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二章 龍王と王配の二年目
12.子睿の保護
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子睿はまだ龍王より八歳年下で、まだ十七歳。
ハタッカ王国で育ったせいもあるのかもしれないが、とても痩せていて、背も低く、十二、三歳にしか見えなかった。
長命の龍族の王族としては、まだそれくらいの成長度しかないのだろう。
両親と離れたくないと龍王に縋るようにして頼む子睿の顔は幼く、龍王と少し似ている気がした。
ヨシュアの提案に子睿は心動かされたようだ。
「おれの両親も連れて行ってくれるんですか?」
「ご両親も志龍王国で丁重にもてなす形としましょう。それでよろしいですね、龍王陛下?」
「構わない。王配の言う通りにしよう。子睿の両親は農民のようだから、庭に菜園を作れる住居を用意させよう。そこでゆっくりと暮らしてもらえばいい」
両親が豊かに共に暮らせるのならば子睿の方も文句はないようだった。
ハタッカ王国に子睿がいることが明らかになって、水の加護を使えるかもしれない王族を担ぎ上げて志龍王国に攻め入られることの方が面倒になりそうなので、子睿は志龍王国の王宮で保護した方がいいという龍王の思惑通りになって、ヨシュアも安心していた。
「龍王陛下の歩まれた場所は水の加護を受け、実り豊かになると聞いております。どうか、ハタッカ王国にも水の加護を……」
「ハタッカ王国には十分な食糧支援をしているはずだ。それが国の隅々まで行き渡っていないとしたら、役人の怠慢でしょう。国王としてしっかりと役人を働かせることから始めて見てはいかがですか?」
どこまでも龍王の水の加護に拘るハタッカ王国の国王は龍王が軽く一蹴した。
魔術騎士団の魔術騎士に子睿の両親を迎えに行かせると、命じられて急いで荷造りをしたのが分かる。背中に背負った荷の中に何が入っているかは分からないが、子睿の両親にとっては大事なものなのだろう。
魔術騎士団が子睿の両親と子睿を連れて移転の魔術で飛ぶのを確かめて、龍王とヨシュアもハタッカ王国の国王に礼をした。
「我が従兄弟の引き渡しに立ち会っていただいてありがとうございました。今後ともハタッカ王国との交友は変わりなく」
「もちろんでございます。尊いおみ足を我が国に向けてくださってありがとうございました」
これ以上龍王の機嫌を損ねれば食糧支援すら断られかねないとハタッカ王国国王は必死の様子だった。
痩せて幼い子睿も王宮で暮らしていけば年相応に育っていくだろう。
志龍王国の王宮に戻った後に龍王は額を床に付けるようにして恐れ入っている子睿とその養父母に声を掛けた。
「菜園を作れる土地のある離れをそなたたち親子に授ける。食事は王宮の料理人が厨房で作るが、自分たちで作りたいということであれば、止めはしない。材料は侍従に命じれば何でも用意させよう。子睿は我が従兄弟で数少ない王族の一人。大事に今まで育ててくれたことを感謝する」
龍王の言葉に恐る恐る子睿が口を開く。
「おれ、ではなく、わたしの両親は、恐れ多くも龍王陛下を毒殺しようとしたのではないですか?」
自分が龍王の従兄弟だと聞かされたときに、子睿はその話も聞いていたようだ。
「その話は、誰から聞いた?」
「ハタッカ王国の国王陛下からです。龍王陛下はわたしの両親のしたことを許していないので、絶対に志龍王国に行ってはいけない、丁重に迎えると見せかけて殺されると言われました」
「なんということを吹き込んでくれたのだ。そのようなことはない。叔父夫婦がわたしに毒を盛ったとき、子睿はまだ生まれたばかりの赤子だった。赤子にどんな罪があろう? 赤子には両親を選ぶこともできない。子睿がハタッカ王国で何も知らず、健やかに暮らしていてくれたことが、わたしは嬉しいのだ。同じ王族として、学ぶことは多いかもしれないが、これからわたしを支えてくれると嬉しい」
これまで王族は龍王と妹の梓晴、それに母親の前王妃しかいなかった。そこに王族が一人増えるのだから、罪びとの子どもとはいえ、赤子のころのことであるし、子睿が関与していたはずはないので、子睿は国民にも喜んで迎えられるだろう。
「実の両親を処刑されたことでわたしを恨んではいないか?」
「わたしにとっては、実の両親は記憶もありません。ハタッカ王国でわたしを役人から引き取り、育ててくれた両親がわたしの両親です」
痩せてまだ幼く見えるが、子睿はしっかりとまともな青年に育ったようである。
それにしても、子睿がちらちらとヨシュアの方を気にしているのはなんとなく感じ取っていた。
ヨシュアの派手な容姿に加えて、華美ないで立ちがいけないのかもしれない。
「わたしに何か?」
「い、いえ。王配陛下は本当に美しい方なのだと思って……。このような陳腐な誉め言葉を口にするのも恐れ多いです」
顔を真っ赤にしてひれ伏してしまった子睿に、龍王の表情が一瞬硬くなったような気がする。
「わたしの王配は美しいであろう? わたしの伴侶なので心得るように」
「もちろんでございます」
ひれ伏したまま答える子睿に、なんとなく隣りに座る龍王の笑顔が怖いような気がするヨシュアだった。
生後数か月から王宮を離れて、碌に教育をされていなかった子睿には教育係が付けられて、これから志龍王国のことや読み書きなどを学ぶ手はずになっていた。
ハタッカ王国の言葉の読み書きはある程度できるようだが、志龍王国の言葉の読み書きとなると全く違ってくる。それに大陸の共通語も学ばねばならないだろう。
まだまだ十七歳と若いので、子睿には無限の可能性があるといえる。
若い子睿がこれから世界を広げていくのをヨシュアも期待していた。
青陵殿に戻ると、龍王もヨシュアも重い衣を脱いで、軽く動きやすい衣に着替える。
季節は秋から冬に移り変わりつつあった。
冬になれば青陵殿の庭に雪が降り積もるのだろう。
ラバン王国は志龍王国より北にあって、寒冷な土地だったので、それよりも志龍王国の冬は過ごしやすそうである。
冬が過ぎれば、春になって龍王の誕生日も来るし、ヨシュアが志龍王国に嫁いでから一年になる。
冬にはヨシュアの誕生日もあるのだが、ラバン王国では新年に近いヨシュアの誕生日は新年と一緒に祝われていたので、特に決まった行事をされたことはない。
国王のマシューと姪のレイチェルとレベッカが祝ってくれればヨシュアはそれで満足だった。
「星宇、春のあなたの誕生日だが……」
「ヨシュア、その前にヨシュアの誕生日が来ますよ」
「わたしの誕生日は新年の祝いと一緒で構わないよ。志龍王国も王配の誕生日を祝う行事などないのだろう?」
「国の行事にしてしまうとヨシュアと過ごせる時間がないので嫌ですが、わたし個人がヨシュアの誕生日を祝うのはいいでしょう?」
お願いするように身を寄せられてヨシュアも嫌とは言えなくなってしまう。
「誕生日おめでとうと言ってくれるだけでいいよ」
「そんなことでいいのですか? もっと豪華にヨシュアの誕生日を祝いたいです」
欲しいものはありますか?
食べたいものは?
目を輝かせた龍王に聞かれてヨシュアは考えてしまう。
「欲しいものは特にないかな。食べたいものも、いつも通りの食事で構わない」
「それなら、わたしがヨシュアのための贈り物を見繕っておきますね。ヨシュアは肌が雪のように白いので、どんな色でも似合うでしょう。金の冠に蒼玉を散りばめてもいい」
「そういうのは苦手だから身に着けないよ。もらえるなら使えるものがいいな」
「それでは、万年筆とペンに紙はどうですか? ヨシュアのためだけにペンで書きやすい紙を作らせます」
「それも大袈裟だな。筆の練習をしているのに、ついペンを使ってしまいそうだ」
「いいのですよ。ヨシュアの字で書かれていれば筆であろうと、ペンであろうと」
どうしても祝う気である龍王にヨシュアも押されてくる。
ため息をついて龍王を抱き締めると、龍王はやっと黙ってくれた。
「ヨシュア、愛しています」
「あぁ、おれも」
自分より頭半分低い位置にある唇にヨシュアは触れるだけの口付けをした。
ハタッカ王国で育ったせいもあるのかもしれないが、とても痩せていて、背も低く、十二、三歳にしか見えなかった。
長命の龍族の王族としては、まだそれくらいの成長度しかないのだろう。
両親と離れたくないと龍王に縋るようにして頼む子睿の顔は幼く、龍王と少し似ている気がした。
ヨシュアの提案に子睿は心動かされたようだ。
「おれの両親も連れて行ってくれるんですか?」
「ご両親も志龍王国で丁重にもてなす形としましょう。それでよろしいですね、龍王陛下?」
「構わない。王配の言う通りにしよう。子睿の両親は農民のようだから、庭に菜園を作れる住居を用意させよう。そこでゆっくりと暮らしてもらえばいい」
両親が豊かに共に暮らせるのならば子睿の方も文句はないようだった。
ハタッカ王国に子睿がいることが明らかになって、水の加護を使えるかもしれない王族を担ぎ上げて志龍王国に攻め入られることの方が面倒になりそうなので、子睿は志龍王国の王宮で保護した方がいいという龍王の思惑通りになって、ヨシュアも安心していた。
「龍王陛下の歩まれた場所は水の加護を受け、実り豊かになると聞いております。どうか、ハタッカ王国にも水の加護を……」
「ハタッカ王国には十分な食糧支援をしているはずだ。それが国の隅々まで行き渡っていないとしたら、役人の怠慢でしょう。国王としてしっかりと役人を働かせることから始めて見てはいかがですか?」
どこまでも龍王の水の加護に拘るハタッカ王国の国王は龍王が軽く一蹴した。
魔術騎士団の魔術騎士に子睿の両親を迎えに行かせると、命じられて急いで荷造りをしたのが分かる。背中に背負った荷の中に何が入っているかは分からないが、子睿の両親にとっては大事なものなのだろう。
魔術騎士団が子睿の両親と子睿を連れて移転の魔術で飛ぶのを確かめて、龍王とヨシュアもハタッカ王国の国王に礼をした。
「我が従兄弟の引き渡しに立ち会っていただいてありがとうございました。今後ともハタッカ王国との交友は変わりなく」
「もちろんでございます。尊いおみ足を我が国に向けてくださってありがとうございました」
これ以上龍王の機嫌を損ねれば食糧支援すら断られかねないとハタッカ王国国王は必死の様子だった。
痩せて幼い子睿も王宮で暮らしていけば年相応に育っていくだろう。
志龍王国の王宮に戻った後に龍王は額を床に付けるようにして恐れ入っている子睿とその養父母に声を掛けた。
「菜園を作れる土地のある離れをそなたたち親子に授ける。食事は王宮の料理人が厨房で作るが、自分たちで作りたいということであれば、止めはしない。材料は侍従に命じれば何でも用意させよう。子睿は我が従兄弟で数少ない王族の一人。大事に今まで育ててくれたことを感謝する」
龍王の言葉に恐る恐る子睿が口を開く。
「おれ、ではなく、わたしの両親は、恐れ多くも龍王陛下を毒殺しようとしたのではないですか?」
自分が龍王の従兄弟だと聞かされたときに、子睿はその話も聞いていたようだ。
「その話は、誰から聞いた?」
「ハタッカ王国の国王陛下からです。龍王陛下はわたしの両親のしたことを許していないので、絶対に志龍王国に行ってはいけない、丁重に迎えると見せかけて殺されると言われました」
「なんということを吹き込んでくれたのだ。そのようなことはない。叔父夫婦がわたしに毒を盛ったとき、子睿はまだ生まれたばかりの赤子だった。赤子にどんな罪があろう? 赤子には両親を選ぶこともできない。子睿がハタッカ王国で何も知らず、健やかに暮らしていてくれたことが、わたしは嬉しいのだ。同じ王族として、学ぶことは多いかもしれないが、これからわたしを支えてくれると嬉しい」
これまで王族は龍王と妹の梓晴、それに母親の前王妃しかいなかった。そこに王族が一人増えるのだから、罪びとの子どもとはいえ、赤子のころのことであるし、子睿が関与していたはずはないので、子睿は国民にも喜んで迎えられるだろう。
「実の両親を処刑されたことでわたしを恨んではいないか?」
「わたしにとっては、実の両親は記憶もありません。ハタッカ王国でわたしを役人から引き取り、育ててくれた両親がわたしの両親です」
痩せてまだ幼く見えるが、子睿はしっかりとまともな青年に育ったようである。
それにしても、子睿がちらちらとヨシュアの方を気にしているのはなんとなく感じ取っていた。
ヨシュアの派手な容姿に加えて、華美ないで立ちがいけないのかもしれない。
「わたしに何か?」
「い、いえ。王配陛下は本当に美しい方なのだと思って……。このような陳腐な誉め言葉を口にするのも恐れ多いです」
顔を真っ赤にしてひれ伏してしまった子睿に、龍王の表情が一瞬硬くなったような気がする。
「わたしの王配は美しいであろう? わたしの伴侶なので心得るように」
「もちろんでございます」
ひれ伏したまま答える子睿に、なんとなく隣りに座る龍王の笑顔が怖いような気がするヨシュアだった。
生後数か月から王宮を離れて、碌に教育をされていなかった子睿には教育係が付けられて、これから志龍王国のことや読み書きなどを学ぶ手はずになっていた。
ハタッカ王国の言葉の読み書きはある程度できるようだが、志龍王国の言葉の読み書きとなると全く違ってくる。それに大陸の共通語も学ばねばならないだろう。
まだまだ十七歳と若いので、子睿には無限の可能性があるといえる。
若い子睿がこれから世界を広げていくのをヨシュアも期待していた。
青陵殿に戻ると、龍王もヨシュアも重い衣を脱いで、軽く動きやすい衣に着替える。
季節は秋から冬に移り変わりつつあった。
冬になれば青陵殿の庭に雪が降り積もるのだろう。
ラバン王国は志龍王国より北にあって、寒冷な土地だったので、それよりも志龍王国の冬は過ごしやすそうである。
冬が過ぎれば、春になって龍王の誕生日も来るし、ヨシュアが志龍王国に嫁いでから一年になる。
冬にはヨシュアの誕生日もあるのだが、ラバン王国では新年に近いヨシュアの誕生日は新年と一緒に祝われていたので、特に決まった行事をされたことはない。
国王のマシューと姪のレイチェルとレベッカが祝ってくれればヨシュアはそれで満足だった。
「星宇、春のあなたの誕生日だが……」
「ヨシュア、その前にヨシュアの誕生日が来ますよ」
「わたしの誕生日は新年の祝いと一緒で構わないよ。志龍王国も王配の誕生日を祝う行事などないのだろう?」
「国の行事にしてしまうとヨシュアと過ごせる時間がないので嫌ですが、わたし個人がヨシュアの誕生日を祝うのはいいでしょう?」
お願いするように身を寄せられてヨシュアも嫌とは言えなくなってしまう。
「誕生日おめでとうと言ってくれるだけでいいよ」
「そんなことでいいのですか? もっと豪華にヨシュアの誕生日を祝いたいです」
欲しいものはありますか?
食べたいものは?
目を輝かせた龍王に聞かれてヨシュアは考えてしまう。
「欲しいものは特にないかな。食べたいものも、いつも通りの食事で構わない」
「それなら、わたしがヨシュアのための贈り物を見繕っておきますね。ヨシュアは肌が雪のように白いので、どんな色でも似合うでしょう。金の冠に蒼玉を散りばめてもいい」
「そういうのは苦手だから身に着けないよ。もらえるなら使えるものがいいな」
「それでは、万年筆とペンに紙はどうですか? ヨシュアのためだけにペンで書きやすい紙を作らせます」
「それも大袈裟だな。筆の練習をしているのに、ついペンを使ってしまいそうだ」
「いいのですよ。ヨシュアの字で書かれていれば筆であろうと、ペンであろうと」
どうしても祝う気である龍王にヨシュアも押されてくる。
ため息をついて龍王を抱き締めると、龍王はやっと黙ってくれた。
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