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我儘だっていいじゃない④
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翌日、朝早くから魔王に呼び出された。
本日の会談で話す内容の打ち合わせだ。非公式とは言え今回の会談を国内の権力者達も見に来るとのことで、間違ったことを言って欲しくないとのこと。
テッテはまだ寝ていてもよかったのだが、半ば強引についてきた。
「朝早くにすまぬな」
「本当に失礼ですわお父様。レディを叩き起こすなんて」
「テッテはまだ寝てればいいのに、用があるのは私なんだし」
「この城内でケーナ姉様を守れるのはわたししかおりませんのよ」
心配はありがたいが、寝間着姿では説得力に欠けてしまう。
「打ち合わせの内容は他でもない、空中要塞アデバルディアを持っているかどうかを予め確認しておきたくてな」
「たぶん私の鹵獲した浮島はアデバルディアで間違いないと思います。ただもう浮かぶことができず、この場に持ち出すのも難しいかと思いますが」
「ではどのように証明してくれるのだ」
「浮島に乗ってみて分かったのですが、あれは特殊な魔石が集まってできてます。その魔石が内包する魔力を私が全て吸収しましたので、私自身が浮島のもつ攻撃力と同等の魔法が使うことができると思っていただければ」
「いくらなんでもそのような事はあり得ぬ。以前計測された数値で7000億を超えた魔力量だぞ、魔族でも耐えれる者などおらぬ」
「お父様! ケーナ姉様ができると言えばできるのですわ。ご自慢の計測器で計ればよろしいではないですか」
「本当にできるのだな」
「今ここで少しですが、私の魔力操作をご覧になりますか?」
「参考になるやもしれん」
「わたしもケーナ姉様の魔力また見せていただきたいですわ」
手のひらを前に出しその上に魔力を集中させていく。
魔力が霧散したり、膨れ上がらないよう常に圧縮させビー玉程度の小さな魔力玉を作り上げていく。
最初は小さな輝きだったが、魔力玉の魔力量が10万を超えると鮮烈な輝きを放ち始める。
「ああ! 相変わらず美しい魔力ですわ!! できることなら私に放って欲しいですわ」
「危ないから触っちゃダメだよ」
「お父様も何か仰ったらどうですか? せっかく見せていただいたのに」
魔王の方を見ると、開いた口が塞がらないといった感じに固まっていた。
「あ、ああ……。これでも魔王だ。魔力やその扱いに関してはそれなりに分かっているつもりだ。だが、それでも理解が追いつかぬ。本当に人族なのか? 勇者ですらこのような者はおらんかったぞ」
ある程度の力は認めてもらえたようなので、魔力玉はスキルアブソーブで吸収させておく。
「正真正銘の人族ですよ。今の魔力量で10万程度です。会談本番の時はさらに魔力を可能な限り圧縮させて見せましょう。その時は念のため庭を借りて行うことになりますが、鈍い魔族でも流石に分かってくれるかもしれません」
「それでいい。是非やってくれ」
そもそも私が次期魔王になるつもりなどない。
これで説得できても、できなくてもどちらもで構わないのが本音。
あくまで会談の目的は空間収納スキルを所持している者を見つけ出すこと。
これはそのための手段にすぎないのだから。
ついに会談の準備が整い、テッテにエスコートされ魔王の前まで連れてこられる。
魔王の玉座の前にズラリと並ぶ家臣や幹部、それに国内の権力者たち。
鑑定眼を使い片っ端から見て行く。
当然なのかもしれないが、人族なんかより全員強くて驚いた。Lv3桁がゴロゴロいる。
もしバグラが他の国に本気で攻め込んだら小国などひとたまりもないだろう。
その猛者達を押さえこむことが出来るのも魔王の実力あってのこと。
一際目立つ魔王の四桁レベル
Lv1623
見てきたレベルの過去最高値。これでだけ強いのだから、人族に警戒され勇者を送り込まれてしまうのにも納得がいく。
ただどれだけ見渡しても魔王も含め、肝心の空間収納スキル所持者がどこにもいない。
「よく来てくれた。この魔王トット・ベルクスだ。今回は非公式の場となっている。礼儀や作法などはさほど気にしなくてよい」
「ありがとうございます。私は冒険者のケーナ。オオイマキニドでテッテと知り合ってそこから仲良くさせてもらってます」
「本来なら娘の初めての友達なのだから、色々話をしたいところなのだが、事が事なだけに早速本題に入らせてもらう」
「そうですね。私も周りの圧が気になってました」
危険物を持っている危険人物だ。警戒されるのも当然だけど露骨すぎる。
人族のような腹芸はできない者が多いみたいだ。
「では、まず空中要塞アデバルディアについて聞きたいのだが、所有していると聞いている。その真偽を確かめたい見せてはもらえぬか?」
「残念ですが事情により、浮島をここで見せることはできません」
予想通りザワつく。
「ではどう証明する」
「私はアでバルディアの魔力を全て吸収しました。その力のほんの一部をお見せいたします。それでアデバルディアの所有者と判断していただければと思います」
「わかった。それでは見せてもらおうか」
「では外で披露させていただきます」
と言い残し部屋を出て行く。
とても多い魔力量を扱うのは初めてなので、途中で爆発でもしたらテッテ以外助けられない。
移動中「ハッタリだろう」とか「魔王は騙されている」などの声が聞えてきたが、まぁ当然そう思うよなと同情してしまった。
私の準備が整い、それを家臣や幹部達は窓やバルコニーから眺めている。
「ではいきまーす!」
と手のひらを前に出した。一気に魔力を集中させていった。
本日の会談で話す内容の打ち合わせだ。非公式とは言え今回の会談を国内の権力者達も見に来るとのことで、間違ったことを言って欲しくないとのこと。
テッテはまだ寝ていてもよかったのだが、半ば強引についてきた。
「朝早くにすまぬな」
「本当に失礼ですわお父様。レディを叩き起こすなんて」
「テッテはまだ寝てればいいのに、用があるのは私なんだし」
「この城内でケーナ姉様を守れるのはわたししかおりませんのよ」
心配はありがたいが、寝間着姿では説得力に欠けてしまう。
「打ち合わせの内容は他でもない、空中要塞アデバルディアを持っているかどうかを予め確認しておきたくてな」
「たぶん私の鹵獲した浮島はアデバルディアで間違いないと思います。ただもう浮かぶことができず、この場に持ち出すのも難しいかと思いますが」
「ではどのように証明してくれるのだ」
「浮島に乗ってみて分かったのですが、あれは特殊な魔石が集まってできてます。その魔石が内包する魔力を私が全て吸収しましたので、私自身が浮島のもつ攻撃力と同等の魔法が使うことができると思っていただければ」
「いくらなんでもそのような事はあり得ぬ。以前計測された数値で7000億を超えた魔力量だぞ、魔族でも耐えれる者などおらぬ」
「お父様! ケーナ姉様ができると言えばできるのですわ。ご自慢の計測器で計ればよろしいではないですか」
「本当にできるのだな」
「今ここで少しですが、私の魔力操作をご覧になりますか?」
「参考になるやもしれん」
「わたしもケーナ姉様の魔力また見せていただきたいですわ」
手のひらを前に出しその上に魔力を集中させていく。
魔力が霧散したり、膨れ上がらないよう常に圧縮させビー玉程度の小さな魔力玉を作り上げていく。
最初は小さな輝きだったが、魔力玉の魔力量が10万を超えると鮮烈な輝きを放ち始める。
「ああ! 相変わらず美しい魔力ですわ!! できることなら私に放って欲しいですわ」
「危ないから触っちゃダメだよ」
「お父様も何か仰ったらどうですか? せっかく見せていただいたのに」
魔王の方を見ると、開いた口が塞がらないといった感じに固まっていた。
「あ、ああ……。これでも魔王だ。魔力やその扱いに関してはそれなりに分かっているつもりだ。だが、それでも理解が追いつかぬ。本当に人族なのか? 勇者ですらこのような者はおらんかったぞ」
ある程度の力は認めてもらえたようなので、魔力玉はスキルアブソーブで吸収させておく。
「正真正銘の人族ですよ。今の魔力量で10万程度です。会談本番の時はさらに魔力を可能な限り圧縮させて見せましょう。その時は念のため庭を借りて行うことになりますが、鈍い魔族でも流石に分かってくれるかもしれません」
「それでいい。是非やってくれ」
そもそも私が次期魔王になるつもりなどない。
これで説得できても、できなくてもどちらもで構わないのが本音。
あくまで会談の目的は空間収納スキルを所持している者を見つけ出すこと。
これはそのための手段にすぎないのだから。
ついに会談の準備が整い、テッテにエスコートされ魔王の前まで連れてこられる。
魔王の玉座の前にズラリと並ぶ家臣や幹部、それに国内の権力者たち。
鑑定眼を使い片っ端から見て行く。
当然なのかもしれないが、人族なんかより全員強くて驚いた。Lv3桁がゴロゴロいる。
もしバグラが他の国に本気で攻め込んだら小国などひとたまりもないだろう。
その猛者達を押さえこむことが出来るのも魔王の実力あってのこと。
一際目立つ魔王の四桁レベル
Lv1623
見てきたレベルの過去最高値。これでだけ強いのだから、人族に警戒され勇者を送り込まれてしまうのにも納得がいく。
ただどれだけ見渡しても魔王も含め、肝心の空間収納スキル所持者がどこにもいない。
「よく来てくれた。この魔王トット・ベルクスだ。今回は非公式の場となっている。礼儀や作法などはさほど気にしなくてよい」
「ありがとうございます。私は冒険者のケーナ。オオイマキニドでテッテと知り合ってそこから仲良くさせてもらってます」
「本来なら娘の初めての友達なのだから、色々話をしたいところなのだが、事が事なだけに早速本題に入らせてもらう」
「そうですね。私も周りの圧が気になってました」
危険物を持っている危険人物だ。警戒されるのも当然だけど露骨すぎる。
人族のような腹芸はできない者が多いみたいだ。
「では、まず空中要塞アデバルディアについて聞きたいのだが、所有していると聞いている。その真偽を確かめたい見せてはもらえぬか?」
「残念ですが事情により、浮島をここで見せることはできません」
予想通りザワつく。
「ではどう証明する」
「私はアでバルディアの魔力を全て吸収しました。その力のほんの一部をお見せいたします。それでアデバルディアの所有者と判断していただければと思います」
「わかった。それでは見せてもらおうか」
「では外で披露させていただきます」
と言い残し部屋を出て行く。
とても多い魔力量を扱うのは初めてなので、途中で爆発でもしたらテッテ以外助けられない。
移動中「ハッタリだろう」とか「魔王は騙されている」などの声が聞えてきたが、まぁ当然そう思うよなと同情してしまった。
私の準備が整い、それを家臣や幹部達は窓やバルコニーから眺めている。
「ではいきまーす!」
と手のひらを前に出した。一気に魔力を集中させていった。
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