23 / 24
43日目(中)
しおりを挟む
49日法要では、住職の(なに言ってるのかちんぷんかんぷんな)読経が2~30分ほどあり(その最中に一度焼香をする)、それから最後に49日の意味についてお話をして頂いた。
亡くなられた人の魂が自らの死を受け入れ、それから縁のある人や土地を49日かけて巡り、この世の未練を無くして天へと昇るための法要であり、同時に私たちこの世に残る側も故人に対する悲しみを癒やし、死を受け入れ、天へと昇る魂を見送る。それが49日法要なのだと、住職は仰った。
それを聞かされた私は、これで、本当に全部終わっちゃったんだなぁ……。と、一抹の悲しみを覚えると同時に、身体からすぅ……と、色々なモノが抜け落ちていったような気がした。
住職が本堂を立ち去った後、私たちは母の遺骨を持って下の階にある納骨堂へと向かった。
母の仏壇は祖父母の仏壇の斜め向かいにあった。
真新しい仏壇に母の遺骨を納め、一人ずつ線香を上げていく。
それから、やや手間取りながら仏壇の中に色々な仏具をしまい、掃除をすませ、祖父母の仏壇にも手を合わせてお寺を後にした時、時刻は会食の予約時間5分前になっていた。
…………おもっくそ遅刻しとるやん!
とりあえず、急ぎ予約したお店に電話を入れて10~20分程遅れることを伝え、お寺にタクシーを呼んでもらった(兄の借りたレンタカーでは全員は乗れないので)
遅れること14,5分、お店が入っている札幌駅隣にある大丸に到着。八階にあるレストランエリアに向かった。喪服のままで。
…………しゃ、しゃーないやん? 法要すませたばっかなんやし。
と、胸中で居合わせた客に言い訳しながらお店に入り、個室に案内されるなりとりあえずネクタイをとった。
年配の方ばかりだからと選んだこの日本料理店ーーなだ万茶寮さん。コースの品数がけっこう多く、その頃はもうだいぶ食欲が戻ってきた自分でも、けっこう量があって、きつかった。おいしかったですけどね?
ーーで、このお店でも、変わらず父は一人ぱかぱかとビールを呑んでいた。脳いっ血で倒れたと言うことを全く理解していないようだった。
会食も終わり(ドリンク別料金と言うことと、ウチのおっさんがぱかぱかとビール呑みやがってくれたおかげで、6人で約三万円くらいになった。予算、抑え目にしてたのに……)、お店を出たところで親戚二人とは別れ、私たちは伯母とと共に仏壇に飾る花を買いに行った。
法要に使用した仏花もあったのだけど、それではずっと飾っておくことは出来ないし、そもそもそれ以前に、それでは仏壇の扉を閉じることも出来なくなっていたからだ。
エスカレーター使って一階ずつ降りながらデパート内を物色。
地下一階の隅にある花屋に、ちょっと小ぶりな丁度良さげなドライフラワーが並んでいたので、それを購入することに。
幾つかあるドライフラワーの内の一つに目が止まり、
あ、これ良いなぁ。と伸びた手はーー
¥19800
の文字を見た瞬間、ピタリっ! と停止。キュルル……と巻き戻されて元の位置まで戻された。
…………いやぁ、花って高いよねぇ。
と言うことで、次次点のドライフラワーを選択(それでも八千円したけども)。
因みに、後で聞けば、兄と伯母もやはり最初にあの¥19800の花に目がいったそうだが、値段を見て候補から除外したらしい。
まぁともかく、何とか花を購入した私たちは再び、お寺へと戻ったのだが……
たどり着いた寺の駐車場は、すでに門が閉まっていたのだった。
亡くなられた人の魂が自らの死を受け入れ、それから縁のある人や土地を49日かけて巡り、この世の未練を無くして天へと昇るための法要であり、同時に私たちこの世に残る側も故人に対する悲しみを癒やし、死を受け入れ、天へと昇る魂を見送る。それが49日法要なのだと、住職は仰った。
それを聞かされた私は、これで、本当に全部終わっちゃったんだなぁ……。と、一抹の悲しみを覚えると同時に、身体からすぅ……と、色々なモノが抜け落ちていったような気がした。
住職が本堂を立ち去った後、私たちは母の遺骨を持って下の階にある納骨堂へと向かった。
母の仏壇は祖父母の仏壇の斜め向かいにあった。
真新しい仏壇に母の遺骨を納め、一人ずつ線香を上げていく。
それから、やや手間取りながら仏壇の中に色々な仏具をしまい、掃除をすませ、祖父母の仏壇にも手を合わせてお寺を後にした時、時刻は会食の予約時間5分前になっていた。
…………おもっくそ遅刻しとるやん!
とりあえず、急ぎ予約したお店に電話を入れて10~20分程遅れることを伝え、お寺にタクシーを呼んでもらった(兄の借りたレンタカーでは全員は乗れないので)
遅れること14,5分、お店が入っている札幌駅隣にある大丸に到着。八階にあるレストランエリアに向かった。喪服のままで。
…………しゃ、しゃーないやん? 法要すませたばっかなんやし。
と、胸中で居合わせた客に言い訳しながらお店に入り、個室に案内されるなりとりあえずネクタイをとった。
年配の方ばかりだからと選んだこの日本料理店ーーなだ万茶寮さん。コースの品数がけっこう多く、その頃はもうだいぶ食欲が戻ってきた自分でも、けっこう量があって、きつかった。おいしかったですけどね?
ーーで、このお店でも、変わらず父は一人ぱかぱかとビールを呑んでいた。脳いっ血で倒れたと言うことを全く理解していないようだった。
会食も終わり(ドリンク別料金と言うことと、ウチのおっさんがぱかぱかとビール呑みやがってくれたおかげで、6人で約三万円くらいになった。予算、抑え目にしてたのに……)、お店を出たところで親戚二人とは別れ、私たちは伯母とと共に仏壇に飾る花を買いに行った。
法要に使用した仏花もあったのだけど、それではずっと飾っておくことは出来ないし、そもそもそれ以前に、それでは仏壇の扉を閉じることも出来なくなっていたからだ。
エスカレーター使って一階ずつ降りながらデパート内を物色。
地下一階の隅にある花屋に、ちょっと小ぶりな丁度良さげなドライフラワーが並んでいたので、それを購入することに。
幾つかあるドライフラワーの内の一つに目が止まり、
あ、これ良いなぁ。と伸びた手はーー
¥19800
の文字を見た瞬間、ピタリっ! と停止。キュルル……と巻き戻されて元の位置まで戻された。
…………いやぁ、花って高いよねぇ。
と言うことで、次次点のドライフラワーを選択(それでも八千円したけども)。
因みに、後で聞けば、兄と伯母もやはり最初にあの¥19800の花に目がいったそうだが、値段を見て候補から除外したらしい。
まぁともかく、何とか花を購入した私たちは再び、お寺へと戻ったのだが……
たどり着いた寺の駐車場は、すでに門が閉まっていたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる