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大人への第一歩
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ひとしきりマチルダに叱られた後、私達は講堂に向かって歩き出した。
「アリス、ベニー…私、これからはアリス様、ベニー様とお呼びすることにしますわ。」
「マチルダ?どうしたの?急に。」
「様ぁ?今さらどうした?」
「我が家の爵位は伯爵ですから、本来ならばそう呼ばなくてはならいのです。ですが、アリスやリネンブルグ家の皆様、それにベニーもあまり気になさらないでしょう?それに甘えてきてしまいましたけど…外ではそうは行きませんもの。」
「マチルダ、そんなの私たちは気にしないわよ?」
「いや…俺達が良くても、他の奴等はマチルダの事を非常識な人間だと思うだろう。それはマチルダの家にも迷惑をかける事になる。もう俺達だけで済む話じゃないんだな。」
爵位による身分の差…分かってるつもりだったけれど、どこか私達には当てはまらないような気がしていた。
「私達はこれから外の世界に出て行くのです。学園はその第一歩…私達も大人にならなくては。」
「マチルダ…そうよね。分かったわ。少し寂しいけれど、マチルダが幼なじみである事はこれからも変わりないもの!」
「もちろんですわ!アリス様と私はずっとお友達ですもの!あっ、あとベニー様も。」
「おい!俺の扱い雑じゃないか?」
「そんなこと無いですわ。ベニー様は大事なお友達ですもの!あら…ベニー様ったら初日から目の下に隈がありますけれど、大丈夫ですか?夜更かしでもされました?」
「べっ別に…ちょっと準備してたら遅くなっただけだ!」
「ベニー?そんなに慌ててどうしたのよ?」
「何か怪しいですわ~ねぇ、アリス様?」
夜更かしの原因を知りながらなに食わぬ顔で訪ねる女、マチルダ…中々恐ろしい女である。
しかし、ベニーも黙ってやられる男ではない。
「なっ、何でもないって言ってんだろ!それより…そうだ!マチルダ…お前のその服どうした?完全に男受け狙ってるだろ?」
「ぐふっ!!べっ、別にいいでしょ!私はここで将来の旦那様を見つけるんだから!」
「ほんとだ!何やかんやで見えてなかったけど、マチルダの制服素敵~!マチルダのクールで大人な雰囲気に合ってるわ!」
スカートのプリーツは規定のよりも細かく入っていて、大人っぽいマチルダに似合っている。上着の袖には生地に馴染む色の糸で刺繍が派手すぎず、凝った作りになっていて品が良い。
髪型も左右の編み込みから、1つにした三つ編みを左に流している辺り、項チラ見せ効果を狙ってたいるわね!
流石マチルダ!
私もレオン様に項チラ見せした方が良いかしら?
「ありがとう!アリス様もとっても素敵ですわ~!アリス様の可愛らしさが際立つ仕立てですわ!」
「ありがとう!私も気に入ってるの!」
何とか夜更かしについての話題を逸らせたことに安堵するベニー。
「そろそろ、講堂着くぞ。アリスは新入生代表の挨拶があるんだろ?」
「そうでしたわね!アリス様の晴れ姿、しっかり拝見させて頂きますわ!」
「……………カチカチカチカチカチ(歯が鳴る音)」
「お前…まさか忘れてた訳じゃないだろうな。」
コクッ
「「っ!!!!」」
また忘れてたーーーーーーーーーーーー!!!!
「アリス、ベニー…私、これからはアリス様、ベニー様とお呼びすることにしますわ。」
「マチルダ?どうしたの?急に。」
「様ぁ?今さらどうした?」
「我が家の爵位は伯爵ですから、本来ならばそう呼ばなくてはならいのです。ですが、アリスやリネンブルグ家の皆様、それにベニーもあまり気になさらないでしょう?それに甘えてきてしまいましたけど…外ではそうは行きませんもの。」
「マチルダ、そんなの私たちは気にしないわよ?」
「いや…俺達が良くても、他の奴等はマチルダの事を非常識な人間だと思うだろう。それはマチルダの家にも迷惑をかける事になる。もう俺達だけで済む話じゃないんだな。」
爵位による身分の差…分かってるつもりだったけれど、どこか私達には当てはまらないような気がしていた。
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「マチルダ…そうよね。分かったわ。少し寂しいけれど、マチルダが幼なじみである事はこれからも変わりないもの!」
「もちろんですわ!アリス様と私はずっとお友達ですもの!あっ、あとベニー様も。」
「おい!俺の扱い雑じゃないか?」
「そんなこと無いですわ。ベニー様は大事なお友達ですもの!あら…ベニー様ったら初日から目の下に隈がありますけれど、大丈夫ですか?夜更かしでもされました?」
「べっ別に…ちょっと準備してたら遅くなっただけだ!」
「ベニー?そんなに慌ててどうしたのよ?」
「何か怪しいですわ~ねぇ、アリス様?」
夜更かしの原因を知りながらなに食わぬ顔で訪ねる女、マチルダ…中々恐ろしい女である。
しかし、ベニーも黙ってやられる男ではない。
「なっ、何でもないって言ってんだろ!それより…そうだ!マチルダ…お前のその服どうした?完全に男受け狙ってるだろ?」
「ぐふっ!!べっ、別にいいでしょ!私はここで将来の旦那様を見つけるんだから!」
「ほんとだ!何やかんやで見えてなかったけど、マチルダの制服素敵~!マチルダのクールで大人な雰囲気に合ってるわ!」
スカートのプリーツは規定のよりも細かく入っていて、大人っぽいマチルダに似合っている。上着の袖には生地に馴染む色の糸で刺繍が派手すぎず、凝った作りになっていて品が良い。
髪型も左右の編み込みから、1つにした三つ編みを左に流している辺り、項チラ見せ効果を狙ってたいるわね!
流石マチルダ!
私もレオン様に項チラ見せした方が良いかしら?
「ありがとう!アリス様もとっても素敵ですわ~!アリス様の可愛らしさが際立つ仕立てですわ!」
「ありがとう!私も気に入ってるの!」
何とか夜更かしについての話題を逸らせたことに安堵するベニー。
「そろそろ、講堂着くぞ。アリスは新入生代表の挨拶があるんだろ?」
「そうでしたわね!アリス様の晴れ姿、しっかり拝見させて頂きますわ!」
「……………カチカチカチカチカチ(歯が鳴る音)」
「お前…まさか忘れてた訳じゃないだろうな。」
コクッ
「「っ!!!!」」
また忘れてたーーーーーーーーーーーー!!!!
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