LABIS TRIP〜ラビストリップ〜異世界啓発冒険譚

ろきそダあきね

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第一章

差別と暗黙の国④七星剣シュンカ・オーシャン

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昨日、ギルド事件の日

「グフッ紹介しよう!七星剣しちせいけんシュンカ・オーシャンだ!」


「シュンカ殿、王国を非難したこの男を、明日適性試験にて打ちのめして目に物見せてやれ!」

 男性の漢服かんぷく蒼白そうはくの羽織りを着た青髪の美女にズークがシュンカに命令する
「断る」
「なっ我の命令が聞けぬか?」
「興味がない」
「ぬぬぬっ我の護衛もまともにせぬくせに!」
「ギルドに私用があったから来たまで、お前のたわむれに付き合うつもりはない!」
 
「なんだと!どいつもこいつも!」

 ――ふぅあぶね~こんなの絶対無理だわ……一目ひとめ見ただけで分かる――

 シュンカが立ち去る時、ふとトーマに目がいく
「……」

 ――なっなんすか……めっちゃ綺麗な人……顔ちっさ!――

「君、その剣は?」 
「ああ……これは師匠からもらったっす」

 ――あれ……これ言っちゃいけないやつ――

「……面白い、引き受けよう」
 
「えっマジ?」

 朝一番のギルド冒険者適性試験会場、マイメロ、ズーク、シュンカ、コーラル、エリィ、そしてトーマ
 会場にはトーマが痛ぶられるのを見に来た冒険者達もいる、その中にダンゴ達はいない

 セブンにやられ冒険者として絶望的な体になったので地元に帰ったらしい
 護衛の兵士達を引き連れてズークがニヤケ顔でり返る
 エリィとコーラルは固唾かたずを飲んで見つめる

「では始めましょうか、適性試験は木剣で行います」
 マイメロが進行する
「シュンカ!シュンカ!シュンカ!」
 冒険者の高み、「シュンカ・オーシャン」にシュンカコールが響く

 冒険者受験者トーマvs七星剣シュンカ・オーシャン

 ――たしか師匠の話ではこの人もオレと同じだって言ってた……一般人のオレがこれだけ戦えるのも「神妙しんみょうのブラッドスペル」とかいう能力のおかげだよな……じゃあラビスの騎士が同じ能力を持ってたら……しょぱなから全力でいく――

 トーマが体に魔力を巡らす!呼吸が熱したように蒸気が薄く開いた口から漏れる!

「!!」

 シュンカも異変に気付いた!
 
 トーマの地面を蹴る音が遅れて来るほどのスピードでシュンカのふところに一閃!

 シュンカはしっかり目で剣筋けんすじを追い、紙一重でかわす!構わず太刀たちさん太刀たち

 すべて紙一重でかわされるが止まらないトーマ!
 
 距離を取らず突き進む!剣閃が空気も切り裂く!
 がトーマの顔面に衝撃しょうげきが入る

 ――いっつ見えない!いつ斬られた……実践ならこれで終わり……まだまだ!――

トーマの剣閃はシュンカには入らない!
 
トーマには胴、肩、腕に衝撃が入る!

 いったん距離を取る、すでにトーマはアザだらけだが集中している

「なっなんだあの男……」
 シュンカの強さは誰もが知っている、一発もシュンカには入ってないがトーマの強さはこの一瞬の立ち合いで誰もが認識した

 トーマの放つ剣閃の圧が見ている者を震わせる
「この男はやばい」と、あれだけ騒がしかった会場が静まり返る

 トーマはガランドから教わった型を構える!
 
 魔力集中をさらに高める!
 
 みなの目から見ても人の領域を超えた動き!
 
 衝撃音が鳴る!
 
シュンカがかわすのでなく、受けたのだ!
 
続けて衝撃音が鳴り響く!すべての斬撃を受ける!
 
 トーマの体が弾ける!

シュンカの超反撃にかわす事も受ける事も出来ない!
 
滅多めった打ち!

 吹き飛んで片膝をつきうつむく、木剣を地面に突き立てなんとか立っている
 
静寂の中、コーラルが叫ぶ
「もう十分っちゃ~!誰が見ても合格っちゃ~!」
「トーマくん……」
 エリィは見守る事しかできない

 だが誰も止めない、止められない、なぜなら戦っている二人が笑っているから
 
会場がざわつき始めた「あっあのシュンカさんが笑ってる……」
 シュンカは口角こうかくを上げ構えをとった!
 トーマと同じ構え、いやドイルと同じ構えだ!
 
 トーマはどれだけ打ちのめされても折れない

 ――痛い……めっちゃ痛い……けど楽しい……あれ?……オレは戦うの好きだったかな?……もっといける気がする――

 膨大な魔力がトーマを包む
 ――血の流れを感じる……その血管一本一本に魔力を巡らす……これだ!――

 包んだ魔力がトーマの体の内に集束しゅうそくされる
 
「君は……ここまでとは」
 シュンカがつぶやいた

 同時に動く、躱す、受ける、躱す、受ける!
 
 衝撃と空圧がほとばしる!
 
トーマの飛び散る血と汗!
 
 お互いに一歩も引かない剣閃の応酬、凄まじさとは裏腹に笑顔の二人!

 ――ああ……凄い……この人……一発も当たんないわ……当たる気がしない……ずっと戦っていたいけどそろそろやばいかなぁ……ちゃんと寝てたらもっと戦えたのかなぁ……………………――

 衝撃が鳴る!
トーマの顔が後ろに弾ける!

 ――ああ……これはもう…………あれ?「耳鳴り」がない……なんだか静かに――

 トーマは意識が飛ぶ寸前で「意識と無意識の間に身を置いた」うつろな目がシュンカを捉える
 
「君、まさか!アゥフ!」

 ――神妙のブラッドスペル!間に合うかっ!――
シュンカは刹那せつなに能力を発動!血が沸く!シュンカの闘気が蒼く光る!

 一気に勝負に出る!
「デウス-エクス-マキナ!」
 見えない剣閃が時間差もなくトーマの四方八方しほうはっぽうから襲う!

 トーマの「虚ろな目」は剣閃を追わない!見えない剣閃を見ない!

 感覚は研ぎ澄まされ

 ――こっち、こう、こうきて、こう、ここから、うしろか、みぎ、ひだりも、はなさきに、こう………………――

 デウス-エクス-マキナを見ずに躱す!

 ――ここで一歩!――

「!!」
シュンカの右にいる!
 
 トーマ「うつろの一閃」!
 
「ちぃ!」
シュンカの頬をかすめ木剣が斬れた!
シュンカは木剣を折ったのではなく斬ったのだ!

 トーマは剣を振り抜いた状態で意識を失った
 意識を失った体は前のめりに倒れ、なくシュンカが抱き止めていた

「……とんでもない弟子ですね……ガランド氏」
 
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