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ベネデッタが編入してきた事はすぐに噂になった。
学内は存在する筈のないもう1人の神子の話題で持ち切りだ。
かく言う俺達もそれは同じで、噂の彼女を探し、すぐに見つかる。
前と同じく、彼女は中庭にいた。
皆彼女のことが気になるが、神子に気軽に声をかけるのは躊躇するだろう。
「本当に金髪ですね」
「ああ…」
思わず呟くエルネストに対して、アルベルトは気の抜けた返事を返す。
俺は隣のアルベルトの表情を見て一瞬で理解した。
前と同じ顔をしていたから。
一目惚れしたんだろう。
エルネストの方を見ると、困惑した瞳と目があった。
なんなんだよ、やっぱり他の子に一目惚れするなら最初から俺に頂戴よ。
俺なら一瞬だって不安にさせない。
ふらりと歩き出そうとするアルベルトの胸ぐらを掴んで引き寄せる。不敬罪とか知らない。
「お前巫山戯るなよ、エルちゃん泣かせたら許さないって言ったよな?」
「セ、セシリオ様!?やめてください!」
「エルちゃん離して」
「っ、」
前の、エルネストが死んだ時のことが頭を埋め尽くす。
大事にしたかったのに、今は大事にしてるのに。それでも俺にはどうすることもできないからお前がエルネストを抱きしめるのを許していたのに。
また繰り返すのか。またこの子の命を奪うのか。
俺の愛しい子を傷つけるのか。
それなら、要らないのはお前の方だ。
「っ、ぐ…っぅ、」
「やめて、セシリオ様、だめ、」
アルベルトの首に手を添えてぐっと力を込める。
息が吸えないアルベルトははくはくと口を動かして酸素を求める。
そうだ、エルネストも前はそうやって求めていた。酸素ではなく愛を。同じ苦しみを味わうべきだ。お前も、俺も。
「セシル!!」
頬に痛みを受けてアルベルトの首から手を離す。
「ゴホッ、ゴホゴホッ」
「アルベルト様、大丈夫ですか!?」
エルネストは泣きそうな顔でアルベルトの背をさする。
その様子に唇を噛み締める。
口に広がる血の味が不快で、俺は2人から離れた。
学内は存在する筈のないもう1人の神子の話題で持ち切りだ。
かく言う俺達もそれは同じで、噂の彼女を探し、すぐに見つかる。
前と同じく、彼女は中庭にいた。
皆彼女のことが気になるが、神子に気軽に声をかけるのは躊躇するだろう。
「本当に金髪ですね」
「ああ…」
思わず呟くエルネストに対して、アルベルトは気の抜けた返事を返す。
俺は隣のアルベルトの表情を見て一瞬で理解した。
前と同じ顔をしていたから。
一目惚れしたんだろう。
エルネストの方を見ると、困惑した瞳と目があった。
なんなんだよ、やっぱり他の子に一目惚れするなら最初から俺に頂戴よ。
俺なら一瞬だって不安にさせない。
ふらりと歩き出そうとするアルベルトの胸ぐらを掴んで引き寄せる。不敬罪とか知らない。
「お前巫山戯るなよ、エルちゃん泣かせたら許さないって言ったよな?」
「セ、セシリオ様!?やめてください!」
「エルちゃん離して」
「っ、」
前の、エルネストが死んだ時のことが頭を埋め尽くす。
大事にしたかったのに、今は大事にしてるのに。それでも俺にはどうすることもできないからお前がエルネストを抱きしめるのを許していたのに。
また繰り返すのか。またこの子の命を奪うのか。
俺の愛しい子を傷つけるのか。
それなら、要らないのはお前の方だ。
「っ、ぐ…っぅ、」
「やめて、セシリオ様、だめ、」
アルベルトの首に手を添えてぐっと力を込める。
息が吸えないアルベルトははくはくと口を動かして酸素を求める。
そうだ、エルネストも前はそうやって求めていた。酸素ではなく愛を。同じ苦しみを味わうべきだ。お前も、俺も。
「セシル!!」
頬に痛みを受けてアルベルトの首から手を離す。
「ゴホッ、ゴホゴホッ」
「アルベルト様、大丈夫ですか!?」
エルネストは泣きそうな顔でアルベルトの背をさする。
その様子に唇を噛み締める。
口に広がる血の味が不快で、俺は2人から離れた。
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