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オープニング
04.名無しの楽園
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少女の体はわずかにだが健康になりつつあった。
おそらく気分的なものだろうがそれでもいい。
苦しむことに比べたらこっちのほうがだいぶマシなのだ。
そんな楽しい気分で今日をむかえた。
「今日はなんだかいいことがありそう」
私はスマホを使い昨日夢見た場所を調べた。
ひとまず『草原』と検索。
出てくるのは草原の画像や、『草原とは』なんてことばかりだった。
私の見たいことはそんなことではない。
大きな草原に木が生えていて、川の向こうに山があり、それに沿って森ができていて風を感じることができいて……
一言で言うなら『自然の美しさ』とでも言うのだろうか?
今日もカーテンで外の景色が見られない。正直悲しい。
「どうして私は外の景色すら見られないのだろう?」
そしてはっと我に返り、
「いけないいけない、もっと楽しいこと考えないと」
なんて独り言を言ってみる。昨日の夢のせいかな?独り言が増えたみたいだ。
スマホで画像検索してみる。
だが昨日夢で見た景色は無いのだ。
「昨日見た景色はなんだったんだろう」
いろんなことを調べる。
子供の頭なのでたいしたことは調べられないが、おそらくここだなという場所を見つけた。
「何してるの?」
「うわぁ!!」
ルークがいつの間にか私の隣にいた!!
「驚いた?」
なんてにやけ顔。男の子だからか結構いたずら好きのようだ。
私はどきどきと鳴る心臓を気にしながらルークの問いに答えた
「う、うん」
「へへ、ノックしたって何にも返事もしてくれないから勝手に入っちゃったぜ」
あれ?ルークってこんな性格だったっけ?
そんな疑問が頭に出てくる。夢の中だともっと優しかったような気がするけど……
「そ、そう」
「んで、何見てたの?」
「えっとね、昨日夢で見た場所なんだけど」
そういって私はルークにスマホを見せた。
「これって『スイス』あたりの写真じゃない?」
「スイスなの?」
「……ちょっと待ってね」
ルークはスマホを取り出して真剣に探し始めた。
私はルークのスマホを除くとわずかに違うが夢で見た景色と同じ場所をであった。
「あ、それ……」
「ん?これ?」
そういうと私にとある画像を見せてくれた。
「ここは『ローゼンベルク』ってところかな」
「ローゼンベルク?」
聞いたことない場所だった
「うん」
「どんなところ?」
だが、いくら調べても分からなかった。出てくるのは似たような画像ばかりで大した情報は無かった。
「うーん、分からないや」
「そう……」
ちょっとがっくりする。まあそんなもんかとも思った。
「なんでスイスっておもったの?」
「そりゃあ……昔住んでいたからかなあ」
「へえ、スイス生まれなの?」
「そうだけど?っていうかこの病院には一緒に来たでしょ」
「え、一緒に?」
私は分からなくなった。私がルークと一緒にこの病院に来た?私にはそんな記憶は無いのだが……
「あれ、だったら私って何人なの?生まれた時からこの病院にいたわけじゃないの?」
「覚えてない?君のお父さんが僕と一緒にこの病院へ連れてきてもらったこととか。あと名前のこととか」
「……記憶が……無い」
「記憶が無いだって!?名前のこととか忘れちゃった?」
「名前って?何のこと?」
「この前先生に聞いたら言っていいて言われたから言うけど、君の名前は『コノハ』じゃなくて『カルシェ』っていうんだよ」
「カルシェ……それが私の名前だったの?」
「うん、そうだよ。前の札にも書かれていたと思うよ」
そういってルークは部屋の前にある私の名前が書かれている札をスマホで写真を取り、私にそれを見せた。
写真にはやはり『カルシェ』と書かれている札が写っていた。
「本当だ」
けど何故だか心にはあまり響かなかったんだ。大きな事を言われたのに、なんだろう。あ、そうとでもいえそうな気分だった。
「まあ、これは覚えていたのかな?」
あれ、だとしたら……
「『コノハ』って誰?」
ルークの喋りが止まった……
「どうして黙っているの?」
「ごめん、それはあんまり詳しく聞いてない。」
「そっかぁ、なんかごめんね。ルークと私は同い年なのにそんな重いことばかり聞いちゃって」
「いいよ、別に。にしてもカルシェは本当に僕より重い病気にかかったんだね」
「みたいだね。今でもたまにくる痛みさえなかったらいいんだけど」
「う~ん、やっぱりそこは難しいところだね。けどやっぱり同じ病気だから苦しみが良く分かるよ」
「あれ、だったらルークもあの夢よく見るの?」
「え、もしかして明晰夢のこと?」
「かな、たぶん」
「え、まじで!!」
「う、うん」
「だったらさ、試したいことがあるんだ」
ルークの目は輝いていた。
そして次の言葉に私は驚いた。
「今日の夜、夢で会おうよ」
おそらく気分的なものだろうがそれでもいい。
苦しむことに比べたらこっちのほうがだいぶマシなのだ。
そんな楽しい気分で今日をむかえた。
「今日はなんだかいいことがありそう」
私はスマホを使い昨日夢見た場所を調べた。
ひとまず『草原』と検索。
出てくるのは草原の画像や、『草原とは』なんてことばかりだった。
私の見たいことはそんなことではない。
大きな草原に木が生えていて、川の向こうに山があり、それに沿って森ができていて風を感じることができいて……
一言で言うなら『自然の美しさ』とでも言うのだろうか?
今日もカーテンで外の景色が見られない。正直悲しい。
「どうして私は外の景色すら見られないのだろう?」
そしてはっと我に返り、
「いけないいけない、もっと楽しいこと考えないと」
なんて独り言を言ってみる。昨日の夢のせいかな?独り言が増えたみたいだ。
スマホで画像検索してみる。
だが昨日夢で見た景色は無いのだ。
「昨日見た景色はなんだったんだろう」
いろんなことを調べる。
子供の頭なのでたいしたことは調べられないが、おそらくここだなという場所を見つけた。
「何してるの?」
「うわぁ!!」
ルークがいつの間にか私の隣にいた!!
「驚いた?」
なんてにやけ顔。男の子だからか結構いたずら好きのようだ。
私はどきどきと鳴る心臓を気にしながらルークの問いに答えた
「う、うん」
「へへ、ノックしたって何にも返事もしてくれないから勝手に入っちゃったぜ」
あれ?ルークってこんな性格だったっけ?
そんな疑問が頭に出てくる。夢の中だともっと優しかったような気がするけど……
「そ、そう」
「んで、何見てたの?」
「えっとね、昨日夢で見た場所なんだけど」
そういって私はルークにスマホを見せた。
「これって『スイス』あたりの写真じゃない?」
「スイスなの?」
「……ちょっと待ってね」
ルークはスマホを取り出して真剣に探し始めた。
私はルークのスマホを除くとわずかに違うが夢で見た景色と同じ場所をであった。
「あ、それ……」
「ん?これ?」
そういうと私にとある画像を見せてくれた。
「ここは『ローゼンベルク』ってところかな」
「ローゼンベルク?」
聞いたことない場所だった
「うん」
「どんなところ?」
だが、いくら調べても分からなかった。出てくるのは似たような画像ばかりで大した情報は無かった。
「うーん、分からないや」
「そう……」
ちょっとがっくりする。まあそんなもんかとも思った。
「なんでスイスっておもったの?」
「そりゃあ……昔住んでいたからかなあ」
「へえ、スイス生まれなの?」
「そうだけど?っていうかこの病院には一緒に来たでしょ」
「え、一緒に?」
私は分からなくなった。私がルークと一緒にこの病院に来た?私にはそんな記憶は無いのだが……
「あれ、だったら私って何人なの?生まれた時からこの病院にいたわけじゃないの?」
「覚えてない?君のお父さんが僕と一緒にこの病院へ連れてきてもらったこととか。あと名前のこととか」
「……記憶が……無い」
「記憶が無いだって!?名前のこととか忘れちゃった?」
「名前って?何のこと?」
「この前先生に聞いたら言っていいて言われたから言うけど、君の名前は『コノハ』じゃなくて『カルシェ』っていうんだよ」
「カルシェ……それが私の名前だったの?」
「うん、そうだよ。前の札にも書かれていたと思うよ」
そういってルークは部屋の前にある私の名前が書かれている札をスマホで写真を取り、私にそれを見せた。
写真にはやはり『カルシェ』と書かれている札が写っていた。
「本当だ」
けど何故だか心にはあまり響かなかったんだ。大きな事を言われたのに、なんだろう。あ、そうとでもいえそうな気分だった。
「まあ、これは覚えていたのかな?」
あれ、だとしたら……
「『コノハ』って誰?」
ルークの喋りが止まった……
「どうして黙っているの?」
「ごめん、それはあんまり詳しく聞いてない。」
「そっかぁ、なんかごめんね。ルークと私は同い年なのにそんな重いことばかり聞いちゃって」
「いいよ、別に。にしてもカルシェは本当に僕より重い病気にかかったんだね」
「みたいだね。今でもたまにくる痛みさえなかったらいいんだけど」
「う~ん、やっぱりそこは難しいところだね。けどやっぱり同じ病気だから苦しみが良く分かるよ」
「あれ、だったらルークもあの夢よく見るの?」
「え、もしかして明晰夢のこと?」
「かな、たぶん」
「え、まじで!!」
「う、うん」
「だったらさ、試したいことがあるんだ」
ルークの目は輝いていた。
そして次の言葉に私は驚いた。
「今日の夜、夢で会おうよ」
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