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五章 在位百周年
22.海沿いの町
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龍王は大勢に囲まれて食事をするのが得意ではない。
結婚して百年が経つが、毒見をされた冷えた食事がほとんど食べられなかったり、護衛の兵士がいる場ではよく眠れなかったりする龍王は、王族として生きるには難儀な性格をしているとヨシュアはずっと思っていた。更に宴など大勢が集まる場では食が進まなくて、王宮で宴があるときにはほとんど料理に箸をつけず、酒もほとんど飲まず、青陵殿に戻ってから軽い食事を取るのが通例となっていた。
それが今回の巡行では、特産品の海老が気に入ったのか、殻を剥いただけの海老をよく食べている。それとなく皿の上に料理を少しずつ乗せていくと、それも食べている。
殻付きの立派な大きな海老が皿に乗せられて出てきたときには、若干驚いていた様子ではあったが、ヨシュアが手に取って頭を外し、殻を剥き、身だけにして皿の上に乗せると、興味深そうに箸で摘まんで食べていた。
「龍王陛下、こちらの酢醤油を付けると美味しいですよ」
「試してみよう」
ヨシュアが勧めると、酢醤油を付けた大きな海老の身を美味しそうに食べている。
珍しくたくさん食べた龍王に、領主もとても喜んでいた。
「この海老は領地を通る大きな川で獲れます。龍王陛下の水の加護があるからこそ獲れる海老なのです」
龍王の水の加護は川の水の美しさを保ち、氾濫を抑える効果もある。海老が大漁になるのは龍王の水の加護のおかげといってもおかしくはないだろう。
「この季節には川を船で行くのもとても涼しく心地よいものです。次においでになったときには、馬車ではなく、船での巡行もお考え下さい」
「船には乗ったことがないな。我が愛しい王配と共に船にも乗ってみたいものだ」
機嫌のいい様子の龍王から快い返事をもらって、領主は喜び龍王に酒を進めていた。
龍王はそれほど飲まなかったが、食が細い割にはよく食べて、客間に戻った。客間に戻るとゴライアスが湯あみの用意をしてくれている。
青陵殿ほどの大きさではないが、それなりに広い湯殿に案内されて、ギデオンとゴライアス以外の侍従はひと払いをして、ヨシュアと龍王は湯殿に入る。重く窮屈な龍王の服をギデオンが手を貸して脱がしている間に、ヨシュアは自分で脱いで洗い場に座った。龍王も少し遅れて洗い場に座る。
龍王の髪はヨシュアが洗って、体は龍王自身が洗う。ヨシュアの髪と体は自分で洗うと、青陵殿よりは狭いが、男二人がゆったりと座れる湯船に浸かった。
いつもと違う石鹸と洗髪剤の香りに、龍王がヨシュアの体に身を寄せて来る。膝の上に甘えてきた龍王を抱き上げると、龍王がヨシュアの髪をひと房手に取って、濡れたそれに口付けた。
「青陵殿の湯殿の石鹸と洗髪剤は柑橘系の匂いがしますが、これはもっと甘いですね」
「蜂蜜のような匂いがするな」
お互いに嗅ぎ合っていると、龍王がヨシュアの胸に吸い付く。赤い痕をつけられてヨシュアが苦笑する。
「しばらくできないから、煽るようなことをしてくれるな」
「ヨシュアの白い肌を見ていると、むらむらするというか……ひゃんっ!?」
膝の上に乗る龍王の中心を柔く掴むと、龍王が甘い悲鳴を上げる。そこは芯を持って兆していた。
「こんな状態で眠れるのか?」
「それは……」
「星宇、立って」
立たせた龍王を湯船の端に座らせて、ヨシュアがその股座に顔を寄せる。濡れた中心は、洗ったせいか甘い蜂蜜に似た香りがしていた。
中心を胸で挟んで、飛び出る先端に舌を這わせると、龍王が我慢できないように腰を浮かせる。
腰を動かしてヨシュアの胸の間で快感を得る龍王に、ヨシュアは先端を舐めながら龍王の悦いようにしてやる。
だんだんと膨れ上がってくる龍王の中心に、ヨシュアが先端を口に含んで吸い上げると、どくどくと白濁がヨシュアの口の中に放たれる。受け止めきれなかった白濁が胸に散ったのを見て、龍王がこくりと喉を鳴らしたのには気付いたが、ヨシュアは湯船から上がって胸に飛び散った白濁を流して、龍王と共に脱衣所に向かった。
これ以上すると龍王もヨシュアも歯止めが利かなくなる。
寝間着に着替えて、寝る準備を整えた龍王とヨシュアは客間に戻って、寝台の端に座って寛いでいた。
「ヨシュア、帰ったらあなたを抱きたいです」
「おれも星宇に抱かれたいよ」
口付けを交わしながら寝台に倒れ込むと、龍王の中心が反応しそうになっているのからは意識を外して、ヨシュアは龍王の髪を撫でて眠りに誘った。
翌朝は日の出前に目を覚まして、二人で椅子に座って水の加護の祈りを捧げる。
龍王とヨシュアを中心として、水の波紋が広がるように水の加護の力が国土全体に広がっていくのを感じる。
「朝餉はこの部屋に持って来られるそうです」
「軽いものだといいんだが」
「厨房に龍王陛下の朝餉は粥だと伝えてあります」
ギデオンがきっちりと仕事をしてくれていて、龍王のために朝餉は粥が準備されているようだ。
出された粥は海老の出汁が出ていて、海老の身が解して入れてあってとても美味しかった。
龍王が昨夜海老をとても気に入っていたのが厨房に伝わっているのだろう。
「星宇、この漬物も美味しいよ」
刻んだ青菜の漬物を粥に入れると味が変わって更に美味しい。ヨシュアが伝えると龍王も粥に漬物を入れていた。
最初の宿泊地から出発して、東の海沿いの町まではもう少しかかる。
次の日は馬車の中で休んだが、ギデオンとゴライアスが湯を沸かして体を拭けるようにしてくれたし、昼餉と夕餉も簡素なものだったが、ヨシュアは慣れていたので特に気にしなかった。
魔術騎士団として遠征に行くときには、ヨシュアは野営をすることもあった。そのときには鍋で簡単に煮ただけの料理を食べることもあったし、干し肉と握った米だけのときもあった。
龍王も豪華な食事よりは簡素なものを好むので、特に問題はなかった。
次の日には海沿いの町に着いて、ヨシュアと龍王は海が見える丘の上に建つ領主の館に招かれていた。
夕餉の宴は海産物が多かったが、龍王はあまり箸が進まない中でも、ヨシュアが取り分けたものは一生懸命食べようとしていた。ヨシュアも少しずつだが色んな料理を龍王の皿に取り分けて、龍王ができるだけ食べられるように配慮した。
「龍王陛下はサクランボ酒はいかがですか?」
「サクランボの酒か?」
「度数の高い蒸留酒にサクランボと氷砂糖を漬けたもので、甘い味とサクランボの香りが特徴です」
淡い赤の酒を硝子のグラスに注がれて龍王が興味深そうに舐めてみている。ヨシュアも飲んでみたが、甘く飲みやすい酒だった。
「これは美味しいな」
「よろしければ去年漬けたものをお土産に差し上げます」
「もらってもいいか?」
「どうぞお持ちください」
サクランボの酒が気に入った様子の龍王に、領主はお土産を用意していた。
湯殿で体を流して、寝る準備をして客間に行くと、海が見える部屋だった。波の音が聞こえて来るのに耳を澄ましていると、龍王が窓から夜の海を眺めている。
「いつか、ヨシュアと旅に出るときには、船で川を渡り、海を渡りましょう」
「それは楽しみだな」
「わたしたちが自由になったら、まず船に乗りたいです」
「自由になる前でも船には乗れると思うが」
「川遊び程度でしょう? 船で旅に出ることは許されませんよ」
今はまだ龍王とヨシュアには制約が多い。
志龍王国を治める龍王と王配なのだからどうしても仕方がない。
三百年経って龍王とヨシュアが自由になったら、海を越えて違う土地に旅立つことも夢ではない。
残り二百年。
龍王の在位期間は残っていた。
結婚して百年が経つが、毒見をされた冷えた食事がほとんど食べられなかったり、護衛の兵士がいる場ではよく眠れなかったりする龍王は、王族として生きるには難儀な性格をしているとヨシュアはずっと思っていた。更に宴など大勢が集まる場では食が進まなくて、王宮で宴があるときにはほとんど料理に箸をつけず、酒もほとんど飲まず、青陵殿に戻ってから軽い食事を取るのが通例となっていた。
それが今回の巡行では、特産品の海老が気に入ったのか、殻を剥いただけの海老をよく食べている。それとなく皿の上に料理を少しずつ乗せていくと、それも食べている。
殻付きの立派な大きな海老が皿に乗せられて出てきたときには、若干驚いていた様子ではあったが、ヨシュアが手に取って頭を外し、殻を剥き、身だけにして皿の上に乗せると、興味深そうに箸で摘まんで食べていた。
「龍王陛下、こちらの酢醤油を付けると美味しいですよ」
「試してみよう」
ヨシュアが勧めると、酢醤油を付けた大きな海老の身を美味しそうに食べている。
珍しくたくさん食べた龍王に、領主もとても喜んでいた。
「この海老は領地を通る大きな川で獲れます。龍王陛下の水の加護があるからこそ獲れる海老なのです」
龍王の水の加護は川の水の美しさを保ち、氾濫を抑える効果もある。海老が大漁になるのは龍王の水の加護のおかげといってもおかしくはないだろう。
「この季節には川を船で行くのもとても涼しく心地よいものです。次においでになったときには、馬車ではなく、船での巡行もお考え下さい」
「船には乗ったことがないな。我が愛しい王配と共に船にも乗ってみたいものだ」
機嫌のいい様子の龍王から快い返事をもらって、領主は喜び龍王に酒を進めていた。
龍王はそれほど飲まなかったが、食が細い割にはよく食べて、客間に戻った。客間に戻るとゴライアスが湯あみの用意をしてくれている。
青陵殿ほどの大きさではないが、それなりに広い湯殿に案内されて、ギデオンとゴライアス以外の侍従はひと払いをして、ヨシュアと龍王は湯殿に入る。重く窮屈な龍王の服をギデオンが手を貸して脱がしている間に、ヨシュアは自分で脱いで洗い場に座った。龍王も少し遅れて洗い場に座る。
龍王の髪はヨシュアが洗って、体は龍王自身が洗う。ヨシュアの髪と体は自分で洗うと、青陵殿よりは狭いが、男二人がゆったりと座れる湯船に浸かった。
いつもと違う石鹸と洗髪剤の香りに、龍王がヨシュアの体に身を寄せて来る。膝の上に甘えてきた龍王を抱き上げると、龍王がヨシュアの髪をひと房手に取って、濡れたそれに口付けた。
「青陵殿の湯殿の石鹸と洗髪剤は柑橘系の匂いがしますが、これはもっと甘いですね」
「蜂蜜のような匂いがするな」
お互いに嗅ぎ合っていると、龍王がヨシュアの胸に吸い付く。赤い痕をつけられてヨシュアが苦笑する。
「しばらくできないから、煽るようなことをしてくれるな」
「ヨシュアの白い肌を見ていると、むらむらするというか……ひゃんっ!?」
膝の上に乗る龍王の中心を柔く掴むと、龍王が甘い悲鳴を上げる。そこは芯を持って兆していた。
「こんな状態で眠れるのか?」
「それは……」
「星宇、立って」
立たせた龍王を湯船の端に座らせて、ヨシュアがその股座に顔を寄せる。濡れた中心は、洗ったせいか甘い蜂蜜に似た香りがしていた。
中心を胸で挟んで、飛び出る先端に舌を這わせると、龍王が我慢できないように腰を浮かせる。
腰を動かしてヨシュアの胸の間で快感を得る龍王に、ヨシュアは先端を舐めながら龍王の悦いようにしてやる。
だんだんと膨れ上がってくる龍王の中心に、ヨシュアが先端を口に含んで吸い上げると、どくどくと白濁がヨシュアの口の中に放たれる。受け止めきれなかった白濁が胸に散ったのを見て、龍王がこくりと喉を鳴らしたのには気付いたが、ヨシュアは湯船から上がって胸に飛び散った白濁を流して、龍王と共に脱衣所に向かった。
これ以上すると龍王もヨシュアも歯止めが利かなくなる。
寝間着に着替えて、寝る準備を整えた龍王とヨシュアは客間に戻って、寝台の端に座って寛いでいた。
「ヨシュア、帰ったらあなたを抱きたいです」
「おれも星宇に抱かれたいよ」
口付けを交わしながら寝台に倒れ込むと、龍王の中心が反応しそうになっているのからは意識を外して、ヨシュアは龍王の髪を撫でて眠りに誘った。
翌朝は日の出前に目を覚まして、二人で椅子に座って水の加護の祈りを捧げる。
龍王とヨシュアを中心として、水の波紋が広がるように水の加護の力が国土全体に広がっていくのを感じる。
「朝餉はこの部屋に持って来られるそうです」
「軽いものだといいんだが」
「厨房に龍王陛下の朝餉は粥だと伝えてあります」
ギデオンがきっちりと仕事をしてくれていて、龍王のために朝餉は粥が準備されているようだ。
出された粥は海老の出汁が出ていて、海老の身が解して入れてあってとても美味しかった。
龍王が昨夜海老をとても気に入っていたのが厨房に伝わっているのだろう。
「星宇、この漬物も美味しいよ」
刻んだ青菜の漬物を粥に入れると味が変わって更に美味しい。ヨシュアが伝えると龍王も粥に漬物を入れていた。
最初の宿泊地から出発して、東の海沿いの町まではもう少しかかる。
次の日は馬車の中で休んだが、ギデオンとゴライアスが湯を沸かして体を拭けるようにしてくれたし、昼餉と夕餉も簡素なものだったが、ヨシュアは慣れていたので特に気にしなかった。
魔術騎士団として遠征に行くときには、ヨシュアは野営をすることもあった。そのときには鍋で簡単に煮ただけの料理を食べることもあったし、干し肉と握った米だけのときもあった。
龍王も豪華な食事よりは簡素なものを好むので、特に問題はなかった。
次の日には海沿いの町に着いて、ヨシュアと龍王は海が見える丘の上に建つ領主の館に招かれていた。
夕餉の宴は海産物が多かったが、龍王はあまり箸が進まない中でも、ヨシュアが取り分けたものは一生懸命食べようとしていた。ヨシュアも少しずつだが色んな料理を龍王の皿に取り分けて、龍王ができるだけ食べられるように配慮した。
「龍王陛下はサクランボ酒はいかがですか?」
「サクランボの酒か?」
「度数の高い蒸留酒にサクランボと氷砂糖を漬けたもので、甘い味とサクランボの香りが特徴です」
淡い赤の酒を硝子のグラスに注がれて龍王が興味深そうに舐めてみている。ヨシュアも飲んでみたが、甘く飲みやすい酒だった。
「これは美味しいな」
「よろしければ去年漬けたものをお土産に差し上げます」
「もらってもいいか?」
「どうぞお持ちください」
サクランボの酒が気に入った様子の龍王に、領主はお土産を用意していた。
湯殿で体を流して、寝る準備をして客間に行くと、海が見える部屋だった。波の音が聞こえて来るのに耳を澄ましていると、龍王が窓から夜の海を眺めている。
「いつか、ヨシュアと旅に出るときには、船で川を渡り、海を渡りましょう」
「それは楽しみだな」
「わたしたちが自由になったら、まず船に乗りたいです」
「自由になる前でも船には乗れると思うが」
「川遊び程度でしょう? 船で旅に出ることは許されませんよ」
今はまだ龍王とヨシュアには制約が多い。
志龍王国を治める龍王と王配なのだからどうしても仕方がない。
三百年経って龍王とヨシュアが自由になったら、海を越えて違う土地に旅立つことも夢ではない。
残り二百年。
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