LABIS TRIP〜ラビストリップ〜異世界啓発冒険譚

ろきそダあきね

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30 / 202
第一章

料理

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宿に戻るとすっかり暗くなったので食事は部屋で取ることにした
 エリィはまだ戻って来てないようだ

――エリィはまだか……今日は疲れたなぁ……そういえばオレってほとんど寝てないよな……眠い――

「トーマっち!冒険楽しかったね~ウチはあの二人ほど活躍出来なかったっちゃ……」
「いやあの作戦はコーラルの機動力とオレへの信頼があってこそなんだ、だからコーラルのおかげだよ」
「トーマっち……グスン」

 ――いやグスンって言ってるじゃん――

「ウチがお祝いに料理作ってあげるっちゃ!」
「コーラルが~?」
「なんだ~ウチの初めてをプレゼントしようって言ってるっちゃよ!」
「いや初めてなんかい!食えるか!」
「まあまあ、ちょっと座って待っていなさいなぁ」
「いやもうスゲ~心配なんだが」

 初めての料理をするコーラル、疲れたトーマを思い体に優しい物を作るためシチューを選択する
 試行錯誤しこうさくごしながら指を切りながらも完成したシチューを見てトーマは驚愕きょうがくする

「めっちゃ美味うまそう!」
「ふっふっふ、さぁさっきまでの勢いはどうしたトーマっち」
「マジで美味そうっす!コーラル氏」
「そうかねトーマっち氏」
「んじゃありがたく頂こうかな」
 テーブルに配膳し、いつの間にかしていたエプロンを取りお酒を準備する

「えっお酒?コーラル十五歳だよな?」
「うん!だから飲めるソ」
 ――こっちは十五で成人なのか……でもオレは飲んだことないし、とくに興味ないしなぁ……まぁとりあえず――
「冒険者登録、初依頼達成、初指名達成おめでとうっちゃ!」
「ありがとう!コーラルもおめでとう!いただきます!」
「まっず!」
「なんですと!どれ……ホントまずいっちゃ!」
「見た目美味うまそうで不味まずいとか、どんだけ天才だよ!普通逆だろ!」
「いや~それほどでも~」
「褒めてねぇよ」

不味いと言いながらもすべて完食し、二人で洗い物してるとエリィが帰って来た
「ただいま帰りました」
「「おかえり~」」

 ――おかえりっていいよな~ずっとこんな生活が続けばいいのに……――

 エリィが帰って来てテーブルを三人で囲んだ
 今日あった事をコーラルが細かくエリィに伝えている
 エリィもそれを楽しそうに聞き、トーマはそんな二人を眺める
 ラビスでは当たり前なのか二人はお酒を飲みながら談笑する
 トーマは結局お酒は飲まなかったが、二人を眺めているうちにまぶたが重くなり話し声がだんだん遠くなる
「トーマくん……トーマくん」
「うん?ああゴメン眠くなっちゃった、先に休むね」
「はい、わたし達ももうすぐ寝ますので、おやすみなさい」
「おやすみ~トーマっち!」
「ああ、おやすみ~」

 エリィとコーラルはお酒を飲みながら話し込んでいる、トーマは壮絶なニ日間により深い眠りに落ちていった


 かすかに包丁の音が聞こえる

 ――ああ、エリィだな……きっと朝ご飯を作ってくれてるんだ……さすがだこのリズム、トントンとまた眠りにつきそうだ……これはエリィに起こしてもらうイベントのため、もう一度寝る必要があるな……寝よ――

 トーマが寝返りを打つと柔らかく温かい物体がそこにある

 ――こっこれは……エリィに弁明べんめいするイベントに切り替わる!なんて事だ……ぐっすり寝すぎて完全に油断していた……どうする!――


「う……ん……トー……っち」
――ぐっバカな……チカラ強っ……やめろ……抱きつくな……――

「トーマくん、ご飯出来ましたよ!起きてください!」

 ――なに~このタイミングでダブルイベントだと――

「トーマくん?」
 エリィが毛布をめくるとそこにはトーマとコーラルが寝ていた、しかもトーマは寝返りを打った状態で抱きつかれたので向かいあった状態だ

 ――終わった……――

「――っ」
「エリィ!誤解だ!」
「……不純ふじゅんです!」
 
その後のご機嫌取りは大変だったそうだ

朝食を済ませていよいよ出発の日だ
「いや~やっぱエリィのご飯は美味い!最高なんだよなぁ~なぁコーラル」
「ホント!ウチずっとエリィちんの朝食食べていたいっちゃ!」
「いやそれプロポーズかい!……」
 
「……」

 エリィの機嫌はまだ完全ではなく、トーマは必死に取り戻そうとしている
 チェックアウトをして街の出口のほうに向かっていると、ずっと一緒にいるコーラルに対してトーマは不思議に思った

「コーラルは、これからどうするの?」
「?、当然二人と一緒に行くっちゃ!」
「そうなの?」

 ――そっか……まだ三人一緒にいれるんだ……――

「エリィちん……ウチも二人と一緒にいたい」
「もちろんです!……あかし……ですよね!」
「うん!エリィちん大好きっちゃ!」
 相変わらず抱きつく

 エリィは少し照れて機嫌も少し回復したようだ
「オレも嬉しい……付き合い短いけど……なんか昨日の夜とか、三人でテーブル囲んでる時に……家族ってこんな感じなのかなぁって……ずっとこんな時間が続けばいいのにって」
 トーマは上を向いて歩く
 
 以前のようにうつむかず、上を向いてそう答える

「オレ、二人のこと大好きなんだなぁって……」

 ――えっあれ……オレ今、何て言った?……――

「「――っ」」
 
「あの~お二人さん……あんまり深く考えないでね……なんか恥ずかしいから」
「そっそうですね……わたしもトーマくんのこと……す……す……」

 ――えっエリィ?オレのこと……まさか?――
「素敵だと思ってますよ!」

 ――そっちか~い……いやでも前は友人だった……今は素敵!……キタコレ――

「ウチも!好きっちゃ!」
「いや軽っ!」
「お前はなんか軽いわ!」
「なんて~!」
「やめろ!スゲー重い!やっぱ重いからくっ付くな!」
「失礼っちゃ!」
「ふふっ……本当にこのままずっと一緒にいられたらいいですね」


 ――この子の笑顔をずっと見ていたいと思う――
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