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5.沸点がわからない
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ジーノの家があるモンテツェアラは、魔物の領域に最も近く、また魔物側との戦いに最も積極的なヴィントリア王国、その中央に位置する王都からやや南に位置している。
魔王の城からだと魔物の領域を野営で抜けて、さらにいくつかの町を経由してようやくたどり着くわけだが、王都に近いが故にどの街道を通ってもだいたいは到達できるような場所だ。
「……おっさん」
その街道沿いの町の一つ、ゼポルナの宿の食堂で昼食を取っていたジーノは、スプーンをくわえた瞬間に声をかけられて目を瞬くしかなかった。イサラの眉が吊り上がっている顔は何度も目にしているが、怒っているわけではない、という表情は珍しい。
「ル=ラアリエは知ってるわよね?」
まだ口に入れた分の料理が飲み込めていなかったので、首を縦に振って肯定しておく。ル=ラアリエは水の町とも呼ばれ、湖の上にあるという話だけはジーノも知っている。魔王城にいく道中では通らなかったから、訪れたことはない。
同じように食事をしていたロクトが先に口を開き、戻ってきたイサラとダルカザにも食事を勧めた。こういう宿の食堂はだいたい長テーブルにベンチが備えられていて、人数の融通が利きやすいように工夫されている。
「何かあったの?」
術符を買いに行きたいというイサラにダルカザが同行し、ついでに情報収集してきたようだ。ダルカザが店員に声をかけて二人分の食事を頼み、残って食事をしていたジーノたちと同じテーブルに着く。グリニアも一緒に出かけたのだが、彼女は神殿に向かったという。
「魔物が増えて、かなり混乱してるらしい」
以前からル=ラアリエのある湖には水棲の魔物が生息していて、他の町と同じように防衛のための冒険者を雇っていた。しかしここのところ魔物の動きが活発化しており、常駐の冒険者だけでは間に合わず、広く冒険者ギルドを通して退治依頼を出しているそうだ。
継続的な依頼となれば冒険者としても生活は安定するし、この機会にル=ラアリエに向かおうという人々がギルドに集まっていたのだという。
「……テジークにいた頃には、そんな話なかったと思うけど……」
「だからよ。ゼポルナ行きを選んだのは、おっさんでしょ?」
テジークは、ゼポルナとル=ラアリエのどちらに向かうか、ちょうど分岐点にあった町だ。どちらを経由してもモンテツェアラには到達するし、さほど大きな距離の差はない。ただ、多少は移動距離が短くなるのでル=ラアリエに向かおうとしたロクトたちを、ジーノが止めたのだった。
「嫌な感じはしたけど……さすがに知らねぇよ」
ル=ラアリエがそういう事態にあると、ジーノが知っていて止めたわけではない。ル=ラアリエに行くのは何かよくなさそうだと、それくらいの感覚だ。しかし今までその感覚に従った結果、危険な目に遭ったことはなかった。だから、今回もその通りにしたに過ぎない。
魔物が増えたことなど、知らない。
「……まあ、そうよね」
料理が運ばれてきて、イサラとダルカザも食事に手をつける。冒険者らしく量が多めで、ジーノは見ているだけで胃もたれしそうで目を逸らした。歳を取ると食えなくなる、というのは本当らしい。
「別におっさんが知ってて避けたとか思ってるわけじゃないわよ。ただ、ちょっと信じられなかっただけ」
嫌な予感がするからといって、それに従って道を変える人間というのは、そう多くない。ましてやロクトたちのパーティのようにある程度実力と経験があれば、無茶をする場面なのか慎重にすべき場面なのか、直感などに頼らず冷静に判断できるだろう。
戦う力をほとんど持たず、逃げることを念頭に置いているジーノとは、やり方からして違うのだ。
そんなものだろうとひっそりため息を漏らしたジーノの向かい側で、とんとん、とイサラが指でテーブルを叩いた。何かが吹き抜けるような感覚がしたので、周囲に何かしらの魔法をかけたのだとジーノにもわかる。
「内緒話か?」
「そこまで深刻じゃないわ。でも魔王の話なんて大っぴらにできないでしょ」
腰を浮かしかけたジーノに、イサラが食事を続けながら答える。
一応、パーティメンバーだけで話したいことだったら席を外すと伝えてはいるのだが、彼らはあまり気にしないらしい。席を立つ必要もなさそうなので、ジーノは大人しく食事に戻った。
「魔王の話って?」
「さっき戻ってくる途中でイサラとも話してたんだが……魔王は封印されてるってのに、魔物の活動が活発になることなんて、あるのかと思ってさ」
確かに、と首を捻るジーノの横で、レイは興味もなさそうにパンを口に放り込んでいる。表情があまり変わらず何を考えているかわからない男なのだが、言葉数も少なくますます意味がわからん、というのが最近のレイの印象だ。ただ静かに、しかし当然のようにジーノの傍にいる。
「……魔王がいない、から……?」
自分で自分に尋ねるように腕を組んだロクトに、イサラが視線を向ける。
「魔王がいないからって、どういうこと?」
「例えばだけど……リーダーがいないパーティって、うまく連携が取れないよね」
誰かが指示役として全員の動きを統括し、同じ魔物にばかり集中して別の魔物に攻撃される事態を防いだり、弱っている魔物を総攻撃して頭数を減らしたり、我の強い冒険者たちの中にもセオリーというものはある。身を守るためにも、効率的な戦い方をするためにも、リーダーというものは必要だ、という理解が積み重ねられてきた結果だ。
「魔物のほうも、魔王がいなければ統率は取れなくなる。だから今まで以上に……無差別な攻撃が増えるんじゃないか……?」
イサラが顔をしかめ、ダルカザは首を振ったが、ジーノは思わずレイを見た。答えを持っているわけもないだろうが、魔王の話題が出たときは何となくレイを見てしまう。
「何だ」
「いや……」
何を考えているかわからないが、レイは親切なほうの人間だと思う。ジーノがどうしようか悩んでいたり、困っていたりすると、必ず気がついて声をかけてくる。
ただ、頼っていいものかどうか、うまく言葉で説明できるかどうか、ジーノの準備が整っていないので断ってしまうことも多い。ありがたいと思っていることは伝えたほうがいいと思うが、いい年をしたおっさんがそういうことを言うのも照れくさくて、曖昧にしてしまっている。それで嫌がられないだろうかと妙に気にしてしまっているのも、居心地が悪かった。
「あら、皆さんお揃いですね」
追及されそうなところにグリニアが戻ってきて、ロクトの隣に腰を下ろした。店員に尋ねられて、飲み物だけを注文する。
「……おっさんじゃないけど、なんか嫌な予感するな」
「まあ、わかります?」
からからと楽しそうに笑ったグリニアに、ダルカザとイサラが引きつった笑みを浮かべるのが見えた。付き合いは短いが、こういうときにはろくでもない話が出てくるとジーノにもわかるようになってきている。
「各地の神殿から、ダンジョンから発生する魔物が増えているという報告が上がっているそうです」
「……それも魔王不在の影響……?」
「どういうことですか?」
仮説だけど、と前置きしたうえでロクトが改めてグリニアにも共有し、グリニアも少々渋い顔をした。
「魔王を倒せばすべてが良い方向に向かうと思っていましたけれど……甘かったようですね」
「まあ、すでにいるものが勝手に消えるわけもないしね……」
その元魔王だったレイは食事を終えて、ジーノの横で遠くを眺めている。ロクトたちに話しかけられれば応対はするのだが、基本的に協調性がないタイプらしい。
「ジーノさん、相談なんですけど」
「え、あ、俺?」
もっと親しみが持てるようにしたら、などと意識を逸らしていたところにロクトから話しかけられ、ジーノは戸惑って聞き返した。今の話の流れでジーノに用があるとは思えなかったので、ほとんど気を抜いてしまっていた。
「申し訳ないんですが、モンテツェアラより先に王都へ向かってもいいですか」
「……どういう意味だ」
ジーノが答えるより先に横の男が口を開いて、ジーノは隣を振り返った。銀髪で青い目、おまけに造作もいいので非常に目立つ顔をしているのだが、本人はそれを気にせず行動するので、見ているジーノのほうがはらはらしてしまう。何もしなくても人の目を集めるし、少しでも柔らかい表情を浮かべると周囲の女性が色めき立つ。
なお、今の顔は不機嫌でとても怖い。
「まず、魔王を封印しているペンダントをできるだけ早く王家に引き渡して、個人が持っているよりもっと強固に守りを固めてもらったほうがいいと思ってます」
レイのこの顔に怯まないロクトもすごい。あらぬ方向で感心しつつ、ジーノはロクトの言葉に頷いておいた。
ジーノは論外として、レイもロクトたちも強いが、個人でセスカのペンダントを守るのは限界があるだろう。金も兵士もたくさんある王家のようなところが持っていたほうが、魔物に魔王の魂を渡してしまう危険は低くなる。
「そこまでの道中の安全性をさらに高めるために、ジーノさんのお力を借りたいです」
「俺の……?」
「ジーノさんの嫌な予感、というのはかなり精度が高そうなので……王都まで同行いただけたら、魔物にペンダントを奪われる可能性がさらに低くなるかと」
つまり危機回避の手段として働けということか、とジーノは納得したのだが、隣から立ち上った気配にぎょっとした。
「こいつを利用する気か」
怒っている。レイが。なぜかわからないが。
「お、落ちつけって……別に俺は行ってもいいし……」
「本気か?」
「ほんとですか!?」
レイとロクトの二人に同時に聞かれ、たじろぎながらジーノは頷いた。
「王都って行ったことねぇし……」
「だからといって」
「ありがとうございます! ジーノさん!」
畳みかけるようなロクトをしばらく睨み、レイはため息をついて折れてくれた。
魔王の城からだと魔物の領域を野営で抜けて、さらにいくつかの町を経由してようやくたどり着くわけだが、王都に近いが故にどの街道を通ってもだいたいは到達できるような場所だ。
「……おっさん」
その街道沿いの町の一つ、ゼポルナの宿の食堂で昼食を取っていたジーノは、スプーンをくわえた瞬間に声をかけられて目を瞬くしかなかった。イサラの眉が吊り上がっている顔は何度も目にしているが、怒っているわけではない、という表情は珍しい。
「ル=ラアリエは知ってるわよね?」
まだ口に入れた分の料理が飲み込めていなかったので、首を縦に振って肯定しておく。ル=ラアリエは水の町とも呼ばれ、湖の上にあるという話だけはジーノも知っている。魔王城にいく道中では通らなかったから、訪れたことはない。
同じように食事をしていたロクトが先に口を開き、戻ってきたイサラとダルカザにも食事を勧めた。こういう宿の食堂はだいたい長テーブルにベンチが備えられていて、人数の融通が利きやすいように工夫されている。
「何かあったの?」
術符を買いに行きたいというイサラにダルカザが同行し、ついでに情報収集してきたようだ。ダルカザが店員に声をかけて二人分の食事を頼み、残って食事をしていたジーノたちと同じテーブルに着く。グリニアも一緒に出かけたのだが、彼女は神殿に向かったという。
「魔物が増えて、かなり混乱してるらしい」
以前からル=ラアリエのある湖には水棲の魔物が生息していて、他の町と同じように防衛のための冒険者を雇っていた。しかしここのところ魔物の動きが活発化しており、常駐の冒険者だけでは間に合わず、広く冒険者ギルドを通して退治依頼を出しているそうだ。
継続的な依頼となれば冒険者としても生活は安定するし、この機会にル=ラアリエに向かおうという人々がギルドに集まっていたのだという。
「……テジークにいた頃には、そんな話なかったと思うけど……」
「だからよ。ゼポルナ行きを選んだのは、おっさんでしょ?」
テジークは、ゼポルナとル=ラアリエのどちらに向かうか、ちょうど分岐点にあった町だ。どちらを経由してもモンテツェアラには到達するし、さほど大きな距離の差はない。ただ、多少は移動距離が短くなるのでル=ラアリエに向かおうとしたロクトたちを、ジーノが止めたのだった。
「嫌な感じはしたけど……さすがに知らねぇよ」
ル=ラアリエがそういう事態にあると、ジーノが知っていて止めたわけではない。ル=ラアリエに行くのは何かよくなさそうだと、それくらいの感覚だ。しかし今までその感覚に従った結果、危険な目に遭ったことはなかった。だから、今回もその通りにしたに過ぎない。
魔物が増えたことなど、知らない。
「……まあ、そうよね」
料理が運ばれてきて、イサラとダルカザも食事に手をつける。冒険者らしく量が多めで、ジーノは見ているだけで胃もたれしそうで目を逸らした。歳を取ると食えなくなる、というのは本当らしい。
「別におっさんが知ってて避けたとか思ってるわけじゃないわよ。ただ、ちょっと信じられなかっただけ」
嫌な予感がするからといって、それに従って道を変える人間というのは、そう多くない。ましてやロクトたちのパーティのようにある程度実力と経験があれば、無茶をする場面なのか慎重にすべき場面なのか、直感などに頼らず冷静に判断できるだろう。
戦う力をほとんど持たず、逃げることを念頭に置いているジーノとは、やり方からして違うのだ。
そんなものだろうとひっそりため息を漏らしたジーノの向かい側で、とんとん、とイサラが指でテーブルを叩いた。何かが吹き抜けるような感覚がしたので、周囲に何かしらの魔法をかけたのだとジーノにもわかる。
「内緒話か?」
「そこまで深刻じゃないわ。でも魔王の話なんて大っぴらにできないでしょ」
腰を浮かしかけたジーノに、イサラが食事を続けながら答える。
一応、パーティメンバーだけで話したいことだったら席を外すと伝えてはいるのだが、彼らはあまり気にしないらしい。席を立つ必要もなさそうなので、ジーノは大人しく食事に戻った。
「魔王の話って?」
「さっき戻ってくる途中でイサラとも話してたんだが……魔王は封印されてるってのに、魔物の活動が活発になることなんて、あるのかと思ってさ」
確かに、と首を捻るジーノの横で、レイは興味もなさそうにパンを口に放り込んでいる。表情があまり変わらず何を考えているかわからない男なのだが、言葉数も少なくますます意味がわからん、というのが最近のレイの印象だ。ただ静かに、しかし当然のようにジーノの傍にいる。
「……魔王がいない、から……?」
自分で自分に尋ねるように腕を組んだロクトに、イサラが視線を向ける。
「魔王がいないからって、どういうこと?」
「例えばだけど……リーダーがいないパーティって、うまく連携が取れないよね」
誰かが指示役として全員の動きを統括し、同じ魔物にばかり集中して別の魔物に攻撃される事態を防いだり、弱っている魔物を総攻撃して頭数を減らしたり、我の強い冒険者たちの中にもセオリーというものはある。身を守るためにも、効率的な戦い方をするためにも、リーダーというものは必要だ、という理解が積み重ねられてきた結果だ。
「魔物のほうも、魔王がいなければ統率は取れなくなる。だから今まで以上に……無差別な攻撃が増えるんじゃないか……?」
イサラが顔をしかめ、ダルカザは首を振ったが、ジーノは思わずレイを見た。答えを持っているわけもないだろうが、魔王の話題が出たときは何となくレイを見てしまう。
「何だ」
「いや……」
何を考えているかわからないが、レイは親切なほうの人間だと思う。ジーノがどうしようか悩んでいたり、困っていたりすると、必ず気がついて声をかけてくる。
ただ、頼っていいものかどうか、うまく言葉で説明できるかどうか、ジーノの準備が整っていないので断ってしまうことも多い。ありがたいと思っていることは伝えたほうがいいと思うが、いい年をしたおっさんがそういうことを言うのも照れくさくて、曖昧にしてしまっている。それで嫌がられないだろうかと妙に気にしてしまっているのも、居心地が悪かった。
「あら、皆さんお揃いですね」
追及されそうなところにグリニアが戻ってきて、ロクトの隣に腰を下ろした。店員に尋ねられて、飲み物だけを注文する。
「……おっさんじゃないけど、なんか嫌な予感するな」
「まあ、わかります?」
からからと楽しそうに笑ったグリニアに、ダルカザとイサラが引きつった笑みを浮かべるのが見えた。付き合いは短いが、こういうときにはろくでもない話が出てくるとジーノにもわかるようになってきている。
「各地の神殿から、ダンジョンから発生する魔物が増えているという報告が上がっているそうです」
「……それも魔王不在の影響……?」
「どういうことですか?」
仮説だけど、と前置きしたうえでロクトが改めてグリニアにも共有し、グリニアも少々渋い顔をした。
「魔王を倒せばすべてが良い方向に向かうと思っていましたけれど……甘かったようですね」
「まあ、すでにいるものが勝手に消えるわけもないしね……」
その元魔王だったレイは食事を終えて、ジーノの横で遠くを眺めている。ロクトたちに話しかけられれば応対はするのだが、基本的に協調性がないタイプらしい。
「ジーノさん、相談なんですけど」
「え、あ、俺?」
もっと親しみが持てるようにしたら、などと意識を逸らしていたところにロクトから話しかけられ、ジーノは戸惑って聞き返した。今の話の流れでジーノに用があるとは思えなかったので、ほとんど気を抜いてしまっていた。
「申し訳ないんですが、モンテツェアラより先に王都へ向かってもいいですか」
「……どういう意味だ」
ジーノが答えるより先に横の男が口を開いて、ジーノは隣を振り返った。銀髪で青い目、おまけに造作もいいので非常に目立つ顔をしているのだが、本人はそれを気にせず行動するので、見ているジーノのほうがはらはらしてしまう。何もしなくても人の目を集めるし、少しでも柔らかい表情を浮かべると周囲の女性が色めき立つ。
なお、今の顔は不機嫌でとても怖い。
「まず、魔王を封印しているペンダントをできるだけ早く王家に引き渡して、個人が持っているよりもっと強固に守りを固めてもらったほうがいいと思ってます」
レイのこの顔に怯まないロクトもすごい。あらぬ方向で感心しつつ、ジーノはロクトの言葉に頷いておいた。
ジーノは論外として、レイもロクトたちも強いが、個人でセスカのペンダントを守るのは限界があるだろう。金も兵士もたくさんある王家のようなところが持っていたほうが、魔物に魔王の魂を渡してしまう危険は低くなる。
「そこまでの道中の安全性をさらに高めるために、ジーノさんのお力を借りたいです」
「俺の……?」
「ジーノさんの嫌な予感、というのはかなり精度が高そうなので……王都まで同行いただけたら、魔物にペンダントを奪われる可能性がさらに低くなるかと」
つまり危機回避の手段として働けということか、とジーノは納得したのだが、隣から立ち上った気配にぎょっとした。
「こいつを利用する気か」
怒っている。レイが。なぜかわからないが。
「お、落ちつけって……別に俺は行ってもいいし……」
「本気か?」
「ほんとですか!?」
レイとロクトの二人に同時に聞かれ、たじろぎながらジーノは頷いた。
「王都って行ったことねぇし……」
「だからといって」
「ありがとうございます! ジーノさん!」
畳みかけるようなロクトをしばらく睨み、レイはため息をついて折れてくれた。
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