70 / 221
妃の条件⑤
しおりを挟む
久々の熟睡ができ心地よい朝を迎える。
「よく寝た……」
自然と目が覚めた朝は頭がスッキリしている。
(さて、どうしたものか)
さっそくだがネイトレスを納得してもらうように頭を働かせる。
要は綺麗なネイトレスを見た者が、邪まな心を持つ者のだとややこしくなるというわけだ。
王に迷惑がかかってしまう事を懸念しているわけだし。
だったらその邪まな心を取り払ってしまえばいい。
ガイドブックを取り出しなにかお手軽で、すぐできそうな事がないかペラペラと探してみる。後ろの方に載っている洗脳に近い精神干渉系アビリティから目ぼしい物を発見。
「“エンジェルラダー:見た者の心を浄化させる。アンデット系には効果大”か、これは攻撃的な感じの威圧とは違うけど、これでいいかな」
アビリティなのでアイテムにある能力。早速ナナスキルのアイテム制作を使い、シンプルなデザインでネイトレスに似合うような耳飾り型のアイテムを作ってみた。
おまけ効果もできるだけ盛ってみる。
「うん! なかなか、いいんじゃないか。アイテム作りも面白いかも」
“エンジェルイヤリング”
アイテムランク:レジェンド
使用者制限:ネイトレス
アビリティ:エンジェルラダー
追加効果:毒耐性アップ/麻痺耐性アップ/混乱耐性アップ/魅了耐性アップ/洗脳耐性アップ
ナナスキルあれこれ頼りすぎるのはあまり良くないのだけど、今回は一応お詫びも兼ねているといことで私自身を納得させた。
綺麗になって、可愛くなったのにお詫びするのも変な話だけど、ネイトレスにとっては古傷でさえも勲章のようなものだったのかもしれない。
「ケーーーーーナねぇーーーーーさまーーーーー!!」
遠くから響くテッテの声。
ちょうどいいタイミグで2人が来てくれたようだ。
勢いよく扉があき、先にテッテが飛んできた。
「おはようございますですわ!」
「おはよう」
「悪いなケーナ、朝から。そいつがじっとしてなくてな」
後から入ってきたネイトレスだったが、恰好はインナーのみ。
「服を着てよ。まさかここまでそれで歩いてきたの」
どうぞ襲ってくださいと言わんばかりのボディーライン見せつけている。
「と言われてもだな、今まで使っていた寝間着がきつくてな。それに普段は甲冑でいることがほとんどだから式典用の服ぐらいしか持っていない」
「男たちが気にならないの?」
「ああ、今日は皆元気に挨拶していたぞ」
誰のせいで元気になっているのか考えてほしい。
そういうところはかなり鈍感なのかな。
「で、昨晩のことについてなのだが……」
「ちゃんと用意しましたよ! 万事解決ってわけにはいかないかもしれないけど。はい、これあげる」
差し出された耳飾りをまじまじと見て
「か、かわいい! これで解決するのか?」
「つけると印象が良くなるアビリティが付いてるのよ。これで誰も舐めるような態度をとることはないはず」
「まぁ効果がどれ程かは分からないが、折角だからこのかわいい物は貰っておくぞ」
意外に食いつきがいい。アクセサリーに結構興味があるのかもしれない。
「実はな、私も一晩冷静になって考えたのだ。傷が消えたけど私自身が変わったわけではない。昨日は気が動転し昂ったせいもあり強くケーナに当たってしまったなと。騎士としてのあるべき姿ではなかった」
「じゃあ許してくれるの」
「もちろんだ。むしろ悪かったとも思っている。昨晩あの子にも言われたよ。本当に傷痕が大切なものだったのかと」
「テッテに?」
「そうだ、さとされた気分だ。……昔の私はな戦争孤児だったんだ。全てを失い残ったのはこの体ぐらいだ。暫くは教会で世話になっていたのだが、そこに訪れた当時少年のハイド様に騎士の素質があるといわれ城に招かれた」
(昔から見破るスキルを使ってたのかな)
「ここに来てからは認めてもらえるよう必死だった。私は何も持っていなかったからな、体の傷痕でさえも手放したくないと意固地になっていたのかもしれない」
「そうなんだ……」
「私の傷痕が消えた程度騒ぐことではなかった。王に対しての忠誠が変わるわけでも王からの信頼が変わるわけでもない」
「大丈夫だよ、近衛騎士なんだから。それに厄介な視線はそのイヤリングがどうにかしてくれる。とっておきだから大切にしてよね」
「ああ! もちろんだ、一生大切にする」
一晩でここまで心境の変化があるとは思っていなかったので、思わずテッテの魅了を使って操っているのかと疑ってしまった。
「何かしたの?」
「いいえ、使っていませんわ。ちょっと身の上話をしたぐらいですわ」
テッテがいい仕事をしてくれたみたいだった。
ネイトレスが今の姿で勘弁してくれたようで安心した。耳飾りに納得せずに迫られたらときの次の手を考えてなかったから、その時は記憶でもいじるしかないと思っていた。
「ちょっとすまぬが、これはどうやって付ければよいのだろうか?」
「え、イヤリング付けたことないの?」
「何分お洒落には疎いものでな」
「そっか。左耳つけてあげるから、右は自分でつけてみて。力任せにつけちゃダメだからね」
「わ、わかっている」
イヤリングは挟むタイプの物だから扱いは簡単だ。オシャレとは無縁そうだからこれを機に少しは覚えてもいいと思う。
なにせ素質はかなり高いのだから。
「うん、うん、似合ってるね似合ってるね」
「ちょっと気恥ずかしいな。いったん外そう」
「ダメ! 折角付けたんだから外しちゃダメ!!」
「わたしですらケーナ姉様から、これといったものは頂いていないのですから、外すのであればわたしが頂きますわ」
「ならば、ずっと付けておこう」
そう言ったネイトレスが、鏡の前でちょっとニヤついていたのを見逃さなかった。
「よく寝た……」
自然と目が覚めた朝は頭がスッキリしている。
(さて、どうしたものか)
さっそくだがネイトレスを納得してもらうように頭を働かせる。
要は綺麗なネイトレスを見た者が、邪まな心を持つ者のだとややこしくなるというわけだ。
王に迷惑がかかってしまう事を懸念しているわけだし。
だったらその邪まな心を取り払ってしまえばいい。
ガイドブックを取り出しなにかお手軽で、すぐできそうな事がないかペラペラと探してみる。後ろの方に載っている洗脳に近い精神干渉系アビリティから目ぼしい物を発見。
「“エンジェルラダー:見た者の心を浄化させる。アンデット系には効果大”か、これは攻撃的な感じの威圧とは違うけど、これでいいかな」
アビリティなのでアイテムにある能力。早速ナナスキルのアイテム制作を使い、シンプルなデザインでネイトレスに似合うような耳飾り型のアイテムを作ってみた。
おまけ効果もできるだけ盛ってみる。
「うん! なかなか、いいんじゃないか。アイテム作りも面白いかも」
“エンジェルイヤリング”
アイテムランク:レジェンド
使用者制限:ネイトレス
アビリティ:エンジェルラダー
追加効果:毒耐性アップ/麻痺耐性アップ/混乱耐性アップ/魅了耐性アップ/洗脳耐性アップ
ナナスキルあれこれ頼りすぎるのはあまり良くないのだけど、今回は一応お詫びも兼ねているといことで私自身を納得させた。
綺麗になって、可愛くなったのにお詫びするのも変な話だけど、ネイトレスにとっては古傷でさえも勲章のようなものだったのかもしれない。
「ケーーーーーナねぇーーーーーさまーーーーー!!」
遠くから響くテッテの声。
ちょうどいいタイミグで2人が来てくれたようだ。
勢いよく扉があき、先にテッテが飛んできた。
「おはようございますですわ!」
「おはよう」
「悪いなケーナ、朝から。そいつがじっとしてなくてな」
後から入ってきたネイトレスだったが、恰好はインナーのみ。
「服を着てよ。まさかここまでそれで歩いてきたの」
どうぞ襲ってくださいと言わんばかりのボディーライン見せつけている。
「と言われてもだな、今まで使っていた寝間着がきつくてな。それに普段は甲冑でいることがほとんどだから式典用の服ぐらいしか持っていない」
「男たちが気にならないの?」
「ああ、今日は皆元気に挨拶していたぞ」
誰のせいで元気になっているのか考えてほしい。
そういうところはかなり鈍感なのかな。
「で、昨晩のことについてなのだが……」
「ちゃんと用意しましたよ! 万事解決ってわけにはいかないかもしれないけど。はい、これあげる」
差し出された耳飾りをまじまじと見て
「か、かわいい! これで解決するのか?」
「つけると印象が良くなるアビリティが付いてるのよ。これで誰も舐めるような態度をとることはないはず」
「まぁ効果がどれ程かは分からないが、折角だからこのかわいい物は貰っておくぞ」
意外に食いつきがいい。アクセサリーに結構興味があるのかもしれない。
「実はな、私も一晩冷静になって考えたのだ。傷が消えたけど私自身が変わったわけではない。昨日は気が動転し昂ったせいもあり強くケーナに当たってしまったなと。騎士としてのあるべき姿ではなかった」
「じゃあ許してくれるの」
「もちろんだ。むしろ悪かったとも思っている。昨晩あの子にも言われたよ。本当に傷痕が大切なものだったのかと」
「テッテに?」
「そうだ、さとされた気分だ。……昔の私はな戦争孤児だったんだ。全てを失い残ったのはこの体ぐらいだ。暫くは教会で世話になっていたのだが、そこに訪れた当時少年のハイド様に騎士の素質があるといわれ城に招かれた」
(昔から見破るスキルを使ってたのかな)
「ここに来てからは認めてもらえるよう必死だった。私は何も持っていなかったからな、体の傷痕でさえも手放したくないと意固地になっていたのかもしれない」
「そうなんだ……」
「私の傷痕が消えた程度騒ぐことではなかった。王に対しての忠誠が変わるわけでも王からの信頼が変わるわけでもない」
「大丈夫だよ、近衛騎士なんだから。それに厄介な視線はそのイヤリングがどうにかしてくれる。とっておきだから大切にしてよね」
「ああ! もちろんだ、一生大切にする」
一晩でここまで心境の変化があるとは思っていなかったので、思わずテッテの魅了を使って操っているのかと疑ってしまった。
「何かしたの?」
「いいえ、使っていませんわ。ちょっと身の上話をしたぐらいですわ」
テッテがいい仕事をしてくれたみたいだった。
ネイトレスが今の姿で勘弁してくれたようで安心した。耳飾りに納得せずに迫られたらときの次の手を考えてなかったから、その時は記憶でもいじるしかないと思っていた。
「ちょっとすまぬが、これはどうやって付ければよいのだろうか?」
「え、イヤリング付けたことないの?」
「何分お洒落には疎いものでな」
「そっか。左耳つけてあげるから、右は自分でつけてみて。力任せにつけちゃダメだからね」
「わ、わかっている」
イヤリングは挟むタイプの物だから扱いは簡単だ。オシャレとは無縁そうだからこれを機に少しは覚えてもいいと思う。
なにせ素質はかなり高いのだから。
「うん、うん、似合ってるね似合ってるね」
「ちょっと気恥ずかしいな。いったん外そう」
「ダメ! 折角付けたんだから外しちゃダメ!!」
「わたしですらケーナ姉様から、これといったものは頂いていないのですから、外すのであればわたしが頂きますわ」
「ならば、ずっと付けておこう」
そう言ったネイトレスが、鏡の前でちょっとニヤついていたのを見逃さなかった。
0
あなたにおすすめの小説
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
キモおじさんの正体は…
クラッベ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生し、ヒロインとなったナディア。
彼女はゲーム通りにいかない悪役令嬢のビビアンに濡れ衣を着せ、断罪イベントの発生を成功させる。
その後の悪役令嬢の末路は、ゲーム通りでは気持ち悪いおっさんに売られていくのを知っているナディアは、ざまぁみろと心の中で嘲笑っていた。
だけどこの時、この幸せが終わりを迎えることになるとは、ナディアは思っても見なかったのだ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
イジメられっ子世に憚る。
satomi
ファンタジー
主人公須藤正巳はぼんやりと教室で授業を受けていた。その時、突然教室中に物凄い量の光が…。 正巳が属する2-C全員が異世界転移することとなってしまった。 その世界では今まで正巳が陰キャとして読み漁ったラノベともゲームとも異なり、レベルがカウントダウン制。つまりレベル999よりレベル1の方が強い。という世界だった。 そんな中、クラスのリーダー的陽キャである神谷により全員で教室の外に出ることに。 いきなりドラゴンに出会い、クラスの全員がとった行動が『正巳を囮にして逃げること』だった。 なんとか生き延びた正巳は、まず逃げた連中へ復讐を誓う。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
精霊の森に捨てられた少女が、精霊さんと一緒に人の街へ帰ってきた
アイイロモンペ
ファンタジー
2020.9.6.完結いたしました。
2020.9.28. 追補を入れました。
2021.4. 2. 追補を追加しました。
人が精霊と袂を分かった世界。
魔力なしの忌子として瘴気の森に捨てられた幼子は、精霊が好む姿かたちをしていた。
幼子は、ターニャという名を精霊から貰い、精霊の森で精霊に愛されて育った。
ある日、ターニャは人間ある以上は、人間の世界を知るべきだと、育ての親である大精霊に言われる。
人の世の常識を知らないターニャの行動は、周囲の人々を困惑させる。
そして、魔力の強い者が人々を支配すると言う世界で、ターニャは既存の価値観を意識せずにぶち壊していく。
オーソドックスなファンタジーを心がけようと思います。読んでいただけたら嬉しいです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる