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第一章
聴啞の騎士と盲目の少女
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リンリンと鈴を鳴らしドイルが帰って来た
ドイルは「こちらへどうぞ」と風呂に入るよう促している
礼を言いつつトーマは風呂に入る
みんなと話をすり合わせて、まずは風呂に交代で入り食事はその後ゆっくりという感じに決まった
――今日はたしかにいっぱい汚れてるからサッパリしたいよなぁ~たぶん体に粘液みたいなのも付いてるだろうし………虫も苦手なオレがこんな粘液付けて平気で半日以上過ごすなんて、アースにいた頃からすれば考えられない……虫系の魔物出て来たらどうしよう、エリィがドン引きするかも……ひっ!虫!、トーマくん虫ダメ何ですか?、うんちょっと苦手かな、男の子なのにカッコ悪いです!、えっ!そんな……エリィ……、知りません!ぷいっ……ぷいって、でも可愛いかも……――
風呂は異世界でも一般的な風呂桶で特に新鮮さは無いが、普段から風呂につかることは無かったトーマにとってはこれだけでも十分に幸せを感じている
――こんなにお世話になって、はい「さよなら」って出来ないな~「呪い」なら解けるんじゃないかな?なんとかしてあげれればいいけど……特に「解呪魔法」なんて使えるわけもないし、相談しようにもドイルさんは喋れないし……この村の呪いを解く方法さえ分かれば……後でエリィに相談してみようかな?――
トーマがまずは風呂に入りドイルの後にエリィとサラは一緒に入った
――料理に引き続き風呂も一緒とはすっかり仲良くなって、はぁ、心なしかドイルさんも二人を微笑ましく見てるよ……オレも今、ドイルさん!あなたと同じ気持ちですよ!……こんなに打ち解けてるなら食事の後に「呪い」について聞いてみるか!ドイルさんは喋れないからサラちゃんがいた方がいいしな――
風呂上がりに四人はテーブルを囲んだ、ラビスでの家庭料理を初めて見るトーマは興奮気味に料理の品々を眺めている
――おお、普段コンビニ弁当しか食べてなかったから、このふわって香る出来ての料理はたまらん!エリィは料理も出来るのか……料理も出来て可愛いくて優しくて、治癒魔法使えて……オレは……おカネ無くてロン毛で「炎」も出せない……オレにはいったい何が出来るの?――
トーマは料理の品々に興奮してテーブルを乗り出して見る
「エリィさんと頑張ったよ!」
「上手く出来たか自信は無いですがサラちゃんとお料理出来て楽しかったです」
――ああ…エリィ…サラちゃんと二人でこぶしグッとするやつ可愛い~な~…女の子がこぶしグッとするのいいんだよな~……本人に言って気持ち悪いって言われたら立ち直れないから言わないでおこう――
エリィを見ると、スーツケースに入っていたのかベージュのワンピースを着ている
――ゴクリ……エリィ湯上がりバージョン……女子の湯上がりは修学旅行に参加しなかったオレには初めての体験、くっ!眩しくて直視出来ない!見るんだトーマ!見るともなく全体を見るんだ!俯瞰しろ!オレの視点を「イーグルアイ」に!トーマ!お前は「ラビストリップ」したんだぞ!――
エリィは露出少な目でストンと体のラインが出ない、着ている感じが楽そうで袖と襟と裾には白のフリフリが付いてる服を着ている
――ふぅ……確認完了!これでオレはまた一つ能力を得たのか……しかも女の子と一緒に食事するのも初めて……ん?オレって女の子と食事もしたことなかったのか?……いや普通はまだないよな……ないよね――
食卓を囲むような経験が少ないトーマは噛みしめながら食事をするのだった
楽しい食事も終わり、団欒の中トーマはサラとドイルに質問することにした
「失礼だけど、サラちゃんはどうして村のみんなより目が見えないの?村の人達はうっすら見えていたみたいだけど……言いにくいなら無理はしなくていいよ……」
トーマはなるべく優しく尋ねてみた
「……う~ん……それがわかんないだよね~六歳の時お父さんがお仕事であまり家にいなかったから、お母さんに内緒で「カリヨンの森」に一人で遊びに行ってたの、何度か遊びに行ってるうちに急に目がぼやけてきちゃって……」
――つまり六年くらい前ってことか……――
「でも村のみんなは一年くらい前に一斉にあんな感じになっちゃたんだ……お父さんはその後お仕事辞めて帰って来てくれたの、だから今お父さんがカリヨンの森を調査してくれてるんだよ……最初は生活するのも大変だったけどもう慣れちゃった」
サラは笑顔で答えてくれる
――お母さんは居なさそうだけど……――
「そうなんだ……お母さんって今は……」
トーマは慎重に聞いてみる
「うん……村のみんなの目が悪くなる少し前に魔獣に殺されたの……わたしのせいなんだ……わたしが「ヴィー」に会いに森に行っちゃたから……」
「「――っ」」
サラは涙を流して震えた声で答えた、ドイルはそっと背中をさすってあげている
「ごッゴメン!サラちゃん…思い出させちゃったみたいで」
トーマとエリィも慌てて謝罪した
「いいんです……今はお父さんも帰って来てくれたし…」
サラは笑顔を作り直し、気丈に振る舞う
「でもお父さんは凄いんだよ!グリディア王国の第八騎士団!「英雄ドイル」なんだから!あの「戦鬼ガランド」と一緒に帝国と戦ったんだよ!」
サラは腰に手を当て胸を張った
「「えっ」」
――騎士団ってめっちゃカッコいい――
「凄い!英雄~!カッコいい~どうりで……めちゃくちゃ強そうだもん」
トーマは憧れの眼差しでドイルを見つめていたが隣のエリィは少し浮かない顔をしてたことが気になった
――という事はドイルさんは目の不自由な娘のサラちゃんのために騎士を辞めて「呪いを解く」ためにカリヨンの森に行ってるんだ……だったらオレも役に立てるかも――
「ドイルさんはサラちゃんと村の状態の原因がカリヨンの森にあることを何か知ってるんですね?」
「……」
ドイルは腕を組み目を閉じている
「原因はおそらく「ネクロシープ」という魔獣でしょう」
エリィが真剣な表情で言う
「魔獣の中には稀に「呪い」を使う者がいます……「言語」を使う者もいるそうです、魔獣は狡猾な者もいるのでドイルさんが探しても姿を見せないかもしれませんね……ネクロシープは群れている時もあると聞いたことがありますので特に危険です……ただ「ネクロシープの進化前」は魔物の部類なんですがフラッディークほど厄介ではないらしいですよ」
――アーティファクトを使えば――
エリィはトーマと目を合わせるとお互い同時に頷いた
「もしかしたらオレ達協力出来るかも……です、オレなら弱いから警戒されないし……魔物が寄って来ちゃうんですよ、何故か」
トーマはエリィを見て、エリィは頷く
「そういう体質みたいで……あと魔物の気配がわかるっていうかゾクゾクってするっていうか」
トーマは「アーティファクト」を使って魔物を引き付けて「呪いの原因」である魔獣を探せると考えた
もちろんエリィの許可がいるがエリィならここまで言えば分かってくれると思ったのだ
「……」
ドイルは目を閉じて動かない
「それは危ないよ!トーマお兄ちゃん!死んじゃうかもしれないんだよ!魔獣だよ!」
サラは必死に止めさせようとする
「……なんか役に立ちたいんだ……オレ前までただ生きてるだけだったから……真剣に生きたいんだ!」
トーマは立ち上がって目を閉じているドイルのほうをしっかり見つめる
「だから、ドイルさんとエリィにお願いがあるんだ……「三日間」欲しい……エリィもやるべきことがあると思う……すぐにでも行動したほうがいいのは分かってるんだけどオレは弱いから……ドイルさん……ドイルさんに武器の使い方を教えて欲しい!」
トーマはエリィの「務め」を理解した上でお願いしている
これは「三日間」エリィも拘束してしまうことが大前提で「アーティファクト」ありきでの作戦なので三日間というのはトーマの完全なワガママだ
はっきり言って戦いの素人が三日間で何が出来るのかと、トーマはわかっていたがエリィの「務め」の事やラビスに来ての「体の変化」がトーマの中でこの三日間という期間だった、三日あれば何とかなると感じる
トーマはエリィとドイルに深く頭を下げて返事を待つ
「トーマくん、わたしもそれがいいと思っています!サラちゃんとこの村をこのまま放って置くなんて出来ません……わたしからもよろしくお願いします」
エリィも立ち上がり頭を下げた
「…………」
ドイルは少し考えて立ち上がり手を差し出した
「「――っ」」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
トーマとエリィは目を合わせて破顔しドイルの手を取った
「トーマお兄ちゃん…エリィお姉ちゃん…ありがとう……出会ってそんなに経ってないのに」
サラはそんな二人に感謝して手探りで二人の手を取った
「それに……あと三日も一緒に居れるんだね」
サラの笑顔はトーマの闘志に火をつけた
ドイルは「こちらへどうぞ」と風呂に入るよう促している
礼を言いつつトーマは風呂に入る
みんなと話をすり合わせて、まずは風呂に交代で入り食事はその後ゆっくりという感じに決まった
――今日はたしかにいっぱい汚れてるからサッパリしたいよなぁ~たぶん体に粘液みたいなのも付いてるだろうし………虫も苦手なオレがこんな粘液付けて平気で半日以上過ごすなんて、アースにいた頃からすれば考えられない……虫系の魔物出て来たらどうしよう、エリィがドン引きするかも……ひっ!虫!、トーマくん虫ダメ何ですか?、うんちょっと苦手かな、男の子なのにカッコ悪いです!、えっ!そんな……エリィ……、知りません!ぷいっ……ぷいって、でも可愛いかも……――
風呂は異世界でも一般的な風呂桶で特に新鮮さは無いが、普段から風呂につかることは無かったトーマにとってはこれだけでも十分に幸せを感じている
――こんなにお世話になって、はい「さよなら」って出来ないな~「呪い」なら解けるんじゃないかな?なんとかしてあげれればいいけど……特に「解呪魔法」なんて使えるわけもないし、相談しようにもドイルさんは喋れないし……この村の呪いを解く方法さえ分かれば……後でエリィに相談してみようかな?――
トーマがまずは風呂に入りドイルの後にエリィとサラは一緒に入った
――料理に引き続き風呂も一緒とはすっかり仲良くなって、はぁ、心なしかドイルさんも二人を微笑ましく見てるよ……オレも今、ドイルさん!あなたと同じ気持ちですよ!……こんなに打ち解けてるなら食事の後に「呪い」について聞いてみるか!ドイルさんは喋れないからサラちゃんがいた方がいいしな――
風呂上がりに四人はテーブルを囲んだ、ラビスでの家庭料理を初めて見るトーマは興奮気味に料理の品々を眺めている
――おお、普段コンビニ弁当しか食べてなかったから、このふわって香る出来ての料理はたまらん!エリィは料理も出来るのか……料理も出来て可愛いくて優しくて、治癒魔法使えて……オレは……おカネ無くてロン毛で「炎」も出せない……オレにはいったい何が出来るの?――
トーマは料理の品々に興奮してテーブルを乗り出して見る
「エリィさんと頑張ったよ!」
「上手く出来たか自信は無いですがサラちゃんとお料理出来て楽しかったです」
――ああ…エリィ…サラちゃんと二人でこぶしグッとするやつ可愛い~な~…女の子がこぶしグッとするのいいんだよな~……本人に言って気持ち悪いって言われたら立ち直れないから言わないでおこう――
エリィを見ると、スーツケースに入っていたのかベージュのワンピースを着ている
――ゴクリ……エリィ湯上がりバージョン……女子の湯上がりは修学旅行に参加しなかったオレには初めての体験、くっ!眩しくて直視出来ない!見るんだトーマ!見るともなく全体を見るんだ!俯瞰しろ!オレの視点を「イーグルアイ」に!トーマ!お前は「ラビストリップ」したんだぞ!――
エリィは露出少な目でストンと体のラインが出ない、着ている感じが楽そうで袖と襟と裾には白のフリフリが付いてる服を着ている
――ふぅ……確認完了!これでオレはまた一つ能力を得たのか……しかも女の子と一緒に食事するのも初めて……ん?オレって女の子と食事もしたことなかったのか?……いや普通はまだないよな……ないよね――
食卓を囲むような経験が少ないトーマは噛みしめながら食事をするのだった
楽しい食事も終わり、団欒の中トーマはサラとドイルに質問することにした
「失礼だけど、サラちゃんはどうして村のみんなより目が見えないの?村の人達はうっすら見えていたみたいだけど……言いにくいなら無理はしなくていいよ……」
トーマはなるべく優しく尋ねてみた
「……う~ん……それがわかんないだよね~六歳の時お父さんがお仕事であまり家にいなかったから、お母さんに内緒で「カリヨンの森」に一人で遊びに行ってたの、何度か遊びに行ってるうちに急に目がぼやけてきちゃって……」
――つまり六年くらい前ってことか……――
「でも村のみんなは一年くらい前に一斉にあんな感じになっちゃたんだ……お父さんはその後お仕事辞めて帰って来てくれたの、だから今お父さんがカリヨンの森を調査してくれてるんだよ……最初は生活するのも大変だったけどもう慣れちゃった」
サラは笑顔で答えてくれる
――お母さんは居なさそうだけど……――
「そうなんだ……お母さんって今は……」
トーマは慎重に聞いてみる
「うん……村のみんなの目が悪くなる少し前に魔獣に殺されたの……わたしのせいなんだ……わたしが「ヴィー」に会いに森に行っちゃたから……」
「「――っ」」
サラは涙を流して震えた声で答えた、ドイルはそっと背中をさすってあげている
「ごッゴメン!サラちゃん…思い出させちゃったみたいで」
トーマとエリィも慌てて謝罪した
「いいんです……今はお父さんも帰って来てくれたし…」
サラは笑顔を作り直し、気丈に振る舞う
「でもお父さんは凄いんだよ!グリディア王国の第八騎士団!「英雄ドイル」なんだから!あの「戦鬼ガランド」と一緒に帝国と戦ったんだよ!」
サラは腰に手を当て胸を張った
「「えっ」」
――騎士団ってめっちゃカッコいい――
「凄い!英雄~!カッコいい~どうりで……めちゃくちゃ強そうだもん」
トーマは憧れの眼差しでドイルを見つめていたが隣のエリィは少し浮かない顔をしてたことが気になった
――という事はドイルさんは目の不自由な娘のサラちゃんのために騎士を辞めて「呪いを解く」ためにカリヨンの森に行ってるんだ……だったらオレも役に立てるかも――
「ドイルさんはサラちゃんと村の状態の原因がカリヨンの森にあることを何か知ってるんですね?」
「……」
ドイルは腕を組み目を閉じている
「原因はおそらく「ネクロシープ」という魔獣でしょう」
エリィが真剣な表情で言う
「魔獣の中には稀に「呪い」を使う者がいます……「言語」を使う者もいるそうです、魔獣は狡猾な者もいるのでドイルさんが探しても姿を見せないかもしれませんね……ネクロシープは群れている時もあると聞いたことがありますので特に危険です……ただ「ネクロシープの進化前」は魔物の部類なんですがフラッディークほど厄介ではないらしいですよ」
――アーティファクトを使えば――
エリィはトーマと目を合わせるとお互い同時に頷いた
「もしかしたらオレ達協力出来るかも……です、オレなら弱いから警戒されないし……魔物が寄って来ちゃうんですよ、何故か」
トーマはエリィを見て、エリィは頷く
「そういう体質みたいで……あと魔物の気配がわかるっていうかゾクゾクってするっていうか」
トーマは「アーティファクト」を使って魔物を引き付けて「呪いの原因」である魔獣を探せると考えた
もちろんエリィの許可がいるがエリィならここまで言えば分かってくれると思ったのだ
「……」
ドイルは目を閉じて動かない
「それは危ないよ!トーマお兄ちゃん!死んじゃうかもしれないんだよ!魔獣だよ!」
サラは必死に止めさせようとする
「……なんか役に立ちたいんだ……オレ前までただ生きてるだけだったから……真剣に生きたいんだ!」
トーマは立ち上がって目を閉じているドイルのほうをしっかり見つめる
「だから、ドイルさんとエリィにお願いがあるんだ……「三日間」欲しい……エリィもやるべきことがあると思う……すぐにでも行動したほうがいいのは分かってるんだけどオレは弱いから……ドイルさん……ドイルさんに武器の使い方を教えて欲しい!」
トーマはエリィの「務め」を理解した上でお願いしている
これは「三日間」エリィも拘束してしまうことが大前提で「アーティファクト」ありきでの作戦なので三日間というのはトーマの完全なワガママだ
はっきり言って戦いの素人が三日間で何が出来るのかと、トーマはわかっていたがエリィの「務め」の事やラビスに来ての「体の変化」がトーマの中でこの三日間という期間だった、三日あれば何とかなると感じる
トーマはエリィとドイルに深く頭を下げて返事を待つ
「トーマくん、わたしもそれがいいと思っています!サラちゃんとこの村をこのまま放って置くなんて出来ません……わたしからもよろしくお願いします」
エリィも立ち上がり頭を下げた
「…………」
ドイルは少し考えて立ち上がり手を差し出した
「「――っ」」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
トーマとエリィは目を合わせて破顔しドイルの手を取った
「トーマお兄ちゃん…エリィお姉ちゃん…ありがとう……出会ってそんなに経ってないのに」
サラはそんな二人に感謝して手探りで二人の手を取った
「それに……あと三日も一緒に居れるんだね」
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