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オープニング
05.夢の国へ
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「本当に会えるんだね」
夢の中だと気持ちが楽になっていた。
「確証は無かったけど、やってみるもんだね」
私たちがいるのは夢の中だ。確かに夢の中であった。
「ところで、夢の中で会えたのはすごいけどこれからどうするの?」
「そうだなあ、やっぱおいしいものとか食べたいなあ」
「そうだよね、ルークは何食べたいの?」
「ぼくはそうだなあ、お菓子とかたくさん食べたいな」
「お菓子?」
カルシェはお菓子というものを知らなかった。まあ、体のためには仕方ないよねと自分に言い聞かせる。
「うん、チョコとかグミとかいろいろあるよ。カルシェも食べる?」
「いいの?」
「いいよ、ていうか夢の中なんだからたくさん食べられるよ」
「そっか、夢の中だから何でもできるんだね」
そんな会話をしながらルークが私にチョコと呼ばれているものを渡してきた。
チョコを生まれてはじめて手に取りわずかな冷たさを感じる。そしてじんわりと自分の指の熱さがチョコに伝わり少しずつ溶けているのが分かった。
「何してるの?」
チョコを手に取っている私は食べずにずっとチョコを見ていた。他の人から見たらずっと食べ物を食べずに見ているのでおかしく思えたのだろう。
私は固そうなこのチョコというものをかんでみた。
「すごい硬いんだけど」
チョコには歯形すら付かなかった。
「たぶん硬いって思ってるから硬いんだと思うよ。ほら見てみてよ」
そういってルークは私にチョコを食べる姿を見せつけた。私はそれを見てチョコをかじってみた。
「おいしい」
口の中に甘さが広がる。カルシェにとって今まで体験したこと無い甘さであった。
私はさらにチョコを食べる。私は笑顔になった。
ああ、なんて幸せなんだろう。
私はなんとチョコを数秒で食べてしまった。
「すごい元気だね」
ルークはいう。まあ、そりゃあそうか。ルークは私が元気よく行動するところを見たことがない。それは私自身にも言えることだ。
「うん、あんまりにも美味しくって」
そんな時間がすぎる。
体感時間では数時間経過したぐらい。
「そういえば、今朝あたりで言ってた景色て覚えてる?」
「ああ、そういえば。……なんとなくなら覚えてるよ」
「じゃあさ、ちょっとその場所を鮮明に思い出してみてよ」
「う、うん。やってみるね」
私は祈るように考えた。あの私が体験したことがなかったあの自然。風に揺れる草原に、大きな山、それに沿う森あって、大きな川が……
そんなことを考えていると世界が変わっていく。カルシェを中心として草原が生まれ、広がっていく。空も昼間のように青くなった。
「すごい、こんなふうになってるんだ」
私は目を開ける。するとカルシェの思っていた通りの世界が広がっていた。
「何か足りない」
私はそう思わざるを得なかった。そしてすぐに分かった。
「わっ」
ルークが驚く。そして私にもあの風がきた。
「そう、これ」
今の世界はまさに昨日夢見た通りだった。
「ねえ、なんかこの景色見たことない?」
「え?」
「なんか昔のことなんだけど……」
ルークは私の予想もしなかったことを言った
夢の中だと気持ちが楽になっていた。
「確証は無かったけど、やってみるもんだね」
私たちがいるのは夢の中だ。確かに夢の中であった。
「ところで、夢の中で会えたのはすごいけどこれからどうするの?」
「そうだなあ、やっぱおいしいものとか食べたいなあ」
「そうだよね、ルークは何食べたいの?」
「ぼくはそうだなあ、お菓子とかたくさん食べたいな」
「お菓子?」
カルシェはお菓子というものを知らなかった。まあ、体のためには仕方ないよねと自分に言い聞かせる。
「うん、チョコとかグミとかいろいろあるよ。カルシェも食べる?」
「いいの?」
「いいよ、ていうか夢の中なんだからたくさん食べられるよ」
「そっか、夢の中だから何でもできるんだね」
そんな会話をしながらルークが私にチョコと呼ばれているものを渡してきた。
チョコを生まれてはじめて手に取りわずかな冷たさを感じる。そしてじんわりと自分の指の熱さがチョコに伝わり少しずつ溶けているのが分かった。
「何してるの?」
チョコを手に取っている私は食べずにずっとチョコを見ていた。他の人から見たらずっと食べ物を食べずに見ているのでおかしく思えたのだろう。
私は固そうなこのチョコというものをかんでみた。
「すごい硬いんだけど」
チョコには歯形すら付かなかった。
「たぶん硬いって思ってるから硬いんだと思うよ。ほら見てみてよ」
そういってルークは私にチョコを食べる姿を見せつけた。私はそれを見てチョコをかじってみた。
「おいしい」
口の中に甘さが広がる。カルシェにとって今まで体験したこと無い甘さであった。
私はさらにチョコを食べる。私は笑顔になった。
ああ、なんて幸せなんだろう。
私はなんとチョコを数秒で食べてしまった。
「すごい元気だね」
ルークはいう。まあ、そりゃあそうか。ルークは私が元気よく行動するところを見たことがない。それは私自身にも言えることだ。
「うん、あんまりにも美味しくって」
そんな時間がすぎる。
体感時間では数時間経過したぐらい。
「そういえば、今朝あたりで言ってた景色て覚えてる?」
「ああ、そういえば。……なんとなくなら覚えてるよ」
「じゃあさ、ちょっとその場所を鮮明に思い出してみてよ」
「う、うん。やってみるね」
私は祈るように考えた。あの私が体験したことがなかったあの自然。風に揺れる草原に、大きな山、それに沿う森あって、大きな川が……
そんなことを考えていると世界が変わっていく。カルシェを中心として草原が生まれ、広がっていく。空も昼間のように青くなった。
「すごい、こんなふうになってるんだ」
私は目を開ける。するとカルシェの思っていた通りの世界が広がっていた。
「何か足りない」
私はそう思わざるを得なかった。そしてすぐに分かった。
「わっ」
ルークが驚く。そして私にもあの風がきた。
「そう、これ」
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「ねえ、なんかこの景色見たことない?」
「え?」
「なんか昔のことなんだけど……」
ルークは私の予想もしなかったことを言った
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