アルザカリア

pizzeman

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21.裏夜

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 だとしたらどうしようか。このままカリアを連れ戻そうとしても昨日のように無理やり帰らせられることだろう。それに私はカリアに会わなければならない理由がもう一つできてしまった。それはアルザカリアの本だ。私の日記だ。それをなんとしても取り返さなければならない。

 いつしか少女は怯えよりも怒りを持ち、知識と光を手に闇へと進んでいく。

 そんなアルザは扉を開けた途端に消えてしまった。ほとんど勢いで地下に来たのだから冷静になった瞬間に元の心になる。だが三度目だ、通り道は覚えている。

「今度はもう迷わないように……ね」

 いつの間にか手から本が消え、いつしか望んだように母と名乗る姿に変わっていた。あの時もこうしてわからない道を教えてくれたものだ。苦笑してしまう。もう現実に存在しない人間だと知っているにもかかわらずまたこうして会えることができたのだから。

「うん」

 アルザは地下へとまた入っていった。今度こそ。

 カンテラから導かれていく光は道しるべを照らしていく。たとえ一度通った道であろうと完璧に覚えているわけがない。母に何度も道を修正され昨日見た場所にたどり着いた。ちょうどカリアが私を眠らせた場所だ。部屋をのぞくと随分と荒れ果てていて扉を開けるだけで中に入ることをやめた。

「カリア、私はここだよ。また来たよ。帰したいんでしょ? 早く出てきてよ!」

 アルザは闇に向かって大声を出す。頭を押さえながら、それでも前を向いて言う。誰の気配もしない。むなしい声はどこにも届かなかった。

「アルザ、カリアちゃんはもっと奥にいると思うわ」

「なんでそんなことが分かるの?」

「……さあなんででしょうね」

 そういってアルザに見せるのは嘘と読んだことある笑顔。私は無性に腹が立ってきた。

「本当は分かっているくせに、よくもそんな笑顔で分からないと言いたげに言うの?」

 突然の怒りに母の表情は氷つく。
 ああ、読んだ通り。文章通り、嘘はつかない本はありがたい。
 母の目から見える私はきっと感情通りの表情をしているんだ。

「あなたがわかっているのはこの地下による情報と作られたと知らない過去。でもそれに辻褄合わせるようなものがない」

 だがアルザよりも年上の母は、仏頂面に変え言葉を淡々と出し始める。

「そうよ。私はそれに肯定するわ。でもそれが何がだめっていうのかしら。貴方が私に理不尽に怒っていい理由にはならないわ」

「うるさい、私は本を利用するの。利用されたくない」

 そう吐き捨て、カンテラを持ち一人でさらに億深くへ進んでいく。
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