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第二章
〜愛と魔法使いと吸血鬼〜⑧兵士とヴィヴィアン
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四人はとりあえずビビの屋敷に戻り話しをすることにした
「いや~まさかビビが魔族とはね~しかもめっちゃ強い!もう弱くなってるけど……あんまりもたないの?」
「ふん!美味とはいえ少量だったからな……しかしトーマお前の血は凄まじいぞ、普通いきなりあんなにチカラは戻らん!」
「ビビりんって、ホントに強かったんだね!びっくりしたっちゃ!」
「言ったであろう、大魔法使いだと……っていうかビビりん言うな!」
「ビビさんは「ヴァンパイアロード」って言ってましたけど……「吸血鬼の王様」ですよね……それが何故?」
「厳密に言えば……元だな!……」
「……ここまで関わったしオレも「アース人」だし教えてくれない?」
「……」
「そうだな……五十年前にビビはガーリア帝国との戦争で深手を負ってしまった……当時は十八歳の小娘だった……」
――……五十歳サバ読んでたのねー
五十年前、グリモア魔帝国とガーリア帝国の「アトランティス」近郊の攻防戦
グリモア魔帝国は個々の能力が非常に高いため基本的には少人数で戦に出て魔獣を従えて戦うことが多い
数では圧倒的にガーリア帝国が優勢で魔獣の群れを率いていたヴィヴィアンはやや不利な状況になっていた
吸血鬼の王として戦場に立ち、数十倍の数の帝国軍
と魔族一人で善戦していた
しかし、グリモア魔帝国もまた人族と同じように「魔族間の権力争い」は存在する
ヴィヴィアンは最年少で「吸血鬼の王」になった天才
その事を妬む魔族は当然いる、ヴィヴィアンに敗れ王の座を奪われた吸血鬼の貴族「ベリオン・マクビー」はこの戦争を利用し暗躍する
吸血鬼の王の初陣に忍び寄る反逆
「魔獣ども!ガーリア帝国を蹴散らせ~!」
「何万来ようとも、この「ヴィヴィアン・ガーネット」の敵ではない!」
ヴィヴィアンの周囲が赤紫色の魔力のオーラに包まれる!稲光とともに放つは極大魔法!
「雷轟紫電!」
紫色に光る無数の刃が雷光とともに降り注ぐ超広範囲攻撃!
何万という兵士を無力化していく
その時、ヴィヴィアンの背後に強大な魔力が発生する
「エクサルーシドエンシス!」
強大な魔力とともに複数の氷の刃がヴィヴィアンの背中に突き刺さる!
「――ぐっ!何?……」
「エクサルーシドエンシス!」
追い討ちをかけるように体をズタズタにしていく
「――ちぃ!がふっ!……」
浮遊していたヴィヴィアンは落下していく!
次々と襲う氷の刃がヴィヴィアンの体を貫いていく!
吸血鬼は魔力がある限り体は再生していく
魔力が切れるまで氷の刃はヴィヴィアンを襲う!
ヴィヴィアンの魔力が切れ、再生出来なくなるのと同時に統率の取れなくなった魔獣達が暴れだす
ヴィヴィアンは暴れる魔獣の群れの中に巻き込まれ、その中に沈んでいく
数刻過ぎると、この戦いはガーリア帝国の勝利で終わった
統率のとれない魔獣を帝国軍が滅ぼし、決着がついたのだ
ヴィヴィアンは何度も再生と蘇生を繰り返しかろうじて生きていた
しかし服などは原型を留めておらず、布切れが体に付いているような状態だった
そこに一人の兵士がやって来た
戦後処理に駆り出された見習い兵士は、見るも無惨なヴィヴィアンを見つけたのだ
「……終わったな」
ヴィヴィアンは自らの最期を悟った
「お~い!そっちはどうだ?問題あったか~?」
その兵士に対して離れたところから声がかかる
「――!……いっいえ問題ありません」
「了解!じゃあそろそろ戻るぞ!」
「あっ先に行ってて大丈夫です!すぐに行きます」
「へ~い」
兵士は嘘をついた、目の前に横たわっているのは「最高位魔族」だ
当然知らせれば一気に大手柄だ
だが兵士は言わなかった
兵士はヴィヴィアンの側に座ると手の平をナイフで切って拳を握りしめた
ボタボタと落ちる血はヴィヴィアンの渇きを少し癒していく
「……なっ……何……を」
何故このような事をするのかとヴィヴィアンは戸惑う
ヴィヴィアンの体がわずかに光り始める
だが、どれだけ飲ませても足りない
ヴィヴィアンの体は損傷が激しく少量の血では回復することが出来ないのだ
当然兵士は稀血でもなんでもない、むしろ魔力は低く効果が薄い
なかなか回復しきれないヴィヴィアンに血を分け続けると、今度は次第に兵士の体に異変が起こり始める
急激に血を失った兵士はその場で倒れ気を失ってしまったのだ
「おい……何しておる……こんなところで寝ておると死ぬぞ……」
なんとか体が動くようになったヴィヴィアンは横たわる兵士に声をかけるが返事がない
「ちぃ……!」
ガーリア帝国領土にある小さな村には戦争があるので一時避難している民家が多い
ヴィヴィアンは今その中の一つの民家にいる
「ここは?……僕は……たしか……気を失ったのか?」
「気がついたか?……なぜ我を助けた」
兵士は気がつくとベッドの上にいた、いまいち状況を掴めないまま横に目をやると少女が座っている
「……」
まだよく頭が回っていない兵士は先程自分が助けた少女と認識するまで少し時間がかかり名前を名乗った
「君は…………僕はウェラ……「ウェラ・トワイライト」」
「いや~まさかビビが魔族とはね~しかもめっちゃ強い!もう弱くなってるけど……あんまりもたないの?」
「ふん!美味とはいえ少量だったからな……しかしトーマお前の血は凄まじいぞ、普通いきなりあんなにチカラは戻らん!」
「ビビりんって、ホントに強かったんだね!びっくりしたっちゃ!」
「言ったであろう、大魔法使いだと……っていうかビビりん言うな!」
「ビビさんは「ヴァンパイアロード」って言ってましたけど……「吸血鬼の王様」ですよね……それが何故?」
「厳密に言えば……元だな!……」
「……ここまで関わったしオレも「アース人」だし教えてくれない?」
「……」
「そうだな……五十年前にビビはガーリア帝国との戦争で深手を負ってしまった……当時は十八歳の小娘だった……」
――……五十歳サバ読んでたのねー
五十年前、グリモア魔帝国とガーリア帝国の「アトランティス」近郊の攻防戦
グリモア魔帝国は個々の能力が非常に高いため基本的には少人数で戦に出て魔獣を従えて戦うことが多い
数では圧倒的にガーリア帝国が優勢で魔獣の群れを率いていたヴィヴィアンはやや不利な状況になっていた
吸血鬼の王として戦場に立ち、数十倍の数の帝国軍
と魔族一人で善戦していた
しかし、グリモア魔帝国もまた人族と同じように「魔族間の権力争い」は存在する
ヴィヴィアンは最年少で「吸血鬼の王」になった天才
その事を妬む魔族は当然いる、ヴィヴィアンに敗れ王の座を奪われた吸血鬼の貴族「ベリオン・マクビー」はこの戦争を利用し暗躍する
吸血鬼の王の初陣に忍び寄る反逆
「魔獣ども!ガーリア帝国を蹴散らせ~!」
「何万来ようとも、この「ヴィヴィアン・ガーネット」の敵ではない!」
ヴィヴィアンの周囲が赤紫色の魔力のオーラに包まれる!稲光とともに放つは極大魔法!
「雷轟紫電!」
紫色に光る無数の刃が雷光とともに降り注ぐ超広範囲攻撃!
何万という兵士を無力化していく
その時、ヴィヴィアンの背後に強大な魔力が発生する
「エクサルーシドエンシス!」
強大な魔力とともに複数の氷の刃がヴィヴィアンの背中に突き刺さる!
「――ぐっ!何?……」
「エクサルーシドエンシス!」
追い討ちをかけるように体をズタズタにしていく
「――ちぃ!がふっ!……」
浮遊していたヴィヴィアンは落下していく!
次々と襲う氷の刃がヴィヴィアンの体を貫いていく!
吸血鬼は魔力がある限り体は再生していく
魔力が切れるまで氷の刃はヴィヴィアンを襲う!
ヴィヴィアンの魔力が切れ、再生出来なくなるのと同時に統率の取れなくなった魔獣達が暴れだす
ヴィヴィアンは暴れる魔獣の群れの中に巻き込まれ、その中に沈んでいく
数刻過ぎると、この戦いはガーリア帝国の勝利で終わった
統率のとれない魔獣を帝国軍が滅ぼし、決着がついたのだ
ヴィヴィアンは何度も再生と蘇生を繰り返しかろうじて生きていた
しかし服などは原型を留めておらず、布切れが体に付いているような状態だった
そこに一人の兵士がやって来た
戦後処理に駆り出された見習い兵士は、見るも無惨なヴィヴィアンを見つけたのだ
「……終わったな」
ヴィヴィアンは自らの最期を悟った
「お~い!そっちはどうだ?問題あったか~?」
その兵士に対して離れたところから声がかかる
「――!……いっいえ問題ありません」
「了解!じゃあそろそろ戻るぞ!」
「あっ先に行ってて大丈夫です!すぐに行きます」
「へ~い」
兵士は嘘をついた、目の前に横たわっているのは「最高位魔族」だ
当然知らせれば一気に大手柄だ
だが兵士は言わなかった
兵士はヴィヴィアンの側に座ると手の平をナイフで切って拳を握りしめた
ボタボタと落ちる血はヴィヴィアンの渇きを少し癒していく
「……なっ……何……を」
何故このような事をするのかとヴィヴィアンは戸惑う
ヴィヴィアンの体がわずかに光り始める
だが、どれだけ飲ませても足りない
ヴィヴィアンの体は損傷が激しく少量の血では回復することが出来ないのだ
当然兵士は稀血でもなんでもない、むしろ魔力は低く効果が薄い
なかなか回復しきれないヴィヴィアンに血を分け続けると、今度は次第に兵士の体に異変が起こり始める
急激に血を失った兵士はその場で倒れ気を失ってしまったのだ
「おい……何しておる……こんなところで寝ておると死ぬぞ……」
なんとか体が動くようになったヴィヴィアンは横たわる兵士に声をかけるが返事がない
「ちぃ……!」
ガーリア帝国領土にある小さな村には戦争があるので一時避難している民家が多い
ヴィヴィアンは今その中の一つの民家にいる
「ここは?……僕は……たしか……気を失ったのか?」
「気がついたか?……なぜ我を助けた」
兵士は気がつくとベッドの上にいた、いまいち状況を掴めないまま横に目をやると少女が座っている
「……」
まだよく頭が回っていない兵士は先程自分が助けた少女と認識するまで少し時間がかかり名前を名乗った
「君は…………僕はウェラ……「ウェラ・トワイライト」」
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