たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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我儘だっていいじゃない⑤

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 要領は朝と一緒。どんどん魔力を注ぎ込み魔力玉を作り上げていく。

 できる限りなのでちまちま魔力を足していくわけには行かない。100万単位の魔力をどんどん足していく。魔力が足りなくなればアブソーブの亜空間からエネルギーを魔力に再変換させ充填させることの繰り返し。

 魔力玉の魔力が

 1000万…… 2000万…… 3000万……

 と増えていくと、流石にビー玉のような大きさにはおさめることができず、徐々に大きくなっていく。

 魔力量10億突破で大きな風船ぐらいの大きさにまでなっていた。

 直視しづらい程の異様な輝き、熱を発して辺りには熱風も逆巻いていた。

 こんな時でも、キャッキャとはしゃいでいるのはテッテだけ。魔王は誰かに耳打ちをしてる。
 まだまだいけそうだったので亜空間からどんどん補充していく。

 他の者達は絶句する者、腰を抜かすもの、逃げ出すものまでいた。
 強大な魔力をその身と肌で十分に感じてくれているのだろう。

 魔力1000億超えの魔力玉 
 
 玉というには大きすぎる。庭にギリギリかおさまっている感じだ。

 キリがいいのでこの魔力玉の威力を証明するべく空に向けて撃ち放つ。

 光が小さな小さな点になるぐらいまで上昇させ上空で大爆発。

 純粋な魔力のみの爆発は途轍もない光を四方八方に放ち、辺り一面を光で包んだ。

 その輝きの後、地面を揺らす大きな振動と爆発による轟音の衝撃波がやってくる。

 悲鳴や叫びで一瞬場が混乱したが、怪我人などはいなかった。
 窓のガラスが割れないか心配したが、何とか耐えてくれてホッとしている。

 これで私のパフォーマンスは終わり。玉座の間へと戻った。


「いかがだっただろうか皆の者。この美しい魔力を見てどう思った」

 まだ、実感が沸いていないのだろうか。誰一人口を開こうとはしない。それをみて魔王は続ける。

「今の魔力を計測しておいた。今の一撃で1000億6822万ほどだそうだ。ケーナ殿は最大で今の威力の数倍の魔力を放つことができると言っている。今のでさえ常識を逸脱した威力だ。それでいて魔力操作に無駄がない。ここまでの実力を見せつけられ疑うなど恥にも等しい。よって空中要塞アデバルディアの所持者と認める。もし反対の意があるものは遠慮なく前にでろ」

 このパフォーマンスが効果的であったのか反対する者がいない。一人ぐらい物申してもらって構わないのだが……。

「いないのなら今ここに、ケーナをトット・ベルクスの正式な娘として認定し、次期魔王の座を約束することを誓う。いずれは公式の場で宣言をする。それまでは外部に漏らすことのないよう願いたい」

 魔王の言葉が終わると、「うおぉぉぉぉぉぉ!!」と割れるような喝采沸き起こった。

「ケーナ姉様!!! すごいですわ!! 皆が認めてくださいました!!」

「え、いや、え? 魔王はその無理かも」

「何をおっしゃってますの、もう決まったことですのよ」

 後から知った事だったが魔族の中にも暗黙のルールある。力あるものに従うという絶対的なルールだ。
 もっと反対意見とかがでて、結局魔王にはなれずという感じになるかと思っていたのだが、それを暗黙のルールが封じ込めてしまったのだ。

 どうにか助けてほしい一心で魔王に声をかける

「あ、あの、私冒険者なので魔王の事をよくわかっていません。できる自信がないのですが……」

「なぁに、心配などいらぬ。魔王など所詮は飾り。皆の前に立つだけで十分だ。それに今すぐに魔王になるわけではないのだから、それまでは今まで通り過ごしてもらって構わぬ」

「は、はい……」

「これで、降伏の話も撤回できる。ああ、我が娘ケーナ。国を救ってくれて本当にありがとう」

 トットから感謝の言葉。テッテは最高の笑顔でハグをしてくれ、ヨシエも惜しみない拍手をしてくれる。
 もう取り消せないのかも知れない。
 だけど諦めたらそこで完全に決定してしまう。いっそのことココにもう一体コピーを作って丸投げしてしまおうかとも考えていた。

 後に人族が次期魔王になるという話は、他の国からも注目を集めることになった。魔力やアデバルディアに関しては口外禁止のお達しが出たので、なぜ人族がなれたのか辻褄が合うように偽りの話が流されていた。


 テッテの部屋に戻った頃には冷静さを取り戻し、本来の目的の母親探しへと移る。

「今のところ家臣や幹部達に空間収納スキルを持った者はいなかったよ。あとはあの場にいなかった魔法使いか魔術師かな」

「わたしには分かりませんわ。ヨシエはどうかしら」

「残念ですが、存じ上げません」

「気になるのは地下にいる人なんだけど」

「地下ですの?」

「ケーナ様。残念ながらこのお城には地下はございません。何かの間違いではないでしょうか?」

「なら余計に怪しいね」

「そうですわ。古いお城ですので隠し部屋くらいありそうですわ」

 このお城をダンジョンと見立て、感知スキルを発動させる。
 案の定地下へ続く隠し階段を見つけることができた。

「見つけた」

「もうですの!?」

「冒険者を舐めちゃだめだよ」

「たぶんですけど、ケーナ姉様しかそんなことできませんわ」

 地下へと続く隠し階段の入口はなんと最上階にある母親が使っていた寝室に隠し扉があったのだ。

「本棚の後ろとは意外とオーソドックスだね」

「それでも誰も気づかないなんて不思議ですわね」

 隠蔽系の魔法でもかけられていたのかもしれない。

 光がないのでライトの魔法で足元を照らしつつ、一段一段降りていく。
 長い螺旋階段を降りると古びた扉。鍵はかかっていなかった。

 そっと開け中の様子を伺う。探索で人がいるのはわかっていた。
 燭台の灯りしかない薄暗い部屋に、椅子に座ってどうやらコクリ、コクリと居眠り中の様子。

 確認のため鑑定眼を発動。
 SL.Bの空間収納持ちで人族だがレベルも魔力も高い魔導士のようだ。

 条件が揃ったところで、ゆっくりと近づき声をかけてみた。
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