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棚の上の悪魔
3.
しおりを挟むその日から数年経った今。僕の隣には、笑顔を浮かべる舞葉の姿がある。
彼女は中学生の頃の思い出に浸りながら、ニヤニヤとした笑みを僕に見せる。
「あの後の帰り道。お父さんがいなくなってから、景太君が私になんて言ったか覚えてる?」
舞葉は上機嫌で、今にも踊り出しそうだ。
「…僕と付き合ってください、って言った」
「そうそう! 私びっくりしちゃったよ。まさか告白されるなんて思ってもみなかったから!」
「もうこの話はやめよう! 恥ずかしいから!」
「えー、なんでよ。私嬉しかったんだから! 「舞葉に笑顔でいて欲しい。君が笑顔でいられるように、ずっと側にいたい」って言ってくれた時!」
「わーっ! 僕、そんな恥ずかしいこと言ったの!?」
「言ってたよ!」
僕が焦りながら赤くなる様を見て、舞葉は大笑いする。
「あの日、景太君には、ヌイグルミだけじゃなくて私の心も撃ち抜かれちゃったんだから」
親譲りの癖であるウインクをしながら、舞葉は手で銃の形を作り構える。
そんな彼女のことを羞恥心で見ていられなくなった僕は、両手で顔を押さえてしゃがみ込むのだった。
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