たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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ミステリアスガール⑨

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 「司祭様、どう見なさる。違いないか? あの白銀達の話は本当だったということか」

「待たれよ!!」

 急に大きな声を出す司祭に聖騎士が硬直する。

「確かに人相書きによく似ている。しかしこの方は悪魔の特殊個体などではない。このお方はもっと神聖な御方じゃ。すぐに剣を納めよ」

 そう聖騎士に命令すると司祭はフランの足元に跪いた。
 それを見た聖騎士が慌てて剣を納め片膝をつく。

「この者の信仰が未熟な故にご無礼をお許しくだされ、そしてできる事ならば真のお姿をお見せいただきとうございます」

 そして拝むかのように深々と頭を下げる。

 何やら司祭が勘違いを始めたようだった。そこで2人の後ろからフランにジェスチャーで天使の羽を使うように伝える。
 それに気づき、本気モードの天使の姿になるフラン。

 神々しく光る羽、頭上には輪を冠し、そして全身もスキルによってグラマーな女性の姿に大変身。

 誰がどう見ても女神様だ。
 後はフランの芝居に任せる。

「気づかれてしまったのでは仕方ない。面を上げよ」

「おおお、やはりそうでしたか。先代の司祭より言い伝えられていた。神の種族名は見えないとの話は本当だった」

 単純に司祭の鑑定スキルのレベルが低いのと、フランの精神力が高すぎてレジストされているだけかもしれない。

 司祭は涙を流し、聖騎士の方は開いた口がふさがらない様子。

「なぜこのような所に女神様がいらっしゃるのでしょうか?」

「もう話してもいいかもしれぬな。次期魔王であるケーナという者がどの程度の者なのか、興が沸いたので直に見に来ていたのだ。しばらく一緒に暮らし、話をして、器が足る者なのかどうかだ。今回お主は達はたまたまそこに居合わせただけだ」

「そうでしたか、ありがたき幸せ」

「しばし待て……」

 フランが数秒目を閉じ、ゆっくりと目を開ける。

「お主たちはヴァンパイアを探していたのだな」

「ははっ」

「その顔が余の仮の姿と似ていたわけか」

「その通りでございます」

「そのヴァンパイアであれば心配することはない。既にこの世から消えておる」

「なんと!あの不死のヴァンパイアを。もしや女神様が?」

「余は何もしておらぬ。光の勇者であろう。聖なる光なら如何なるヴァンパイアであろうともを灰へと変えられる」

「そうでありましたか、光の勇者が誕生していたとは露知らず」

「ここでのこの姿は長くは持たぬ。最後に余のことは口外してはならぬぞ、よいな」

「「ははっ」」

 フランは元に戻ると今にも倒れそうにフラフラする。
 聖騎士も司祭もあたふたしてるだけなので、私が支えるとぐったりとして動かなくなった。

「め、女神様はどうなされた」

 慌てる司祭をなだめるように

「ご安心ください、少々お眠りなるだけです」

「そうであるか」

 フランをベットに寝かすと、部屋の扉をゆっくりと閉めた。

「ヴァンパイアと似てるだけでしたってことにしてもらえますか?」

「ああ、そうじゃの女神様の事を口外するわけにはいかぬ。ケーナ殿には大変迷惑をかけてしまったようで誠に申し訳ない。立場がある故、正式な謝罪などはできぬが許してもらいたい」

 司祭は汗と涙を拭き深く礼をした。
 そして聖騎士は

「お騒がせをして申し訳ない」

 とペコペコと謝罪するので精一杯の様子だった。



 2人が出ていくのを見計らっていたのか、フランがリビングにやってくる。

「のりきったねぇ~」

「ケーナが出てこいと言ったときはさすがに躊躇したのじゃ」

「抵抗すると厄介なことになりそうだったから、ごめんね。でもいい芝居だったよ」

「天使の本気モード練習しておいて良かったのじゃ」

「教会にでも就職したらどう?」

「それは嫌じゃ。無理難題を言われたらボロが出てしまうのでな」


 外の様子は待機していた者達のところに2人が戻り、説明でもしているのだろうか。
 集められた者達が徐々に散っていくようだった。

 しかし、5人だけその場に留まる者がいる。しばらくしても帰っていくような気配はない。
 動きを見せたかと思うと、ずかずかと家の敷地に入り込み、怒鳴り声を上げていた。

「ヴァンパイア出てこい!! そこに隠れてるのは分かってるぞ」

 窓から覗くと、ベケスドパーティーの5人だった。
 聖騎士が言っていたあの白銀達とはこいつらの事だったのかもしれない。

 確かにこいつらならフランの顔を良く知るといってもいい。

「引きずり出してやる!! やっちまえ!!」

 女4人んが一斉に詠唱を始めた。火炎魔法と思わるところから、家を焼く気なのかもしれない。
 いくらなんでもやりすぎだろうと、フランとハクレイは家の中に残し私1人で外に出る。

「ちょっと何する気!」

 私が外に出ると一旦詠唱が中断される。

「なんだ貴様、ヴァンパイアの使いか?」

「私はケーナ。この家の主」

「貴様があの次期魔王とかいわれチヤホヤされてる奴か、予想よりチンチクリンだな」

 確かに、ベケスドが連れている4人の女達はそれぞれとても魅力があり、今の私が若さ以外で勝てる要素がない。そもそも、その土俵で戦うことはしないので関係なのだが、改めて言われると気になってしまう。

「失礼ね」

「まぁいい、匿ってるヴァンパイア引き渡してもらおう」

「何寝言いってるの? 司祭の話聞いていないの? ただの人違いよ」

「どうせ、あのジジイを洗脳でもしたのだろう? 明らかに様子がおかしかった。ついでに聖騎士も何か隠しているようだったしな。それに朝市で見つけたのは俺だ。人違いなんてすると思うか? 捕まえるまで毎日毎日観察と研究を3ヶ月も続けたんだ。まつ毛の数や爪の長さまで分かるぜ」

 ただの、変態追っかけと変わらないレベルまで昇華されている。手強い。

「研究してたなら分かるはずでしょ。ヴァンパイアは陽の光に弱いって」

「そんなのは常識だ。そして研究して分かったことがもう1つ。ヴァンパイアにも特異個体がいるってことだ」
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