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頑張れニャンダーマスク①
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「特訓の成果をケーナに見てほしい」
ある日、家に後付けした扉から帰ってきたハクレイは、自信に満ち溢れた顔で私にそう伝えてくる。
暇さえあればゼンちゃんに頼んで特訓をつけてもらっていたようだ。
ちなみに後付けしたドアは、ハクレイが開けると私の空間収納内にあるタイムの家に繋がっている扉だ。修行のため行き来をしやすくしておいた。
ハクレイ以外が開けるとただの空き部屋となっている。
「んー」
鑑定眼でハクレイを見ると確かにスキルもレベルも上がっていた。
白銀に相手に十分勝算があるといったところだろう。
「凄いじゃん。強くなってるなってる」
「鑑定だけじゃなくて実際に戦っているところを見てほしいのです」
「そっか、それじゃ一緒に狩りにでも行こうか」
ということで、私とハクレイの二人でギルドに来ていた。
バジェットは予定があるとのことなので、2人で出来る討伐系クエストを探しにやってきた。
「師匠に色々鍛えてもらったので、それを存分に発揮したいと思っています」
「それじゃゴブリン程度じゃ物足りないよね、何か丁度いい討伐系の依頼があればいいんだけど」
強いモンスターは普段から出没しないので討伐依頼といってもゴブリン程度になってしまう。
隅々まで見ていると依頼とは別の張り紙が1枚。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
優勝賞金100万メルク
喧嘩一無双大会
魔法、スキル、技、武器など、
己の全てを相手にぶつけて勝ち上がれ。
出場選手大募集中
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
迸る筋肉と筋肉のぶつかり合いを想像しながら、物騒な大会だなと思い眺めているとハクレイも気づいたらしくじっと見つめている。
「ハクレイこの大会出てみたいです」
「えっ」
思わず驚いた顔をすると
「ダメ、でしょうか」
「危ないかもしれないけど」
「対人戦もしっかり鍛えていますので大丈夫です」
「んー2つ条件があるけどいいかな?」
「なんでしょうか」
「1つ、私が本当に危険と判断した場合、棄権する事。そしてもう1つは、ハクレイはとにかく目立つから私が用意した衣装を必ず着る事。どうかな?」
「それで構いません」
「よし、じゃ受付してきて」
「はい」
受付嬢に申し込みをすると、慌てて戻ってくる
「どうしたの?」
「この大会、今日の昼過ぎからだそうです。これから直接会場に行って申し込めば間に合うそうですが、衣装はどうしましょうか?」
(むむむ……)
本当は手の込んだ衣装を作りたかったが、あり合わせで何とかするしかないと覚悟を決めた。
「大丈夫、衣装は何とかするから先に会場に行って手続きしてきて」
「はい!」
私は家に戻ると限られた時間を使い最大限の力を発揮させる。
DEBUGMASTER発動
アイテム生成により伸縮自在の強靭なる布を生成。
裁縫の達人により顔をすっぽりと覆うマスクを作製。
更にHPが10%未満になった場合に空間断絶による完全防御が発動するようにアビリティを付加。
衣装は以前私が使っていたメイド服。それにちょっとアクセントを足しておいた。
「よし、できた。待っててねハクレイ!」
場所はカスケードの町はずれにある古い円形闘技場だ。普段は人などいないのに今日は溢れかえっていた。
周りには出店もあり、ちょっとしたお祭りみたいだ。
受付近くで待っていると
「ケーナ!!」
ハクレイが私を見つけて駆け寄ってきてくれた。
「ちゃんと登録できたみたいだね、さっき確認してきたよ」
「ギリギリでしたが大丈夫でした。衣装の準備は大丈夫でしたか?」
「はい、コレ」
空間収納から取り出し手渡すが、ハクレイは困惑している。
「メイド服に尻尾、それにコレは……」
「猫マスク、名付けてニャンダーマスクだよ」
「だから猫耳がついてるのですね。因みにトラ猫柄には意味があるのでしょうか?」
「カッコ可愛い」
「……はい、そうですね」
何故かテンションが下がっているハクレイ。
それでも受け取り着替えにいった。
衣装チェンジを済ませたが、ハクレイの方が背が高いせいなのかおへそ見えてしまい、スカートも若干短めに見える。
「あの! これ変じゃないですか? 激しく動くと黒の下着が――」
「下着じゃないよ、見せパン。可愛いから大丈夫。それとね、隠し機能で魔力に反応して耳がピコピコ動くんだよ」
「そ、そうですか……」
「あとね、確認ついでに登録名変更しといたから」
「え?」
「その名もニャンダーマスクだよ」
「そのまんま……」
「もしかして嫌だった?」
「い、いえ」
「応援してるから頑張ってね」
そうこうしているうちに一次予選が始まる。
一次予選はレベル審査。鑑定水晶により、自分のレベルを鑑定させ。上位20人が通過となる。ハクレイの番号が92番。一次予選通過だけでも半分以上が落される。
ハクレイのレベルは今82。レベルだけなら白銀冒険者といっていい強さだ。
さらに遊撃士に磨きをかけているので使える武器も多種多様。
余裕で一位通過かと思いきや、結果は3位通過。
ハクレイの上に2人も高レベルがいたのだ。
「レベルが全てじゃないよ。それこそハクレイが一番よくわかってるんじゃない?」
「もちろんです。スキルの種類や経験などでレベル差を埋めることも広げることもできる事を師匠にも言われました。まだ予選は続きますので気を引き締めていきます」
「うん!それじゃ二次予選も頑張って」
ある日、家に後付けした扉から帰ってきたハクレイは、自信に満ち溢れた顔で私にそう伝えてくる。
暇さえあればゼンちゃんに頼んで特訓をつけてもらっていたようだ。
ちなみに後付けしたドアは、ハクレイが開けると私の空間収納内にあるタイムの家に繋がっている扉だ。修行のため行き来をしやすくしておいた。
ハクレイ以外が開けるとただの空き部屋となっている。
「んー」
鑑定眼でハクレイを見ると確かにスキルもレベルも上がっていた。
白銀に相手に十分勝算があるといったところだろう。
「凄いじゃん。強くなってるなってる」
「鑑定だけじゃなくて実際に戦っているところを見てほしいのです」
「そっか、それじゃ一緒に狩りにでも行こうか」
ということで、私とハクレイの二人でギルドに来ていた。
バジェットは予定があるとのことなので、2人で出来る討伐系クエストを探しにやってきた。
「師匠に色々鍛えてもらったので、それを存分に発揮したいと思っています」
「それじゃゴブリン程度じゃ物足りないよね、何か丁度いい討伐系の依頼があればいいんだけど」
強いモンスターは普段から出没しないので討伐依頼といってもゴブリン程度になってしまう。
隅々まで見ていると依頼とは別の張り紙が1枚。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
優勝賞金100万メルク
喧嘩一無双大会
魔法、スキル、技、武器など、
己の全てを相手にぶつけて勝ち上がれ。
出場選手大募集中
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
迸る筋肉と筋肉のぶつかり合いを想像しながら、物騒な大会だなと思い眺めているとハクレイも気づいたらしくじっと見つめている。
「ハクレイこの大会出てみたいです」
「えっ」
思わず驚いた顔をすると
「ダメ、でしょうか」
「危ないかもしれないけど」
「対人戦もしっかり鍛えていますので大丈夫です」
「んー2つ条件があるけどいいかな?」
「なんでしょうか」
「1つ、私が本当に危険と判断した場合、棄権する事。そしてもう1つは、ハクレイはとにかく目立つから私が用意した衣装を必ず着る事。どうかな?」
「それで構いません」
「よし、じゃ受付してきて」
「はい」
受付嬢に申し込みをすると、慌てて戻ってくる
「どうしたの?」
「この大会、今日の昼過ぎからだそうです。これから直接会場に行って申し込めば間に合うそうですが、衣装はどうしましょうか?」
(むむむ……)
本当は手の込んだ衣装を作りたかったが、あり合わせで何とかするしかないと覚悟を決めた。
「大丈夫、衣装は何とかするから先に会場に行って手続きしてきて」
「はい!」
私は家に戻ると限られた時間を使い最大限の力を発揮させる。
DEBUGMASTER発動
アイテム生成により伸縮自在の強靭なる布を生成。
裁縫の達人により顔をすっぽりと覆うマスクを作製。
更にHPが10%未満になった場合に空間断絶による完全防御が発動するようにアビリティを付加。
衣装は以前私が使っていたメイド服。それにちょっとアクセントを足しておいた。
「よし、できた。待っててねハクレイ!」
場所はカスケードの町はずれにある古い円形闘技場だ。普段は人などいないのに今日は溢れかえっていた。
周りには出店もあり、ちょっとしたお祭りみたいだ。
受付近くで待っていると
「ケーナ!!」
ハクレイが私を見つけて駆け寄ってきてくれた。
「ちゃんと登録できたみたいだね、さっき確認してきたよ」
「ギリギリでしたが大丈夫でした。衣装の準備は大丈夫でしたか?」
「はい、コレ」
空間収納から取り出し手渡すが、ハクレイは困惑している。
「メイド服に尻尾、それにコレは……」
「猫マスク、名付けてニャンダーマスクだよ」
「だから猫耳がついてるのですね。因みにトラ猫柄には意味があるのでしょうか?」
「カッコ可愛い」
「……はい、そうですね」
何故かテンションが下がっているハクレイ。
それでも受け取り着替えにいった。
衣装チェンジを済ませたが、ハクレイの方が背が高いせいなのかおへそ見えてしまい、スカートも若干短めに見える。
「あの! これ変じゃないですか? 激しく動くと黒の下着が――」
「下着じゃないよ、見せパン。可愛いから大丈夫。それとね、隠し機能で魔力に反応して耳がピコピコ動くんだよ」
「そ、そうですか……」
「あとね、確認ついでに登録名変更しといたから」
「え?」
「その名もニャンダーマスクだよ」
「そのまんま……」
「もしかして嫌だった?」
「い、いえ」
「応援してるから頑張ってね」
そうこうしているうちに一次予選が始まる。
一次予選はレベル審査。鑑定水晶により、自分のレベルを鑑定させ。上位20人が通過となる。ハクレイの番号が92番。一次予選通過だけでも半分以上が落される。
ハクレイのレベルは今82。レベルだけなら白銀冒険者といっていい強さだ。
さらに遊撃士に磨きをかけているので使える武器も多種多様。
余裕で一位通過かと思いきや、結果は3位通過。
ハクレイの上に2人も高レベルがいたのだ。
「レベルが全てじゃないよ。それこそハクレイが一番よくわかってるんじゃない?」
「もちろんです。スキルの種類や経験などでレベル差を埋めることも広げることもできる事を師匠にも言われました。まだ予選は続きますので気を引き締めていきます」
「うん!それじゃ二次予選も頑張って」
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