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魔女(男)とこねこ(虎)たん
17.靴とコート
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翌朝、ダーシャが街に仕事に出かけるのを、ルカーシュは玄関で姿が見えなくなるまでずっと見送っていた。長い白地に黒い縞の尻尾が力なく垂れて脚に巻き付いている。レオシュが近寄ってルカーシュのズボンを引っ張る。
「にぃに、あとぼ?」
「うん、レオシュ。なにをしてあそぶ?」
「ごほん!」
読んで欲しい絵本を持って来たレオシュに、ルカーシュが困るのではないかと間に入ろうとしたアデーラは、ルカーシュが椅子に座ってレオシュを膝の上に抱いて絵本を読み始めたことに驚く。
まだたどたどしいところはあるが、ルカーシュは簡単な字を読むことができた。
「ルカーシュは字が読めるのかな?」
「かていきょうしが、まいにちべんきょうをおしえてくれたよ。いすにすわっているのは、すこし、きつかったけれど、ぼくは、みらいのこくおうになるんだからっていわれてた」
まだ5歳で体調が悪く寝込むことが多い子どもを長時間座らせて勉強を教えるなど、拷問ではないのか。誇らしそうな顔をしているが、ルカーシュは楽しいことばかりではなかっただろう。
「子どもは遊ぶのが仕事だよ。ルカーシュはこの家にいるときは、レオシュといっぱい遊んでね」
「あそんで、いいの?」
「もちろんだよ」
アデーラが答えるとルカーシュの表情が暗くなる。
「こどもみたいだって、いわれない?」
「ルカーシュは子どもなんだよ。子どもでいいんだよ?」
「うばも、かていきょうしも、ぼくにはひつようないって、おもちゃもぬいぐるみもすててしまった……ひつようなのはべんきょうだけだって」
ダーシャを刺そうとした時点でダーシャにも呪われたし、エリシュカとブランカの呪も受けたであろう乳母が、今後幸せに暮らせるとは思えなかったが、アデーラはもっと酷い呪いをかけてやるべきだったと心の底で思ってしまった。こんな健気でいじらしい5歳の子どもに対して、玩具もぬいぐるみも捨てさせて、必要なのは勉強だけと言うなど言語道断だ。
「ルカーシュ、レオシュは絵本が好きだから、いっぱい読んでって言って来ると思うけど、自分がしたいことがあったら断っていいんだからね」
「ぼくもえほんがすきだよ。レオシュはかわいいおとうとだもの。よんでほしいなら、よんであげたい」
乳母に酷い扱いをされて覚えた文字なのに、ルカーシュはそれを弟のレオシュのために役立てようとしてくれている。あまりに健気な姿にアデーラは胸を打たれてしまった。
お昼ご飯までの間に、レオシュが三輪車で遊びたがるので、ルカーシュも椅子に座らせてウッドデッキで日光浴をさせようと思ったら、ルカーシュは庭で遊びたがった。
「すんでいるおうちのおにわがどんなか、みておきたいんだ」
「靴がないけど大丈夫?」
「レオシュもはだしでしょう? ぼくもきっとだいじょうぶ」
靴だけは作ることができないので、レオシュもルカーシュもまだ裸足だった。二人のためにダーシャに靴を買ってきてもらわねばならないとサイズを測ってアデーラは伝令の白い小鳥を飛ばした。
ウッドデッキでアデーラが縫いものをしている間、レオシュは庭を三輪車で駆けて回って、ルカーシュは庭の散策をしていたようだ。戻って来たルカーシュが息を切らせながら差し出した草花を摘んだ花束に、アデーラは赤い目を瞬かせる。
「ぼく、アデーラおかあさんにふくをつくってもらえてうれしい。このふく、とってもきごこちがいいんだ。あの、お、おれい」
「お礼なんていいのに。ありがとう、ルカーシュ」
抱き締めるとルカーシュは頬を赤く染めて照れていた。アデーラがルカーシュを抱き締めているのを見て、レオシュが駆けて来る。
「まっま、だっこ! だこちて!」
「はいはい、レオシュは甘えん坊だね」
「まっま、だいすち! にぃに、すち!」
「レオシュ、ぼくもレオシュがだいすきだよ」
アデーラのこともルカーシュのことも大好きだというレオシュに、ルカーシュはレオシュとそっくりの水色の目を細めていた。
お昼ご飯の後は、疲れたのかレオシュもルカーシュも子ども部屋のベッドでぐっすりと眠っていた。ルカーシュもまだ体力が戻り切っていないので無理をさせてはいけないと分かっているが、ルカーシュの方は新しい環境に興味津々で知りたいことがたくさんのようなのだ。
眠るルカーシュの顔色が王宮にいたときよりもよくなっているのを確認して、アデーラは子ども部屋で編み物をした。ルカーシュのために編んだコートは、水色がかった灰色に鮮やかな青で縁取りがしてある。レオシュのために編んだコートが鮮やかな青に水色の縁取りで、どちらも模様は同じなので色違いのお揃いになっていた。
おやつの時間の前に返って来たダーシャは、レオシュとルカーシュの分の靴を買ってきていた。これまで移動はレオシュは抱っこだったので問題なく、外では裸足だったが、これからはレオシュもルカーシュも靴を履いて外で遊べる。
季節もちょうど寒い時期に差し掛かっていたので、靴が必要になる頃だった。
「今のサイズで買ってきているよ。レオシュが大きくなったら、また買い直せばいいからね」
「ありがとう、ダーシャ」
おやつにはアデーラはジャガイモを剥いて、薄く薄く切っていった。何個ものじゃがいもが紙のような薄切りになっていく。それを油でからりと揚げて、軽く塩を振ると、匂いがしたのだろう、レオシュが飛び起きてきて子ども用の椅子によじ登ろうとする。股の間を微妙に開いて動いている様子に、ダーシャがレオシュを止めた。
「オムツが濡れているでしょう! 替えるわよ」
「やーの! まっまー!」
「私でも同じでしょう」
「ちやうー! まっまー!」
アデーラを激しく呼ぶレオシュの声にルカーシュも目が覚めたようだ。ルカーシュをダーシャがお手洗いに連れて行っている間に、アデーラはジャガイモを揚げるのを終えて、レオシュのオムツを替えて着替えさせた。
お皿の上にこんもりとうずたかく積まれた薄切りのポテトフライに、レオシュもルカーシュも水色の目を輝かせて見上げている。
取り皿に取ってやると、レオシュは両手で持ってぱりぱりと食べ始めた。ルカーシュは戸惑っているが、そろりそろりと手を伸ばして一枚食べると、次を手に取り、次々と食べてしまう。
アデーラとダーシャも参加して、山盛りのジャガイモのスライスを揚げたものはあっという間になくなってしまった。
お腹がいっぱいになったレオシュは花茶を飲んで寛いでいる。ルカーシュも花茶を飲んで目を丸くしている。
「すごくいいかおりがする」
「これはジャスミンという花で香りをつけたお茶よ」
「おいしい……ぼく、このおうちにきてから、いっぱいたべてるようなきがする」
ルカーシュ皇子は食が細いのです。
乳母が言った言葉が嘘のようにルカーシュは三食とおやつをしっかりと食べている。出会ったときは死にそうだった顔色も、かなりよくなってきていた。5歳にしては眠る時間が多いのはまだ体力が戻り切っていないからだろう。それでも確実にルカーシュは健康になりつつあった。
「レオシュ、なんていえばいいのかな?」
「にぃに、どちたの?」
「ぼく……」
遠慮してしまっているのか言葉を止めたルカーシュに、ダーシャがルカーシュを抱き寄せて膝の上に乗せた。すっぽりとダーシャに抱き締められて、ルカーシュがもじもじと口を開く。
「お、おばあさまの、おうちに、いきたい、です」
「エリシュカ母さんはいないと思うけど、ブランカ母さんはいるわよ」
「ブランカ母さんもルカーシュのことを心配してたから、顔を見せに行ったら喜ぶと思うよ」
一生懸命自分の気持ちを口にしたルカーシュは顔を赤くしている。出来上がったコートを着せて、レオシュにもコートを着せて、靴を履かせて外に出ると、レオシュとルカーシュが手を繋いで歩いている。
「にぃに、むち」
「むしがいるね。さわっちゃだめだよ」
「れー、むち、たべにゃい」
「うん、たべちゃだめだね」
仲のいい兄弟の姿にアデーラは心が和む。
父親の国王陛下がお妃が亡くなったことで傷付いて子どもを放置したせいで、ルカーシュはレオシュが生まれたせいで母親が亡くなって、父親も来なくなったのだと思い込んでレオシュに酷い言葉を言った。レオシュは小さくて覚えていなかったかもしれないが、ルカーシュが開けた雨戸と窓に、王宮から逃げ出して魔女の森に辿り着いた。
父親の国王陛下のやったことは許せないが、結果として兄弟が仲良くこの場にいられることは、アデーラはとてもよかったと思っていた。
「にぃに、あとぼ?」
「うん、レオシュ。なにをしてあそぶ?」
「ごほん!」
読んで欲しい絵本を持って来たレオシュに、ルカーシュが困るのではないかと間に入ろうとしたアデーラは、ルカーシュが椅子に座ってレオシュを膝の上に抱いて絵本を読み始めたことに驚く。
まだたどたどしいところはあるが、ルカーシュは簡単な字を読むことができた。
「ルカーシュは字が読めるのかな?」
「かていきょうしが、まいにちべんきょうをおしえてくれたよ。いすにすわっているのは、すこし、きつかったけれど、ぼくは、みらいのこくおうになるんだからっていわれてた」
まだ5歳で体調が悪く寝込むことが多い子どもを長時間座らせて勉強を教えるなど、拷問ではないのか。誇らしそうな顔をしているが、ルカーシュは楽しいことばかりではなかっただろう。
「子どもは遊ぶのが仕事だよ。ルカーシュはこの家にいるときは、レオシュといっぱい遊んでね」
「あそんで、いいの?」
「もちろんだよ」
アデーラが答えるとルカーシュの表情が暗くなる。
「こどもみたいだって、いわれない?」
「ルカーシュは子どもなんだよ。子どもでいいんだよ?」
「うばも、かていきょうしも、ぼくにはひつようないって、おもちゃもぬいぐるみもすててしまった……ひつようなのはべんきょうだけだって」
ダーシャを刺そうとした時点でダーシャにも呪われたし、エリシュカとブランカの呪も受けたであろう乳母が、今後幸せに暮らせるとは思えなかったが、アデーラはもっと酷い呪いをかけてやるべきだったと心の底で思ってしまった。こんな健気でいじらしい5歳の子どもに対して、玩具もぬいぐるみも捨てさせて、必要なのは勉強だけと言うなど言語道断だ。
「ルカーシュ、レオシュは絵本が好きだから、いっぱい読んでって言って来ると思うけど、自分がしたいことがあったら断っていいんだからね」
「ぼくもえほんがすきだよ。レオシュはかわいいおとうとだもの。よんでほしいなら、よんであげたい」
乳母に酷い扱いをされて覚えた文字なのに、ルカーシュはそれを弟のレオシュのために役立てようとしてくれている。あまりに健気な姿にアデーラは胸を打たれてしまった。
お昼ご飯までの間に、レオシュが三輪車で遊びたがるので、ルカーシュも椅子に座らせてウッドデッキで日光浴をさせようと思ったら、ルカーシュは庭で遊びたがった。
「すんでいるおうちのおにわがどんなか、みておきたいんだ」
「靴がないけど大丈夫?」
「レオシュもはだしでしょう? ぼくもきっとだいじょうぶ」
靴だけは作ることができないので、レオシュもルカーシュもまだ裸足だった。二人のためにダーシャに靴を買ってきてもらわねばならないとサイズを測ってアデーラは伝令の白い小鳥を飛ばした。
ウッドデッキでアデーラが縫いものをしている間、レオシュは庭を三輪車で駆けて回って、ルカーシュは庭の散策をしていたようだ。戻って来たルカーシュが息を切らせながら差し出した草花を摘んだ花束に、アデーラは赤い目を瞬かせる。
「ぼく、アデーラおかあさんにふくをつくってもらえてうれしい。このふく、とってもきごこちがいいんだ。あの、お、おれい」
「お礼なんていいのに。ありがとう、ルカーシュ」
抱き締めるとルカーシュは頬を赤く染めて照れていた。アデーラがルカーシュを抱き締めているのを見て、レオシュが駆けて来る。
「まっま、だっこ! だこちて!」
「はいはい、レオシュは甘えん坊だね」
「まっま、だいすち! にぃに、すち!」
「レオシュ、ぼくもレオシュがだいすきだよ」
アデーラのこともルカーシュのことも大好きだというレオシュに、ルカーシュはレオシュとそっくりの水色の目を細めていた。
お昼ご飯の後は、疲れたのかレオシュもルカーシュも子ども部屋のベッドでぐっすりと眠っていた。ルカーシュもまだ体力が戻り切っていないので無理をさせてはいけないと分かっているが、ルカーシュの方は新しい環境に興味津々で知りたいことがたくさんのようなのだ。
眠るルカーシュの顔色が王宮にいたときよりもよくなっているのを確認して、アデーラは子ども部屋で編み物をした。ルカーシュのために編んだコートは、水色がかった灰色に鮮やかな青で縁取りがしてある。レオシュのために編んだコートが鮮やかな青に水色の縁取りで、どちらも模様は同じなので色違いのお揃いになっていた。
おやつの時間の前に返って来たダーシャは、レオシュとルカーシュの分の靴を買ってきていた。これまで移動はレオシュは抱っこだったので問題なく、外では裸足だったが、これからはレオシュもルカーシュも靴を履いて外で遊べる。
季節もちょうど寒い時期に差し掛かっていたので、靴が必要になる頃だった。
「今のサイズで買ってきているよ。レオシュが大きくなったら、また買い直せばいいからね」
「ありがとう、ダーシャ」
おやつにはアデーラはジャガイモを剥いて、薄く薄く切っていった。何個ものじゃがいもが紙のような薄切りになっていく。それを油でからりと揚げて、軽く塩を振ると、匂いがしたのだろう、レオシュが飛び起きてきて子ども用の椅子によじ登ろうとする。股の間を微妙に開いて動いている様子に、ダーシャがレオシュを止めた。
「オムツが濡れているでしょう! 替えるわよ」
「やーの! まっまー!」
「私でも同じでしょう」
「ちやうー! まっまー!」
アデーラを激しく呼ぶレオシュの声にルカーシュも目が覚めたようだ。ルカーシュをダーシャがお手洗いに連れて行っている間に、アデーラはジャガイモを揚げるのを終えて、レオシュのオムツを替えて着替えさせた。
お皿の上にこんもりとうずたかく積まれた薄切りのポテトフライに、レオシュもルカーシュも水色の目を輝かせて見上げている。
取り皿に取ってやると、レオシュは両手で持ってぱりぱりと食べ始めた。ルカーシュは戸惑っているが、そろりそろりと手を伸ばして一枚食べると、次を手に取り、次々と食べてしまう。
アデーラとダーシャも参加して、山盛りのジャガイモのスライスを揚げたものはあっという間になくなってしまった。
お腹がいっぱいになったレオシュは花茶を飲んで寛いでいる。ルカーシュも花茶を飲んで目を丸くしている。
「すごくいいかおりがする」
「これはジャスミンという花で香りをつけたお茶よ」
「おいしい……ぼく、このおうちにきてから、いっぱいたべてるようなきがする」
ルカーシュ皇子は食が細いのです。
乳母が言った言葉が嘘のようにルカーシュは三食とおやつをしっかりと食べている。出会ったときは死にそうだった顔色も、かなりよくなってきていた。5歳にしては眠る時間が多いのはまだ体力が戻り切っていないからだろう。それでも確実にルカーシュは健康になりつつあった。
「レオシュ、なんていえばいいのかな?」
「にぃに、どちたの?」
「ぼく……」
遠慮してしまっているのか言葉を止めたルカーシュに、ダーシャがルカーシュを抱き寄せて膝の上に乗せた。すっぽりとダーシャに抱き締められて、ルカーシュがもじもじと口を開く。
「お、おばあさまの、おうちに、いきたい、です」
「エリシュカ母さんはいないと思うけど、ブランカ母さんはいるわよ」
「ブランカ母さんもルカーシュのことを心配してたから、顔を見せに行ったら喜ぶと思うよ」
一生懸命自分の気持ちを口にしたルカーシュは顔を赤くしている。出来上がったコートを着せて、レオシュにもコートを着せて、靴を履かせて外に出ると、レオシュとルカーシュが手を繋いで歩いている。
「にぃに、むち」
「むしがいるね。さわっちゃだめだよ」
「れー、むち、たべにゃい」
「うん、たべちゃだめだね」
仲のいい兄弟の姿にアデーラは心が和む。
父親の国王陛下がお妃が亡くなったことで傷付いて子どもを放置したせいで、ルカーシュはレオシュが生まれたせいで母親が亡くなって、父親も来なくなったのだと思い込んでレオシュに酷い言葉を言った。レオシュは小さくて覚えていなかったかもしれないが、ルカーシュが開けた雨戸と窓に、王宮から逃げ出して魔女の森に辿り着いた。
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