たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

文字の大きさ
110 / 221

生存確率99.9%②

しおりを挟む
 たっぷり寝た後、ゆっくりと朝食を取り、ばっちり準備を済ませてから外の時間が翌朝になるようタイムに調整をしてもらってから出る。

「いってらっしゃいませケーナ様。帰ってきたらダンジョンのお話きかせてくださいね。皆様もお気をつけて」

 先にバジェットとハクレイを外に出し、コピーを残して私も出ようとしたところで

 ⦅でぇんじょんってところに、おらもついてってもいいか?⦆

 ゼンちゃんが一緒に行きたそうにこちらをみていたので

「もちろんだよ」

 飛び入り参加することにした。ついでなのでハクレイの髪飾りになってもらって護衛をしてもらうことに。
 ハクレイは師匠に背中を守ってもらえて光栄だそうだ。

 ダンジョン入口に着いたのはまだ早朝だというのに、数組が列を作っていた。

 ギルドからの受付嬢が到着するまで勝手に中には入れないらしい。

 暫くすると、当たり前のように綺麗な受付嬢がやってきて、名前と職業等を訊いて記録し、それからダンジョンに入ることになった。

「ここは初心者向けですからレベルまでは訊いてきませんでしたが、もっと難易度の高いダンジョンですとレベル制限やレート制限などがあるダンジョンもありますよ」

「ハクレイは師匠に鍛えていただいたのでレベルは問題ないですが、レートは皆無です」

「そうだね、ハクレイのレートも上げとかないとね」

 徐々に外の光が届かなくなっていき、辺りが暗くなっていく。

「松明使いましょう」

「私、ライトの魔法使えるよ」

「今回はキャタピラーダンジョンなので、困ることは無いと思うのですが、高難易度のダンジョンを攻略するつもりで進んで行きましょう」

「なるほど、魔力は温存ってわけね」

 使い捨ての道具から消費していき、温存できるものは極力使わないでおく。
 本格的な冒険になってきて胸が高鳴る。
 先頭を歩くバジェットに松明を渡し、その明かりを頼りに進んでいく。

 探索スキルでジャイアントキャタピラーの位置は把握しているので、分岐点では私から指示をだして、どの道に進むか決めていた。
 そろそろ出くわすだろうなと思った頃にバジェットは停止の合図を出す。
 ピタリと歩みを止め耳をすますと

 ごぞごぞ

 微かな擦れ音と動く影が遠くに見て取れた。大きさは1.5mから2mで予想より大きかった。

「2体いますね」

 この距離で正確に数を把握できるとは凄いなとバジェットの視力に感心していたら。

「向こうも気づいたみたいですね」

 ジャイアントキャタピラーもなかなかの察知能力だった。

「2体ですのでまず僕が行きましょう。ハクレイは援護を頼みます」

「では弓を使いますので、射線に入らないでください」

 松明が手から離れてバジェットの頭上にゆらゆらとぶら下がっている。マリオネットスキルによって吊っているのだろう。
 空いた両手にトンファーを握ってジャイアントキャタピラーに向かって走り出した。

 ドス! ドス! ドドズ!

 鈍い音が響き、キーキーとうめき声も届いてくる。

 痛そうだななんて思っていると、もう1体が逃げ出そうとしていた。

「ハクレイ!」

「はい!」

 距離にして約50m程

 ヒュンと矢が空を切り、みごとジャイアントキャタピラーの背に刺さる。
 しかし大したダメージにはなっていないのだろう。逃げようとする勢いは変わらなかった。

「ハクレイもう一度」

「はい!」

 次の矢も背に刺さった。
 鑑定眼でみるとジャイアントキャタピラーのHPがどんどん減ってるのが分かる。体液が流れ出ているせいかもしれない。
 少しは逃げたが、そのうち動かなくなり死んだようだ。

 バジェットの方のジャイアントキャタピラーもピクピクと瀕死の状態だった。

「この芋虫、素材になるの?」

「食べられるとは聞いています。あと体液がインクの材料になるとか。僕は食べたとはないですね」

「どうしようか、一応持ち帰る?」

「1匹100メルク程度なので、ここに放置でもいいと思います」

「それで大丈夫? 腐ったりしたら臭いとか」

「それは問題ありません。ダンジョンの特性だと思うのですが、ここでのモンスターが死ぬと魔素に変換され、それをダンジョンが吸収するらしいです。その魔素で新たなモンスターを生成しているとされています」

「へー。人も吸収されないの?」

「ダンジョンで生まれたモンスターに限られる話だそうです。外から持ってきたモンスターではその場で腐っていくそうなので、人も同じだと思います。他のダンジョンでは白骨死体とかあるらしいですから」

「ダンジョンって不思議なんだね」

 ダンジョンの解明できない謎を教えて貰いつつ先に進むと、微かに甘い香りのする通路に17体のジャイアントキャタピラーの群れと遭遇することとなった。

「この香り、モンスターを寄せるアイテムを使った者がいたのかもしれません。意外と多いですね。迂回していきましょう」

「それもいいけど、私の戦い方見とく?」

「ハクレイはケーナの魔法が見たいです」

「ここは狭いからね魔法はやめとこうと思う。今回は目を使うだけ」

 魔眼スキルによる強制を発動した。
 視界にとらえたジャイアントキャタピラーが動きを止める。
 効果によって一定時間ジャイアントキャタピラー達は行動をすることが出来ない。

「ほら見て、何もしてこない。今のうち先に進むよ」

「一瞬で制圧するなんて。これは戦い方とは言わないですよ。しかも人族が魔眼を持つなんて、ケーナは本当の魔族にでもなったのですか」

「ハクレイもケーナの魔眼は初めて見ます。もとても綺麗な瞳ですね」

 スキル発動中の瞳は普段の瞳とは違い赤く輝いている。

「フフフ、いいでしょ」

 オシャレアイテムでも見せびらかすように、ユニークスキルを披露した。

 その後もジャイアントキャタピラーには何度か遭遇したが、いずれも問題なく対応できた。
 しかしジャイアントキャタピラーだけでは単調過ぎてちょっと退屈してしまったぐらいだ。

 攻略予定だったの2階層まで行き避難所で休憩をしていると、他の冒険者から声をかけられた。
しおりを挟む
感想 96

あなたにおすすめの小説

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

キモおじさんの正体は…

クラッベ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生し、ヒロインとなったナディア。 彼女はゲーム通りにいかない悪役令嬢のビビアンに濡れ衣を着せ、断罪イベントの発生を成功させる。 その後の悪役令嬢の末路は、ゲーム通りでは気持ち悪いおっさんに売られていくのを知っているナディアは、ざまぁみろと心の中で嘲笑っていた。 だけどこの時、この幸せが終わりを迎えることになるとは、ナディアは思っても見なかったのだ。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

イジメられっ子世に憚る。

satomi
ファンタジー
主人公須藤正巳はぼんやりと教室で授業を受けていた。その時、突然教室中に物凄い量の光が…。 正巳が属する2-C全員が異世界転移することとなってしまった。 その世界では今まで正巳が陰キャとして読み漁ったラノベともゲームとも異なり、レベルがカウントダウン制。つまりレベル999よりレベル1の方が強い。という世界だった。 そんな中、クラスのリーダー的陽キャである神谷により全員で教室の外に出ることに。 いきなりドラゴンに出会い、クラスの全員がとった行動が『正巳を囮にして逃げること』だった。 なんとか生き延びた正巳は、まず逃げた連中へ復讐を誓う。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

精霊の森に捨てられた少女が、精霊さんと一緒に人の街へ帰ってきた

アイイロモンペ
ファンタジー
 2020.9.6.完結いたしました。  2020.9.28. 追補を入れました。  2021.4. 2. 追補を追加しました。  人が精霊と袂を分かった世界。  魔力なしの忌子として瘴気の森に捨てられた幼子は、精霊が好む姿かたちをしていた。  幼子は、ターニャという名を精霊から貰い、精霊の森で精霊に愛されて育った。  ある日、ターニャは人間ある以上は、人間の世界を知るべきだと、育ての親である大精霊に言われる。  人の世の常識を知らないターニャの行動は、周囲の人々を困惑させる。  そして、魔力の強い者が人々を支配すると言う世界で、ターニャは既存の価値観を意識せずにぶち壊していく。  オーソドックスなファンタジーを心がけようと思います。読んでいただけたら嬉しいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!

よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

処理中です...