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魔女(男)とこねこ(虎)たん
37.城下町の店舗
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「国の金で国王は魔女を二人も囲っている。男の魔女は論外かもしれないが、女の魔女の方は愛妾なのではないか」
そんなことがまことしやかに獣人の国で噂されている。国王陛下はそういう噂に対して、はっきりと意志を表明した。
「二人の魔女はルカーシュとレオシュの乳母であり、私とは全く関係がない」
国王陛下が宣言していたとしても、アデーラとダーシャは国で流れる噂にいい気分はしていなかった。王宮の中で住んではいるが、アデーラとダーシャは食費や被服費などは完全に自分たちで支払っている。王宮から配給される食糧を受け取る気もなかったし、服はアデーラがレオシュの分もルカーシュの分もダーシャの分も自分の分も全部作っていた。
ミシンはもらっていたが、それは国王陛下からの貢ぎ物で、それを国の金と言われたらアデーラはあっさりと返すつもりでもいた。
「面白くないわね、魔女が国王陛下の愛妾にされていると噂されるなんて」
ダーシャもいい顔はしていない。アデーラも腹の底にむかつきを抱えていた。
「店を出そうと思う」
「いいわね」
アデーラが提案すると、ダーシャがその提案に乗ってくる。
付与魔法のかかった衣服やバッグやハンカチなどの小物を作るアデーラと、魔法薬や簡単な魔法をかけるダーシャの店を城下町に出す。その計画はアデーラとダーシャの間で早急に進められていった。
王宮の近くに店舗を買うと、ダーシャが王宮の中の離れの棟に扉をつける。城下町の店にも扉をつければ、二つは繋がって、行き来できるようになっていた。
「国王陛下にも生活の場所であるこの離れの棟には入って欲しくなかったんだよね」
「分かるわ。レオシュとルカーシュも落ち着いてお昼寝もできないし、遊んだりもできないわ」
「国王陛下も来たらそちらに通すようにしよう」
城下町の店舗では奥に作業スペースを確保して、ドアを開けるとレオシュもルカーシュもすぐに見える位置にアデーラは常にいることにした。店番にはダーシャが立ってくれるが、それだけでは足りないので、若い女性を一人頼んだ。
ヨークシャーテリアの獣人、ヘドヴィカだ。灰色と黒の混じった髪に緑の目をしている。
「小さな弟と妹がいるんです。大人しくさせていますので、連れて来てもいいですか?」
面接のときに女性、ヘドヴィカは言った。年齢を聞くと3歳と6歳ということで、レオシュとルカーシュの遊び相手にいいのではないかとアデーラもダーシャも了承した。
「イロナよ、よろしくね!」
「ふー、フベルト」
挨拶をする6歳のイロナと、3歳のフベルト。ヘドヴィカと同じでヨークシャーテリアの獣人で、ふさふさの耳と尻尾が生えている。指を舐めて洟を垂らしているフベルトの顔を姉のヘドヴィカが拭ってあげている。
「れー、レオシュ! みっつ!」
「ふーも、みっつ!」
「わたし、むっつよ!」
「ぼく、ルカーシュ。6さいです」
6歳のイロナとルカーシュ、3歳のフベルトとレオシュが仲良くなれるかは分からない。アデーラが店舗で作業をしている間、ずっとレオシュとフベルトはアデーラの足元にいて、ぬいぐるみで戦っていた。
「がおー! こわいぞー!」
「くそー! ぶおおー! まけないぞー!」
レオシュはお気に入りの猫のぬいぐるみを持って、フベルトはワニのぬいぐるみを持っている。
ヘドヴィカとイロナとフベルトは犬の獣人だった。三角の耳にふさふさの尻尾が生えている。
「れーくんは、とら?」
「ちがうよー! れー、こねこたん!」
「こねこたんか。ふーがまもってあげる」
「ふーくん、やさしい!」
犬科の忠義心を発揮してレオシュを守ってくれるというフベルトに、レオシュはお目目をきらきらさせている。ルカーシュの弟なので、兄のように守ってくれる存在に憧れるのだろう。
「このえほん、すごくきれいね」
「イロナちゃんもよんでいいよ」
「ほんとう? ありがとう」
ルカーシュはダーシャのそばにいてイロナと話している。店舗に出て来ても、お客が来れば子ども部屋に戻る約束をしていた。
そのお客が特別なひとではない限り。
やって来たお客にアデーラの表情が固まる。レオシュも全身の毛を逆立てていた。
「ちちーえ……おはなしがあるの!」
「レオシュ、やっと私と話してくれる気になったのか」
喜んでいる国王陛下に、レオシュが小さな体で詰め寄る。
「ちちーえは、まっまがすき?」
「はぁ?」
国王陛下が妙な声を出して固まっている。アデーラは沈痛な面持ちで額に手をやった。レオシュがそのことを気にしていたのでいつかは聞くのではないかと危惧していたのだ。
「好き……あぁ、アデーラ殿のことは尊敬しているが、恋愛感情はない」
「れんあいかんじょうはない! ……まっまー! どういういみ?」
「えーっとね、結婚したいとか、愛してるとか、そういうことじゃなくて、お仕事が上手だなとか、子育てが上手だなって思ってるってことかな?」
「れんあいかんじょうはない! ……えぇー!? まっま、こんなにきれいで、やさしくて、すてきなのに、どういうこと! ふしゃああああ!」
恋愛感情はないということで納得するのかと思えば、レオシュは全身の毛を逆立てて国王陛下を威嚇する。
「私が愛しているのは、お前の母上だけだ!」
「ははーえ……だぁれ?」
「お前の母親だ」
国王陛下の言葉選びは明らかに悪かった。アデーラが説明しようとする前に、レオシュは国王陛下の手に噛み付いていた。
「あぁー!? レオシュ!? ぺっ、して! ぺっ!」
「ぺっ!」
「血がー!? ダーシャ、国王陛下を診てやって。レオシュはうがいをしにいくよ」
レオシュの脇の下に手を入れて洗面所に連れて行ったアデーラは念入りにうがいをさせてレオシュの口の中を洗う。血が出るほど噛み付かれた国王陛下は呆然として立ち尽くしていて、ダーシャがその手を消毒して手当てしていた。
「まっまを、すきっていった!」
「違うよ。国王陛下が愛しているレオシュの母親は、お妃様のことだよ」
「まっまのことだとおもう! せいばいした!」
「成敗したじゃないの。ひとに噛み付いちゃダメなんだよ?」
「やー! きらいー!」
じたばたと暴れるレオシュに、全てを見ていたルカーシュが涙目になって近寄ってくる。
「ちちうえはははうえのことがすきなんだよ。だから、アデーラおかあさんのことはすきじゃないよ」
「ははーえ、まっまじゃないの?」
「うん、ちがうよ」
「そっか……」
ルカーシュに説明されてやっとレオシュは納得したようだった。
「れー、にぃに、すき。にぃに、ちちーえ、すき……れー、ちちーえ、すきくないけど、にぃにがすきなら、がまんできる」
「レオシュ……?」
「にぃに、なかないで。れー、もう、ちちーえかまない」
「レオシュ、ありがとう」
国王陛下のことは好きになれないが、大事な兄のルカーシュが好きならば嫌いというのを強く表現しないというレオシュに、ルカーシュがレオシュを抱き締めて泣いている。
レオシュは小さな手で泣いているルカーシュの頭を撫でていた。
国王陛下の手当てが終わって、衣装の仮縫いをしてから、アデーラは国王陛下を店から追い出す。店にまた平和が戻って来た。
ルカーシュはイロナと遊んで、レオシュはフベルトと遊んでいる。
「こんど、れーのおにわにきて」
「いいの?」
レオシュがフベルトを誘っているのに、ヘドヴィカが眉を顰める。
「レオシュ様のお庭は王宮なのよ。行っていいわけないでしょう? フベルト、諦めなさい」
「えー? ねぇね、ふー、いきたい」
唇を尖らせているフベルトに、ルカーシュがイロナの方を見る。
「ダーシャおかあさん、アデーラおかあさん、イロナちゃんとフベルトくんをおにわにまねいちゃだめ?」
ダメかと言われればそんなはずはなかった。
王宮の貴族たちにバレれば面倒なことになるかもしれないが、元々王宮の貴族たちはアデーラとダーシャの離れの棟に入ることができない。子どもの声が少し増えたところで、誰も気づきはしないだろう。
「いいよ、フベルトくんも、イロナちゃんも、おいで」
「アデーラの美味しいおやつが食べられるかもしれないわよ」
「い、いいんですか!?」
恐縮しているヘドヴィカにアデーラは微笑みかける。
「おやつを作るときにはヘドヴィカちゃんの分も用意するからね」
「えぇ!? 私まで!?」
驚き感激しているヘドヴィカがアデーラの作ったおやつを食べたらどんな顔をするのだろう。
ダーシャが悪戯っぽく笑っていた。
そんなことがまことしやかに獣人の国で噂されている。国王陛下はそういう噂に対して、はっきりと意志を表明した。
「二人の魔女はルカーシュとレオシュの乳母であり、私とは全く関係がない」
国王陛下が宣言していたとしても、アデーラとダーシャは国で流れる噂にいい気分はしていなかった。王宮の中で住んではいるが、アデーラとダーシャは食費や被服費などは完全に自分たちで支払っている。王宮から配給される食糧を受け取る気もなかったし、服はアデーラがレオシュの分もルカーシュの分もダーシャの分も自分の分も全部作っていた。
ミシンはもらっていたが、それは国王陛下からの貢ぎ物で、それを国の金と言われたらアデーラはあっさりと返すつもりでもいた。
「面白くないわね、魔女が国王陛下の愛妾にされていると噂されるなんて」
ダーシャもいい顔はしていない。アデーラも腹の底にむかつきを抱えていた。
「店を出そうと思う」
「いいわね」
アデーラが提案すると、ダーシャがその提案に乗ってくる。
付与魔法のかかった衣服やバッグやハンカチなどの小物を作るアデーラと、魔法薬や簡単な魔法をかけるダーシャの店を城下町に出す。その計画はアデーラとダーシャの間で早急に進められていった。
王宮の近くに店舗を買うと、ダーシャが王宮の中の離れの棟に扉をつける。城下町の店にも扉をつければ、二つは繋がって、行き来できるようになっていた。
「国王陛下にも生活の場所であるこの離れの棟には入って欲しくなかったんだよね」
「分かるわ。レオシュとルカーシュも落ち着いてお昼寝もできないし、遊んだりもできないわ」
「国王陛下も来たらそちらに通すようにしよう」
城下町の店舗では奥に作業スペースを確保して、ドアを開けるとレオシュもルカーシュもすぐに見える位置にアデーラは常にいることにした。店番にはダーシャが立ってくれるが、それだけでは足りないので、若い女性を一人頼んだ。
ヨークシャーテリアの獣人、ヘドヴィカだ。灰色と黒の混じった髪に緑の目をしている。
「小さな弟と妹がいるんです。大人しくさせていますので、連れて来てもいいですか?」
面接のときに女性、ヘドヴィカは言った。年齢を聞くと3歳と6歳ということで、レオシュとルカーシュの遊び相手にいいのではないかとアデーラもダーシャも了承した。
「イロナよ、よろしくね!」
「ふー、フベルト」
挨拶をする6歳のイロナと、3歳のフベルト。ヘドヴィカと同じでヨークシャーテリアの獣人で、ふさふさの耳と尻尾が生えている。指を舐めて洟を垂らしているフベルトの顔を姉のヘドヴィカが拭ってあげている。
「れー、レオシュ! みっつ!」
「ふーも、みっつ!」
「わたし、むっつよ!」
「ぼく、ルカーシュ。6さいです」
6歳のイロナとルカーシュ、3歳のフベルトとレオシュが仲良くなれるかは分からない。アデーラが店舗で作業をしている間、ずっとレオシュとフベルトはアデーラの足元にいて、ぬいぐるみで戦っていた。
「がおー! こわいぞー!」
「くそー! ぶおおー! まけないぞー!」
レオシュはお気に入りの猫のぬいぐるみを持って、フベルトはワニのぬいぐるみを持っている。
ヘドヴィカとイロナとフベルトは犬の獣人だった。三角の耳にふさふさの尻尾が生えている。
「れーくんは、とら?」
「ちがうよー! れー、こねこたん!」
「こねこたんか。ふーがまもってあげる」
「ふーくん、やさしい!」
犬科の忠義心を発揮してレオシュを守ってくれるというフベルトに、レオシュはお目目をきらきらさせている。ルカーシュの弟なので、兄のように守ってくれる存在に憧れるのだろう。
「このえほん、すごくきれいね」
「イロナちゃんもよんでいいよ」
「ほんとう? ありがとう」
ルカーシュはダーシャのそばにいてイロナと話している。店舗に出て来ても、お客が来れば子ども部屋に戻る約束をしていた。
そのお客が特別なひとではない限り。
やって来たお客にアデーラの表情が固まる。レオシュも全身の毛を逆立てていた。
「ちちーえ……おはなしがあるの!」
「レオシュ、やっと私と話してくれる気になったのか」
喜んでいる国王陛下に、レオシュが小さな体で詰め寄る。
「ちちーえは、まっまがすき?」
「はぁ?」
国王陛下が妙な声を出して固まっている。アデーラは沈痛な面持ちで額に手をやった。レオシュがそのことを気にしていたのでいつかは聞くのではないかと危惧していたのだ。
「好き……あぁ、アデーラ殿のことは尊敬しているが、恋愛感情はない」
「れんあいかんじょうはない! ……まっまー! どういういみ?」
「えーっとね、結婚したいとか、愛してるとか、そういうことじゃなくて、お仕事が上手だなとか、子育てが上手だなって思ってるってことかな?」
「れんあいかんじょうはない! ……えぇー!? まっま、こんなにきれいで、やさしくて、すてきなのに、どういうこと! ふしゃああああ!」
恋愛感情はないということで納得するのかと思えば、レオシュは全身の毛を逆立てて国王陛下を威嚇する。
「私が愛しているのは、お前の母上だけだ!」
「ははーえ……だぁれ?」
「お前の母親だ」
国王陛下の言葉選びは明らかに悪かった。アデーラが説明しようとする前に、レオシュは国王陛下の手に噛み付いていた。
「あぁー!? レオシュ!? ぺっ、して! ぺっ!」
「ぺっ!」
「血がー!? ダーシャ、国王陛下を診てやって。レオシュはうがいをしにいくよ」
レオシュの脇の下に手を入れて洗面所に連れて行ったアデーラは念入りにうがいをさせてレオシュの口の中を洗う。血が出るほど噛み付かれた国王陛下は呆然として立ち尽くしていて、ダーシャがその手を消毒して手当てしていた。
「まっまを、すきっていった!」
「違うよ。国王陛下が愛しているレオシュの母親は、お妃様のことだよ」
「まっまのことだとおもう! せいばいした!」
「成敗したじゃないの。ひとに噛み付いちゃダメなんだよ?」
「やー! きらいー!」
じたばたと暴れるレオシュに、全てを見ていたルカーシュが涙目になって近寄ってくる。
「ちちうえはははうえのことがすきなんだよ。だから、アデーラおかあさんのことはすきじゃないよ」
「ははーえ、まっまじゃないの?」
「うん、ちがうよ」
「そっか……」
ルカーシュに説明されてやっとレオシュは納得したようだった。
「れー、にぃに、すき。にぃに、ちちーえ、すき……れー、ちちーえ、すきくないけど、にぃにがすきなら、がまんできる」
「レオシュ……?」
「にぃに、なかないで。れー、もう、ちちーえかまない」
「レオシュ、ありがとう」
国王陛下のことは好きになれないが、大事な兄のルカーシュが好きならば嫌いというのを強く表現しないというレオシュに、ルカーシュがレオシュを抱き締めて泣いている。
レオシュは小さな手で泣いているルカーシュの頭を撫でていた。
国王陛下の手当てが終わって、衣装の仮縫いをしてから、アデーラは国王陛下を店から追い出す。店にまた平和が戻って来た。
ルカーシュはイロナと遊んで、レオシュはフベルトと遊んでいる。
「こんど、れーのおにわにきて」
「いいの?」
レオシュがフベルトを誘っているのに、ヘドヴィカが眉を顰める。
「レオシュ様のお庭は王宮なのよ。行っていいわけないでしょう? フベルト、諦めなさい」
「えー? ねぇね、ふー、いきたい」
唇を尖らせているフベルトに、ルカーシュがイロナの方を見る。
「ダーシャおかあさん、アデーラおかあさん、イロナちゃんとフベルトくんをおにわにまねいちゃだめ?」
ダメかと言われればそんなはずはなかった。
王宮の貴族たちにバレれば面倒なことになるかもしれないが、元々王宮の貴族たちはアデーラとダーシャの離れの棟に入ることができない。子どもの声が少し増えたところで、誰も気づきはしないだろう。
「いいよ、フベルトくんも、イロナちゃんも、おいで」
「アデーラの美味しいおやつが食べられるかもしれないわよ」
「い、いいんですか!?」
恐縮しているヘドヴィカにアデーラは微笑みかける。
「おやつを作るときにはヘドヴィカちゃんの分も用意するからね」
「えぇ!? 私まで!?」
驚き感激しているヘドヴィカがアデーラの作ったおやつを食べたらどんな顔をするのだろう。
ダーシャが悪戯っぽく笑っていた。
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