サウザンド・ジョブ・オンライン ~あるみならい僧侶の話~

アヤマチ☆ユキ

文字の大きさ
91 / 95
第2章 出会いの街 編

080 さまよえるぼっち <04/05(金)PM 08:17>

しおりを挟む

 出会いの街[ヘアルツ]の『南口1の門』から、壁沿いに東(→)へ、亀裂を南(↓)へと進み、そこから川に沿って東(←)へ、北に南門1、南門2の間の壁がある辺りまで『南口1方面』の『宝箱、素材収集』をした。
 しかし大した成果が無かったのとLV16、VIT16になったため、ソロでは初めて『南口2方面』へと突入する。そのまま川沿いを西(←)へずんずんと進み、北の岩山にある[夢の洞窟]を過ぎてしばらくすると、川の向こう岸まで『石』製の長さ30m(川と同じ)、幅5mほどのしっかりとした造りの『橋』が掛かっている。
 この『石橋』は川向こうへと渡る、[ヘアルツ]から最も近いポイント…であり、『安全地帯』である。

岩山  ━━━┻━━━南門2━━━╋━━━南門1━━━┛

※大体こんな↑イメージです
 南門1、南門2の間の壁はかなり南まで続いています。
 [夢の洞窟]は岩山のふもとの”ほぼ中間地点”の南側”辺りです。


 ズシーン、ズシーン… と音を立てて大地が揺れている。

「ね~ご主人さま~」
「ん~?」
「あれ なに~?」
「あぁ、あれか? あれは………… 凶悪な『初見殺し』だ」
「しょけんごろし~?」

 「………」『初見殺し』あるいは『わからん殺し』とは、『前情報』無しに遭遇すると、なすすべ無く殺されたり、ゲームオーバーになってしまう。意地悪な仕掛けや罠、特殊なスキルを持っている強力なモンスター、イベント等である。
 『初見』つまり、”初めて””見る”者を”殺し”にかかっている。『わからん(知らない)』者は”殺される”…といったゲーム用語? だ。その性質上『出オチ』になる事も多く、事前に知っていれば対処や回避が容易である事も多い。


 はじまりの街[スパデズ]の『トシマ山猫』(レア)ファミリー? や、『饅頭マントウひつじ』トラップ、『孤独のウルフ』、『スライム』等も、ある意味『初見殺し』であろう。
 だが目の前の≪アレ≫は、そんな生易しいモノじゃない。

 この『石橋』を渡った、こちらの川向こう側には、≪例の村≫や[虹の洞窟]へと続く『道』があるが、他は見渡す限りの『平原』となっている。そしてこの『大平原』には、『ナゴヤシュダガヤ』、『饅頭ひつじ』等、オイシイ草食系の『非アクティブモンスター』が多く生息している。しかしここで≪それら≫を狩るプレイヤーはあまり居なかった。ヤツが居たためだ。


 ズシーン、ズシーン…と、大地を揺らしながら、俺とミケネコが見物している『安全地帯』である『石橋』から、40~50mほど離れた場所を、薄暗い中でもわかるほど≪巨大な人影≫がうろついていた。


 『シーシュボッチ』、LVは…40…? あぁ確か「死に」で、LV42だったな。ついでに所持金は皆殺し(ミナゴロシ)で、『37,564G』だったはず。
(※画面(20m)範囲内で無いので、『簡易判定』でのLV確認は出来ません)

 身長15mほどもある筋肉ムキムキの巨人。常に3~5mはあろうかという『巨岩』を持ち運んでいて、縄張り、テリトリー内に侵入者(俺達プレイヤー)を見つけると、問答無用でその巨岩を投げつけてくる凶悪な『ぼっち』だ。
(一応設定上は、この大平原の南にある「山の山頂へとその岩を運んでいる」らしいのだが、いつも大平原をふらふらと彷徨っている。スレでは”方向音痴”説が流れていた)

 巨岩という事で当然『切断』属性や『刺突』属性では無く、『打撃、衝撃』属性である。つまり『防御貫通攻撃』という事で、鎧等の防御力を大幅に無効化され大ダメージを喰らう。

 LV42の『防御貫通攻撃』… しかも『3~5mほどの範囲攻撃』である。
 「『足音』を無視して『饅頭ひつじ』等を狩っていたら、わけもわからず突然パーティが全滅していた」 …といった事態もよくある話であった。

▼▼▼▼▼ 補足、解説 ▼▼▼▼▼

 いくらヤマコウとはいえ、突然死亡する様ではフェアでは無いので、ここまでの『饅頭ひつじトラップ』等も「そうそう楽で美味しい話は無いんですよ? 危険(リスク)は付き物ですよ」という警告になっています。

 そして『シーシュボッチ』は、巨体で視野が広く「索敵能力が高い」という設定で、画面内(20m)に入るとすぐに攻撃してくるため、『同エリア100m範囲』に入った段階で、この「ズシーン」…という足音(警告)が聞こえる様になっています。
(エリアが違うため川向こうまでは聞こえません、またこの場合『橋』はどちらのエリアでもある、という扱いです)

 さらに主人公はゲーム時代から『冒険者ギルド』に極力立ち寄らない、利用しない方針であったので忘れていますが、当然? 『イルカモネ山猫』の様にギルド内に警告文があり、他にも街中のNPCがヒントを出してくれています。
 (これも主人公は「あぁハイハイ、おっさん乙」…等と聞き流していますが)

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


「でっか~い」
「そうだなぁ」
 橋(安全地帯)の『大平原』側で胡坐あぐらをかいて座って見物する俺の隣で、ミケネコは前足をついて腰を落とした”おすわり”? の格好で、ゆらゆらと尻尾を揺らしている。
 その何か嬉しそうに『シーシュボッチ』を見ているミケネコの背中を撫でながら、俺も適当な相槌を打っていた。

 「………」ここで「飛んでくるのって、たかが岩でしょ?」と思うかも知れないのだが、中世等で使用されていた攻城(城を攻める)兵器として、投石機カタパルトというモノがある。
 これは木製の大きな≪おたま≫の様な部分に、石や岩を乗せて、錘や≪てこ≫の原理で飛ばして、城の中の敵兵を攻撃したり、城壁、城門等の破壊を目的とする兵器である。
 一見大仰で大掛かりな兵器であったが、おたま部分を見れば、結局の所は「30~50cm程度の石や岩を投げつけていただけ」…というモノなのだ。
 それでも「攻城兵器」として歴史のそこかしこに登場している。

 その約10倍もの巨岩を近距離(10~20m)で投げつけてくるのだ。両手を広げて『その大きさの岩』を想像してみてもらいたい。それでも1m~ほどだろう。その倍以上の岩が≪一直線に≫飛んでくる… という脅威。

 中型の4tのダンプカーの幅が2mほどなので、(1台でも大惨事になりそうではあるが)…その『4tダンプが2台並走して100kmほどで突っ込んでくる』イメージだ。
 少々体を鍛え鎧兜を装備していようが、焼け石に水。どうにかなるモノでは無い。
 また『機動隊』が暴徒鎮圧、対テロで使用するライオットシールド、バリスティックシールド、ジュラルミンの盾…等、「好きな物を使っていいから”受け流す”か”耐えて”みろ」と言われても出来る気がしない。

 TJOでは大雑把(実際には細かい計算や補正等があるのだが、ここでは割愛する)に、「クリーンヒットした場合に、MAXHPの約2倍を超えてしまう様な大ダメージの攻撃」から、『受け流し』、『パリィ』、『ウェポンブレイク』等は成功率が劇的に低下していき、『盾』等でまともにガードした時の『防御貫通率』も劇的に上昇していく。(クリティカル等でなく「通常ヒットで”即死ダメージの2倍”以上喰らう様なダメージ」という事)

 ようするに『格上の存在』、『強烈な攻撃』には『小手先の技』は通用しなくなり、ガードしきれなくなっていくわけだ。もちろん成長し同等のLV、防御力、HPになれば通用するし、ガードにより大幅に被ダメージを軽減出来る。

 まぁ考えてみれば、LV1のプレイヤーが『木の盾』で、LV200のモンスターの攻撃を『全部ノーダメージで耐えられる』とか、『受け流せる』のは≪不自然≫でしか無い。何事にも限度がある。(※「そんなわけない、俺なら出来る」などと言って「ダンプカーの突撃をライオットシールドで受け流してみた」等の行為は絶対にしないで下さい。)


「ご主人さま~ ”そうぐう”するの~?」
「ハッハッハ…… ミケネコは面白い事を言うなぁ~」
 薄闇の中をズシーン、ズシーンと闊歩する巨大な影を見て、のんきに≪無茶ブリ≫をしてくるミケネコさんを少し力をこめてワシャワシャする。

 「………」さてこの『シーシュボッチ』LV42、当然? ゲーム時代は「ハイリスク? ハイリターン」…として人気のイベント? だった。
 基本的に最初に発見(仮FA)された低LVプレイヤーは「確実に死ぬ」のだが、見た目通りに「『岩』は1つしか持っていない」ので投げた後は「拾いに来る」のである。
 その隙に他のメンバー(大体の場合は野良の募集)が、10m範囲(遭遇ボーナス条件)に近付いて、バラバラに逃げる。しかしその間に拾った『岩』で再度攻撃され、≪次に狙われた≫運の悪いプレイヤーは、やはり逃げきれず死んでしまう。
 そして逃げ延びたプレイヤーが今度は『最初の囮』に回って死ぬ …と、交代で『遭遇ボーナス』を狙うのだ。なにしろLV42×3体分の経験値であるので、大幅LVUP間違い無し、所持金を調整して参加すれば『デスペナルティ』もあまり痛く無い… という夢のあるイベント? である。

 ある種の『鬼ごっこ』の如く、低LV者が『シーシュボッチ』に群がっては「蜘蛛の子を散らす」様に四方八方に逃げていく。
 そして結局このイベントに参加した者は、交代で皆が一度は岩に叩き潰される。
 やがてLV50を過ぎた頃にパーティを組んで討伐に来て「あの時は即死だったのに今はあまり痛くない」とか、「普通に倒せる様になってる」等と、自分達のLVUP、成長具合を実感、確認し、懐かしむような存在だったのだ。
 (他にも「低LVPTでの討伐に挑戦」だの、「ソロで遭遇ボーナス獲得に挑戦」だのと、『ぼっち』のくせにそこそこ人気者であった)

 …と、そんな感じで俺もゲーム時代は≪適当な募集≫に参加して、『岩』に叩き潰されたものだったのだが、もちろん『痛み』なんか無かったし、いくらでも復活出来た… からであって、現状では『無意味に即死させられる』だけの存在だ。(…そういえば「即死ダメージ」って”猛烈に痛い”のか? 逆に”痛く無い”のか? …いいか、やっぱり知りたくない)


 そんな訳でこのイベントは『無い』。確かにオイシイけれども結局は『先払い』に過ぎないわけで、適正LVで『遭遇』すればローリスクで遭遇ボーナスは回収出来るのだ。
(……とは言え≪今なら≫オイシイんだがなぁ。まぁLV50を過ぎて『転職』した頃に、また会いに来よう。死んでしまっては元も子も無い)

 ワシャワシャワシャワシャ……
「い~た~い~~~」
「ふぅ…… よしっ、それじゃ帰るか」
「お~かえるか~~~」
 ひとしきりミケネコをワシャワシャ(おしおき)したので立ち上がる。
ひとまずさらばだ『シーシュボッチ』LV42君。末永く『ぼっち』でいるがいい。

 そうしてまた『石橋』を北(↑)へと戻っていくと、範囲を外れたのか「ズシーン」という足音も聞こえなくなる。そのまま北上し北の『岩山』の手前で東(→)へ進んで行くと、[夢の洞窟]へ続く小道と、俺達が入る前に≪軽く食事をした≫付近に繋がった。
 そこからは同じ様に、『西口1方面へ繋がる切れ目』付近を大きく避けて、予定通りに『南口2の門』から街へと戻った。
 『盗ゾック(斧)』LV8、『盗ゾック(ナイフ)』LV9のコンビ、そして『孤独のウルフ』LV13には襲われなかったが、当然遭遇ボーナスも無しである。
 視界の右下の方へ意識を向けると<04/05(金)PM 08:52>と表示されていた。


-------------------------------------------------------------------------
LV:16(非公開)
職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)
サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)
所持金:49,061G
武器:なし
防具:布の服
所持品:16/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×21、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)90%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G、鬼王丸×2、鉄のブーツ、鋼の弓-2、白銀の槍-1、リボルバー(44)-2、蟻酸


「なんか きずついてたよ~?」
「……『ぼっち』の事かな?」
「………ぼ~ん」

「……仕方無いな。今度絶叫マシーンにでも乗ろう」
「びび~る~」
「……(どうなってんだ? このミケネコのデータベースは…)」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

処理中です...