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pizzeman

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いつかの選択

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『明日、君は死ぬよ』

 突然、スマホに文字が表示された。

何のことだろう。ウイルスかな?後でお父さんに聞かなきゃ。

 私は薄暗い世界で学生服に身を包み、教科書がたくさん入っている重たい鞄を持ちながら通学路を歩いている。今日は歩きスマホをやめて真っすぐに前を向いて歩いた。何も変わらないはず。みんないつも通りの行動をしている。

 道端でカラスの死骸が落ちていた。頭からは骨が見えていた、車にぶつかったのだろう。死骸からは煙が少しずつ出ていた。その煙は異様に黒く、空に、どんなに高いところへ行っても消えることなんてなかった。

「朝から嫌なものを見ちゃった。早く学校に行こう」

 周りの目を気にせずに私は学校に向かって走り出した。教室にはわずか数人しか席に座っていなかった。適当に挨拶をしスマホを触り始める。朝、スマホで表示された文字について検索をした。すぐにわかった。その正体は今、ニュースでも噂になっている殺人事件だ。全ての共通点は煙。ただそれだけだ。
 私は家に帰ってもスマホに夢中になって検索をしていた。事実だと思っていなかったから、私には関係のないと思っていたから。その日はあまり寝付けなかった。心が興奮しているようで、明日は特別になりそうで恐怖と楽しみが私を支配していた。

『本日、あなたを殺しに行きます』

 明日になった瞬間にスマホが鳴り始める。その音と同時に私は目覚めた。突然着信音が鳴り、電話かと思ったが画面は変わらなかった。たまらずスマホの電源を落とすがまだ着信音が鳴り続ける。

「お父さん、スマホのことなんだけど……」

 家の中には家族の姿がなかった。私は気づいた、ほんとうに殺されてしまうんだと。一応着替えて外に飛び出した。あのまま家にいたのでは殺されてしまう。私はそう思ったのだ。

 カラスの死骸を横切ろうとしたがふと気になったので止まって確認する。確認するものは煙だ。昨日調べて分かったのはその日殺されたものから煙が出るらしい。

 カラスの死骸には煙が出ていなかった。暗いせいなのかわからなかった、だが私からは出ていないように感じた。
着信音が止まらないスマホを投げ捨てその場から去った。誰かが私の後ろにいるようだ。

「誰?」

 声を出すが誰もいない。とうとう学校まで来てしまった。だが私にとっては見慣れている場所でありだれが近づいてくるのかとても分かりやすかった。

「そこにいるのは誰?いるのは分かっているから出てきてよ」

 世界は黒くなる。まるで煙に包まれていくようだ。世界は日差しを浴びてその姿を露にする。

 今日、私は死んだ。黒い煙を上げながら。
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