異世界転移したら、スマホが超優秀美少女に~ギルド本部にも追放されたので孤高の英雄を目指します~

流転

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三章

ラウラ=アルトリア

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「マスター、激しい……。もっと、ゆっくり……シテ」

「ゆっくり動かしてもダメな事ぐらい、もう分かってるんだよ」

「マスター……ンッ……ダメッ」

 甘い吐息と、柔らかい髪から香る果実の匂いが揺れる度に二人の狭い一室に漂う。
 次第に辰巳の指には力が入り、動くスピードは徐々に早くなる。上下に動かしながら辰巳は、シシリを上から写し口を開く。

「シシリ……お前……」

「マスター……おやすみ」

「おい、何がンッだよ。早く起きろや、うらぁ!」

「あーれー」

 揺さぶっても起きず、辰巳は敷布団を豪快に抜き取る。シシリは、抗うことも出来ずクルクルと回転してから床へ身体を強打した。

「つうか、もっと感情を込める努力をしろよな」

「感情? 訂正、不感症?」

「お前、怒りのバーストナックルを喰らいたいよーだな」

 拳を握り構えると、シシリは良く分からない構えをした。

「なんだ、そのあからさまに弱い憲法家の構えは」

「これは、マスターの書いていた小説の主人公がした構えを忠実に精密に的確に再現」

「お、おいおい!? やめろ?」


 構えを解くと、だらけた服からは肌が見える。表情だとしてもきめ細かい肌に、細く綺麗な首から鎖骨にかけてのラインは欲情を駆り立てるものだ。生唾を飲み込み、目をそらすも重力に引き込まれる物質が如く惹き込まれそうになる。

「マスターまた顔、赤い」

「は、べ別に赤くねぇーし!? ……って、そんな事はどうでもいいんだった今日は買出しに行くぞ」

 未だ二人は帝国の宿に身体を置いていた。と言うのも、来て二週間が過ぎたが未だに情報が少な過ぎる。帝国を出るとしても準備は必要だ。此処に来た日を思い出し、何も無かった事は事実。つまり、食料や飲料を買わなくてはならない。
 ロンの槍やディーワ・マーテル等は再びシシリの宝物庫へとしまってある分買い込む算段だ。

「だが、残りは聖金貨十五枚と銀貨三枚か……。ためてた宿泊代が二人で聖金貨五枚……。ああ、金がねぇ」

 あと何日これで持つのか、結局どの世界でも生きてく上では稼がないとやっていられない。仕事を探すにしろ、住所不定の輩を雇うほど優しくもない。

「マスター、誰か来た」

 頭を抱えていると、シシリの予言は的中しドアのノック音が響いた。

「誰だろうか」

「分からない、邪魔者は排除」

「おい、アサシンダガーをしまえ。つか、お前どこでそんはセリフを」

「私は、マスターで出来て……私の身体はマスター」

「言い直す必要ねぇから。スポーツドリンクかっつーの。取り敢えず、ドア開けるか」

 辰巳が、なんの警戒もなしにドアを開くと目の前には老人が立っていた。しかも、黒塗りのタキシードを着た紳士。

「おや、お元気そうで」

 エナメルの靴から頭の天辺を見上げた時、辰巳の声は自然と漏れた。

「あ、あなたはあの時の……」

 服装は、明らかに違うが間違いなくリューベル=バルハ。
 にこやかな笑を浮かべるバルハは、紳士に頭を一度深々と下げた。

「あの時は、本当にありがとうございましたタツミ様」

「いやいやいやいや! 気にしないでください! と言うか、顔を上げてくださいよバルハさん」

 手を素早く左右に動かした。このまま辰巳も頭を下げるべきなのかすら悩むが、その手の作法など知る由もない辰巳の行動はあからさまに不自然。バルハは数秒、頭を下げた後にゆっくりと顔を上げて神妙な趣で流暢に言った。

「いえ、命の恩人に無礼は私のプライドが許しません」

ぶれること無く下手に出るバルハの対応に、調子が狂いつつも手持ち無沙汰になった手で、後頭部をかきながら問いかけた。

「えっと……その……今日は、どういったご要件で?」

「ええ。貴方様のお話をしたら、是非お会いしたいと仰られましてお迎えにあがったのです」

「会いたい、人?」

 辰巳の問に、短く頷いてバルハは答えた。

「ええ、我が国の王・ラウラ=アルトリア様です」

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