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六章
上を目指して
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「中に入るぞ、シシリ」
辰巳とシシリは、破滅の塔の前に来ていた。天を貫く高々に伸びた、茶色い物体は、塔と名称するよりも、うねったり凹凸していたりと大樹に近い。ただ、一体何処から伸びているのか、眼前に佇む大木の根っこは見当たらない。
それはまるで、地中奥深くから伸びており、目の前のそれは中間だと思わざるを得ない。
とは言え、入口が設けられている事から、塔だと思いとどまるのが妥当だろう。
「はい、マスター。安心してください、中には敵の気配を感じません」
シシリに言われて、辰巳は自分の肩に力が入っていた事に初めて気がついた。
「お前は、何でもお見通しなんだな」
「はい。マスターの事なら体の隅々。詳しく言えば、何で興奮す──」
「おいやめろい」
大樹を目の前に、そして追い風が連れてくる消炎等の煙が産む不穏な香りが、辰巳の本能を燻り警戒させていた。
ジト目で小首をかしげるシシリを見て、小さい笑が零れる。彼女の振る舞いは、良くも悪くも辰巳から、今、感じていた恐れと言う概念を消し去った。
「ははは。まあいい、すすもう」
勝手に開いた大きな木製の扉は、二人を歓迎しているのか、または、怒っているのか、耳に残る甲高く軋んだ音を長きに渡ってユックリと鳴らす。扉の先からは、風が吹き付けることもなく、無音であり闇である空間がヒッソリと出迎えた。
「辺りは、真っ暗でなにもみえやしねぇな」と、体を回転させながら辰巳は、感想を述べる。シシリが言う通り、物音一つ聞こえない此処は、二人しか居ないようだ。唯一分かるのは、数歩進んだ先は縦に続く空洞になっており、落ちたら一溜りもないと言う事。と、壁には無数に光る何かが散りばめられている事だ。淡く光る石の様なものがあったからこそ、空洞だと気が付くことが出来た理由だが、
「シシリ、落ちないように気をつけろよ」
余裕を見せる仕草とは裏腹に、背中にかいた汗は一気に引き、竦み上がったのも事実だった。
「マスター、流石にダサい。声もすごい震えてる」
辰巳は、正常を装っていたようだが、実際は表面に出ていた。的確な指摘をシシリから受けて、辰巳の羞恥心は最高値に達する。
「はは、はあ!? な、何がダサいんだよ! わ、訳わかんねぇし? こんなん別に怖くねぇし、余裕だし!」
恥ずかしさのあまり、辰巳は空洞に足を突っ込む。
「な!? 余裕だろ? ビビってねぇーって証明……ッて、あれ?」
辰巳の突っ込んだ足の裏は、何か硬いものに当る感覚を脳に伝達した。音は無いが、足踏みを片足ですると、確かに何かがある。
「そう言う事。ここは、どうやら昇降する機能を成しているみたい」
何事も無かった様子で、シシリはヒョイと軽い体で硬い何かに飛び乗った。
呆気に取られてしまった辰巳。返す言葉が見当たらず、呆然と辰巳に手を差し出すシシリを見つめた。
「お前、最初から分かってたの?」
「当たり前」
「分かっていたのに、教えてくれなかったの?」
「そう」
「え? 何で?」
「面白かったから」
「──クソッタレぇえ!! ちきしょー! くッッそ!! 言葉にならねぇとは正にこの事だな」
飛び乗り、ドンドンと足踏みをして悔しさを露わにするが、シシリは無表情で、
「言葉にはなってる。だから、伝わる。悔しさが」
「おいこら、なんて事を。──いいや、それよりも、どーやって上に行くんだ。輝明龍で行くのか?」
顔を仰ぎみて、先の見えない闇に目を凝らす。
「その必要は、ない」
「ない? なら、どーやって行くんだ?階段もなければ何も無いんだぞ」
シシリは、一つ頷いて下を指さす。
「もし、誰も来て欲しくないなら、こんな機能を此処に残さない。つまり」
「つまり、俺達がここに来るのを想定していたと言いたいのか?」
「そう。だから、私達は既に観られている」
辰巳は、身構え、背負った二筋の内の一筋を抜き取った。敵の術中に、ハマったとなれば攻撃をしてくるのがセオリーであり、逃げ場が無いこの状況ならどうなるか分からない。
「マスター。マスターは、少し判断に欠けている。焦りや恐怖はマイナスへしか働かない」
容赦ない言葉は、冷静であり平坦な声音、故により深く心に突き刺さる。辰巳は、構えた槍を元に戻し、短く頭を下げた。
「す、すまん」
「謝る必要は無い。感情に流されるのは、悪い事じゃない。けれど、今回の私が言った言葉を噛み砕いて聞いていれば、無駄な動作は取らなかった」
言われてから、辰巳は思い返す。
(シシリは、この場に踏み込む前から、下に何かがあると気がついていた。アルトリアの家に虫が来た時も、いち早く存在に気が付き行動をしていた。違うだろ……そんな事じゃない。
シシリは、一番初めに言っていた。『中に敵の気配はない』と)
「すまん」
「だから、謝る必要は無い。だから、私を信用して。心配するのではなく、信用をして」
(心配ではなく、信用──か)
辰巳はシシリの言葉に答え、自分の浅はかな感情を咎め、口の端を噛み締める。
「マスター、始まる」
シシリが、辰巳の小指を握り下に視線を促した。
下の何かが眩い光を放ち、さながら魔法陣の形をしたそれは静かに上昇を始める。
「何が始まるって言うんだ?」
「私達の──戦争」
辰巳とシシリは、破滅の塔の前に来ていた。天を貫く高々に伸びた、茶色い物体は、塔と名称するよりも、うねったり凹凸していたりと大樹に近い。ただ、一体何処から伸びているのか、眼前に佇む大木の根っこは見当たらない。
それはまるで、地中奥深くから伸びており、目の前のそれは中間だと思わざるを得ない。
とは言え、入口が設けられている事から、塔だと思いとどまるのが妥当だろう。
「はい、マスター。安心してください、中には敵の気配を感じません」
シシリに言われて、辰巳は自分の肩に力が入っていた事に初めて気がついた。
「お前は、何でもお見通しなんだな」
「はい。マスターの事なら体の隅々。詳しく言えば、何で興奮す──」
「おいやめろい」
大樹を目の前に、そして追い風が連れてくる消炎等の煙が産む不穏な香りが、辰巳の本能を燻り警戒させていた。
ジト目で小首をかしげるシシリを見て、小さい笑が零れる。彼女の振る舞いは、良くも悪くも辰巳から、今、感じていた恐れと言う概念を消し去った。
「ははは。まあいい、すすもう」
勝手に開いた大きな木製の扉は、二人を歓迎しているのか、または、怒っているのか、耳に残る甲高く軋んだ音を長きに渡ってユックリと鳴らす。扉の先からは、風が吹き付けることもなく、無音であり闇である空間がヒッソリと出迎えた。
「辺りは、真っ暗でなにもみえやしねぇな」と、体を回転させながら辰巳は、感想を述べる。シシリが言う通り、物音一つ聞こえない此処は、二人しか居ないようだ。唯一分かるのは、数歩進んだ先は縦に続く空洞になっており、落ちたら一溜りもないと言う事。と、壁には無数に光る何かが散りばめられている事だ。淡く光る石の様なものがあったからこそ、空洞だと気が付くことが出来た理由だが、
「シシリ、落ちないように気をつけろよ」
余裕を見せる仕草とは裏腹に、背中にかいた汗は一気に引き、竦み上がったのも事実だった。
「マスター、流石にダサい。声もすごい震えてる」
辰巳は、正常を装っていたようだが、実際は表面に出ていた。的確な指摘をシシリから受けて、辰巳の羞恥心は最高値に達する。
「はは、はあ!? な、何がダサいんだよ! わ、訳わかんねぇし? こんなん別に怖くねぇし、余裕だし!」
恥ずかしさのあまり、辰巳は空洞に足を突っ込む。
「な!? 余裕だろ? ビビってねぇーって証明……ッて、あれ?」
辰巳の突っ込んだ足の裏は、何か硬いものに当る感覚を脳に伝達した。音は無いが、足踏みを片足ですると、確かに何かがある。
「そう言う事。ここは、どうやら昇降する機能を成しているみたい」
何事も無かった様子で、シシリはヒョイと軽い体で硬い何かに飛び乗った。
呆気に取られてしまった辰巳。返す言葉が見当たらず、呆然と辰巳に手を差し出すシシリを見つめた。
「お前、最初から分かってたの?」
「当たり前」
「分かっていたのに、教えてくれなかったの?」
「そう」
「え? 何で?」
「面白かったから」
「──クソッタレぇえ!! ちきしょー! くッッそ!! 言葉にならねぇとは正にこの事だな」
飛び乗り、ドンドンと足踏みをして悔しさを露わにするが、シシリは無表情で、
「言葉にはなってる。だから、伝わる。悔しさが」
「おいこら、なんて事を。──いいや、それよりも、どーやって上に行くんだ。輝明龍で行くのか?」
顔を仰ぎみて、先の見えない闇に目を凝らす。
「その必要は、ない」
「ない? なら、どーやって行くんだ?階段もなければ何も無いんだぞ」
シシリは、一つ頷いて下を指さす。
「もし、誰も来て欲しくないなら、こんな機能を此処に残さない。つまり」
「つまり、俺達がここに来るのを想定していたと言いたいのか?」
「そう。だから、私達は既に観られている」
辰巳は、身構え、背負った二筋の内の一筋を抜き取った。敵の術中に、ハマったとなれば攻撃をしてくるのがセオリーであり、逃げ場が無いこの状況ならどうなるか分からない。
「マスター。マスターは、少し判断に欠けている。焦りや恐怖はマイナスへしか働かない」
容赦ない言葉は、冷静であり平坦な声音、故により深く心に突き刺さる。辰巳は、構えた槍を元に戻し、短く頭を下げた。
「す、すまん」
「謝る必要は無い。感情に流されるのは、悪い事じゃない。けれど、今回の私が言った言葉を噛み砕いて聞いていれば、無駄な動作は取らなかった」
言われてから、辰巳は思い返す。
(シシリは、この場に踏み込む前から、下に何かがあると気がついていた。アルトリアの家に虫が来た時も、いち早く存在に気が付き行動をしていた。違うだろ……そんな事じゃない。
シシリは、一番初めに言っていた。『中に敵の気配はない』と)
「すまん」
「だから、謝る必要は無い。だから、私を信用して。心配するのではなく、信用をして」
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辰巳はシシリの言葉に答え、自分の浅はかな感情を咎め、口の端を噛み締める。
「マスター、始まる」
シシリが、辰巳の小指を握り下に視線を促した。
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