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第一章
整髪屋
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人々が賑わう街道を三人で歩いていると人族だけでなく獣人族もちらほらと見かける
獣人族の男性は筋肉質で戦闘能力が高く、女性はスタイル良く出るとこ出ているセクシーな感じが多く見られる
――ほお~これこそ異世界キターって感じだ、ちょっと視線を感じるのは美女二人を連れてるからか、オレの格好が目立つのか……――
「あのさ~ギルド行く前に買い物していい?服買いたいし、あれだったらコーラルは先にギルド行ってていいよ」
――寄り道を付き合わせるの悪いし、ギルドで目立ちたくないし――
「そうですね!あと髪も切りませんか?この街には整髪屋がありますから」
エリィは騎士様みたいにかっこよくと付け足して言う
――よし!エリィの理想にオレはなる!と心の中で叫んだ――
「それいいね!ウチも付き合うソ!ていうかウチがコーディネートしちゃる!」
――えぇ~?エリィとおしゃれデートだったのに――
三人はまず整髪屋に行く事にした
外観も店内もラグジュアリーな雰囲気で、照明もシャンデリアで高級感のあるサロンに入る
「いらっしゃいませ~」
明らかに武器屋のオヤジな風貌なのに言葉尻がちょっと女性的なスタイリストさんだ
――おお、人生初めての美容室だ、いやこっちでは整髪屋か、どうしたらいいのか分からん……緊張する……――
「こちらへどうぞ~」
いかついオジサンから席に通され、襟に布を掛ける
清潔なクロスを首から下に、目の前にはちょっと冴えない長髪の自分を見てトーマは無言になる
典型的な初めて美容室来ましたムーブでトーマは困惑する
「どうされますか~?」
オジサンは丁寧に対応する、さすがベテランなのか緊張する本人より取り巻きの美女二人に聞く
「騎士様に!」「勇者ゼロに!」
美女達は同時にそう答えた
――いやいや、待て待て勇者ゼロってどんな髪型なんだよ!ボウズだったらどうすんだ!――
「きっ騎士様で……」
トーマはエリィの意見を採用することにする
「えぇなんで~ゼロは~?、絶対カッコいいっちゃ!」
コーラルは文句を言ってトーマの肩を揺らす
「……」
――コイツそもそもゼロのこと会ったことないって言ってなかったか?ボウズだったらマズイので取り敢えず騎士様で……エリィ好みに――
トーマは目を瞑ってコーラルを無視する
「そうですね、お客様の輪郭的に騎士様のほうがよろしいかと思いますよ、角刈りは似合わないですしね」
――いや、角刈りかよ!ボウズよりなお悪いわ!ってアンタもゼロに会った事あんのかよ!――
トーマは心の中でツッコミをいれ、その時を待つ
コーラルは後ろでぶつぶつ文句を言って、エリィは「騎士様になりますね」と相変わらず可愛い
「お待たせいたしました~ちょっと癖が強かったですかね~短くしたので癖が出てしまったのですが、それはそれで無造作に動きが出て可愛いぃですよ!」
鏡の前には精悍な、とまではいかないがスッキリと少しくせ毛な動きのある短髪になったトーマがいた
――おぉ、ビフォーアフター!――
「トーマくん、いいですね!」
「トーマっち見違えたっちゃ!」
「でも騎士様というより少年騎士って感じで可愛いですね」
――少年騎士………エリィ今はまだ幼いけどオレが大人の男になったらオレと…トーマくんわたし……大人とか幼いとか関係ないの……ただ親が反対するから、エリィ…オレ君の両親に認めてもらえるように頑張って大人の男になるよ、トーマくん……エリィ……――
「たしかにくせ毛可愛いっちゃ!」
「おっおいやめろ!触るな!セットがくずれる!」
美女二人のお墨付きをいただき、ルンルンでお店を出る
「ありがとうございました」
最後はトーマもしっかり挨拶した
「ありがとうございます、またのご来店お待ちしております」
オジサンの技術も接客も、金額もなかなかのものだった
獣人族の男性は筋肉質で戦闘能力が高く、女性はスタイル良く出るとこ出ているセクシーな感じが多く見られる
――ほお~これこそ異世界キターって感じだ、ちょっと視線を感じるのは美女二人を連れてるからか、オレの格好が目立つのか……――
「あのさ~ギルド行く前に買い物していい?服買いたいし、あれだったらコーラルは先にギルド行ってていいよ」
――寄り道を付き合わせるの悪いし、ギルドで目立ちたくないし――
「そうですね!あと髪も切りませんか?この街には整髪屋がありますから」
エリィは騎士様みたいにかっこよくと付け足して言う
――よし!エリィの理想にオレはなる!と心の中で叫んだ――
「それいいね!ウチも付き合うソ!ていうかウチがコーディネートしちゃる!」
――えぇ~?エリィとおしゃれデートだったのに――
三人はまず整髪屋に行く事にした
外観も店内もラグジュアリーな雰囲気で、照明もシャンデリアで高級感のあるサロンに入る
「いらっしゃいませ~」
明らかに武器屋のオヤジな風貌なのに言葉尻がちょっと女性的なスタイリストさんだ
――おお、人生初めての美容室だ、いやこっちでは整髪屋か、どうしたらいいのか分からん……緊張する……――
「こちらへどうぞ~」
いかついオジサンから席に通され、襟に布を掛ける
清潔なクロスを首から下に、目の前にはちょっと冴えない長髪の自分を見てトーマは無言になる
典型的な初めて美容室来ましたムーブでトーマは困惑する
「どうされますか~?」
オジサンは丁寧に対応する、さすがベテランなのか緊張する本人より取り巻きの美女二人に聞く
「騎士様に!」「勇者ゼロに!」
美女達は同時にそう答えた
――いやいや、待て待て勇者ゼロってどんな髪型なんだよ!ボウズだったらどうすんだ!――
「きっ騎士様で……」
トーマはエリィの意見を採用することにする
「えぇなんで~ゼロは~?、絶対カッコいいっちゃ!」
コーラルは文句を言ってトーマの肩を揺らす
「……」
――コイツそもそもゼロのこと会ったことないって言ってなかったか?ボウズだったらマズイので取り敢えず騎士様で……エリィ好みに――
トーマは目を瞑ってコーラルを無視する
「そうですね、お客様の輪郭的に騎士様のほうがよろしいかと思いますよ、角刈りは似合わないですしね」
――いや、角刈りかよ!ボウズよりなお悪いわ!ってアンタもゼロに会った事あんのかよ!――
トーマは心の中でツッコミをいれ、その時を待つ
コーラルは後ろでぶつぶつ文句を言って、エリィは「騎士様になりますね」と相変わらず可愛い
「お待たせいたしました~ちょっと癖が強かったですかね~短くしたので癖が出てしまったのですが、それはそれで無造作に動きが出て可愛いぃですよ!」
鏡の前には精悍な、とまではいかないがスッキリと少しくせ毛な動きのある短髪になったトーマがいた
――おぉ、ビフォーアフター!――
「トーマくん、いいですね!」
「トーマっち見違えたっちゃ!」
「でも騎士様というより少年騎士って感じで可愛いですね」
――少年騎士………エリィ今はまだ幼いけどオレが大人の男になったらオレと…トーマくんわたし……大人とか幼いとか関係ないの……ただ親が反対するから、エリィ…オレ君の両親に認めてもらえるように頑張って大人の男になるよ、トーマくん……エリィ……――
「たしかにくせ毛可愛いっちゃ!」
「おっおいやめろ!触るな!セットがくずれる!」
美女二人のお墨付きをいただき、ルンルンでお店を出る
「ありがとうございました」
最後はトーマもしっかり挨拶した
「ありがとうございます、またのご来店お待ちしております」
オジサンの技術も接客も、金額もなかなかのものだった
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