ダイヤモンド・リリー

zzz

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俺達は今、4人で仲良く机を囲んでいた。

「えーと、お2人は知り合いで?」

少し苦めの、温かいお茶を頂いている。

「……」
「……」

影玄はジッと蕾を凝視したままで、口を動かす気配はない。

蕾は蕾で、そんな影玄の視線に耐えられないとでも言うように、顔を赤らめながらうつむくばかりだった。

「お~い?」

「昔、」

やっと影玄が口を開く。

「何処かで会った。……気がする。」

大丈夫かこの人。

「あ、そうです!あの!俺……えっと、影玄様に助けて頂いたことがあって、ええと……」

緊張のせいか、何を言っているかよくわからなかったが、おおよそこんな事を言っていた。(実際は全く呂律が回っていなかった)

「ああ、そうだ。北のほうの村の子供だったな。……すまなかった」

「何故謝るんですか、影玄様のお陰で俺は、」

「何それ、僕知らないんだけど?」

蕾の言葉を少年が遮る。

「単独任務で行った所だ。丁度俺が冒険者になって初めての長期クエに行った時だな」

その当時の話になり、ついていけなくなった俺は手持ち無沙汰だ。
適当に足をぶらぶらさせてみる。

そう言えば、この少年の名は何だろう。
影玄との関係も気になる。

───ステータス見るか。

蕾のも見たいなと思いつつ、心の中でステータスオープンとつぶや……こうとした。

「ちょっと!」

「うお!?」

少年が目と鼻の先に棍棒の様な物を突きつけてくる。

「今、何かしようとした?」

少年に問い詰められる。我々の業界ではご褒美です。

「イエ、ナニモ」

何故か気づかれてしまったので、ステータスが見られなかった。使えねぇとか思ってないからな。

「取り敢えず、クエストの先で助けたとかよくある事だし、それが冒険者の役目なんだから、そんな事で一々親しげにされても困るわけ。帰って。」

「少年、名前なんて言うんだ?」

見れなかったら直接聞けばいいじゃないって俺の中の女王様が言っているので、ナンパよろしく聞いてみる。

「親しげにされても困るって言ってるでしょ!?」

怒ってても可愛いぞと思いつつ茶を啜る。

「ムツネだ」

思いがけず影玄が教えてくれたので驚いた。ムツネというらしい少年は「勝手に教えないでよ!」とご立腹である。

「影玄様とムツネさんはどういった御関係ですか!?」

声をひっくり返しながらも蕾が尋ねる。
よく聞いてくれた。

「教えない。帰って。」

「……親密な関係?」

「だから勝手に教えないでって……ああ、もう、いいや。そういう事だから、影玄に付きまとうのはもうやめてくれる?特にあんたね!」

そう指をさされた蕾はショックに打ちのめされていた。

そりゃ好きな人に"親密な関係"の相手がいたら誰だってそうなるか。

すっかり抜け殻になってしまった蕾を抱え、俺はお暇する事にした。

居場所はわかったんだし、紫桜からのおつかいは成功だ。多分。相手に警戒されてしまったが。

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