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ミステリアスガール②
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「それとさ、ブラックベーヒーモスの情報はないの?」
「どれくらい関連性があるかはわからないが、カスケードの領主がナジョト国に対してかなり警戒度を上げている情報は入っている」
ナジョト国は前科があるので想像がつく。もしブラックベヒーモスとの関係性が明確になればお返しを考えないといけない。
「そっか分かった」
「他に知りたい情報はあるか?」
「そうね、カスケードに拠点を持つ白銀がいるパーティーの場所と、その白銀をちょっと懲らしめたいのだけど何かいい方法はない?」
「懲らしめる? なんで?」
「ブラックベヒーモスが襲撃したとき動いた白銀パーティーが1つもなかったからよ」
「だとしてもそういうのはギルドが――」
「ギルドは動かないよ。今日までに何かあったとかはないでしょ? 関係性を悪化させたくないんだよ。それに白銀達に拠点を変えてほしくないのかもしれないし」
「まぁ、そうだと思うが」
「ちょっと懲らしめる程度でいいの、何かない?」
「確かに白銀の奴らは割のいい指名依頼しかしてないイメージだしな。実力だって本当に強いのか怪しい奴らも中にはいる」
「その踏ん反りかえってる奴らに何か……」
「それでしたら、その方達のギルドプレートを盗っちゃえばいいんじゃないでしょうか?」
ハクレイの提案に一瞬、
(優しすぎるよハクレイ)
と思ったが、よくよく考えると
(いいかもしれない)
と即改めた。
ギルドプレートは身分証のような物。冒険者なら誰でも持ち歩く。
特に白銀ともなればメランジェ鋼という貴重な金属でできているので、プレート1枚でも金貨3~4枚程の値が付くといわれるぐらいだ。
もちろん白銀のプレートを盗もうとする輩もいるが、白銀の冒険者がそこらの盗人にプレートを奪われることなどない。
それだけのレベル差があるから当然なのだが、もし不注意で無くしたり、ましてや盗まれたりしたらいい笑いものだ。
自分のプレート1枚も守れないと言われ、パーティー全体の信用も落ちるといってもいい。
それだけ白銀にとってのギルドプレートは、ただの身分証ではないということ。
「ハクレイそれいいかも」
「はははっ、それじゃただの笑い者にされておしまいだろう」
「いいのよそれぐらいで。プライドが高い奴ほど笑い者にされると、思っている以上にダメージ大きいから」
「無能の証明か、まぁ奴らにはいい薬にもなるだろう。よし白銀達の拠点調べとくぜ。この程度なら明日までに何とかなる」
「よろしく頼むね」
と、空間収納から金貨を20枚取り出すとグランジに渡す。
「最初だから盛ったつもりだけど、足りる?」
「お、おう。こんなにいいのか? 冗談か?」
「じゃ、もっと減らそうか」
「これでいい。ピッタリだ。釣銭はないぜ」
情報料にしては高いが、今後の活躍に期待も兼ねた料金にした。
翌日、カスケードにいる白銀たちの拠点を教えて貰った。
全部で4パーティ―。
拠点も結構バラバラで町全体を守らせてるように配置してあるようにも見える。
実行は夜、黒いフード付きマントをスキルの裁縫の達人を駆使して2着用意した。
アビリティとして 陰の不在証明 を付与。
消音効果最大、気配消し効果最大、認識阻害、影紛れ、痕跡消し効果がセットになっている優秀なアビリティだ。たとえ相手が白銀冒険者だとしても、触れられさえしなければ気づかれることは絶対にないといってもいい。
堕落した白銀達に喝を入れる為プレートを盗むとバジェット話したのだが、優しき心が良心の呵責に苛まれることになりそうとのなので今回は外すことにした。
泥棒は3人で1チームみたいなイメージがあったのでしっくりこないなと諦めていたら
「話は聞かせてもらったわ。私が行くしかないじゃない」
と誘ってもいないのに乗ってきたのはプリツだった。
「家の妖精なんだから留守番してなさいよ」
「家の留守番何てどーーでもいいわ。そんな面白そうな悪戯やるっきゃないじゃない」
お揃いのマントを作れとせがまれ、仕方なく作り連れて行くことにした。
「もしも、何かあっても自力で逃げなさいよ」
「妖精の私を捕まえる? そんなことができたら驚いて世界樹の根も飛び出すわ」
「自信があるって事ね。まぁいいけど」
今回のターゲットをプリツに説明して夜を待つ。
一晩で全部は無理だと思っていたのでまずは一番近い場所から。
パーティー名、フォリボーラ。
男4人からなるパーティ―で、その内3人が白銀のギルドカードを持っている。
拠点は豪邸とまではいかなくも、三階建ての大きい家のような感じで、男4人でも狭さは感じさせないぐらいの大きさ。
見た感じ明かりの点いている部屋は無く寝静まっているようだ。
裏手から侵入する前に、プリツを中に送り込みドアの鍵を開けさせる。
体形変化スキルによって小さくなれば僅かな隙間にも難なく入っていける。
あとは一部屋づつ回っていき白銀の冒険者を探す。
鍵開けはプリツ、廊下の見張りをハクレイ、私がプレートを盗む役割も何となく決まり、あっという間に3枚集まる。
プレートをしまっておくのはベルトにつける腰袋、上着の内ポケット、バックの中と相場が決まっている。難なく見つけられるので困る事は無かった。
どの部屋の男も汚いのは当然で、不摂生を体現しているようだ。
これが本当に白銀なのかと疑いたくなるので鑑定してみるとレベルは80前後で、やはり人族の中では強いらしい。
ただこの強さも、活かさなければ意味が無い。
いざという時に頼りにならないのならギルドから貰っているお金も無駄になってしまう。
白銀としての誇りを持ってもらいと願いを込めて、プリツに内鍵をかけてもらい拠点を離れる。
お手軽な完全犯罪が成立した瞬間だった。
「どれくらい関連性があるかはわからないが、カスケードの領主がナジョト国に対してかなり警戒度を上げている情報は入っている」
ナジョト国は前科があるので想像がつく。もしブラックベヒーモスとの関係性が明確になればお返しを考えないといけない。
「そっか分かった」
「他に知りたい情報はあるか?」
「そうね、カスケードに拠点を持つ白銀がいるパーティーの場所と、その白銀をちょっと懲らしめたいのだけど何かいい方法はない?」
「懲らしめる? なんで?」
「ブラックベヒーモスが襲撃したとき動いた白銀パーティーが1つもなかったからよ」
「だとしてもそういうのはギルドが――」
「ギルドは動かないよ。今日までに何かあったとかはないでしょ? 関係性を悪化させたくないんだよ。それに白銀達に拠点を変えてほしくないのかもしれないし」
「まぁ、そうだと思うが」
「ちょっと懲らしめる程度でいいの、何かない?」
「確かに白銀の奴らは割のいい指名依頼しかしてないイメージだしな。実力だって本当に強いのか怪しい奴らも中にはいる」
「その踏ん反りかえってる奴らに何か……」
「それでしたら、その方達のギルドプレートを盗っちゃえばいいんじゃないでしょうか?」
ハクレイの提案に一瞬、
(優しすぎるよハクレイ)
と思ったが、よくよく考えると
(いいかもしれない)
と即改めた。
ギルドプレートは身分証のような物。冒険者なら誰でも持ち歩く。
特に白銀ともなればメランジェ鋼という貴重な金属でできているので、プレート1枚でも金貨3~4枚程の値が付くといわれるぐらいだ。
もちろん白銀のプレートを盗もうとする輩もいるが、白銀の冒険者がそこらの盗人にプレートを奪われることなどない。
それだけのレベル差があるから当然なのだが、もし不注意で無くしたり、ましてや盗まれたりしたらいい笑いものだ。
自分のプレート1枚も守れないと言われ、パーティー全体の信用も落ちるといってもいい。
それだけ白銀にとってのギルドプレートは、ただの身分証ではないということ。
「ハクレイそれいいかも」
「はははっ、それじゃただの笑い者にされておしまいだろう」
「いいのよそれぐらいで。プライドが高い奴ほど笑い者にされると、思っている以上にダメージ大きいから」
「無能の証明か、まぁ奴らにはいい薬にもなるだろう。よし白銀達の拠点調べとくぜ。この程度なら明日までに何とかなる」
「よろしく頼むね」
と、空間収納から金貨を20枚取り出すとグランジに渡す。
「最初だから盛ったつもりだけど、足りる?」
「お、おう。こんなにいいのか? 冗談か?」
「じゃ、もっと減らそうか」
「これでいい。ピッタリだ。釣銭はないぜ」
情報料にしては高いが、今後の活躍に期待も兼ねた料金にした。
翌日、カスケードにいる白銀たちの拠点を教えて貰った。
全部で4パーティ―。
拠点も結構バラバラで町全体を守らせてるように配置してあるようにも見える。
実行は夜、黒いフード付きマントをスキルの裁縫の達人を駆使して2着用意した。
アビリティとして 陰の不在証明 を付与。
消音効果最大、気配消し効果最大、認識阻害、影紛れ、痕跡消し効果がセットになっている優秀なアビリティだ。たとえ相手が白銀冒険者だとしても、触れられさえしなければ気づかれることは絶対にないといってもいい。
堕落した白銀達に喝を入れる為プレートを盗むとバジェット話したのだが、優しき心が良心の呵責に苛まれることになりそうとのなので今回は外すことにした。
泥棒は3人で1チームみたいなイメージがあったのでしっくりこないなと諦めていたら
「話は聞かせてもらったわ。私が行くしかないじゃない」
と誘ってもいないのに乗ってきたのはプリツだった。
「家の妖精なんだから留守番してなさいよ」
「家の留守番何てどーーでもいいわ。そんな面白そうな悪戯やるっきゃないじゃない」
お揃いのマントを作れとせがまれ、仕方なく作り連れて行くことにした。
「もしも、何かあっても自力で逃げなさいよ」
「妖精の私を捕まえる? そんなことができたら驚いて世界樹の根も飛び出すわ」
「自信があるって事ね。まぁいいけど」
今回のターゲットをプリツに説明して夜を待つ。
一晩で全部は無理だと思っていたのでまずは一番近い場所から。
パーティー名、フォリボーラ。
男4人からなるパーティ―で、その内3人が白銀のギルドカードを持っている。
拠点は豪邸とまではいかなくも、三階建ての大きい家のような感じで、男4人でも狭さは感じさせないぐらいの大きさ。
見た感じ明かりの点いている部屋は無く寝静まっているようだ。
裏手から侵入する前に、プリツを中に送り込みドアの鍵を開けさせる。
体形変化スキルによって小さくなれば僅かな隙間にも難なく入っていける。
あとは一部屋づつ回っていき白銀の冒険者を探す。
鍵開けはプリツ、廊下の見張りをハクレイ、私がプレートを盗む役割も何となく決まり、あっという間に3枚集まる。
プレートをしまっておくのはベルトにつける腰袋、上着の内ポケット、バックの中と相場が決まっている。難なく見つけられるので困る事は無かった。
どの部屋の男も汚いのは当然で、不摂生を体現しているようだ。
これが本当に白銀なのかと疑いたくなるので鑑定してみるとレベルは80前後で、やはり人族の中では強いらしい。
ただこの強さも、活かさなければ意味が無い。
いざという時に頼りにならないのならギルドから貰っているお金も無駄になってしまう。
白銀としての誇りを持ってもらいと願いを込めて、プリツに内鍵をかけてもらい拠点を離れる。
お手軽な完全犯罪が成立した瞬間だった。
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