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奴隷オークション②
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出てきたのは肌も髪も真っ白の女の子、身長は私よりやや高く目が薄い赤で唇が薄いピンクだ。何とも儚い表情をしてる。
想像とは違っていて思わず困惑してしまう。
(あれ、この子、本当に吸血鬼??)
会場もややザワついている。私はここの世界のヴァンパイアを見たことがないので比較ができないのだけど、正直ヴァンパイアには見えなかった。
真っ白だけど白黒ハッキリさせるために、こっそり鑑定眼を使う。
--------------------------------------------
女 14歳 白化個体 人族
LV11 HP37 MP12
STR 18 VIT 14 MND 13
SPD 10 DEX 12 INT 84
LUK 3
スキル
精神耐性C 探究B
属性魔法適性
なし
職業歴
見世物小屋 6年
備考
追加詳細鑑定項目
混血:なし
状態:正常
--------------------------------------------
ヴァンパイアではない。人族の先天性アルビノの女の子だ。
そりゃ、吸血能力などあるわけないし、紫外線に弱いから日光程度でも火傷をしやすい。
白化個体と表示されているが状態異常ではない様子。生まれつきの持っている性質の場合はそれが正常と判断されるてるのかもしれない。
職業歴からどこかの見世物小屋で働いていたのだろう。
そこで必要なくなったのか、金に困って売ることにでもしたのか。どちらにせよ出品者側はヴァンパイアなどと嘘をついてレア種族を集める金持ちにでも売れればそれでよかったのだろう。
だがここのオークションは私のような一般人は稀で、目利きのできる商人しかいない。偽物を掴んだらそれこそここでの信用がなくなってしまう。
「1000万メルクから!」
予想通り次が入らない。オークショニアも困っている。
「1000より上ございませんか?1000より上ございませんか?」
静まり返った会場が、あれに入札するなと言っているかのようだ。出品者に対して罰なのかもしれない。
オークション側も偽物の出品を許すなんてどうかしている。
痺れを切らしたのかオークショニアが誰かと話している。
「1000ないようですので、値下げとさせていただきます。950、950いませんか?」
どんどん値下げされていくも誰も口を開かない。
オークショニアも焦っているようで。誰か買ってくれと目で訴えている。
「750! 750いませんか?」
鑑定眼を使ってしまったばかりに
(ここで売れ残ったら、この奴隷は怒られるのかな。そして見世物小屋戻されるのかな。また毎日誰かに見られるだけの日々になるのかな。私なら買えなくもないし)
などと、いらぬ考えをしてしまっていた。
「500! 500いませんか?」
(いやいや、待て待て、奴隷を買うにしても、お目当ては戦闘奴隷だ。ゆくゆくはダンジョンに潜るための戦力になる奴隷が欲しい。もちろんお喋り好きだとなお嬉しい)
「400……400、いません……か?」
(そう考えると、人族より戦闘に長けている亜人族を選ぶ方がより賢いな)
「350はどうでしょうか」
(できるなら剣とか使える前衛タイプがいい。冒険者のパーティーって感じがするしね)
「下限価格になります300です……」
(男の奴隷なら金貨100枚程度だし、コスパいいし……)
チラッと目を向けたらアルビノの女の子と目があってしまった。なにかを訴える訳でもなく、ただただ私を見ていたのだろう。
でもそんな瞳が私には悲しそうに見えてしまった。
「いないようですので。これにて本日のオークションは終了と致します」
オークショニアがベルを持ち鳴らそうとしたところで
「……300……」
手をあげてしまった。
「300!! 300!! ありがとうございます!!」
偽物は落札しない暗黙のルールを破ったので周りの商人たちが何か言っていたが気にしなかった。
私はそもそも商人ではないのだから暗黙のルールなど関係ない。
商品の引き取りは別室でおこなうと言われ、刺さる視線を浴びながらオークション会場を後にしたのだ。
支払いは金貨のみ。
お金を渡すとすぐに奴隷契約を結ぶことになる。
奴隷印の上から血判をすることで奴隷契約が成立する。
「初めまして、お嬢様。まさか落札していただけるとは思っておりませんでした」
「初めまして、ケーナだよ。名前は?」
「申し訳ございません。名を持っておりません。お嬢様に付けていただければと思います」
鑑定しても名前が空欄なのはそういうことらしい。
「名づけなんて、なんか照れるな。そうだなぁ…… 白くて綺麗だから、ハクレイなんてどうかな」
「ハク、レイ……。あの…… 白くて綺麗ですか? 今まで薄気味悪いとばかり言われてきたもので」
「ん~。私はそんな風には見えないけどな。どちらかというと神秘的だよ」
「お嬢様が気に入っていただけるなら、ハクレイは嬉しいです」
「これからよろしくね、ハクレイ! 今日はとりあえず、宿探して、明日カスケードの町に向けて出発しよう」
「かしこまりました。お嬢様」
宿を探している間も、周りからこそこそ話している声が聞こえてくる。
内容は大体同じで「ヴァンパイアだと思って病人を落札したのがあの嬢ちゃんだ」と言うことだ。
もちろんハクレイにも聞えているだろう。
何度も私に声をかけようとしていた。多分自分がヴァンパイアではないことを早めに打ち明けたかったのだろう。
ベットが2つある部屋を取ろうとすると奴隷としてのお決まりなのか、
「ベットはいりません床で十分です」
などと言っていたが、当然受け入れるつもりもないので拒否した。
想像とは違っていて思わず困惑してしまう。
(あれ、この子、本当に吸血鬼??)
会場もややザワついている。私はここの世界のヴァンパイアを見たことがないので比較ができないのだけど、正直ヴァンパイアには見えなかった。
真っ白だけど白黒ハッキリさせるために、こっそり鑑定眼を使う。
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女 14歳 白化個体 人族
LV11 HP37 MP12
STR 18 VIT 14 MND 13
SPD 10 DEX 12 INT 84
LUK 3
スキル
精神耐性C 探究B
属性魔法適性
なし
職業歴
見世物小屋 6年
備考
追加詳細鑑定項目
混血:なし
状態:正常
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ヴァンパイアではない。人族の先天性アルビノの女の子だ。
そりゃ、吸血能力などあるわけないし、紫外線に弱いから日光程度でも火傷をしやすい。
白化個体と表示されているが状態異常ではない様子。生まれつきの持っている性質の場合はそれが正常と判断されるてるのかもしれない。
職業歴からどこかの見世物小屋で働いていたのだろう。
そこで必要なくなったのか、金に困って売ることにでもしたのか。どちらにせよ出品者側はヴァンパイアなどと嘘をついてレア種族を集める金持ちにでも売れればそれでよかったのだろう。
だがここのオークションは私のような一般人は稀で、目利きのできる商人しかいない。偽物を掴んだらそれこそここでの信用がなくなってしまう。
「1000万メルクから!」
予想通り次が入らない。オークショニアも困っている。
「1000より上ございませんか?1000より上ございませんか?」
静まり返った会場が、あれに入札するなと言っているかのようだ。出品者に対して罰なのかもしれない。
オークション側も偽物の出品を許すなんてどうかしている。
痺れを切らしたのかオークショニアが誰かと話している。
「1000ないようですので、値下げとさせていただきます。950、950いませんか?」
どんどん値下げされていくも誰も口を開かない。
オークショニアも焦っているようで。誰か買ってくれと目で訴えている。
「750! 750いませんか?」
鑑定眼を使ってしまったばかりに
(ここで売れ残ったら、この奴隷は怒られるのかな。そして見世物小屋戻されるのかな。また毎日誰かに見られるだけの日々になるのかな。私なら買えなくもないし)
などと、いらぬ考えをしてしまっていた。
「500! 500いませんか?」
(いやいや、待て待て、奴隷を買うにしても、お目当ては戦闘奴隷だ。ゆくゆくはダンジョンに潜るための戦力になる奴隷が欲しい。もちろんお喋り好きだとなお嬉しい)
「400……400、いません……か?」
(そう考えると、人族より戦闘に長けている亜人族を選ぶ方がより賢いな)
「350はどうでしょうか」
(できるなら剣とか使える前衛タイプがいい。冒険者のパーティーって感じがするしね)
「下限価格になります300です……」
(男の奴隷なら金貨100枚程度だし、コスパいいし……)
チラッと目を向けたらアルビノの女の子と目があってしまった。なにかを訴える訳でもなく、ただただ私を見ていたのだろう。
でもそんな瞳が私には悲しそうに見えてしまった。
「いないようですので。これにて本日のオークションは終了と致します」
オークショニアがベルを持ち鳴らそうとしたところで
「……300……」
手をあげてしまった。
「300!! 300!! ありがとうございます!!」
偽物は落札しない暗黙のルールを破ったので周りの商人たちが何か言っていたが気にしなかった。
私はそもそも商人ではないのだから暗黙のルールなど関係ない。
商品の引き取りは別室でおこなうと言われ、刺さる視線を浴びながらオークション会場を後にしたのだ。
支払いは金貨のみ。
お金を渡すとすぐに奴隷契約を結ぶことになる。
奴隷印の上から血判をすることで奴隷契約が成立する。
「初めまして、お嬢様。まさか落札していただけるとは思っておりませんでした」
「初めまして、ケーナだよ。名前は?」
「申し訳ございません。名を持っておりません。お嬢様に付けていただければと思います」
鑑定しても名前が空欄なのはそういうことらしい。
「名づけなんて、なんか照れるな。そうだなぁ…… 白くて綺麗だから、ハクレイなんてどうかな」
「ハク、レイ……。あの…… 白くて綺麗ですか? 今まで薄気味悪いとばかり言われてきたもので」
「ん~。私はそんな風には見えないけどな。どちらかというと神秘的だよ」
「お嬢様が気に入っていただけるなら、ハクレイは嬉しいです」
「これからよろしくね、ハクレイ! 今日はとりあえず、宿探して、明日カスケードの町に向けて出発しよう」
「かしこまりました。お嬢様」
宿を探している間も、周りからこそこそ話している声が聞こえてくる。
内容は大体同じで「ヴァンパイアだと思って病人を落札したのがあの嬢ちゃんだ」と言うことだ。
もちろんハクレイにも聞えているだろう。
何度も私に声をかけようとしていた。多分自分がヴァンパイアではないことを早めに打ち明けたかったのだろう。
ベットが2つある部屋を取ろうとすると奴隷としてのお決まりなのか、
「ベットはいりません床で十分です」
などと言っていたが、当然受け入れるつもりもないので拒否した。
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