78 / 95
第2章 出会いの街 編
068 ”夢”も希望も無い配置 <04/05(金)PM 03:08>
しおりを挟む※※※ 注意 ※※※
ただいま [夢の洞窟] 中です。
大量だったり、黒かったり、テカってたり…そういうのが苦手な方は、しばらく読み飛ばしていただいた方が良いかと思います。ご注意下さい。
[夢の洞窟]終了まで『目印』として、『無理矢理サブタイトルに”夢”の文字を付けていこう』と思います。よろしければ参考にして下さい。
-------------------------------------------------------------------------
出会いの街[ヘアルツ]の西(←)の岩山にある[夢の洞窟]を探索中の俺達3人は、『最初の小部屋』で宝箱を2つ、『次の小部屋』で更に2つの宝箱を発見しアイテムを入手した。
その後3つ目の『中部屋』で、更に3つの宝箱を発見し、周囲の大量の『オイシイ』モンスター『G竈』LV16を、『条件』を満たした『狂戦士』…ケイ1人の『無双』により一掃し、ドロップと宝箱の回収も無事終了する。
再び探索を再開し通路を進み始めた俺達は『G百足』を2体発見、上手く1体だけを誘い出し、『各個撃破』する事に成功し、障害を排除し、十字路? の直進(右)通路の先の、『らっきょう』部屋で8つ目となる宝箱を回収したのだった。
「あ~っ、臭かったなぁ」
「そうですねぇ、匂いが”濃縮”されてたというか……」
狭い通路の先の『細長い小部屋』で宝箱を回収した俺達は、元の十字路? 広間? へと戻って来ていた。正面左には俺達が『中部屋』からやって来た通路、右には『罠LV32、スライム』の部屋? 右斜め後ろ方向が、俺達が最初に『G竈』LV16に遭遇した地点へ戻っていく通路となっている。
「次は、あの右の部屋? だな?」
ケイは早速歩きはじめている。冷静というか、≪せっかち≫なのか?
「どんな感じですかねぇ」
「まぁ部屋? っぽいから、『通行止め』じゃないのは助かるな」
「………」ダンジョン内で発見した罠(トラップ)が、この『スライム』などの、『罠、トラップ扱い』のモンスターだった場合、当然? だが『”解除”は出来ない』。
宝箱の『ミミック』が『”解除”出来ない』…のと同じである。
そうなると「”立ち去る”、”迂回、Uターン”する」か、「”討伐”する」…しかないわけだが、これら『罠、トラップ扱い』のモンスターは”罠、トラップ扱い”であるために、
>ダンジョンの罠、宝箱の罠、ミミック…と、『そのダンジョンの適正プレイヤー』のLVの『倍~それ以上』あっても普通だ。[夢の洞窟]に出現するモンスターはLV10~18であるが、罠類のLVは 20~40? とかだろう。
…に当てはまるため、ほとんどの場合、『適正プレイヤーのLVにそぐわない高LV』で、しかも『ミミック』と同様に『LVを半減出来ない』ため、下手な『中ボス』や『ボス』より厄介なのである。
>そのため、よほどの格下のダンジョンでも無い限り、プレイヤーは避けて探索をする。
となるわけで、ようは”スパイス”というか、”ちょっとしたアクセント”というか、”通行止め要員”というか、『嫌がらせ』である。俺達プレイヤーが、『ダンジョンを我が物顔で歩く』のが、許せない男がいるに違いない、”誰”…とは言わないが。
このあたりも通常のRPGなどだと、「行ったダンジョンの『宝箱は全て入手』して、『MAPは全て埋め』て、出てくる『敵、中ボス、ボスは皆殺し』にして、『完全攻略』して当然」…という感覚ではないかと思う。(一部”思わせぶりな開けられない扉”などがあり、「後でイベントで来るのか?」…という程度だろう)
しかしTJOでは、『そのダンジョンの適正プレイヤー』では、≪倒せない≫モンスター、≪開ける事が難しい≫宝箱、≪対処出来ない≫罠、それらの要因により≪MAPも全て埋められない≫、 …というのが『当たり前』なのだ。
(そもそも無理してMAPを埋めたところで、翌月にはリセットされて白紙になってしまう)
しかも「どこまで挑戦し、どこから諦めるのか」…という”さじ加減”も、俺達プレイヤーの『判断』、『選択』に委ねられている。
「どのLVの罠まで解除する」、「諦めて立ち去る」、「どのモンスターと、何体まで戦う」、「何階層まで探索する」などだ。無論、「『完全制覇』に挑戦」してもいいし、そもそも「ダンジョンに入らない」…という『全てを諦める』選択もアリだ。
[山の洞窟]の1層で、”宝箱”や”扉”を「さっさと諦めて」帰還したのを、「え? なんで?」とか、「へたれ過ぎじゃね?」などと感じておられた方も、中には居るのでは無いか? と思うのだが、TJOとはそういう『ゲーム性』なのだ…としか言えないのである。
まぁ、”やればわかる”さ、あり…がたくねぇヤマコウイズム。
特に序盤は、ステータスも低く、装備も貧弱で、ロクなスキルも無い…と、非常に≪死にやすい≫。”残機が0”かもしれない現状では、慎重で臆病なくらいで丁度良い。
しかしその一方で、挑戦者魂、開拓精神を要求されるという… ホント TJOは地獄だぜぇ! (略。
「ヒイラギ、『スライム』はどこだ?」
先頭を歩いていたケイが、”スライム”部屋? の入り口で立ち止まって、『斥候』のヒイラギにたずねている。俺とヒイラギも入り口に行き、中の様子を伺う。
そこは、先ほどの『中部屋』くらいの部屋だった。『陸海空3軍の覇者』達がワサワサ…と少しずつ退散をはじめている。
「あっちの右隅の…… げ」
「「げ?」」
ヒイラギが『指差している方向』を見ると、そこでは『虫地獄』の中から”宝箱”が姿をあらわしつつあった。9個目の宝箱だ、3の倍数だから俺の番だが……
「え? …もしかして?」
「あぁ、ありゃダメだわ」
そう言いながらヒイラギは、『宝箱』と『宝箱の真上の天井』辺りを見比べている。
一緒になって宝箱の真上辺りの天井を見てみるが… う~ん「シミ?がある」…と言えばある? ような? …というか天井中ベトベトで、シミだらけで、あの程度の”シミ”? を、「『スライム』かもしれない」…と警戒しながら行動するなら、このダンジョンは『どこも歩けない』のでは無かろうか。『斥候』すごい。
「まぁ仕方無ぇな、よくある事だ」
と、ヒイラギは両手を広げて首を傾げた、「こいつぁ~お手上げだわ」という事だ。
まぁ俺達に『攻撃魔法』は無い(断言)から、仕方無いな。
「………」実際こういうのは≪よくある≫事だ。
…というか、「そういう風に出来ている」のだろう。
TJOでは、こういった『自然系ダンジョン』には、罠、トラップが少ない。まぁ普通『罠』などは、『侵入者を撃退、殺傷する』ために、『誰か』によって仕掛けられるのだから、『ただの自然洞窟?』にあるのは不自然だ。
しかしそれでは”楽勝”になってしまうので、こういう自然系ダンジョンに≪相応しい≫、罠、トラップが”お目見え”するわけだ。
こちらは≪数は少ない≫のだが、『解除が出来ない』事や、『対処が限られる』等、ほとんどの場合、『厄介さでは上』であり、軽視したり、楽観視するなど、もってのほかだ。
むしろ「罠が少なくて楽勝~」などと思っている所へ突如、凶悪な罠が襲いかかるという、陰湿なところがある。まぁ『TJO経験者』はそんな事は無いだろうが、初心者だと「自然っぽいダンジョンって、『斥候』が居なくても大丈夫なのでは?」 …とか考えそうだ。
いや逆だから、『斥候が居なくちゃヤベェから、マジヤベェッスよ?
ところで今回の様な場合、下の”宝箱”には『何の因果関係も無い』。必死で『スライム』LV32を倒したとして、宝箱が高LVミミックだったり、『爆弾』罠LV40だったりして、結局『諦める』しか無かったり、逆に罠LV18とかで中身も大したモノでは無いかもしれない。
[山の洞窟]の1層で、ピットLV18の、向こうにあった”罠LV12”の宝箱の様に、
>危険な所にあるから、苦労して入手したから、良い、高い物ばかりとは限らない。なんと言っても”あの嫌がらせの様な場所”にあったのは多分たまたまだろう。
…という事なのだが、『スライム』はよく『宝箱の上』に居る(ある)。こちらは≪たまたま≫では無さそうだ。「どう考えても”ただの嫌がらせ”です、本当にあり…がたくねぇ」
ちなみに、「ダンジョン新生時に、まず『正解ルート』が生成される」と説明したのだが、その正解ルート上には、これらの「『罠、トラップ扱い』のモンスター」は≪基本的に≫※設置されない。(※いくらか例外が存在する)
つまり「ダンジョンが攻略出来なくなったりはしない」し、同時にほぼ「『ハズレルート』である事が確定する」ので、安心? してUターンすれば良い。
無論、『討伐を選択』しても良い。そこはプレイヤーの自由である。
「おい、あっちにもあるぞ」
「ん? おぉ! あっちは大丈夫だ」
ケイが指差した方を見ると、部屋の左の端っこの方でも、少しずつ”宝箱”が姿を見せはじめていた。部屋をキョロキョロと見回してみても、右のスライム”宝箱”と、左の宝箱の他に目ぼしいモノは見当たらなかった。
「よっしゃ、それじゃアイツだな」
ヒイラギは気を取り直して、左の端っこの宝箱へと向かう。ケイはそのまま部屋の出口の方を警戒し、俺は少しヒイラギ寄りに立って回復の用意をしておく。
「さて …分析:罠[トラップアナライズ]」
ヒイラギがスキルを使用し、宝箱の上面部から下底部に向けて、いつもの『光る板状のモノ』がス~っと降りていく。
「罠は『爆弾』で、罠LVは31だな」
「………」『爆弾』罠LV31… いたって”普通”の罠で、”普通”の罠LVだな。半減して罠LV15だ。”普通”の『斥候』なら”普通”に解除出来るだろう。ふ・つ・う。
当然”普通”の『僧侶』である俺が”解除しよう”とすれば、リア充じゃないのに”普通”に爆発するだろう。ふ・つ・う。
「楽勝だな、 …解除」
キンッ!
迷う事無くヒイラギは解除にかかり、”普通”に解除に成功した。いつもの謎の金属音(罠解除成功音)がして、宝箱の錠前がポトリと地面に落ち、霞んで消滅していく。
「それじゃ… 次はマサヨシだな?」
そう言いながらヒイラギが宝箱の前を譲ってくれる。罠LV31だったので、『小さなビン』が出てくれば、『蟻酸?』かもしれないので期待が高まる。そっと宝箱を開けると…
「え~と? 『篭手』?」
宝箱から取り出したモノを、じ~っと見つめてみると、
《名:篭手(不確定名) 所有者:マサヨシ 》
「………」『篭手』とは、まぁ”剣道”とかで≪腕に着けるヤツ≫ですよ。
TJOでは、他に”手袋”、”グローブ”、”ミトン”、”ガントレット”、”ヴァンブレイス”などが、この『篭手』というカテゴリーに入る。
防具の一つであるので、当然ながら需要があり、それなりの値段で取り引きされるが、TJOでは防具を一式集めるのが大変であるため? か、防具類は≪武器より若干安め≫に設定されているため、同程度の武器よりは安くなる。
またゲーム時代には無かった要素? …だが、指先までガッチリガードされるタイプは、『手先の自由度を損なう』ため? か、『この世界』では『篭手』を装備していないプレイヤーが多く見られる。
まぁ『本格的なバイクのグローブ』を着けて、”裁縫”をする…みたいな感じ? だろうか?「うがあぁぁ、邪魔くせぇっ! やってられっか!」 …となるのだろう。
そんな訳で需要はあるだろうけど、ちょっとハズレ気味? な感じの一品だ。
…いや、待てよ。そうすると鑑定して”ヴァンブレイス”だったら、需要が高い? のか?
「お~ 『篭手』か、良かったな」
「『篭手』か、いいな」
ケイは防具なので珍しく反応が良い様だ。
「ありがとうございます」
そう言って『篭手(不確定名)』を『インベントリ』に収納した。
視界の右下の方へ意識を向けると<04/05(金)PM 03:14>と表示されていた。
-------------------------------------------------------------------------
LV:12(非公開)
職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)
サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)
所持金:4,961G
武器:なし
防具:布の服
所持品:15/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×21、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)90%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G、鬼王丸×2、弓(不確定名)、鉄のブーツ、棒(不確定名)、篭手(不確定名)
探知:罠[トラップディテクション] 半径15m範囲の罠の存在、形状、名称を探知し、罠LVを半減させる(小数点以下切捨て)
補足:”罠、トラップ扱い”のモンスターだった場合は、そのモンスターのLVも識別する、ただしモンスターのLVは半減出来ない。
分析:罠[トラップアナライズ] 宝箱等に仕掛けられた罠の種類と罠LVを識別し、罠LVを半減させる(小数点以下切捨て)
補足:ミミックだった場合は、そのミミックのLVも識別する、ただしミミックのLVは半減出来ない。
「ご主人さま~ れいがいってなに~?」
「あぁ、TJOでは色々なシステムや仕様があるんだが、大体の場合『例外が存在』する」
「なんで~?」
「「〇〇だ」、「〇〇は無い」と確定してしまうと、”油断”や”侮り”に繋がるから、では無いか? …とか言われてたな」
「ん~?」
「ようするに、「例外があるかもしれないよ? 常に緊張感を持ってろよ?」…という、ヤマコウの『ありがたくねぇメッセージ』…なんだろう」
「やまこう は かみさま~」
「そうだ、ありがたや、ありがた…くねぇ! 出会ったら殴るっ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる