龍王陛下は最強魔術師の王配を溺愛する

秋月真鳥

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四章 結婚十年目

28.新雪に跡を付けるように

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 どちらが主導権を握るかについては、龍王とヨシュアの間ではいつも寝台の上では小競り合いになってしまう。
 ヨシュアは龍王を気持ちよくさせることが好きだし、龍王も快感を素直に受け取ってくれるのだが、ときには龍王が主導権を握りたいこともあるらしい。受け入れる側を担当しているヨシュアとしては、自分が主導権を握った方が、受け入れるときに無理なく怪我なくできるので好んでいるのだが、龍王もヨシュアを怪我をさせたことは一度もなかった。

 したいと言われているのだから今日は身を任せるかと、寝台に横になった龍王と入れ替わって寝台に横になると、龍王の表情が輝く。
 寝間着の紐を解いて脱がせて、寝間着の下衣も脱がせてしまって、裸になったヨシュアの体に龍王が口付けを落としていく。

 肌が白いのでヨシュアの体はすぐに赤い痕が付く。王宮にいる間は毎日のように睦み合っているので、赤い痕は消えないのだが、巡行で数日我慢したのでヨシュアの肌の赤い痕は完全に消えていた。

「誰も踏み入れていない新雪に跡を付けるような気分です」
「何度も星宇はおれの中に踏み入ってきてるじゃないか」
「それとは別なのです。ヨシュアの真っ白な体を見ると、男としての征服欲がわいてくるのです」

 長身で体格もいいヨシュアだが、龍王の征服欲を満たしているのだと思うと、少しいい気持になる。
 首筋を吸い上げられて、喉仏に軽く歯を立てられ、鎖骨に噛み付かれ、胸は特に執拗に舐められ吸われ揉まれ、腹筋の窪み一つ一つを確かめるように舌で辿られて、ヨシュアの胎が疼く。
 中心はあまり反応しないのだが、後ろの方が刺激を求めていて、ヨシュアは膝を曲げて自ら足を開き、龍王の手を後孔に導く。

「あまり焦らすな」
「ヨシュアの体を隅々まで味わいたいだけです」

 太ももの内側を吸われて、ヨシュアは甘い声を出す。
 香油を手の平に落として温めている龍王に、空間が閉じられた寝台の上で濃い花の匂いが広がる。
 香油を絡めた指が後孔の周囲を撫でて、ゆっくりと中に入ってくる。何度も龍王の剛直を受け入れているヨシュアはすっかりと龍王の形を覚えていて、指一本では物足りない。

 探るように指を増やしつつ中を解す龍王が、ヨシュアの胸の飾りを舐めながら後孔をかき混ぜると、胸の飾りと後孔とどちらも快感を拾ってヨシュアは甘く身もだえる。

「星宇、もういいから」
「でも、久しぶりですし、ヨシュアには苦しい思いはしてほしくないのです」

 龍王に主導権を渡すと自分も中心をがちがちに硬くしているのに、ヨシュアを気遣うあまりことの進みが遅いことがある。主導権を渡すと決めていても、ヨシュアはつい体を起こしてしまった。
 ヨシュアが体を起こすと龍王が滑り落ちるように体勢が変わる。龍王が寝台の上に倒されてヨシュアが龍王に跨る形になった。
 慎重にヨシュアの中を探っていた指も抜けている。

 まだ脱いでもいない龍王の寝間着を脱がせると、しっかりと勃ち上がった中心が飛び出してくる。

「ヨシュア、今日はわたしに任せてくれるのではなかったのですか?」
「もう星宇がほしくなったから、おれがもらう」
「あっ!? あぁぁっ!」

 龍王の先端を後孔に当ててずぶずぶと飲み込んでいくと、龍王の口から悲鳴のような嬌声が上がる。逞しく立派な剛直を全て受け入れると、龍王が我慢できないように下から突き上げてくる。

「ヨシュア、くちづけ……ヨシュアのくちびる、すいたい」

 必死に上半身を起こす龍王にヨシュアは唇を重ねる。接合部から濡れた淫靡な音が響いているが、それが外部に漏れることはない。
 口付けを交わしながら龍王の突き上げに合わせて腰を振っていると、ヨシュアも中で快感を覚える。
 ヨシュアの後孔は最早龍王のためだけの性器になったようだった。

 口付けて舌を絡め合いながら龍王の膝の上で腰を振っていると、龍王の中心が張りつめるのが分かる。最奥まで腰を落とすと、龍王の中心が弾けてヨシュアの中を濡らした。

 一度では済まずに何度も体を交わして、龍王がヨシュアの白い肌に赤い痕をたくさんつけるころには、ヨシュアも落ち着いて龍王を受け止められるようになっていた。
 後ろから龍王に貫かれて、翅の模様の上に口付けを受ける。吸い上げられると自然と薄翅が開いて、薄暗い寝台の上に光が灯った。
 光で構成された翅が広がると、龍王がそれを愛でるように撫でる。乱暴にされても光で構成されているので破れるようなことはないのだが、触られても感覚がないのでヨシュアは翅に関しては龍王の好きにさせておいた。

「ヨシュア、きれいです。あなたほど美しいひとはいない」
「んっ……星宇も、可愛い、よ?」
「あっ!? 締めないで!? そんなに締められたら出ちゃう!」
「いいよ、星宇、おれの中で出して?」

 きゅっと後孔を締めると龍王が切ない声を上げる。中に熱い飛沫が注がれて、ヨシュアは満たされた気分になっていた。

 接合の後には、寝台で簡単に体を拭いて、汚れた寝間着をもう一度着直して、ヨシュアが龍王を抱き上げて湯殿まで運ぶ。湯殿まで歩いている間に、ヨシュアの中にたっぷりと注がれた白濁が太ももを伝って廊下に落ちるのだが、それは侍従に掃除してもらうとして気にしないことにする。

 完全にひと払いをして湯殿に入ると、ヨシュアは自分の寝間着を脱ぎ捨て、龍王の寝間着も脱がせて龍王を先に洗って流して、湯船に浸からせてから、自分の後始末をする。
 中に出された白濁はきれいに掻き出しておかないと腹を下すことがあるので、指を入れてお湯で流す。その間龍王が眠そうにしながらもヨシュアの方をじっと見つめているのは気付いている。

「わたしの精をヨシュアが自分で掻き出すのが煽情的なのに……わたしはもうできない」

 毎回、このときにヨシュアを改めて抱きたいと思ってくれるようなのだが、寝台でたっぷりと睦み合った後の龍王は完全に出し切っていて、もう何も出ない状況になっている。
 ふと悪戯心を出して、ヨシュアは後始末の後で龍王を湯船から出して膝の上に抱き上げた。
 何をされるのか分かっていない龍王の中心に手を添えて、先端を指で刺激する。擦っていると、龍王は何かに気付いたようだ。

「ヨシュア、ダメです! クる……ダメッ……あっ!」

 ヨシュアの腕から逃れようとする龍王の体をしっかりと支えて、ヨシュアは刺激を与え続ける。

「あぁぁぁぁっ!?」

 ぷしゃっと龍王の中心から透明な液体が大量に吹き出された。一度出てしまうと全部出すまでは終わらないようで、龍王は下半身をびしょ濡れにしながら出し続けている。

「よ、ヨシュア、わたし、今……」
「気持ちよくなかった?」
「気持ちよかったですけど、ちょっと恥ずかしかったです」
「潮吹きっていうらしいよ。おれも初めてだけど、魔術騎士たちが話してるのを聞いたことがあった」
「ヨシュアになんてことを教えているんですか」

 龍王は快感は間違いなく覚えたようだったが、魔術騎士から聞いたと言うと少し嫉妬していたようだった。

 体を流してヨシュアは龍王を布に包んで脱衣所の長椅子に寝かせると、手早く自分の体を拭いて寝間着を着た。その後に龍王の体も拭いて寝間着を着せてやる。
 軽々と抱き上げて部屋に戻るころには、ぐしゃぐしゃだった布団は新しいものに取り換えられていて、寝台は清潔に整っていた。
 寝台の上に龍王を降ろし、ヨシュアも寝そべると龍王がヨシュアの胸に顔を乗せてくる。胸筋に埋もれるようにして眠るのが龍王のお気に入りなので、ヨシュアは特に拒まない。ヨシュアの胸を龍王は枕にしないと眠れなくなっているのだ。

「ヨシュアの鼓動が聞こえます」
「星宇の鼓動と共鳴しているはずだよ」

 ヨシュアと龍王は魂で結ばれている。
 心臓の鼓動もヨシュアと龍王は共鳴しているのだ。

「落ち着く音です。ヨシュアの生きている音」

 うっとりと心臓の音を聞きながら眠りに落ちていく龍王のつむじにヨシュアは口付けを落とした。
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