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第一章
コーラル適正試験
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その後、二人は受付を済ませた
コーラルは今から、トーマは明日の朝一番に適正試験をすることになった
適正試験には同行出来るらしく、地下にある訓練所で試験を行う
コーラルの相手はギルドが準備するDランク冒険者だ、合格すればEランク冒険者となる
治癒専門の冒険者も居るのでその場合はまた別の試験内容になる
地下に降りると地面は土が敷いてあり、だだっ広い闘技場のような造りだ
武器はすべて木製でも怪我が酷い時はこの街の治癒士が治してくれる、治癒士は常時交代で勤務しているらしい
治癒士は街の治癒院からの派遣で来ている、病院で言うところの当番のようなものだ
今も試験で怪我をした受験者を治癒している若者がいる
薄い紫色の髪、センター分けから覗く端正な顔立ち、貴族のような白く綺麗な軍服に白衣を羽織って、優しく語りかけるように治癒している
――おお、怪我してもあんなイケメンに治癒してもらえるのか……しかもあの怪我した受験者の女の子の顔真っ赤!ありゃあの治癒士に惚れてるな……分かるぞ君の気持ち――
「よし!コーラル頑張れよ!」
「うん、ウチの実力見せちゃる!」
コーラルが相手と向き合う、試験官が少し離れて見る
すると、後ろの階段からギルドマスターが降りて来た
何人か連れているようで身振り手振りで説明をしている
トーマが見学している隣に並ぶと、護衛のような兵士も連れているようだ
「ズーク宰相、今ちょうど試験の真っ最中です、試験はワンランク上の者と行いますので勝敗は関係ありません、適正を見るのが目的です」
ギルドマスターが丁寧に説明しているのはズーク宰相、豪奢な服に四角い帽子を被った小太りの男だ
グリディア王国の権力者であり最高軍事責任者である
――宰相だと?めっちゃ偉い人……ギルドの視察か?たしかにギルドのチカラはそのまま騎士団のチカラになるもんなぁ……ということは……この男に気に入られれば騎士への近道になる……のか?――
「ほう、獣人かぁいい女だのぉ」
ズークはグフッと気持ち悪い口癖とやらしい目でコーラルの戦いを見ている
――なんだ、このおっさん気持ち悪いな……こんなのが宰相?いや、それより今はコーラルだ――
コーラルは木製のトンファーを持って戦う近接タイプ、トンファーに魔力を纏わせ強度を上げる!
獣人ならではの身体能力で相手との距離を一気に詰める!
トンファーで攻撃!相手も上手く剣で防ぐ!
コーラルの二の手が相手の逆腹を砕く!
「ガハッ!」
膝をついた相手の顔面に寸止め!
「それまで!」試験官が止める
コーラルは行儀良くお辞儀をしてトーマのほうを見てピースサイン
――強っ!コーラルめっちゃ強い!トンファーとの相性もいいし、今日居たギルド内の冒険者なんか目じゃないな――
「見てくれた~!ウチの勇姿~!」
「おお!めっちゃ強いなぁ勇者コーラル!カッコ良かったぞ~!」
「ふっふ~ん!勇者コーラルかぁ~ウチが次世代の~」
「「ゼロになる!!」」
息ピッタリでトーマとコーラルはハイタッチ
盛り上がる二人にズークはその場から声をかける
「グフッそこの獣人!今日の夜、我の宿泊先に来い!
今日の冒険者資格の祝いに我の相手をさせてやる」
――はぁ?何言ってんだこのガマガエルは?――
「えっ?ウチ?」コーラルが少し振り向く
「無視していいぞコーラル、言ってることめちゃくちゃだ、行こ行こ!」
トーマはコーラルに上へ行こうと背中を押すように促した
「おい!無視をするな!貴様ら我が誰か知らんようだな」
――ここは知らないフリをしとこう――
「えっ僕達に言ってますか?いや~この街に初めて来たもので、まさか僕らのような下々の者に声がかかるとは思いませんで~そのような豪奢な服を着てらっしゃるので……」
「ま・さ・か、こ・の・誇り高いグリディア王国のき・ぞ・く・の方ですか?」
「おっおい君!」
焦ったギルドマスターが間に入る
「ほう、自分が悪者になってでもその獣人を守りたいのかの~?」
――……このクラスになると挑発は効かないか…――
「所詮、獣人の女だ!お前も金で買ったのだろう?我が別のを用意してやるからその獣人は置いて行け」
「ずっズーク宰相……あまりそのような発言は……」
先程のトーマの立ち回りを見ているギルドマスターは、これ以上は周りの目もあり危険だとズークに進言する
「王国最高位に対する暴言により、その男の冒険者資格を剥奪!獣人は連行する」
「「なっ!」」
――なっなん……だと……――
コーラルは今から、トーマは明日の朝一番に適正試験をすることになった
適正試験には同行出来るらしく、地下にある訓練所で試験を行う
コーラルの相手はギルドが準備するDランク冒険者だ、合格すればEランク冒険者となる
治癒専門の冒険者も居るのでその場合はまた別の試験内容になる
地下に降りると地面は土が敷いてあり、だだっ広い闘技場のような造りだ
武器はすべて木製でも怪我が酷い時はこの街の治癒士が治してくれる、治癒士は常時交代で勤務しているらしい
治癒士は街の治癒院からの派遣で来ている、病院で言うところの当番のようなものだ
今も試験で怪我をした受験者を治癒している若者がいる
薄い紫色の髪、センター分けから覗く端正な顔立ち、貴族のような白く綺麗な軍服に白衣を羽織って、優しく語りかけるように治癒している
――おお、怪我してもあんなイケメンに治癒してもらえるのか……しかもあの怪我した受験者の女の子の顔真っ赤!ありゃあの治癒士に惚れてるな……分かるぞ君の気持ち――
「よし!コーラル頑張れよ!」
「うん、ウチの実力見せちゃる!」
コーラルが相手と向き合う、試験官が少し離れて見る
すると、後ろの階段からギルドマスターが降りて来た
何人か連れているようで身振り手振りで説明をしている
トーマが見学している隣に並ぶと、護衛のような兵士も連れているようだ
「ズーク宰相、今ちょうど試験の真っ最中です、試験はワンランク上の者と行いますので勝敗は関係ありません、適正を見るのが目的です」
ギルドマスターが丁寧に説明しているのはズーク宰相、豪奢な服に四角い帽子を被った小太りの男だ
グリディア王国の権力者であり最高軍事責任者である
――宰相だと?めっちゃ偉い人……ギルドの視察か?たしかにギルドのチカラはそのまま騎士団のチカラになるもんなぁ……ということは……この男に気に入られれば騎士への近道になる……のか?――
「ほう、獣人かぁいい女だのぉ」
ズークはグフッと気持ち悪い口癖とやらしい目でコーラルの戦いを見ている
――なんだ、このおっさん気持ち悪いな……こんなのが宰相?いや、それより今はコーラルだ――
コーラルは木製のトンファーを持って戦う近接タイプ、トンファーに魔力を纏わせ強度を上げる!
獣人ならではの身体能力で相手との距離を一気に詰める!
トンファーで攻撃!相手も上手く剣で防ぐ!
コーラルの二の手が相手の逆腹を砕く!
「ガハッ!」
膝をついた相手の顔面に寸止め!
「それまで!」試験官が止める
コーラルは行儀良くお辞儀をしてトーマのほうを見てピースサイン
――強っ!コーラルめっちゃ強い!トンファーとの相性もいいし、今日居たギルド内の冒険者なんか目じゃないな――
「見てくれた~!ウチの勇姿~!」
「おお!めっちゃ強いなぁ勇者コーラル!カッコ良かったぞ~!」
「ふっふ~ん!勇者コーラルかぁ~ウチが次世代の~」
「「ゼロになる!!」」
息ピッタリでトーマとコーラルはハイタッチ
盛り上がる二人にズークはその場から声をかける
「グフッそこの獣人!今日の夜、我の宿泊先に来い!
今日の冒険者資格の祝いに我の相手をさせてやる」
――はぁ?何言ってんだこのガマガエルは?――
「えっ?ウチ?」コーラルが少し振り向く
「無視していいぞコーラル、言ってることめちゃくちゃだ、行こ行こ!」
トーマはコーラルに上へ行こうと背中を押すように促した
「おい!無視をするな!貴様ら我が誰か知らんようだな」
――ここは知らないフリをしとこう――
「えっ僕達に言ってますか?いや~この街に初めて来たもので、まさか僕らのような下々の者に声がかかるとは思いませんで~そのような豪奢な服を着てらっしゃるので……」
「ま・さ・か、こ・の・誇り高いグリディア王国のき・ぞ・く・の方ですか?」
「おっおい君!」
焦ったギルドマスターが間に入る
「ほう、自分が悪者になってでもその獣人を守りたいのかの~?」
――……このクラスになると挑発は効かないか…――
「所詮、獣人の女だ!お前も金で買ったのだろう?我が別のを用意してやるからその獣人は置いて行け」
「ずっズーク宰相……あまりそのような発言は……」
先程のトーマの立ち回りを見ているギルドマスターは、これ以上は周りの目もあり危険だとズークに進言する
「王国最高位に対する暴言により、その男の冒険者資格を剥奪!獣人は連行する」
「「なっ!」」
――なっなん……だと……――
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