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「エル~!!俺の天使!今日も綺麗で可愛いなぁ~!ハッ!!そうだ!結婚しよう!!」
「セシリオ様、勝手に愛称で呼ばないでください!!僕は婚約者が居るのでお断りしますっていつも言っているじゃないですか!!!」
「まあまあ、俺のことも小さな頃みたいにセシルって呼んで、」
「ダメです!!」
いつも通り俺の愛に全力で応えてくれるのはマイスイートハニーのエルちゃんだ。
生きてる。
俺はどうやら時を遡ったらしい。赤子まで戻った時は戻し過ぎだと思った。切実に。
まあそのお陰で幼少期の可愛いエルネストを拝めたわけだが。
やはり母親はエルネストを産んでしばらくして亡くなった。そして父親もエルネストに無関心で、随分寂しそうな顔をした子供だった。
俺は公爵家の力を使ってエルネストに会い、幼馴染の位置に着いた。
お互いの家を行き来したり、文通をしたりして、必死に好きだと伝えて、エルネストも嬉しそうにしてくれていた。
そして10歳になった時に父に婚約したいと話したら、エルネストは神子だからアルベルトとの婚約が既に決まっていると却下された。知ってた。
その事をエルネストに言ったら
「僕も、セシルが、す、…す、好き、だから、セシルと結婚したかったな」
と言われた。初めてエルネストに好きと言われた俺は嬉し過ぎてはしゃぎ回り、帰宅後スキップしながら庭の噴水にダイブして風邪を引いた。
お見舞いに来てくれたエルネストが心配で泣きそうになってて正直興奮した。
噴水ダイブで風邪とか馬鹿なので、エルネストと結婚できなかったショックで熱を出したという設定。その瞬間を目撃していた執事と事情を聞いていたアルベルトの目だけ冷たい。我、病人ぞ?
まあそんなこんなで、過ごしているうちに、気づけばベネデッタが転入してくるちょっと前。
神の事を許したわけではないが、一応礼くらい言っても良いかなって感じだ。
俺は今世?で女遊びは一切していないし、何なら全校生徒の前でも貴族のパーティでもエルネストを口説きまくっているから、エルネストも俺の一途さを疑っていないだろう。
このままアルベルトがベネデッタに一目惚れして、エルネストと俺が婚約できればハッピーエンドだ。
ベネデッタに一目惚れしてくれれば。
そう、今世の不安がここにある。
「エルに似合うと思って、はい、髪飾り」
「女物じゃないですか!!」
「え?でもほら、似合ってるよ?可愛い」
「~~~っ、付けませんから!!」
髪飾りをひったくる様に俺の手から奪った後、それをじっと見てから鞄に仕舞う。
貰ってくれるんだ。きゅんです。
「俺のエルちゃんまじ天使。あれ?翼は何処に落としてきちゃったの?」
翼を探すふりをしながらエルネストの背に手のひらを添える。
くすぐったがりなエルネストはそれだけで少し体を震わせる。
「エル、可愛いね、背中触っただけでそんなに顔を赤くしちゃって…他の所触ったらどうなっちゃうんだろうね?」
「…っ、ぅ、あ、や、」
「こら、俺の婚約者にベタベタするな」
今世の不安、それは、アルベルトのエルネストに対する態度が180°変わっているという事だ。
「アルベルト様!!違うんです、不貞を働いていた訳では!!」
「分かっているよ、エル。セシリオが強引なのは知っている。おいで?」
手を広げたアルベルトの腕の中に顔を真っ赤にしたエルネストが収まる。
俺の時は少し可哀想なくらいあたふたするが、アルベルトには安心した様に頬を擦り寄せていた。
そしてアルベルトも、そんなエルネストを愛おしそうに見つめて髪をすいていた。
そんな二人を見て学園の乙女たちはきゃあきゃあ言ってる。
「狡い」
「お前は初等部の子供みたいな事を言うな。俺はエルの婚約者なんだから当然だろ」
「わかってるけどぉ~」
前はそんな態度じゃなかったくせに。けどエルネストの幸せそうな表情にぐっと奥歯を噛み締める。
「あ、あの、セシリオ様、父がまた遊びに来てくださいと言ってました」
「お!やったぁ!丁度エルちゃんパパが好きな西の国の茶葉が手に入ったからお邪魔しようと思ってたんだよね!エルちゃんが好きな焼き菓子も!アルもあの紅茶好きだったよな?」
「ああ、ロナート伯爵のご都合が良い時にお邪魔しようかな」
幼少期は父親との仲が微妙だったエルネストだが、今ではアルベルトから神子の重要性やエルネスト本人についての良いところを沢山聞き、変な偏見が無くなったため、良好な関係を築けているようだ。
王子に息子をべた褒めされて嫌な気分になる親は居ないだろう。将来も約束されているし。それに加えてエルネストは成長するにつれ顔立ちが両親の特徴をそれぞれ受け継いでいたため、妻が不貞をなんて誤解はあっさり解けた。
前は顔を合わせる機会が殆どなかった様だから、誤解が綺麗に解けて良かった。
そして何故か俺はロナート伯爵お気に入りの茶飲み友達になっている。
「セシリオ様、勝手に愛称で呼ばないでください!!僕は婚約者が居るのでお断りしますっていつも言っているじゃないですか!!!」
「まあまあ、俺のことも小さな頃みたいにセシルって呼んで、」
「ダメです!!」
いつも通り俺の愛に全力で応えてくれるのはマイスイートハニーのエルちゃんだ。
生きてる。
俺はどうやら時を遡ったらしい。赤子まで戻った時は戻し過ぎだと思った。切実に。
まあそのお陰で幼少期の可愛いエルネストを拝めたわけだが。
やはり母親はエルネストを産んでしばらくして亡くなった。そして父親もエルネストに無関心で、随分寂しそうな顔をした子供だった。
俺は公爵家の力を使ってエルネストに会い、幼馴染の位置に着いた。
お互いの家を行き来したり、文通をしたりして、必死に好きだと伝えて、エルネストも嬉しそうにしてくれていた。
そして10歳になった時に父に婚約したいと話したら、エルネストは神子だからアルベルトとの婚約が既に決まっていると却下された。知ってた。
その事をエルネストに言ったら
「僕も、セシルが、す、…す、好き、だから、セシルと結婚したかったな」
と言われた。初めてエルネストに好きと言われた俺は嬉し過ぎてはしゃぎ回り、帰宅後スキップしながら庭の噴水にダイブして風邪を引いた。
お見舞いに来てくれたエルネストが心配で泣きそうになってて正直興奮した。
噴水ダイブで風邪とか馬鹿なので、エルネストと結婚できなかったショックで熱を出したという設定。その瞬間を目撃していた執事と事情を聞いていたアルベルトの目だけ冷たい。我、病人ぞ?
まあそんなこんなで、過ごしているうちに、気づけばベネデッタが転入してくるちょっと前。
神の事を許したわけではないが、一応礼くらい言っても良いかなって感じだ。
俺は今世?で女遊びは一切していないし、何なら全校生徒の前でも貴族のパーティでもエルネストを口説きまくっているから、エルネストも俺の一途さを疑っていないだろう。
このままアルベルトがベネデッタに一目惚れして、エルネストと俺が婚約できればハッピーエンドだ。
ベネデッタに一目惚れしてくれれば。
そう、今世の不安がここにある。
「エルに似合うと思って、はい、髪飾り」
「女物じゃないですか!!」
「え?でもほら、似合ってるよ?可愛い」
「~~~っ、付けませんから!!」
髪飾りをひったくる様に俺の手から奪った後、それをじっと見てから鞄に仕舞う。
貰ってくれるんだ。きゅんです。
「俺のエルちゃんまじ天使。あれ?翼は何処に落としてきちゃったの?」
翼を探すふりをしながらエルネストの背に手のひらを添える。
くすぐったがりなエルネストはそれだけで少し体を震わせる。
「エル、可愛いね、背中触っただけでそんなに顔を赤くしちゃって…他の所触ったらどうなっちゃうんだろうね?」
「…っ、ぅ、あ、や、」
「こら、俺の婚約者にベタベタするな」
今世の不安、それは、アルベルトのエルネストに対する態度が180°変わっているという事だ。
「アルベルト様!!違うんです、不貞を働いていた訳では!!」
「分かっているよ、エル。セシリオが強引なのは知っている。おいで?」
手を広げたアルベルトの腕の中に顔を真っ赤にしたエルネストが収まる。
俺の時は少し可哀想なくらいあたふたするが、アルベルトには安心した様に頬を擦り寄せていた。
そしてアルベルトも、そんなエルネストを愛おしそうに見つめて髪をすいていた。
そんな二人を見て学園の乙女たちはきゃあきゃあ言ってる。
「狡い」
「お前は初等部の子供みたいな事を言うな。俺はエルの婚約者なんだから当然だろ」
「わかってるけどぉ~」
前はそんな態度じゃなかったくせに。けどエルネストの幸せそうな表情にぐっと奥歯を噛み締める。
「あ、あの、セシリオ様、父がまた遊びに来てくださいと言ってました」
「お!やったぁ!丁度エルちゃんパパが好きな西の国の茶葉が手に入ったからお邪魔しようと思ってたんだよね!エルちゃんが好きな焼き菓子も!アルもあの紅茶好きだったよな?」
「ああ、ロナート伯爵のご都合が良い時にお邪魔しようかな」
幼少期は父親との仲が微妙だったエルネストだが、今ではアルベルトから神子の重要性やエルネスト本人についての良いところを沢山聞き、変な偏見が無くなったため、良好な関係を築けているようだ。
王子に息子をべた褒めされて嫌な気分になる親は居ないだろう。将来も約束されているし。それに加えてエルネストは成長するにつれ顔立ちが両親の特徴をそれぞれ受け継いでいたため、妻が不貞をなんて誤解はあっさり解けた。
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