが何か言葉でお願いしたとしても、通じるとは思えない。
「ゲラルド様は、すっかり……大人しい方になってしまわれたそうです」
精霊の加護を失うと、今まで目には見えなくとも与えられていた恩恵をも失ってしまう。
火の精霊の場合は、自信をつけさせたり情熱を持たせたりといった人の心を鼓舞する力が強く、今のゲラルドは以前のような力強さをすっかり失ってしまったそうだ。自信がなくおどおどしていて、公務をこなしてこそいるが、何事にも消極的になってしまったらしい。
「あんなに……強そうな、方でいらしたのに……?」
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