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帰還
64.もう一度
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「キアラ……!」
不思議な感覚だった。地面を踏んでいないし、足の下にあるのは水面なのに、ゆらゆらすることもなくしっかり支えられている。服の裾が濡れる様子もない。二、三歩進んでみたが、沈んでしまうことはなさそうだ。
「ユクガ様、歩けます」
ユクガと、ルガートにもわかるように何歩か歩いてみせて、建物に向き直る。精霊たちが、キアラを支えて建物のほうへ招いてくれている。夕日に照らされた建物も、キアラが来るのを待っているはずだ。
「キアラ」
そのまま歩いていこうとして、呼び止めるような声にキアラは振り返った。
ユクガが、困ったような顔をしているのはなぜだろう。
「はい、ユクガ様」
「……一人で行くな」
そう言って手を差し出されて、キアラは首を傾げつつも素直にユクガのもとに戻った。そのまま引き寄せられて抱きしめられ、どうしたのだろうと背中を撫でたくても、腕が自由にならない。
「ユクガ様、どうなさいましたか」
ぎゅっとキアラを抱えていた腕の力が緩んで、黄色の瞳にじっと見つめられた。不安を訴えているような気がして頬に手を伸ばすと、ユクガが手を重ねてくる。
「……俺でも、ルガートでもいい。誰か伴え。一人で、行くな」
ぱたり、ぱたり、と何度か目を瞬いて、キアラはおずおずとユクガの胸に手を置いた。
ここはこれだけ精霊にあふれていて、キアラが危ない目に遭うとは到底思えない。けれど、ユクガは不安になっていて、キアラのことを心配してくれている。
「あ……」
考えが足りなかった。ユクガにも、ルガートにも、精霊の気配は感じられないのだ。
寄ってきた気配に手を伸ばすと、ぽんぽんと戯れかかってくる感触がある。キアラの精霊に対する感覚が強まっているのか、ファルファーラが精霊の力の強い地だからなのか、わからない。
「……見えるのか」
「……いいえ。でも、触れられます」
ユクガやルガートは、精霊の作ってくれた道を歩けるだろうか。ぽわぽわとやってきた精霊を指で撫でて、そっと両手の上に乗せて尋ねる。
「ユクガ様とルガート様も、精霊様の作ってくださった道を、歩けるでしょうか」
ぽん、と精霊がキアラの手の上で跳ねて、ユクガの肩に飛び乗った。何度かそこでぽんぽんと飛び跳ね、ルガートのほうに飛んでいこうとして、途中で舞い戻ってくる。もう一度止まったのは、ユクガの肩の上だ。
「……ユクガ様は、お連れくださる、ようです」
ルガートの周りにも精霊はいるのに、精霊の道は使わせてもらえないらしい。肩を落として伝えるキアラの背中を、ユクガの手が撫でてくれる。
しかし、当人のルガートは薄く微笑んだ。
「ラグノースとリンドベルの帰還に備え、誰かはここに残らねばなりません。それに馬だけ残していくわけにもいきますまい」
「ですが……」
精霊の加護がなかろうと、ルガートは悪い人ではなくて、優しくて誠実だ。キアラにずっと心を寄せて、大変だろうにキアラのヒートの度に駆けつけてくれて、マナヴィカと通じて抑制剤まで持ってきてくれていた。
ここまで案内してくれたのもルガートなのに、最後まで一緒に行けないのはあんまりだ。
けれど、気落ちするキアラに向かって、ルガートはすっと頭を下げた。
「護衛でありながら、目的地までお供できず申し訳ありません」
「い、いいえ! ルガート様は、何も悪くありません」
慌ててルガートの傍まで行って、顔を上げてもらう。茶色の瞳はまっすぐキアラを映していて、そっと手を取ると揺れてしまうところが、本当に誠実だと思う。
「ルガート様が、ここまで連れてきてくださったのです。ありがとうございます」
「……もったいないお言葉、光栄に存じます」
「……大げさ、ですよ」
小さく笑ってユクガのもとに戻り、キアラは控えめに自分から手を伸ばして、ユクガと手を繋いだ。見つめてくれる黄色の瞳の力強さに、心が安らぐ。
「……ルガート、引き続き船を探せ。明日の夕暮れに戻らなければ、捜索を頼む」
「承知いたしました」
そういうことも考えておかなければいけないものだったらしい。
他に気をつけておくことはあっただろうかと考えていたら軽く手を引かれて、キアラはあたふたと意識を戻した。ユクガが穏やかな顔でこちらを見下ろしている。
「行けるか?」
「は、はい、参りましょう、ユクガ様」
揃って岸辺に立つと、精霊たちがまたむぎゅむぎゅとくっついてきた。心強くなってキアラから先に足を踏み出し、ユクガを引っ張る。水の上のはずだけれど、不安定さは感じない。
とことこ歩きながらユクガを振り返ると、すぐに気づいてキアラに視線を合わせてくれる。
「……不思議な感覚だな」
「……私は、少し、楽しいです」
精霊の作ってくれた道を歩いているからなのか、ユクガと歩いているからなのか、気持ちがふわふわして、足取りも軽くなってしまう。キアラが撫でたときのテユトの気持ちがわかるような気がして、キアラは小さく笑いを漏らした。歩みを緩めてユクガの傍に寄り添って、精悍な顔を見上げる。
「……ユクガ様と初めてお会いしたとき、私は、こうして歩いていいのだということも、存じませんでした」
部屋の中を歩くことはあったけれど、扉の向こうに行ってはいけなかったし、何かをするという考えもなかったから、ベッドに座っていることが多かった。
そこにユクガが現れて、キアラの足を繋いでいた鎖を壊して、抱き上げて連れ出してくれた。
「今は、私のほうがユクガ様の手を引いて、先を歩いています」
何も知らなかったキアラに、根気強くいろいろなことを教えてくれて、ゆっくり拙く話すキアラの言葉を、しっかり待って聞いてくれた。
初めてそうしてくれた人が、キアラと番になりたいと言ってくれたとき、全身がふわふわと浮いているようで、胸の中には言葉に収めきれない熱が渦巻いて、キアラはただ抱きしめられていることしかできなかった。
「……そうだな」
また笑って、キアラはユクガを先導できるように、前に進み出た。
ユクガと一緒に、それもキアラがユクガの前を歩いていることが、キアラにとってどれほど愛おしい変化か、ユクガにもわからないかもしれない。それでも、すべてのときをそのままどこかにしまい込んで、いつでも取り出せるようにしたいくらい、キアラにとっては宝物だ。
「……キアラ」
名前を呼ばれて振り返ると、繋いでいる手にユクガがそっと力を込めた。キアラの手を包むような力強いぬくもりに、嬉しいような気恥ずかしいようなこそばゆさを感じてしまう。
「……手を、離さないでいてくれ」
ぱたり、と目を瞬いて、キアラはじっとユクガを見上げた。黄色の瞳が、同じように見つめ返してくれる。
「お前がいなければ……俺は、どこに行けばいいかわからない」
精霊の作ってくれた道はユクガにはわからないし、キアラが多少道を外れても精霊は支えてくれるだろうが、ユクガが踏み外したときに、精霊が守ってくれるのかどうかわからない。
ふに、と柔らかく笑みを浮かべて、キアラは歩を緩めてユクガの隣に並び直した。もう片方の手を添えて、手を繋いでいるユクガの腕をそっと抱きしめる。
「……お傍にいます」
ユクガの表情が和らいだような気がして、キアラは改めてにっこりと微笑んだ。
お互いに知らない二人が出会えただけでも奇跡のようだけれど、ヴァルヴェキアで再会したとき、ユクガは遅くなったと謝ってくれた。キアラは、ヨラガンに戻るにはどうすればいいかわからなくて、半ばあきらめたような気持ちになってしまっていたけれど、ユクガはキアラにもう一度会うために、力を尽くしてくれていたということだ。
ユクガがあきらめないでくれたから出会えたもう一度を、キアラもなくしたくない。
じんわりと体を巡っていく温かさに浸りながら湖を渡りきって、キアラはようやく、何度も夢で見た建物にたどりついた。
「ここか」
「……はい」
夢と違ってもうほとんど日は落ちてしまって、月明かりを頼りに歩くしかない。
しかし、壁が崩れて平らな地面が少ないところだ。暗いまま歩くのは危ないだろう。
「……精霊様、歩けるくらいの、明かりをいただけませんか」
試しに頼んでみたら、火の精霊がぽわぽわと寄ってきて淡く光り始めた。
まさか本当に明るくしてくれるとは思っていなかったから、少し驚いてしまって、ユクガの腕にぎゅっと抱きついてしまう。
「……ありがとう、ございます、精霊様」
「……精霊が、光っているのか……」
ユクガと顔を見合わせて、それからまた精霊の明かりを見て、建物に視線を移す。
この中の、さらに階段を下りた先に、あの不思議な岩があるはずだ。
不思議な感覚だった。地面を踏んでいないし、足の下にあるのは水面なのに、ゆらゆらすることもなくしっかり支えられている。服の裾が濡れる様子もない。二、三歩進んでみたが、沈んでしまうことはなさそうだ。
「ユクガ様、歩けます」
ユクガと、ルガートにもわかるように何歩か歩いてみせて、建物に向き直る。精霊たちが、キアラを支えて建物のほうへ招いてくれている。夕日に照らされた建物も、キアラが来るのを待っているはずだ。
「キアラ」
そのまま歩いていこうとして、呼び止めるような声にキアラは振り返った。
ユクガが、困ったような顔をしているのはなぜだろう。
「はい、ユクガ様」
「……一人で行くな」
そう言って手を差し出されて、キアラは首を傾げつつも素直にユクガのもとに戻った。そのまま引き寄せられて抱きしめられ、どうしたのだろうと背中を撫でたくても、腕が自由にならない。
「ユクガ様、どうなさいましたか」
ぎゅっとキアラを抱えていた腕の力が緩んで、黄色の瞳にじっと見つめられた。不安を訴えているような気がして頬に手を伸ばすと、ユクガが手を重ねてくる。
「……俺でも、ルガートでもいい。誰か伴え。一人で、行くな」
ぱたり、ぱたり、と何度か目を瞬いて、キアラはおずおずとユクガの胸に手を置いた。
ここはこれだけ精霊にあふれていて、キアラが危ない目に遭うとは到底思えない。けれど、ユクガは不安になっていて、キアラのことを心配してくれている。
「あ……」
考えが足りなかった。ユクガにも、ルガートにも、精霊の気配は感じられないのだ。
寄ってきた気配に手を伸ばすと、ぽんぽんと戯れかかってくる感触がある。キアラの精霊に対する感覚が強まっているのか、ファルファーラが精霊の力の強い地だからなのか、わからない。
「……見えるのか」
「……いいえ。でも、触れられます」
ユクガやルガートは、精霊の作ってくれた道を歩けるだろうか。ぽわぽわとやってきた精霊を指で撫でて、そっと両手の上に乗せて尋ねる。
「ユクガ様とルガート様も、精霊様の作ってくださった道を、歩けるでしょうか」
ぽん、と精霊がキアラの手の上で跳ねて、ユクガの肩に飛び乗った。何度かそこでぽんぽんと飛び跳ね、ルガートのほうに飛んでいこうとして、途中で舞い戻ってくる。もう一度止まったのは、ユクガの肩の上だ。
「……ユクガ様は、お連れくださる、ようです」
ルガートの周りにも精霊はいるのに、精霊の道は使わせてもらえないらしい。肩を落として伝えるキアラの背中を、ユクガの手が撫でてくれる。
しかし、当人のルガートは薄く微笑んだ。
「ラグノースとリンドベルの帰還に備え、誰かはここに残らねばなりません。それに馬だけ残していくわけにもいきますまい」
「ですが……」
精霊の加護がなかろうと、ルガートは悪い人ではなくて、優しくて誠実だ。キアラにずっと心を寄せて、大変だろうにキアラのヒートの度に駆けつけてくれて、マナヴィカと通じて抑制剤まで持ってきてくれていた。
ここまで案内してくれたのもルガートなのに、最後まで一緒に行けないのはあんまりだ。
けれど、気落ちするキアラに向かって、ルガートはすっと頭を下げた。
「護衛でありながら、目的地までお供できず申し訳ありません」
「い、いいえ! ルガート様は、何も悪くありません」
慌ててルガートの傍まで行って、顔を上げてもらう。茶色の瞳はまっすぐキアラを映していて、そっと手を取ると揺れてしまうところが、本当に誠実だと思う。
「ルガート様が、ここまで連れてきてくださったのです。ありがとうございます」
「……もったいないお言葉、光栄に存じます」
「……大げさ、ですよ」
小さく笑ってユクガのもとに戻り、キアラは控えめに自分から手を伸ばして、ユクガと手を繋いだ。見つめてくれる黄色の瞳の力強さに、心が安らぐ。
「……ルガート、引き続き船を探せ。明日の夕暮れに戻らなければ、捜索を頼む」
「承知いたしました」
そういうことも考えておかなければいけないものだったらしい。
他に気をつけておくことはあっただろうかと考えていたら軽く手を引かれて、キアラはあたふたと意識を戻した。ユクガが穏やかな顔でこちらを見下ろしている。
「行けるか?」
「は、はい、参りましょう、ユクガ様」
揃って岸辺に立つと、精霊たちがまたむぎゅむぎゅとくっついてきた。心強くなってキアラから先に足を踏み出し、ユクガを引っ張る。水の上のはずだけれど、不安定さは感じない。
とことこ歩きながらユクガを振り返ると、すぐに気づいてキアラに視線を合わせてくれる。
「……不思議な感覚だな」
「……私は、少し、楽しいです」
精霊の作ってくれた道を歩いているからなのか、ユクガと歩いているからなのか、気持ちがふわふわして、足取りも軽くなってしまう。キアラが撫でたときのテユトの気持ちがわかるような気がして、キアラは小さく笑いを漏らした。歩みを緩めてユクガの傍に寄り添って、精悍な顔を見上げる。
「……ユクガ様と初めてお会いしたとき、私は、こうして歩いていいのだということも、存じませんでした」
部屋の中を歩くことはあったけれど、扉の向こうに行ってはいけなかったし、何かをするという考えもなかったから、ベッドに座っていることが多かった。
そこにユクガが現れて、キアラの足を繋いでいた鎖を壊して、抱き上げて連れ出してくれた。
「今は、私のほうがユクガ様の手を引いて、先を歩いています」
何も知らなかったキアラに、根気強くいろいろなことを教えてくれて、ゆっくり拙く話すキアラの言葉を、しっかり待って聞いてくれた。
初めてそうしてくれた人が、キアラと番になりたいと言ってくれたとき、全身がふわふわと浮いているようで、胸の中には言葉に収めきれない熱が渦巻いて、キアラはただ抱きしめられていることしかできなかった。
「……そうだな」
また笑って、キアラはユクガを先導できるように、前に進み出た。
ユクガと一緒に、それもキアラがユクガの前を歩いていることが、キアラにとってどれほど愛おしい変化か、ユクガにもわからないかもしれない。それでも、すべてのときをそのままどこかにしまい込んで、いつでも取り出せるようにしたいくらい、キアラにとっては宝物だ。
「……キアラ」
名前を呼ばれて振り返ると、繋いでいる手にユクガがそっと力を込めた。キアラの手を包むような力強いぬくもりに、嬉しいような気恥ずかしいようなこそばゆさを感じてしまう。
「……手を、離さないでいてくれ」
ぱたり、と目を瞬いて、キアラはじっとユクガを見上げた。黄色の瞳が、同じように見つめ返してくれる。
「お前がいなければ……俺は、どこに行けばいいかわからない」
精霊の作ってくれた道はユクガにはわからないし、キアラが多少道を外れても精霊は支えてくれるだろうが、ユクガが踏み外したときに、精霊が守ってくれるのかどうかわからない。
ふに、と柔らかく笑みを浮かべて、キアラは歩を緩めてユクガの隣に並び直した。もう片方の手を添えて、手を繋いでいるユクガの腕をそっと抱きしめる。
「……お傍にいます」
ユクガの表情が和らいだような気がして、キアラは改めてにっこりと微笑んだ。
お互いに知らない二人が出会えただけでも奇跡のようだけれど、ヴァルヴェキアで再会したとき、ユクガは遅くなったと謝ってくれた。キアラは、ヨラガンに戻るにはどうすればいいかわからなくて、半ばあきらめたような気持ちになってしまっていたけれど、ユクガはキアラにもう一度会うために、力を尽くしてくれていたということだ。
ユクガがあきらめないでくれたから出会えたもう一度を、キアラもなくしたくない。
じんわりと体を巡っていく温かさに浸りながら湖を渡りきって、キアラはようやく、何度も夢で見た建物にたどりついた。
「ここか」
「……はい」
夢と違ってもうほとんど日は落ちてしまって、月明かりを頼りに歩くしかない。
しかし、壁が崩れて平らな地面が少ないところだ。暗いまま歩くのは危ないだろう。
「……精霊様、歩けるくらいの、明かりをいただけませんか」
試しに頼んでみたら、火の精霊がぽわぽわと寄ってきて淡く光り始めた。
まさか本当に明るくしてくれるとは思っていなかったから、少し驚いてしまって、ユクガの腕にぎゅっと抱きついてしまう。
「……ありがとう、ございます、精霊様」
「……精霊が、光っているのか……」
ユクガと顔を見合わせて、それからまた精霊の明かりを見て、建物に視線を移す。
この中の、さらに階段を下りた先に、あの不思議な岩があるはずだ。
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