たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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ミステリアスガール⑩

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 確かにゼンちゃんのような特異個体は通常個体とは全く別のような存在になる。特質が大きく変化しているのが原因だ。

「後天的に特殊個体となったヴァンパイアの変異個体は、過去の記録を漁っても流水を克服した1例しか無かった。あのヴァンパイアは流水と陽の光の両方を克服した初めての変異個体なのかもしれない」

 女とイチャイチャするだけの思考回路しか持ち合わせてないと思っていたが、それは違ったようだ。

「ヴァンパイアが消えた時最初は盗まれたと思ったが、それにしてはドアにあけられた穴以外痕跡が全くない。裏の情報でもヴァンパイアの情報が出てこないとなると自力で脱出した可能性も捨てきれなかったからな。変異したの可能性が0でないなら昼も夜も探し回るしかない」

 自ら予想を立てあらゆる可能性を模索するとは多少は考えている。昼夜問わず探していたなら、そのタフネスだけは凄まじい。
 それに予想が外れていても、結果的にはここまでたどり着いたのだから運もそれなりに味方したのだろうか、そこは白銀冒険者だと思った。

「さっさとヴァンパイアを引き渡さないと、お前も巻き込むことになるぞ。家に火をつけてでも引きずり出してやるから」

 4人が保留にしていた詠唱を再開させる。
 対話などろくにせず、一気に方を付けるつもりなのだろうか。

 人族にとっては切羽詰まった状況なのかもしれないが、私からはいい迷惑でしかない。

 家が火に包まれるのはお断りするので、全員からアブソーブスキルでMPだけを吸い上げる。
 MPが0になれば魔法が使えなくなるのはもちろんのこと、急激な魔力切れによる影響で動けなくし無力化させるのが狙いだ。
 だがリーダーの男からはMPを吸い上げられなった。もともと魔力の無い体質なのだろう。白銀冒険者の中では珍しいかも知れない。

 ずるずると4人の女からMPを吸い尽くすと。詠唱はピタリと止まり膝から崩れるように倒れる。

「リーダーごめん、魔力が……」

「もー!むーりー!」

「おい、お前らどうした。何してる、おい! 立てよ!」

「大丈夫、ただの魔力切れだよ」

「クソッ!」

「家に火をつけられそうなのに眺めてるわけないでしょ。ちょっと休んでてもらいましょ」

「肝心な時に。だが、これで終わると思うなよ」

 腰に隠していた拳銃を空に向け打つ。
 赤い煙が一直線に打ち上る。

 信号弾だ。

「俺はカスケードにいるの白銀奴らには顔が利くんだ。今回の緊急依頼を受けるように全員に話はつけてある。そしてこの信号弾はヴァンパイア発見の合図だ。手柄欲しさにすぐ集まってくるぞ」

「だから早く渡せってこと? それは脅しになってるの?」

「強がりはよせ。いくら次期魔王と言えど――」

「そもそもリーダーさん、あなたは戦わないの?」

 腰のさしている剣は飾りなのか、まったく抜こうとしない。
 そもそも、初めから女達の魔法をあてにしていたのだろうか、自らが戦う意思が見えなかったので訊いてみた。

「はっ、挑発か? 乗らないぜ。俺は慎重派なんでな。どんな状況でも確実に――」

 どうも話が長い。リーダーを鑑定で調べるとスキル ビッグマウス が付いていた。
 今までこのスキルのおかげで色々と上手く誤魔化してきたのだろう。

 早めの決着をつけるため、リーダーの瞬きの瞬間を見計らい、瞼が閉じ始めに一気に近づく。
 完全に閉じきった時には拳で必殺の間合いの距離。

 殺すつもりは無いので手心は加えるつもり。

 脅したことで攻撃をされないと思っていたのだろうか、ガラ空きの股間めがけて拳を放つ。

 そのままだと後ろに吹っ飛んでしまうのでリーダーの後ろに魔法障壁をを張り、力がしっかり伝わるようにアシストする。

 手ごたえなどはよくわからなかった。
 それでも一点集中の攻撃は、二度とタツことができないぐらいに破壊したのだった。

「あ゛っ あ゛……あ゛……あ゛ぁぁー」

 倒れうずくまる。
 言葉にならない痛み全身を支配しているのだろう。

「今まで口車に乗せて、相手に自分を大きく見せていたのかもしれないけど、私に通用すると思ったのは間違いだったね。って聞こえてないか」

 そのうち、声も出なくなったので死でしまったのかと焦ったが、痛みに耐えられず気絶してしまったようだった。

 そして他の白銀冒険者とやらをしばらく待ってはみたがやってこなかった。

 全員に声をかけ、全員から見放されたのだろうか。

 代わりにやってきたのはさっき集まっていた聖騎士達数人と祭司だ。

 事情を聞かれたので「火炎魔法で家を燃やされそうになったで股間を殴った」と、最初と最後だけ伝えると、慌てて祭司が謝り、後日改めて謝罪をなどと言い出したので、ベケスドパーティーをまるまる引き取ってもらうことで許したのだった。


「すまんの、余のせいで手間をかけてしまったのじゃ」

「いいよ、これくらい」

「しかしケーナ、窓から見ておったが強いのぉ。レベルはいくつじゃ?」

「10だよ」

「それはいくらんなんでも嘘じゃ。嘘を吐くならもっと上手に使うのじゃ」

「今のところ私より強い人とは会ったことないなぁ」

「ほう、それは余も含めてという事じゃな。やはりそうじゃったか」

「秘密だよ」

「はぁー、人族が余より警戒すべき者がここにおるのに、誰も気づかんとは世も末じゃのぉ」

「あははは……」
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