たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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生存確率99.9%①

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 誕生会への出席の成果はカスケード家が私を支持してくれたこと。
 もちろんホッとしたが、それ以外の者達が魔王支持派なのか否定派なのか私は興味がなかった。
 それよりも、バジェットが準備を進めてくれたダンジョン攻略への興味の方が100倍強い。

「ケーナもハクレイもダンジョンは初めてなのですよね」

「そだよ」

「でしたら、ダンジョンでの動きに慣れる為にも初心者御用達のキャタピラーダンジョンに行きましょうか?」

「そこは簡単なの?」

「まぁ、奇跡でも起きない限り迷いません」

「奇跡?」

「完全攻略された地下ダンジョンの1つで階層は5階層まで、最深部のボスはここ数年現れていません。ダンジョンの名前の通り、ダンジョン内にいるモンスターはジャイアントキャタピラーしかいませし、各階層ごとに避難所が設けられていて安全対策もされています。内部構造の地図も入口で100メルクで販売されています」

「そこまでお膳立てされたら攻略できない方が恥ずかしいね」

「ですがこれを見てください」

 出された羊皮紙には有名なダンジョン名が並んでいる。

「このダンジョン名の横にあるのが内部調査人数、その隣が帰還者数、一番右の数字が死亡者数です。キャタピラーダンジョンの場合101586人がカウントを始めてからの延べ人数です。その横の人数を見てください」

「帰還者101487人。死亡者数0人。あれ、帰還者数が99人少ない」

「そうなんです。安全と言われているダンジョンでも未帰還者が出ています。ここの未帰還者の共通点は、1人又は2人組で中に入った者達だったということがわかっています」

「え、だってダンジョンは3人以上じゃないと入れないって」

「それは最近できたルールですので、ちょっと前まではありませんでした」

「3人以上のルールができた後は未帰還者は出なくなったの?」

「そうですね、今のところは聞きませんね」

 妙なルールがあるのは奇妙な事件のせいだったようだ。

「でも、時間が経ってるならもう死んでるでしょ。死亡者数0人にしとくのはなんで? 遺体見つかってないの?」

「そうらしいです。未帰還者がでるたび、100人ぐらいで捜索隊が組まれ、ダンジョンの隅々まで捜索したらしいのですが、遺体も遺品も手がかりになりそうなことが何一つ見つかっていないそうです」

「それってもう事件じゃん。人が人を襲っているとしか考えられれないね」

「その可能性もありますが、噂ではダンジョンが人を食べたとも……」

「そんなまさか」

「キャタピラーダンジョン出入り口は1つ、ギルドからの派遣された受付嬢が、出入りの記録をしています。記録した名前の間違いはあっても人数まで間違えるとは考えづらいです」

「中にいるのも初心者ばかりとなれば襲っても金にならないのはわかりきっているしね。悪い奴らは無駄に賢いから、そんなことをわざわざするはずないと考える。だから変な噂が出るってことなのかな」

「謎多き未帰還者です。ですが確率としては1000人に1人ですし、3人で入れば問題ないでしょう。慣れないうちは、最深部まで行くわけでもないですから」

「どんな奴が襲ってこようともハクレイがいます!」

「頼もしくなったねー」

「僕だって負けませんよ。ダンジョンでは先輩ですから」


 キャタピラーダンジョンまでは馬車で1日。
 馬車での移動も、3人なら苦にならなかった。作戦を立てたり、役職、役割を決めたり。
 ちなみにバジェットは旋棍士で前衛、ハクレイは遊撃士で中衛、私は何でも良かったのだが、回復魔法が使えるということでヒーラーになり後衛とになった。
 バランスが取れているパーティーの方がギルドの印象がいいらしい。

 夜にキャタピラーダンジョンのある町、ホダン国のホーネットに到着した。

 とにかく人が多い。

 ダンジョンが近くにある町は人が集まりやすいので、どこもこんな感じだとか。
 夜になるとダンジョンへの入場が禁止になるとので今日は宿で一泊することに。ギルドと提携している宿ならぼったくられる事はないので行ってみたのだが、既に満室。
 やっと見つけた宿でも食事抜きで一泊5000メルク。

(高すぎ)

 一旦宿を出る

「どうしよっか?」

「一泊5000メルクはあまりにも高すぎますね。それでも泊まる冒険者がいるということでしょう」

「ハクレイは野宿でも構いません」

「だったら、タイムのところに泊まらない? タダだし」

「タイム? 僕が知らない人ですか?」

「紹介ついでにタイムの家に行こう」

 野宿よりはマシなので、空間収納内にバジェットを案内するとこにしたのだ。
 もちろん秘密は厳守してもらう。

 ハクレイは特訓中ずっとお世話になっていたので慣れているが、連れてこられてバジェットは目を点にしていた。

 空間収納内を持っていることやそこへの出入りは知っていたが、内部を自分の目で見て小さな世界がここにあると知り、それがとんでもない事だと気づいたからだ。

「秘密にと言われましたが、この事を僕が喋ったとしても誰も信じてくれませんよ」

「ハクレイは信じます」

「仲間以外の話ですよ。きっと無理でしょうね」

 カスケードにある猫目亭とそっくりな建物が1つ。そこからタイムが出てきた。

「お帰りなさいませ、ケーナ様」

「ただいま、タイム。今日はここで仲間と一泊するよ。仲間にタイムを紹介しないと」

「かしこまりました」

「夕食はハクレイが作ります!」

「お願いね」

 驚いた顔のままのバジェットを呼んでタイムを紹介、ついでにこの宿のことも少し話した。
 ここにいるコピーエーナを紹介は迷ったが、これ以上ややこしくなるのを避けるためフュージョンしておいた。


 ハクレイが用意してくれた食事をとりながらふと感じる思い。

 仲間達との何気ない時間を楽しく感じれていることが嬉しくて涙が出そうになったが慌てて堪えた。
 謳歌しているけどまだまだゴールじゃない。

 だから、いつかはここにテッテやミストそれにヤナトやウリトも呼べたらいいのになと思っていた。
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