馬鹿犬は高嶺の花を諦めない

phyr

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犬牙、犬吠、その身に喰らえ

7-1

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 初めて抱かせてもらった時、最初にフェラをしてもらった。裏筋を舐め上げて、それから下に向かってキスを落としていく。師匠がしてくれたのと同じように、手と口で気持ちいいところを探して、師匠の反応を確かめる。確実によがってくれるところもあるけど、日によって反応が違うところもあるから、ちゃんと毎回確認した方が師匠を気持ち良く出来ると思う。

 少し息が荒くなったり、体が震えたりするところは特に入念に、堪えきれずに声が漏れるところは重点的に。

 先走りとか唾液とか、濡れててらてらと光るモノを咥えて、ゆるゆると唇で扱く。荒い息で、耐えようとするみたいに時折ぎゅっと爪先に力が入るのが可愛い。しばらくしてなかったから、下手になってるかもしれないとちょっと心配してた。イきそうになっているのがわかって、ちゃんと師匠を気持ち良く出来ていて嬉しい。

「クライヴ」

 名前を呼んだら、こっちを見てくれるのもいい。いつもと違う碧だけの瞳が、滲んだ視線を俺に向けてくれる。可愛い。

「飲んでいい?」

 顔を顰められた。どれくらいしてなかったのか知りたいから、確かめたい。たぶん濃いはずだし、師匠が出したものなら師匠の一部だから、全部俺のにしたい。イかせないように気を付けながら、指で師匠のモノの形をなぞる。

「ほしい」

 びくりと師匠の体が震えた気がする。伸ばしてきた手で頬に触れられた。指でくすぐるみたいな動きで、しょうがないなとでも言いたげに薄く笑ってるから、たぶんだめとは言われないはずだ。顔をずらして師匠の指を咥えて、からかってくる動きに合わせて舌を絡める。指先まで、全部ほしい。
 夢中で追い掛けていたら舌を摘ままれて、そのままちょっと引っ張られて変な声が出た。

「……好きにしろよ」

 言葉と一緒に指を離されたから、遠慮なく口に迎えて昂らせる。引き結んだ口のままくぐもった声で師匠が呻いて、熱い液体が流れ込んできた。飲み込んだ味に思わず唇を舐める。

 すげぇ濃い。

 荒い息で、緩みきった師匠の体が目の前にあると思うと、ぞくぞくする。

「声、我慢しないでほしい」

 師匠はいつも声を漏らさないようにしようとするから、そこがエロくもあるけど、感じてくれている声も、イく時の声も聞かせてほしい。元々師匠の声は好きだから、それが気持ちよさそうにしてくれたら絶対嬉しい。
 さっきのお返しに師匠の口に指を入れたら、れる、と柔らかく舌が動いた。フェラの時みたいに、師匠の舌が俺の指を舐めしゃぶる。確認するみたいに時々こっちを流し見てくるのも、やらしくて股間に来る。
 待て、ごまかされたらだめだ。

「声出すの、いや?」

 もったいないけど口から抜いて、濡れた指でもう一度師匠のモノを撫で上げる。浅い吐息を漏らして首を振った師匠が、視線を逸らして拗ねたような顔になった。

「ッ、れの、声、とか……萎える、だろ……っ」

 好きな人が出してる気持ちよさそうな声で、萎えるやつなんているのか。

 空いている手の指をまた師匠の口に突っ込んだ。抗議しようとする舌を指で捕まえて、反論を封じる。困惑して視線を向けてくる人のモノに絡めていた手を、そのままぐちぐちと上下に動かした。
 師匠が基本的には俺を傷付けないようにしてるのは、もうわかってる。師匠は俺の指を噛めないから、こうすれば口を閉じられない。

 口で言ってわからせるのは時間が掛かるから、体で教えた方がきっと早い。

 意味をなさない音を零しながら、師匠が自分のもので体を汚す。鍛えられた体が浅ましいものに塗れているのを見ると、ぞくぞくする。今すぐ俺のも混ぜたいくらい痛いけど、我慢して師匠に腰を押し付けた。師匠の体に当てただけでイきそうな気がするくらい、きつい。

「これ、萎えてるって言う?」
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