たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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我儘だっていいじゃない①

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 浮島での物件探しを断念し空間収納から宿の部屋に戻ってくると、脳裏に2人の名前が並ぶ。

【テッテ・ベルクス】
【ヨシエ     】

 国に帰ったはずの2人が探索スキル範囲に入っている。
 歩いてる場所はカスケードの通称親不孝通りと呼ばれる風俗街だ。

 おそらく、迷子だろう。

 迎えに行くため、寝ているハクレイとゼンちゃんを起こさないように静かに部屋を出た。


「ヨシエ、ここではないようですわね」

「やはり今日は宿に泊まり明日の朝、市場などに出直した方がいいかもしれません」

「そうですわね。賑やかな感じがしたので寄っては見ましたが、だいぶ違いましたね。こんな所にケーナ姉様はいらっしゃいませんわ」

 引き返そうとしたとき、テッテの勘がケーナの気配を察知する。

「あ!!」

「おーーーい、テッテ、ヨシエさん。こんなところでなーにやってんの」

「ケーナ姉様! ケーナ姉様こそ何故こんなところに、ま、まさか身売りを? テッテがいくらでもお買い上げいたしますわ!!」

「ばか。2人が迷子になってそうだから、迎えに来たんじゃない」

「わたしはケーナ姉様をお迎えに来ただけですわ。でも見つけていただけるなんて」

「これでも一応冒険者なんだよ。それくらはわかるの」

「お手数おかけしましたケーナ様。ここではなんですので場所を移しましょう」

 テッテはこれでもお姫様だけあって、泊まる場所は金持ち向けの豪華な場所だ。
 そこであれやこれやと事情を聞きながら一休み。

 帰って父親に会って私のことを話したそうだ。

「そしたら、お父様がケーナ姉様に会いたいと言ってまして、家臣や幹部も賛成してくれましたわ」

 何やら、テッテが上手く説得したみたいな流れになっているのでヨシエさんに確認を取る。

「テッテは魅了使ってましたか」

「いいえ、そのような気配はありませんでした」

「魔王様はテッテに何かしら条件を出しませんでしたか?」

「えっと、それは……」

 返事はなくともその反応だけで十分だ。

「テッテ」

「なんですの?」

「なにか隠してるでしょ」

「いえ、なにもございませんわ」

「姉妹の間に隠し事は無しって言ったのはテッテだよ」

「でもあの時、教えてくれなかったじゃありませんか。わたしだって……」

「あ、やっぱり隠してるじゃないの」

「そ、それはズルいですわ」

 ギュッと抱きしめ、顔と顔を近づける。

「教えなさい」

「か、顔が近すぎますわ」

 どんどん赤面するテッテ。これはあと一押しと思い、額と額をコツンと合わせる。

「教えなさい」

「わ、わ、わかりましたわ、教えますわ」

 ヒューヒューと呼吸が乱れていたので、テッテが落ち着くまで待つ。

 魔王トットは特別に私を招待したいわけではなく、浮島について知る者を連れてきて欲しかったみたいだ。
 とりあえず浮島改め空中要塞アデバルディアについて、少し知ることができたのは良かった。
 あの特殊な魔石も今の魔術や錬金術では製造できないのだろう。
 可能ならわざわざ私をバグラに呼ぶ必要などない。

 ある程度国の思惑とテッテの思惑が分かったところで今の浮島について話をする。

「残念だけど、テッテの希望は叶えられないかな」

「どうしてですの? まさか浮島の話は嘘でしたの?」

「それは浮島は本当だけど、浮島が持ってる魔力……抜き取っちゃった」

「7000億以上はあるって話ですのよ、全部ですの?」

 7000億以上と聞いて、魔力の吸収に時間がかかっていた謎が解けた。

「多分全部だね」

「ケーナ姉様……それは流石にわたしでもひきますわ」

 魔力は自分の最大保有量を超えて体内に貯め込もうとすると、大食いをして胃がパンパンになったような感じになり、歩くことも喋ることもできなくなる。

 それでも無理して魔力を取り込むと体内で魔力が暴走を起こし最悪の場合爆発するのだそうだ。

 しかし、私の場合はスキルが吸収して体内ではなく亜空間にエネルギーとして溜め込んでいるだけなので問題はない。私の体はいたって健康そのもの。

「魔力を失った浮島はもう浮くことも攻撃することもできないと思う」

「それはそれで安全かもしれませが、ケーナ姉様がお姉様として認めてもらうことができませんわ」

「いいよ別に、魔王様に認めてもらえなくても」

「それでは、次期魔王になれませんですのよ」

「いいよ。魔王にはテッテがなってよ。妹が魔王だなんて私も鼻が高いわ」

「嫌ですわ。魔王なんて」

「どうして?」

「今回帰ってみて改めてわかりましたの。わたしが魔王になっても家臣も幹部もそれを望んでいませんわ。喜ぶのはお父様ぐらいですわ」

 人族と魔族のハーフ。色欲と魅了のスキル所持。それによって誰も手が付けられず、性格が我が儘に育ってしまった。嫌われる理由がいくつもあるのだろう。

 その上魔王の娘だから誰も強く言えない、魔王が一人娘を甘やかした結果かもしれない。
 そこでふと思う、魔王の奥さんテッテのお母さんについてだ。

「ねぇ、お母さんは喜んでくれないの?」

「お母様は……わかりませんわ」

 何かを隠すように目を逸らすテッテ。

「ケーナ様。お母様であるシリル様についてよろしいでしょうか」

 テッテの代わりに、ヨシエが話始める。
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