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アナタとの最悪な始まり
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薄暗い部屋の中、私は、男に襲われている。否、男かどうかもわからない。
何故なら、私が玄関に入ってすぐ、電気をつけ、鍵を閉める前に押し入られたからだ。押し入った人物が纏う香水は、紛れもない男物で、私を抱える腕の筋肉量からして、細身の男だと、理解した。同時に、友人の悪ふざけのサプライズでないことも知ることになった。
「離して」
冷静に一言。まずは、それからだった。相手は、私に何の用があって来たのか、知る必要があった。性的暴行、もしくは、ただの暴行、それとも、窃盗。まさか、私を殺すためだろうか、様々な可能性が脳裏に過る。ことによれば、穏便にこの場を収めよう、命や身体を守れるなら、と思い、必死に男の腕を外そうとするが、両腕の関節を男の両腕で固められているため、体力は、消耗する一方だ。ならば、手荒だが、相手の急所である股間を蹴り上げよう、そう思い、足に残りの体力を全振りしたが、すぐにその目論見を見破られ、男は、大股で私のことを半ば引きずるように部屋の奥まで運び、リビングに置いてあったソファに押し倒す。男が馬乗りになり、私の両手を頭上で交差するように押えつけられた状態になったところで、私は負けた。大声など、無意味に等しいと、わかっていた。回しの住むマンションは、セキュリティよりも防音設備に特化しているのか、防音についての宣伝を、入居のさいにこれでもか、と聞かされたのだ。大声で叫び、喚いたところで助けは来ないと諦めていた。私に残された一縷の望みは、交渉、それだけだ。
「私に何か恨みがあってきたんですか。それとも、ただ、犯したい……ひゃっ」
男の冷たい手が、私の腹部に直に触れ、そのまま、トップスを捲り上げられる。ああ、これは、犯すのが目的か。最悪だ。
「どうして」
男の顔は、薄暗い部屋の中では、はっきりとわからない。嗤っているのか、睨んでいるのか、それすらも確認はできない。男の手は、私のブラジャーまで到達し、容赦なくトップスと共に私の首まで捲り上げる。衣服が首に巻かれたことと、男への恐怖で、動悸と息切れが酷くなっていた。脳が酸素を求めている。男の手を止めるような言葉を探そうと、必死になるが、そんなこと思い浮かぶわけはなかった。私の口から出るのは、チープなありきたりな言葉だけだ。恐怖で目をずっと開けているとどうにかなりそうだ。生ぬるいものが胸の上を這う。驚き、目を見開く。男が私の胸に顔を埋めている。
「嫌、いやぁぁぁああ」
「やっとそれらしいこと言ったな?」
男が初めて口を開いた。声は、嗤っていた。私の顔を覗き込む。この状況を愉しんでいるようだった。
「やめてよ、何でもするからぁ」
「その強気が気に入らねぇ。何でも、俺は、てめぇを犯しに来たんだよぉ。何でもって言うなら、犯してもいいってことだよなぁ?」
ニヤニヤとした表情をしているのだろう。顔は見えなくても、男が考えているのは、どうせそんなところだ。
「抵抗すんなよ」耳元で怒気を孕んだような声でそう言い、男は、拘束していた手を解いたかと思うと、私の履いていたスカートのホックを引きちぎり、足元まで引き下ろす。そして、パンツに手を伸ばそうとしたのだが、私がまだストッキングをはいていることに気付くと、舌打ちする。そして、腰からストッキングに手を入れたかと思うと、先ほどのスカートと同様に引き下ろす、びりっと布が破れる音が部屋に無機質に響く。下半身に手を伸ばし、パンツの中に手を入れる。
反射的に男の手に手を伸ばすと、空いている片手で制される。
「抵抗すんなつっただろ?」
そう言い男は、掴んだ私の右手をペロリと舐める。それとほぼ同時に、私の秘部に彼の手が滑り込む。
「やだぁ、やめて、いやぁ」
「いつも男に足開いてんだろ、今更誰に犯されようと一緒だろうが」
「っそんな、こと、してない。してないからぁ」
目が熱い、無意識に涙が出ていた。この状況なら当たり前だろう。
「はっ、どうだかなぁ」
「ほんとうだからぁあ。ひとりと、だけ。わたしのあいてはぁ」
息切れし、嗚咽混じりの声でそう訴える。
その間も男は、手を止めようとしない。生暖かいぬるぬるとした液体が、下半身に広がっていくのがわかる。
「へぇ。それは、お前の男か」
もうとっくの昔に別れた、否、いなくなった。優しくて、不器用で、最高の彼氏だった。彼以上にいい人なんて現れない、だから、この外道な男に私の身体を汚されたくなかった。思い出を壊してほしくなかった。
「もういないの。だから、私の思い出汚さないでよぉ。」
泣き落としだ。外道に通じるとは、思えなかったが、男は、私の秘部から手を引き抜く。そして、私の胸元に再び顔を埋める。ちくり、ちくりと胸元に痛みが走る。
「この後が消えるまでには、また来てやるよ。その男との思い出をじっくり壊すためにな。逃げようとしても無駄だ。お前の行動は、すべて監視している。余計なこと考えたら、どうなるか、頭のキレるてめぇならわかるよな」
そう言って、男は、あっけなく部屋から出て行く。押し入った男が、私の彼の思い出を引き出したのだ。初めての彼氏で、初体験の相手で、そして、突然、私の前からいなくなった彼。
男が居なくなると堰を切ったように部屋でひたすら泣いた。恐怖、絶望、そして悲しみを胸に抱いて。
何故なら、私が玄関に入ってすぐ、電気をつけ、鍵を閉める前に押し入られたからだ。押し入った人物が纏う香水は、紛れもない男物で、私を抱える腕の筋肉量からして、細身の男だと、理解した。同時に、友人の悪ふざけのサプライズでないことも知ることになった。
「離して」
冷静に一言。まずは、それからだった。相手は、私に何の用があって来たのか、知る必要があった。性的暴行、もしくは、ただの暴行、それとも、窃盗。まさか、私を殺すためだろうか、様々な可能性が脳裏に過る。ことによれば、穏便にこの場を収めよう、命や身体を守れるなら、と思い、必死に男の腕を外そうとするが、両腕の関節を男の両腕で固められているため、体力は、消耗する一方だ。ならば、手荒だが、相手の急所である股間を蹴り上げよう、そう思い、足に残りの体力を全振りしたが、すぐにその目論見を見破られ、男は、大股で私のことを半ば引きずるように部屋の奥まで運び、リビングに置いてあったソファに押し倒す。男が馬乗りになり、私の両手を頭上で交差するように押えつけられた状態になったところで、私は負けた。大声など、無意味に等しいと、わかっていた。回しの住むマンションは、セキュリティよりも防音設備に特化しているのか、防音についての宣伝を、入居のさいにこれでもか、と聞かされたのだ。大声で叫び、喚いたところで助けは来ないと諦めていた。私に残された一縷の望みは、交渉、それだけだ。
「私に何か恨みがあってきたんですか。それとも、ただ、犯したい……ひゃっ」
男の冷たい手が、私の腹部に直に触れ、そのまま、トップスを捲り上げられる。ああ、これは、犯すのが目的か。最悪だ。
「どうして」
男の顔は、薄暗い部屋の中では、はっきりとわからない。嗤っているのか、睨んでいるのか、それすらも確認はできない。男の手は、私のブラジャーまで到達し、容赦なくトップスと共に私の首まで捲り上げる。衣服が首に巻かれたことと、男への恐怖で、動悸と息切れが酷くなっていた。脳が酸素を求めている。男の手を止めるような言葉を探そうと、必死になるが、そんなこと思い浮かぶわけはなかった。私の口から出るのは、チープなありきたりな言葉だけだ。恐怖で目をずっと開けているとどうにかなりそうだ。生ぬるいものが胸の上を這う。驚き、目を見開く。男が私の胸に顔を埋めている。
「嫌、いやぁぁぁああ」
「やっとそれらしいこと言ったな?」
男が初めて口を開いた。声は、嗤っていた。私の顔を覗き込む。この状況を愉しんでいるようだった。
「やめてよ、何でもするからぁ」
「その強気が気に入らねぇ。何でも、俺は、てめぇを犯しに来たんだよぉ。何でもって言うなら、犯してもいいってことだよなぁ?」
ニヤニヤとした表情をしているのだろう。顔は見えなくても、男が考えているのは、どうせそんなところだ。
「抵抗すんなよ」耳元で怒気を孕んだような声でそう言い、男は、拘束していた手を解いたかと思うと、私の履いていたスカートのホックを引きちぎり、足元まで引き下ろす。そして、パンツに手を伸ばそうとしたのだが、私がまだストッキングをはいていることに気付くと、舌打ちする。そして、腰からストッキングに手を入れたかと思うと、先ほどのスカートと同様に引き下ろす、びりっと布が破れる音が部屋に無機質に響く。下半身に手を伸ばし、パンツの中に手を入れる。
反射的に男の手に手を伸ばすと、空いている片手で制される。
「抵抗すんなつっただろ?」
そう言い男は、掴んだ私の右手をペロリと舐める。それとほぼ同時に、私の秘部に彼の手が滑り込む。
「やだぁ、やめて、いやぁ」
「いつも男に足開いてんだろ、今更誰に犯されようと一緒だろうが」
「っそんな、こと、してない。してないからぁ」
目が熱い、無意識に涙が出ていた。この状況なら当たり前だろう。
「はっ、どうだかなぁ」
「ほんとうだからぁあ。ひとりと、だけ。わたしのあいてはぁ」
息切れし、嗚咽混じりの声でそう訴える。
その間も男は、手を止めようとしない。生暖かいぬるぬるとした液体が、下半身に広がっていくのがわかる。
「へぇ。それは、お前の男か」
もうとっくの昔に別れた、否、いなくなった。優しくて、不器用で、最高の彼氏だった。彼以上にいい人なんて現れない、だから、この外道な男に私の身体を汚されたくなかった。思い出を壊してほしくなかった。
「もういないの。だから、私の思い出汚さないでよぉ。」
泣き落としだ。外道に通じるとは、思えなかったが、男は、私の秘部から手を引き抜く。そして、私の胸元に再び顔を埋める。ちくり、ちくりと胸元に痛みが走る。
「この後が消えるまでには、また来てやるよ。その男との思い出をじっくり壊すためにな。逃げようとしても無駄だ。お前の行動は、すべて監視している。余計なこと考えたら、どうなるか、頭のキレるてめぇならわかるよな」
そう言って、男は、あっけなく部屋から出て行く。押し入った男が、私の彼の思い出を引き出したのだ。初めての彼氏で、初体験の相手で、そして、突然、私の前からいなくなった彼。
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