LABIS TRIP〜ラビストリップ〜異世界啓発冒険譚

ろきそダあきね

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第一章

聴啞の騎士と盲目の少女⑥

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 ドイルは凄まじい速さで村に戻ると村のみんなの様子がおかしい事に気付く
 ほぼ全員が家の外に出て来ているが明らかに動揺している

 ――なんだと、皆まったく見えていないのか!――

 呪いのチカラが強まっている
ドイルはそう気づきサラの元に辿り着くと意識を失ったサラを魔獣が抱き抱えている

「サラハ、ボクノモノダ」

先程の魔獣だが声色こわいろが少年のような声を出す
 
「………」

 ――こいつ、サラが小さい頃に森で会ってたという「ヴィー」という奴か……「ヴィー」はやはり人間ではなかったか……まさか「ネクロシープ」だったとは……つまりサラへの執着がこの「呪い」を生んでいるのか――

 ドイルは「ヴィー」と言う存在にある程度当たりを付けていた、そしてこれで確信する

「サラトボクノジャマスルモノハゼンインコロス!」

英雄ドイルvs魔獣ネクロシープ

 ネクロシープはサラを大事そうに地面に降ろすとすぐさま攻撃する!

「ダークレイ!」

黒い光線がドイルを襲う!

 ドイルは体内の魔力を大剣にまとわせ魔法を弾く!
 一気に詰める!

ネクロシープの剛腕をけて大剣を打ち上げる!
 凄まじい剣圧とともにネクロシープの腕が飛ぶ!
大きな奇声をあげ叫ぶ

「ダークネスフィールド!」
ネクロシープはたまらず闇魔法で撹乱かくらんさせる
 
気配は遮断されドイルに近付くネクロシープは渾身の一撃を横腹に突き刺す!
 
鈍い音とともにドイルの横腹に食い込むネクロシープのこぶし
 
 ――捕まえたぞ!――
脇腹に突き刺さった腕を捕まえるドイル!

 ネクロシープは腕を掴まれ逃げれない!

 ――終わりだ!――


 ドイルの大剣はネクロシープの肩から脇にかけ斜めに両断!

 ネクロシープは完全に戦闘不能となりダークネスフィールドの暗闇も晴れていく
 
 すぐさまドイルはサラのもとに行くと、優しく抱き抱える

 ――終わった……サラ待たせたな……これで目を覚ます頃には呪いも解けているだろう……戦友ともよ果たしたぞ……――

「サラ……ボクハ……サラヲ……アイシテ……」
 ネクロシープは息絶えた

――おそらくこいつがカーラを……――

 ドイルはサラを抱えて家の中に入っていく 

 切ない鈴のを鳴らしながら

 数年前一匹の魔物が森の入り口で花を摘んでいる少女に恋をした
 
魔物は遠くから少女を眺めるだけだった
 
ある日その恋が魔物を魔獣に変えた
 
 魔獣は姿を見せられない、見せると少女が逃げるのではないかと思ったからだ
 
 魔獣の愛は増すばかり
 
ゆがんだ愛が一つの「呪い」を生んだ、呪いは少女の視力を奪ったのだ
 
 魔獣は「言語」を話すようになり少女に近付いた
 
決して触れたりはしなかったが森に来るたびに魔獣と少女は会話をして友達になった
 
 少女にとっても、上手く喋れない男の子と目が不自由な自分は気兼きがねなく接する事が出来たのだ
 
 ある時、少女は母親に危ないからもう森には行かないように言われた
 
 少女は悲しくなって「もう会えないから」と泣きながら魔獣に伝えたのだ
 
 魔獣は激怒し少女の母親を殺し、村の人々にも「呪い」をかけた
 
 そして少女の光はすべて消えた

 トーマとエリィが村に着くとジェラが走って来た
「トーマとエリィだね!視えるよ、視えるんだよ!」
「――っ」

「本当ですか!ジェラさん!良かったぁ」
興奮するジェラと抱き合うトーマとエリィ
 良かった本当に良かったと三人とも泣きながら、ジェラは「ありがとう!」を連呼する

 村の入り口には皆がトーマとエリィをたたえ、集まり泣いている
 
 そんな皆を見てトーマは涙が止まらなかった
 
「――っ」
エリィもうつむいて少女のように泣いていた

 村の皆と喜びを分かち合ったトーマとエリィはドイルとサラのもとへ向かった
 トーマの体は治癒魔法で回復はしてもらったが万全ではない
 本来なら歩くこともままならない、森からの道中はエリィの肩を貸してもらってやっと辿り着いていたのだ
 玄関の前まで行くと扉が開いた

 ドイルは横腹に血がにじんでいるにもかかわらず二人を見ると自身の両脇に抱き寄せた
 
「しっ師匠……」「ドイルさん……」
「……」

 ドイルの抱擁ほうようから二人に対する感謝が伝わる
エリィはドイルの横腹を見て慌てて治癒をしようとするがドイルはそれを必要ないと手で制した

「ドイルさん?……」
 エリィは何故なのか不思議に思い、ドイルを見上げると笑顔でうなずくだけだ
 
 そのままトーマに大剣を渡し歩いて行く

「どっか行くんですか?サラちゃんが起きた時、師匠がいたほうが……」

 トーマが言い終える前に黙って歩いて行く
 
歩くドイルからも、渡された大剣からも鈴のは鳴らなかった
  
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