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潔癖王子編
4.すれ違いは続く
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美しいひとが去ってしまってから、ヨウシアの涙腺が緩くなってしまった。バスルームに残るあのひとの香りは消えてしまっても、鍵をかけて立て籠もって拒んでしまったことを思い出すと、涙が出る。名前も聞けない、言えなかったことが過ると涙が出る。目が覚めて、家庭教師の来る時間以外はまた一人で過ごさなければいけないのかと考えるだけで涙が出る。
泣いてばかりで、食事も喉を通らなくなったヨウシアは、ベッドに引き篭って、起きられなくなってしまった。結婚を拒んでいたこの国の王子が、相手を探す気になったということで、異国の要人の滞在する屋敷のものはほとんど着飾って出払っており、それに対応するために使用人も付いて行っていて、人気のない屋敷の中で、ヨウシアは泣き暮らしていた。
食事もほとんど手を付けないので、酷い病にかかってしまったのではないかと医者を呼ばれたが、医者も原因が分からず、治しようのない病気が感染して広まると困るということで、ヨウシアの部屋には朝晩食事を運ぶ使用人以外近付かなくなった。
泣いて泣いてこのまま涙と共に枯れ果ててしまえればいい。
あのひとはもう二度と来ない。来たとしても、アルファの男性同士、結ばれることはできない。望まれても、ヨウシアが子どもを産めるわけではなく、身分のある方のようだったので、結婚しても針の筵か、他の相手を宛がわれるか、どちらにしろ幸せにはなれそうにない。
このまま死んでしまいたいとまで考えるようになったヨウシアを、あの美しいひとが訪ねて来たときには驚きで心臓が止まるかと思った。
顔を会わせてはいけない。顔を見れば気持ちが溢れだしてしまう。
何日も碌に風呂にも入っていなかったし、泣き腫らした顔もぐしゃぐしゃで見せることができず、布団に入り込んで丸まったヨウシアの身体を布団越しに撫でて、彼が優しく語り掛ける。
「私はそなたを怖がらせてしまったか?」
答えることができず、ただ大きくしゃくり上げたヨウシアに、彼の声はどこまでも穏やかで優しい。
「泣くほどに怖かったのか?」
怖かったわけではない。
初めての口付けで驚きはしたものの、蕩けるように甘い香りがして、ヨウシアは彼に溺れそうだった。舌を絡められて、もっとと強請る気持ちの方が強かった。
正直に口にしてしまえば、もう彼を拒むことができなくなる。口をへの字にして黙り込んでいるヨウシアに、彼は根気強く話しかけてくれる。
「手順を間違えたことを詫びさせて欲しい。私が身分を明らかにして、名乗るべきだった」
名乗らせてはいけない。
何故か分からないが、その名前を聞いてはいけない気がして、布団から顔を出して遮るより先に、彼の口が言葉を紡いでいた。
「私は、アレクサンテリ、この国の王子だ。そなたを、伴侶として迎えたいと思っておる」
この国の王子。
明かされた事実に、ヨウシアは愕然とする。
王子ならば世継ぎの問題は、国の一大事だ。子どもを産めないアルファのヨウシアは王子の伴侶になるわけにはいかない。女性かオメガだと思われているから王子はヨウシアに伴侶になるように言っているわけで、その誤解を解いてしまえば良かっただけなのだが、言えば二度と王子はヨウシアに目もくれなくなると考えただけで絶望で目の前が塞がれるようで、喉が凍った。
「いけません、僕は、あなたと結婚はできません」
「何故に?」
「僕は……王子様に相応しくありません!」
涙を散らしながら首を振って、言えたのはそれだけ。
自分のことを『僕』と言っている時点で、ヨウシアが男性だと気付いてもおかしくはないが、この容姿と体格なのでオメガだと思われているのかもしれない。
誤解を解きたい。
けれど、解いてしまえば王子の関心を失ってしまう。
涙だけが出て、説明できないヨウシアの頬に、瞼に、王子がキスをする。
「そんなに泣くと、目が溶けてしまう」
「と、溶けません……僕は、王子様との結婚は……」
顔中に振って来るキスが心地よくて、このままこの胸に抱かれて死んでしまいたいくらいなのに、王子はヨウシアの拒絶を受け入れてはくれない。
「私の全てでそなたを守ると誓おう」
「いけません……僕は、結婚できません」
本当のことを言えば壊れてしまう王子の気持ちに、胸を押して拒絶しようとしても、突き放しきれないヨウシアがいる。
アルファとオメガならば、運命の番と呼ばれる、世界にたった一人の相手がいると言われているが、アルファ同士では運命などあるはずがない。それでも、ヨウシアにとって、自分の元に来てくれた美しい王子は特別な存在だった。
「ここにそなたがいるのは分かっておる。私の伴侶になる気が起きるまで、そなたの元に通おう」
頬に口付けて、その日は王子はヨウシアの部屋を出て行った。
ベッドの上に残されて、涙を拭いても拭いても、止まらない。
「本当のことを言ってしまえば良かった……」
言えばこの寂しい部屋で、ヨウシアはたった一人で過ごすことになる。
また来て欲しい。もう来ないで欲しい。
期待する気持ちと、真実を告げられない罪悪感が入り混じって、ヨウシアは混乱しきっていた。
宣言したとおりに、王子はヨウシアの部屋を度々訪れるようになった。
「自分で名乗ってくれるまで、そなたの名前も素性も詮索しない。だから、お茶の時間くらいは一緒にさせてくれ」
愛しいひとに請われてしまえば、ヨウシアも断れなくなる。食事もほとんどとっていないということを、王子は知っていた。
「恥ずかしながら、私は健康体で、病気をしたことがない。何ならば食べられるものか、妹に聞いてきたが、果物は平気か?」
「王子様、僕が剥きます」
手土産に持ってきてくれた林檎を危なっかしい手つきでナイフで剥こうとする王子に、その手からヨウシアがそっと取った。。隣国はこの国よりも寒く、林檎が良く獲れた。それをヨウシアの父はシードルという酒に加工して輸出していた。
懐かしく思い出しながら、ヨウシアは林檎をくるくると器用に剥く。
「アレクと呼んでくれれば良いのに」
「呼べません。僕は、王子様の伴侶ではありません」
「名前も教えてくれない、名前も呼んでくれない。そなたはつれないな」
剥いた林檎を切り分けて王子の皿に置こうとすると、手首を掴まれて、ヨウシアが持ったままでさくりと白い歯で王子が齧り取った。椅子に座ったまま、立って給仕をしようとしていたヨウシアを上目遣いで見つめる王子が、甘い香りを漂わせているようで、ヨウシアは頭がくらくらとしてくる。
このひとをどうにかしたい。このひとにどうにかされたい。
アルファとして、男性としての本能と、強いアルファに従いたい気持ちと、恋心と欲望と、何もかもが複雑に絡み合って、ヨウシアは倒れそうになってしまった。ふわりと抱き留められて、王子の膝の上に抱き上げられる。
鍛え上げられた太ももとその間の中心が、スラックス越しにヨウシアの小さな尻に当たって、ヨウシアは慌ててしまう。こんなに密着していたら、ヨウシアの性別が王子に分かってしまうかもしれない。
「下ろしてください」
「私をアレクと呼んだら下ろそう」
「ダメです……お願いです、下ろしてください」
じたばたと抵抗してもがっしりと抱きかかえられていて、動くことができない。楽し気に王子はヨウシアの口に林檎を運んだ。自分が食べさせてもらったように、食べさせるつもりなのだろう。
おずおずと口を上げて、一口齧ってから、ヨウシアは自分がしばらくまともに食事をしていないことを実感した。きゅるきゅると鳴き出した腹の音に、恥ずかしさで顔が熱くなる。
「食事を摂ろう。そうだな、私も食べて行こう」
使用人を呼んで、王子が少し早い夕飯を準備させる。膝の上に抱きかかえられたままのヨウシアは、どうしていいか分からずにそこから動けなかった。
何も見ない、口出ししないのが、良き使用人である。王子の膝の上にヨウシアが乗っていても、一言も喋らずに給仕が行われる。
スプーンで掬ったスープを吹き冷まして、王子がヨウシアの口に運ぶ。
「ほら、あーんだ」
「下ろしてください……恥ずかしいです」
「二人きりだ、誰も見ていない」
王子にとっては使用人など、部屋の置物と変わらない存在なのだろう。そのままにしておくと滴ったスープが王子のスラックスを汚しそうだったので、渋々口を開けたヨウシアに、王子は次々と食べ物を運んでくる。
「そんなに食べられません、苦しいです」
「小鳥のように小食なのだな」
「そんなに小食ではありません」
膝の上で食べさせてもらった経験など、記憶にある限りない。物心つく前の幼い頃ならばあったのかもしれないが、この年になってされるとは思わなかった。
恥ずかしいと抵抗しながらも、この時間が永遠に続けばいいのにと思わずにいられないヨウシアだった。
泣いてばかりで、食事も喉を通らなくなったヨウシアは、ベッドに引き篭って、起きられなくなってしまった。結婚を拒んでいたこの国の王子が、相手を探す気になったということで、異国の要人の滞在する屋敷のものはほとんど着飾って出払っており、それに対応するために使用人も付いて行っていて、人気のない屋敷の中で、ヨウシアは泣き暮らしていた。
食事もほとんど手を付けないので、酷い病にかかってしまったのではないかと医者を呼ばれたが、医者も原因が分からず、治しようのない病気が感染して広まると困るということで、ヨウシアの部屋には朝晩食事を運ぶ使用人以外近付かなくなった。
泣いて泣いてこのまま涙と共に枯れ果ててしまえればいい。
あのひとはもう二度と来ない。来たとしても、アルファの男性同士、結ばれることはできない。望まれても、ヨウシアが子どもを産めるわけではなく、身分のある方のようだったので、結婚しても針の筵か、他の相手を宛がわれるか、どちらにしろ幸せにはなれそうにない。
このまま死んでしまいたいとまで考えるようになったヨウシアを、あの美しいひとが訪ねて来たときには驚きで心臓が止まるかと思った。
顔を会わせてはいけない。顔を見れば気持ちが溢れだしてしまう。
何日も碌に風呂にも入っていなかったし、泣き腫らした顔もぐしゃぐしゃで見せることができず、布団に入り込んで丸まったヨウシアの身体を布団越しに撫でて、彼が優しく語り掛ける。
「私はそなたを怖がらせてしまったか?」
答えることができず、ただ大きくしゃくり上げたヨウシアに、彼の声はどこまでも穏やかで優しい。
「泣くほどに怖かったのか?」
怖かったわけではない。
初めての口付けで驚きはしたものの、蕩けるように甘い香りがして、ヨウシアは彼に溺れそうだった。舌を絡められて、もっとと強請る気持ちの方が強かった。
正直に口にしてしまえば、もう彼を拒むことができなくなる。口をへの字にして黙り込んでいるヨウシアに、彼は根気強く話しかけてくれる。
「手順を間違えたことを詫びさせて欲しい。私が身分を明らかにして、名乗るべきだった」
名乗らせてはいけない。
何故か分からないが、その名前を聞いてはいけない気がして、布団から顔を出して遮るより先に、彼の口が言葉を紡いでいた。
「私は、アレクサンテリ、この国の王子だ。そなたを、伴侶として迎えたいと思っておる」
この国の王子。
明かされた事実に、ヨウシアは愕然とする。
王子ならば世継ぎの問題は、国の一大事だ。子どもを産めないアルファのヨウシアは王子の伴侶になるわけにはいかない。女性かオメガだと思われているから王子はヨウシアに伴侶になるように言っているわけで、その誤解を解いてしまえば良かっただけなのだが、言えば二度と王子はヨウシアに目もくれなくなると考えただけで絶望で目の前が塞がれるようで、喉が凍った。
「いけません、僕は、あなたと結婚はできません」
「何故に?」
「僕は……王子様に相応しくありません!」
涙を散らしながら首を振って、言えたのはそれだけ。
自分のことを『僕』と言っている時点で、ヨウシアが男性だと気付いてもおかしくはないが、この容姿と体格なのでオメガだと思われているのかもしれない。
誤解を解きたい。
けれど、解いてしまえば王子の関心を失ってしまう。
涙だけが出て、説明できないヨウシアの頬に、瞼に、王子がキスをする。
「そんなに泣くと、目が溶けてしまう」
「と、溶けません……僕は、王子様との結婚は……」
顔中に振って来るキスが心地よくて、このままこの胸に抱かれて死んでしまいたいくらいなのに、王子はヨウシアの拒絶を受け入れてはくれない。
「私の全てでそなたを守ると誓おう」
「いけません……僕は、結婚できません」
本当のことを言えば壊れてしまう王子の気持ちに、胸を押して拒絶しようとしても、突き放しきれないヨウシアがいる。
アルファとオメガならば、運命の番と呼ばれる、世界にたった一人の相手がいると言われているが、アルファ同士では運命などあるはずがない。それでも、ヨウシアにとって、自分の元に来てくれた美しい王子は特別な存在だった。
「ここにそなたがいるのは分かっておる。私の伴侶になる気が起きるまで、そなたの元に通おう」
頬に口付けて、その日は王子はヨウシアの部屋を出て行った。
ベッドの上に残されて、涙を拭いても拭いても、止まらない。
「本当のことを言ってしまえば良かった……」
言えばこの寂しい部屋で、ヨウシアはたった一人で過ごすことになる。
また来て欲しい。もう来ないで欲しい。
期待する気持ちと、真実を告げられない罪悪感が入り混じって、ヨウシアは混乱しきっていた。
宣言したとおりに、王子はヨウシアの部屋を度々訪れるようになった。
「自分で名乗ってくれるまで、そなたの名前も素性も詮索しない。だから、お茶の時間くらいは一緒にさせてくれ」
愛しいひとに請われてしまえば、ヨウシアも断れなくなる。食事もほとんどとっていないということを、王子は知っていた。
「恥ずかしながら、私は健康体で、病気をしたことがない。何ならば食べられるものか、妹に聞いてきたが、果物は平気か?」
「王子様、僕が剥きます」
手土産に持ってきてくれた林檎を危なっかしい手つきでナイフで剥こうとする王子に、その手からヨウシアがそっと取った。。隣国はこの国よりも寒く、林檎が良く獲れた。それをヨウシアの父はシードルという酒に加工して輸出していた。
懐かしく思い出しながら、ヨウシアは林檎をくるくると器用に剥く。
「アレクと呼んでくれれば良いのに」
「呼べません。僕は、王子様の伴侶ではありません」
「名前も教えてくれない、名前も呼んでくれない。そなたはつれないな」
剥いた林檎を切り分けて王子の皿に置こうとすると、手首を掴まれて、ヨウシアが持ったままでさくりと白い歯で王子が齧り取った。椅子に座ったまま、立って給仕をしようとしていたヨウシアを上目遣いで見つめる王子が、甘い香りを漂わせているようで、ヨウシアは頭がくらくらとしてくる。
このひとをどうにかしたい。このひとにどうにかされたい。
アルファとして、男性としての本能と、強いアルファに従いたい気持ちと、恋心と欲望と、何もかもが複雑に絡み合って、ヨウシアは倒れそうになってしまった。ふわりと抱き留められて、王子の膝の上に抱き上げられる。
鍛え上げられた太ももとその間の中心が、スラックス越しにヨウシアの小さな尻に当たって、ヨウシアは慌ててしまう。こんなに密着していたら、ヨウシアの性別が王子に分かってしまうかもしれない。
「下ろしてください」
「私をアレクと呼んだら下ろそう」
「ダメです……お願いです、下ろしてください」
じたばたと抵抗してもがっしりと抱きかかえられていて、動くことができない。楽し気に王子はヨウシアの口に林檎を運んだ。自分が食べさせてもらったように、食べさせるつもりなのだろう。
おずおずと口を上げて、一口齧ってから、ヨウシアは自分がしばらくまともに食事をしていないことを実感した。きゅるきゅると鳴き出した腹の音に、恥ずかしさで顔が熱くなる。
「食事を摂ろう。そうだな、私も食べて行こう」
使用人を呼んで、王子が少し早い夕飯を準備させる。膝の上に抱きかかえられたままのヨウシアは、どうしていいか分からずにそこから動けなかった。
何も見ない、口出ししないのが、良き使用人である。王子の膝の上にヨウシアが乗っていても、一言も喋らずに給仕が行われる。
スプーンで掬ったスープを吹き冷まして、王子がヨウシアの口に運ぶ。
「ほら、あーんだ」
「下ろしてください……恥ずかしいです」
「二人きりだ、誰も見ていない」
王子にとっては使用人など、部屋の置物と変わらない存在なのだろう。そのままにしておくと滴ったスープが王子のスラックスを汚しそうだったので、渋々口を開けたヨウシアに、王子は次々と食べ物を運んでくる。
「そんなに食べられません、苦しいです」
「小鳥のように小食なのだな」
「そんなに小食ではありません」
膝の上で食べさせてもらった経験など、記憶にある限りない。物心つく前の幼い頃ならばあったのかもしれないが、この年になってされるとは思わなかった。
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