69 / 221
妃の条件④
しおりを挟む
もともと威圧スキルを持っていると思っていたが、前の顔つきだとスキルなど無くても十分威圧できていたので必要なかったので取得していなかったらしい。
なので、ガイドブックにある『誰でも簡単、マル秘、裏技スキル習得術』の裏技を試すいい機会だと思い、ネイトレスを実験台にすることにした。
通常、スキル習得は取得難易度によってかわるが一定の期間訓練や、学習などをしなければ取得ができない。
それを瞬時に取得させようって裏技だ。
これはナナスキルで強制的にスキルを取得させるのとは違い、再現性があって、マル秘と謳ってる割には知っている者も多いものになるらしい。
威圧スキルの場合は、威圧を放つ者に対して、威圧を放つイメージで対抗すると取得できるらしい。
要はガンの飛ばし合いだ。
「もしかして威圧スキルのことか?」
ほら、知っているの者がここにも。
「もう試したころあるの?」
「あぁ試したことあるが、威圧を使われたところで私の方が絶対強い分かっていると上手くいかないらしいのだ」
「それなら私なら大丈夫でしょ」
「威圧スキル持っているのか?」
「持ってるに決まってるじゃない」
(今 “威圧S” 取得したけど)
「それなら話は早い、是非私に使ってほしい」
「じゃあ、いい加減シャツ着てもらって、そこに立って」
「ああ、了解した」
やっとシャツを着てくれた。それでもちょっとエッチだが、冷静に事を進めるためにもシャツ一枚あるかないかは大きい。
「今からスキル使うから、自分も威圧を放つイメージを持って対抗するんだよ」
トトトッ
と、仁王立ちするネイトレスの横に何故かテッテが並ぶ。
「お気になさらないでください」
(こっちが気にするっての)
言っても、動かなと思うのでそのまま使うことに。
(試しに10%ぐらいで)
「いくよー」
【スキル威圧を発動しました】
使用した瞬間には相手に伝わっているのだろう
「ああああ、ケーナ姉様! ケーナ姉様!! そんな見つめちゃらめぇぇえ!!」
(テッテめ、これが目当てだったか……)
完全におちょっくっているるテッテだが、私の後ろでバタン、バタンと倒れる音。
抑えた威圧で後ろにいるのにマトンやヨシエは強すぎたのだろう、気を失ったように倒れてしまった。
「2人ともごめんね。ほらテッテ、いつまでも捩れてないでヨシエさん起こして」
しかし、流石騎士様といったところだろか。
真正面で受けたのにも関わらず、瞬き1つせず仁王立ちのまま微動だにしない……。
「なにか臭いですわ」
(ん? 確かに臭い。おしっこのような。ハッ!)
「ネイトレス! ネイトレス!!」
真っ直ぐ前を見つめ仁王立ちを維持し、騎士の雰囲気はギリギリ保っているが、滴る黄金水のせいで威厳がなくなっていた。
マトンは直ぐに気がつき、色々とネイトレスの後処理をしてくれた。
私は恥ずかしさと躊躇いが出てしまいあまり動けず。
(ありがとうマトン。前言撤回、あんたは完成された疑似生命体だよ)
ネイトレスの着替えが必要かもしれないと気がつき、忙しそうなマトンの代わりに手の空いているメイドにお願いしようと部屋を出る。
しかし、暫く待っていても誰も部屋の前を通らない。
ここに来るときは、多くのメイドとすれ違ったのに。
おかしなと思い扉が開いていた部屋を覗き込むと、ドアの近くで1人のメイドが倒れていたのだ。
「大丈夫!?」
肩をたたいて、気づかせようとしたのだが中々起きてくれてない。
鑑定眼を使って状態を調べると気絶となっていた。
事件かと思い、他の部屋に助けを求めて
「誰でもいいので、誰かいませんか!!」
声を上げてみるも一切の返事が無い。
探索を使い、他のメイドに駆け寄るもまた気絶。探索に映る王宮の殆どの人の反応が微動だにしていなかった。
急いで部屋に戻ってマトンに説明すると
「刃物で心臓をえぐるような威圧を放たれたら、訓練された王宮のメイドといえど倒れてしまいます」
「でも威力は10分の1ぐらいまで落したよ」
「はぁ、それでもです。強さがもう少し強かったら王宮のにいる全ての者は呼吸することさえできず、窒息死していたところですよ。命があるだけ良かったです。気絶してる者も時期に目が覚めるでしょう」
あ、私のせいなのかとそこで気づく
「ケーナ姉様は、加減ってものを知らないのですから」
「ぐぬぬ」
さすがに黄金水が撒かれた部屋に私を泊めるわけにはいかないので、マトンは他の部屋を準備するため出て行った。
10分後ぐらいにネイトレスとヨシエも気がついたようだ。
まずはネイトレスに威力が強すぎたことを謝罪。気絶している間の事を説明すると両手で顔を抑え
「噂になったら、おションの騎士とか言われるのであろうか……。嫁の貰い手も絶望的だぁぁぁあ」
などとブツブツと言っていた。
ヨシエは寝ていたのかと勘違いして平謝りしている。謝るのはこちらの方だ。
結局肝心の威圧スキルは取得できなかった。
発動後対抗する間もなく意識が遥か彼方に飛んで行ったそうだ。
「もう一回やってみようか」
「もういやだ。もう漏らしたくない」
「たくさん出したから、もう出ないでしょ」
「そういう問題ではないのだ。それに、次アレが万が一出てしまったら、私の心は砕けてしまう」
我儘な女騎士だ。
「明日、ここを出発するまでに何か考えるよ。だから時間をちょうだい」
「分かった。じゃあここで待つ」
「気が散るから自分の部屋に戻ってよ」
「そうですわ、ここはわたしとケーナ姉様の部屋なのよ。出てお行きなさい」
(テッテ。もう私はツッコまないぞ)
「逃げたりしないから安心して。どうしても心配なら、私の最も大切な家族でもあるテッテをあなたに預けるわ」
「そうわたしは最も大切な家族な……ちょっと待つのですわ」
「了解した。人質ということだな。テッテとやら不本意だが今日は私と寝てもらうぞ」
襟をつかまれズルズルと引きずられるテッテ
「ちょっと待つのですわ!!」
「騒がしいなちょっと静かにしてろ」
「ちょっと!!!!待つのですわ!!!!!」
扉から出て行ってもテッテの声が聞こえる。
後追うようにヨシエもついていった。入れ違いでマトンが戻り声をかけてくれる。
「お部屋の準備ができましたのでどうぞこちらへ」
今日は1人で寝れそうだ。
なので、ガイドブックにある『誰でも簡単、マル秘、裏技スキル習得術』の裏技を試すいい機会だと思い、ネイトレスを実験台にすることにした。
通常、スキル習得は取得難易度によってかわるが一定の期間訓練や、学習などをしなければ取得ができない。
それを瞬時に取得させようって裏技だ。
これはナナスキルで強制的にスキルを取得させるのとは違い、再現性があって、マル秘と謳ってる割には知っている者も多いものになるらしい。
威圧スキルの場合は、威圧を放つ者に対して、威圧を放つイメージで対抗すると取得できるらしい。
要はガンの飛ばし合いだ。
「もしかして威圧スキルのことか?」
ほら、知っているの者がここにも。
「もう試したころあるの?」
「あぁ試したことあるが、威圧を使われたところで私の方が絶対強い分かっていると上手くいかないらしいのだ」
「それなら私なら大丈夫でしょ」
「威圧スキル持っているのか?」
「持ってるに決まってるじゃない」
(今 “威圧S” 取得したけど)
「それなら話は早い、是非私に使ってほしい」
「じゃあ、いい加減シャツ着てもらって、そこに立って」
「ああ、了解した」
やっとシャツを着てくれた。それでもちょっとエッチだが、冷静に事を進めるためにもシャツ一枚あるかないかは大きい。
「今からスキル使うから、自分も威圧を放つイメージを持って対抗するんだよ」
トトトッ
と、仁王立ちするネイトレスの横に何故かテッテが並ぶ。
「お気になさらないでください」
(こっちが気にするっての)
言っても、動かなと思うのでそのまま使うことに。
(試しに10%ぐらいで)
「いくよー」
【スキル威圧を発動しました】
使用した瞬間には相手に伝わっているのだろう
「ああああ、ケーナ姉様! ケーナ姉様!! そんな見つめちゃらめぇぇえ!!」
(テッテめ、これが目当てだったか……)
完全におちょっくっているるテッテだが、私の後ろでバタン、バタンと倒れる音。
抑えた威圧で後ろにいるのにマトンやヨシエは強すぎたのだろう、気を失ったように倒れてしまった。
「2人ともごめんね。ほらテッテ、いつまでも捩れてないでヨシエさん起こして」
しかし、流石騎士様といったところだろか。
真正面で受けたのにも関わらず、瞬き1つせず仁王立ちのまま微動だにしない……。
「なにか臭いですわ」
(ん? 確かに臭い。おしっこのような。ハッ!)
「ネイトレス! ネイトレス!!」
真っ直ぐ前を見つめ仁王立ちを維持し、騎士の雰囲気はギリギリ保っているが、滴る黄金水のせいで威厳がなくなっていた。
マトンは直ぐに気がつき、色々とネイトレスの後処理をしてくれた。
私は恥ずかしさと躊躇いが出てしまいあまり動けず。
(ありがとうマトン。前言撤回、あんたは完成された疑似生命体だよ)
ネイトレスの着替えが必要かもしれないと気がつき、忙しそうなマトンの代わりに手の空いているメイドにお願いしようと部屋を出る。
しかし、暫く待っていても誰も部屋の前を通らない。
ここに来るときは、多くのメイドとすれ違ったのに。
おかしなと思い扉が開いていた部屋を覗き込むと、ドアの近くで1人のメイドが倒れていたのだ。
「大丈夫!?」
肩をたたいて、気づかせようとしたのだが中々起きてくれてない。
鑑定眼を使って状態を調べると気絶となっていた。
事件かと思い、他の部屋に助けを求めて
「誰でもいいので、誰かいませんか!!」
声を上げてみるも一切の返事が無い。
探索を使い、他のメイドに駆け寄るもまた気絶。探索に映る王宮の殆どの人の反応が微動だにしていなかった。
急いで部屋に戻ってマトンに説明すると
「刃物で心臓をえぐるような威圧を放たれたら、訓練された王宮のメイドといえど倒れてしまいます」
「でも威力は10分の1ぐらいまで落したよ」
「はぁ、それでもです。強さがもう少し強かったら王宮のにいる全ての者は呼吸することさえできず、窒息死していたところですよ。命があるだけ良かったです。気絶してる者も時期に目が覚めるでしょう」
あ、私のせいなのかとそこで気づく
「ケーナ姉様は、加減ってものを知らないのですから」
「ぐぬぬ」
さすがに黄金水が撒かれた部屋に私を泊めるわけにはいかないので、マトンは他の部屋を準備するため出て行った。
10分後ぐらいにネイトレスとヨシエも気がついたようだ。
まずはネイトレスに威力が強すぎたことを謝罪。気絶している間の事を説明すると両手で顔を抑え
「噂になったら、おションの騎士とか言われるのであろうか……。嫁の貰い手も絶望的だぁぁぁあ」
などとブツブツと言っていた。
ヨシエは寝ていたのかと勘違いして平謝りしている。謝るのはこちらの方だ。
結局肝心の威圧スキルは取得できなかった。
発動後対抗する間もなく意識が遥か彼方に飛んで行ったそうだ。
「もう一回やってみようか」
「もういやだ。もう漏らしたくない」
「たくさん出したから、もう出ないでしょ」
「そういう問題ではないのだ。それに、次アレが万が一出てしまったら、私の心は砕けてしまう」
我儘な女騎士だ。
「明日、ここを出発するまでに何か考えるよ。だから時間をちょうだい」
「分かった。じゃあここで待つ」
「気が散るから自分の部屋に戻ってよ」
「そうですわ、ここはわたしとケーナ姉様の部屋なのよ。出てお行きなさい」
(テッテ。もう私はツッコまないぞ)
「逃げたりしないから安心して。どうしても心配なら、私の最も大切な家族でもあるテッテをあなたに預けるわ」
「そうわたしは最も大切な家族な……ちょっと待つのですわ」
「了解した。人質ということだな。テッテとやら不本意だが今日は私と寝てもらうぞ」
襟をつかまれズルズルと引きずられるテッテ
「ちょっと待つのですわ!!」
「騒がしいなちょっと静かにしてろ」
「ちょっと!!!!待つのですわ!!!!!」
扉から出て行ってもテッテの声が聞こえる。
後追うようにヨシエもついていった。入れ違いでマトンが戻り声をかけてくれる。
「お部屋の準備ができましたのでどうぞこちらへ」
今日は1人で寝れそうだ。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
勘当された少年と不思議な少女
レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。
理由は外れスキルを持ってるから…
眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。
そんな2人が出会って…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
戦国鍛冶屋のスローライフ!?
山田村
ファンタジー
延徳元年――織田信長が生まれる45年前。
神様の手違いで、俺は鹿島の佐田村、鍛冶屋の矢五郎の次男として転生した。
生まれた時から、鍛冶の神・天目一箇神の手を授かっていたらしい。
直道、6歳。
近くの道場で、剣友となる朝孝(後の塚原卜伝)と出会う。
その後、小田原へ。
北条家をはじめ、いろんな人と知り合い、
たくさんのものを作った。
仕事? したくない。
でも、趣味と食欲のためなら、
人生、悪くない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる