書物の森に憧れて 読んだ本の個人的感想

春画ールの『春画で読むエロティック日本』読みました

　

　これは面白い、勉強になる！
　春画は絵なのでパッと見でもだいたいの内容がわかりますが、そこに記されている用語や言い回しなどについて説明されており、これは江戸時代を舞台にした官能小説を書いたり読んだりする時の参考になる。
「指人形」て手マンの事なんですってよ、奥様！
「尻をする」は尻穴に挿入する、されるといった行為でおもに男性同士の性行を意味する。
　日本の男色は奈良・平安時代の公家や僧侶の社会、鎌倉・室町時代の武家社会の嗜みを経て江戸時代には庶民をふくんだ個人的な趣味嗜好へと様相を変えながら引き継がれていきましたが江戸時代となると春画でパロディ化した偉人たちが尻穴を掘ったり掘られたり。
『新板　心底承知私』という艶本は歌舞伎の『神霊矢口渡』を題材にした二次創作なのですが、元ネタについての説明は省いて本書から抜粋。

「みんなで順番に犯そうぜ！」て……、真面目な原作を好き勝手に変えてエロにするなんて完全に現代のエロ同人の世界。
　俺たち日本人は江戸時代からこんな事をしていたのか……。
　他にも『浦島太郎』の春画パロディの『まら嶋太郎』なんて本もあったり（くだらねぇよ！）します。
　頭が雁（亀頭）になっている鷹、これがほんとの雁高（くだらねぇよ！）

　江戸時代の性具についてのくだりでは、付喪神になった張形（ディルドー）の逸話も。
　なんだこの『現代都市妖鬼考 霊媒師いずな
　～the spiritual medium～』にありそうな展開は……。

　個人的に「お！」となったのはこのような構図の絵。

　手や性器を挿入している場面で膣内の断面図が別に描かれている。これ、今のエロ漫画でおなじみの構図じゃないですか。
　俺たち日本人は江戸時代からこんなものを描いていたのか……。
　さすがHENTAI大国ニッポン。日本人であることが誇らしい。



　春画に限らず江戸時代の絵草紙や黄表紙ってエンタメに特化したイラストつき文芸作品で完全に今のライトノベル。
　ラノベは江戸時代からある日本の伝統的な文芸と言える。
　芥川龍之介賞だの直木三十五賞だのに選ばれるようなブンガク作品なんて明治以降に生まれた歴史の浅いしろものでしかない。
　俺に言わせればあんなものはなろう以下のオナニー駄文だよ。
　少し前にこういう事を抜かす輩がいたが

　人が文学を選ぶのだはなく、文学が人を選ぶというのか？　夜郎自大もはなはだしい。
　そりゃあブンガクなんて衰退するわ。
　大衆にそっぽを向かれる文化なんて、文化じゃないよ。