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第一章
真実と邂逅⑥
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「グリムとの戦いでトーマくんは魔力をかなり使ってしまったでしょうが、時間もないので本気でいきます」
薄い紫色のオーラがレイを包み込む!
レイは天に手をかざし「武装具」を呼ぶ!
「エクスカリバー!」
「――!」
――聖剣エクスカリバー!?――
「レイさん……やめて……トーマくんを傷つけないで……お願い……」
「エリィちん……トーマっち……」
どうしようもない気持ちに打ちひしがれる二人をよそに対峙するレイとトーマ
そんな四人を見てグリムが手を挙げる
「あぁ~すまん!オレがやる……レイ、テメーは手を出すな!」
「「「「――!」」」」
「グリム……君は優しいですね」
「ああん!ただオレは責任取るって言ってんだ!」
「時間ないんですよ……やれるんですか?」
「わーってるよ!」
レイはやれやれと構えを解く
「トーマ悪ぃな……これは勝負じゃねぇ……一方的だ……だから気にするんじゃねぇぞ、オレもこれで勝ちとは思わね~」
グリムは申し訳なさそうに言う
「グリム、エリィのために悪いな」
「ばっバカ!違ぇ~ぞ!ただオレは……オレに勝ったやつが他のやつに負けるのが嫌ぇなんだ!」
「グリム時間!」レイが急かす
「あぁぁ!もう行くぞ!」
グリムが槍を天に掲げる!
「こい!グングニル!」
薄い緑色の魔力が槍を覆う!大気が荒れるほどの凄まじい稲光が天に掲げた槍に降り注ぐ!
「ちょっと痛ぇが我慢しろ!瀕死にしといてやる!」
トーマは全身に魔力を流し回避することを優先的に考える、もう少しでシュンカが来てくれる
この二人を今のトーマが相手して勝てるとは思っていない
――とにかく今は耐える!――
グリムが槍を投げた!
――なっ投げる……だと……そんなのあまりにも――
トーマには見えている、槍の速度、軌道!
――これなら直接グリムに近接で来られたほうがやばかったな……――
血飛沫が舞った!
「――っ」
肩に直撃している!槍はグリムの手に収まっている
「は?」
再び槍を投げた!
――軌道を見ろ!集中だ!何か仕掛けがある!――
次はトーマの足を貫く!血が吹き出す!
「くっ……どうなってる」
「トーマっち!危ないっちゃ!」
――意味がわからない……ぐっ!――
グリムの言った通りだった、グリムは一歩も動かず一方的にトーマを蹂躙する
どれだけ速く動いても、どれだけ躱しても、避けられない攻撃!
グングニルは必中!しかも命中すると手元に戻る
勝負は早かった、ボロボロに貫かれ抉ぐられ出血もひどい
「悪ぃな……トーマ」
グリムはやるせない思いで構えを解く
膝をつき俯くトーマにエリィとコーラルが駆け寄り手を触れようとすると
「エレノア!治癒はしないでください、治癒をするとまたグングニルで彼を痛めつけることになります」
「レイさん……もうあの頃のレイさんじゃないんですか?……」
「エリィちん……」
震えるエリィをコーラルが抱きしめる
「エレノア……君も一緒に来るんです、ネネの無念を私達で晴らしましょう」
エリィは首を横に振り
「……ネネちゃんは……ネネちゃんはただあの丘で三人で……綺麗な花を見て……手料理を食べて……お話ししたり……したかっただけ……」
「そうです、そんな儚い夢すら潰してしまうこの国を壊す!ネネは望んでいるはずです!二人で復讐しましょう!さあ……」
「違います!ネネちゃんが復讐したいはずありません!ネネちゃんの夢を復讐にしないで下さい!ネネちゃんは……ネネちゃんの夢は……レイさんが世界最高の治癒士になってくれることです!」
エリィは涙声で訴える
「ネネちゃんが復讐を望むような子なんて絶対にありえません!」
「――っ」
エリィの言葉にレイは息を呑む
「あれ~?アンタ達まだやってんの?バカじゃない」
美々とレイジンが静まり返った空気のなか合流する
「殺してはないな……では全員連れて行くぞ!「八咫鏡」も忘れるな」
トーマ達三人の前にはレイジン、グリム、美々そしてレイが立っている
――終わった~こりゃ~さすがに……ミミが居るってことはシュンカさんはどうなった?――
その時だった!エリィの身に付けているバッグが輝き始める
白く眩い光が輝き、膨大な魔力をそこに感じる!
薄い紫色のオーラがレイを包み込む!
レイは天に手をかざし「武装具」を呼ぶ!
「エクスカリバー!」
「――!」
――聖剣エクスカリバー!?――
「レイさん……やめて……トーマくんを傷つけないで……お願い……」
「エリィちん……トーマっち……」
どうしようもない気持ちに打ちひしがれる二人をよそに対峙するレイとトーマ
そんな四人を見てグリムが手を挙げる
「あぁ~すまん!オレがやる……レイ、テメーは手を出すな!」
「「「「――!」」」」
「グリム……君は優しいですね」
「ああん!ただオレは責任取るって言ってんだ!」
「時間ないんですよ……やれるんですか?」
「わーってるよ!」
レイはやれやれと構えを解く
「トーマ悪ぃな……これは勝負じゃねぇ……一方的だ……だから気にするんじゃねぇぞ、オレもこれで勝ちとは思わね~」
グリムは申し訳なさそうに言う
「グリム、エリィのために悪いな」
「ばっバカ!違ぇ~ぞ!ただオレは……オレに勝ったやつが他のやつに負けるのが嫌ぇなんだ!」
「グリム時間!」レイが急かす
「あぁぁ!もう行くぞ!」
グリムが槍を天に掲げる!
「こい!グングニル!」
薄い緑色の魔力が槍を覆う!大気が荒れるほどの凄まじい稲光が天に掲げた槍に降り注ぐ!
「ちょっと痛ぇが我慢しろ!瀕死にしといてやる!」
トーマは全身に魔力を流し回避することを優先的に考える、もう少しでシュンカが来てくれる
この二人を今のトーマが相手して勝てるとは思っていない
――とにかく今は耐える!――
グリムが槍を投げた!
――なっ投げる……だと……そんなのあまりにも――
トーマには見えている、槍の速度、軌道!
――これなら直接グリムに近接で来られたほうがやばかったな……――
血飛沫が舞った!
「――っ」
肩に直撃している!槍はグリムの手に収まっている
「は?」
再び槍を投げた!
――軌道を見ろ!集中だ!何か仕掛けがある!――
次はトーマの足を貫く!血が吹き出す!
「くっ……どうなってる」
「トーマっち!危ないっちゃ!」
――意味がわからない……ぐっ!――
グリムの言った通りだった、グリムは一歩も動かず一方的にトーマを蹂躙する
どれだけ速く動いても、どれだけ躱しても、避けられない攻撃!
グングニルは必中!しかも命中すると手元に戻る
勝負は早かった、ボロボロに貫かれ抉ぐられ出血もひどい
「悪ぃな……トーマ」
グリムはやるせない思いで構えを解く
膝をつき俯くトーマにエリィとコーラルが駆け寄り手を触れようとすると
「エレノア!治癒はしないでください、治癒をするとまたグングニルで彼を痛めつけることになります」
「レイさん……もうあの頃のレイさんじゃないんですか?……」
「エリィちん……」
震えるエリィをコーラルが抱きしめる
「エレノア……君も一緒に来るんです、ネネの無念を私達で晴らしましょう」
エリィは首を横に振り
「……ネネちゃんは……ネネちゃんはただあの丘で三人で……綺麗な花を見て……手料理を食べて……お話ししたり……したかっただけ……」
「そうです、そんな儚い夢すら潰してしまうこの国を壊す!ネネは望んでいるはずです!二人で復讐しましょう!さあ……」
「違います!ネネちゃんが復讐したいはずありません!ネネちゃんの夢を復讐にしないで下さい!ネネちゃんは……ネネちゃんの夢は……レイさんが世界最高の治癒士になってくれることです!」
エリィは涙声で訴える
「ネネちゃんが復讐を望むような子なんて絶対にありえません!」
「――っ」
エリィの言葉にレイは息を呑む
「あれ~?アンタ達まだやってんの?バカじゃない」
美々とレイジンが静まり返った空気のなか合流する
「殺してはないな……では全員連れて行くぞ!「八咫鏡」も忘れるな」
トーマ達三人の前にはレイジン、グリム、美々そしてレイが立っている
――終わった~こりゃ~さすがに……ミミが居るってことはシュンカさんはどうなった?――
その時だった!エリィの身に付けているバッグが輝き始める
白く眩い光が輝き、膨大な魔力をそこに感じる!
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