138 / 221
強い奴に会いに来た②
しおりを挟む
教会に到着したのだが、私の知っている教会は既になくなっていた。
今ここにある建物を例えるなら、大きな病院だ。礼拝堂がおまけに感じるほどの大きさだ。
修道女に聞いてみると、聖人様のおかげで多額の寄付金が集まり、その寄付金で教会の改築、増築を繰り返したところ今のような大きさになったそうだ。
とりあえず形だけでもお祈りして待っていると、ガビーに声を掛けられ、セリが休んでいる部屋まで案内してもらうことに。
「セリ様! セリ様! おー連れしましたよー」
「入れ」
ドアを開けるとベットの上で下着姿のセリがせっせと筋トレを姿があった。
「セリ様!! まだ寝ていないと体に障りますって」
「もう十分休んだ。で、どっちだ」
「手前の娘でございまーす」
「次期魔王と聞いて期待してたが随分若いな。ガビー、何かの冗談か?」
「そ、その様なつもりはございませーん。こちらのケーナ様の強さは折り紙付きでございまーす」
「あのバケモノを倒したことが本当ならそうなのだろうが」
私も挨拶をしようとしたが、ブラを付けていたので急遽鑑定眼を発動。示した性別で戸惑ってしまう。
「あ、あの……。セリさんって女?」
「そうだ」
「今日って結婚がどうこうって話じゃないの?」
「そうだが、この国では女が女を嫁に貰うのは変なのか?」
「いえ、珍しいもので。でもどうして私なのかな?」
「そうか。選ばれた理由は、私より強い。と見たからだ」
「でも結婚したとしても私達じゃ子を成せないと思うけど」
「子が欲しいのか? 安心しろ。受け継いだ特徴は頑丈な体ぐらいだが、こう見えても鬼の末裔だ。一応魔族のように魔力で子をなすことができるさ。次期魔王というならそれくらい知ってるだろ」
「知ってるけど……私はまだ子供はいいや」
体格からどう見ても男。おっぱいも雄っぱいだ。闘技場でも見た目のままの性別だとばかり思っていた。
「なんで大会では男のように振る舞っていたの?」
「男のように振る舞うのは癖みたいなものだ。男ってのは女相手に全力で勝負しないだろう? だから私を知らない相手には性別を悟らせないようにしてるんだ」
「それで全力で勝負してセリさんに勝った相手に結婚を申し込むと」
男からしたら冗談ではない。負けたとしてもショックだし。勝てたとしても人族が望む女性像とはかけ離れている。
「強さを求めるのは私の本能のようなものだからな。譲れないんだよ。そこを妥協して結婚しても上手くはいかない。何かあれば ”私より弱いのに” ってなってしまうのが目に見えている」
「じゃ、昨日の相手とは結婚しないの?」
「制御できない召喚士など未熟も未熟。勝負にすらなっていない。召喚されたバケモノは確かに強かった。が、あれは理性の無い獣のようなもの。結婚など無理に決まってる」
「そうか。それじゃ仕方ないね。いい旦那さん見つかると良いね。応援してるからね」
「おい! 何を言ってる。私とひと勝負するだろう。強い嫁でも私は構わん」
「私は結婚なんて考えてないよ。でもセリが負けた時、私の仲間になってくれるのならその勝負してももいいけど」
「嫁ではなく魔王の仲間になれと。それでいい。結婚するには見た目が若すぎるからな。もうちょっと後でも私は構わない」
「だから、結婚はしないって。ちなみにセリが勝ったらどうするの?」
「そうだな。普段はあまり要求などしないのだが、折角だ剣でも拵えてもらおうか。次期魔王から賜った武器ともなれば箔がつく」
「剣ぐらいいいよ。余ほどの自信があるんだね」
「何を言ってる。ケーナはあのバケモノに勝ったのだろ? どこにそんな強さがあるのか教えてほしいぐらいさ」
「でも勝負はいつ、どこでするの?」
「そんなの今、ここでするに決まっているだろう」
そう言って私の前に立つと、両腕を軽く広げ手をにぎにぎとアピールしてくる。
「力比べは苦手か?」
剣士なので剣が最も得意なのだろうが、私に対してそれを使わないのはセリなりの手加減なのかもしれない。
「構わないわよ。手四つの力比べ。ルールは?」
「先に膝が床についた方が負けだ」
身長差、体重さ、誰が見ても有利なのはセリ。
だがそれは、見た目だけの話だ。
「いいな、その自信に満ち溢れた顔。だがその余裕も今だけだぞ」
「やっぱり剣で勝負ってのはナシだからね」
「そーと決まれば僕が合図をだしますねー」
腕を伸ばすと両手をガッツリと握られる。始まる前から劣勢のような形。既に重さものってきている。
「よーーーーい。始め!!」
掛け声と同時に一気に勝負を仕掛けてきたのが分かる。スキルを発動させ、両手に力が込められる。
女性とは思えない圧力。鬼の血が流れているせいで一般女性の限界を軽く超えている。
だが、それぐらいで私の腕も膝も折れることは無い。
「涼しい顔して、面白いじゃない」
「セリも血管浮き出る顔で面白いよ」
と煽ったと同時に、圧力が2倍、3倍と上がっていくのが分かる。
セリは息を止め、唸りながら私の体を潰そうと必死だ。
膨張する筋肉が赤い湯気を出している。魔力をエネルギーに変換させ筋力を上昇させている。
私は素の状態でもSTRとVITが高いおかげで余裕十分。
しかし、一番最初に音を上げたのが床だった。
ガキバキッ ズボッ
私の足元の床が一気に抜け、膝まで床に埋もれてしまう。そこで一旦力が弱まり、仕切り直しになるのかなと思いきや。
「はぁ、はぁ、ほらぁ、床にぃ、膝がぁ、ついたぞ!」
言われて気づく。膝まで埋もれたせいで確かに膝が床についてしまった。思っていたのとは違うが、ルールに従うなら私の負けだ。
「あ゛!」
「セリ様のかーーちーーー!」
一体どこまで力が上がるのだろうとワクワクしてしまったのが最大の油断。
仲間になるなら実際にセリの力を受けるのもいいと思っていたので、床のことなんて一切気にしていなかった。
「待った!」
「待ったなーーーし」
「えー、だって床が、私だってまだ本気じゃないし」
「ケーナ、残念だが女同士でそのセリフは効果がないぞ」
今ここにある建物を例えるなら、大きな病院だ。礼拝堂がおまけに感じるほどの大きさだ。
修道女に聞いてみると、聖人様のおかげで多額の寄付金が集まり、その寄付金で教会の改築、増築を繰り返したところ今のような大きさになったそうだ。
とりあえず形だけでもお祈りして待っていると、ガビーに声を掛けられ、セリが休んでいる部屋まで案内してもらうことに。
「セリ様! セリ様! おー連れしましたよー」
「入れ」
ドアを開けるとベットの上で下着姿のセリがせっせと筋トレを姿があった。
「セリ様!! まだ寝ていないと体に障りますって」
「もう十分休んだ。で、どっちだ」
「手前の娘でございまーす」
「次期魔王と聞いて期待してたが随分若いな。ガビー、何かの冗談か?」
「そ、その様なつもりはございませーん。こちらのケーナ様の強さは折り紙付きでございまーす」
「あのバケモノを倒したことが本当ならそうなのだろうが」
私も挨拶をしようとしたが、ブラを付けていたので急遽鑑定眼を発動。示した性別で戸惑ってしまう。
「あ、あの……。セリさんって女?」
「そうだ」
「今日って結婚がどうこうって話じゃないの?」
「そうだが、この国では女が女を嫁に貰うのは変なのか?」
「いえ、珍しいもので。でもどうして私なのかな?」
「そうか。選ばれた理由は、私より強い。と見たからだ」
「でも結婚したとしても私達じゃ子を成せないと思うけど」
「子が欲しいのか? 安心しろ。受け継いだ特徴は頑丈な体ぐらいだが、こう見えても鬼の末裔だ。一応魔族のように魔力で子をなすことができるさ。次期魔王というならそれくらい知ってるだろ」
「知ってるけど……私はまだ子供はいいや」
体格からどう見ても男。おっぱいも雄っぱいだ。闘技場でも見た目のままの性別だとばかり思っていた。
「なんで大会では男のように振る舞っていたの?」
「男のように振る舞うのは癖みたいなものだ。男ってのは女相手に全力で勝負しないだろう? だから私を知らない相手には性別を悟らせないようにしてるんだ」
「それで全力で勝負してセリさんに勝った相手に結婚を申し込むと」
男からしたら冗談ではない。負けたとしてもショックだし。勝てたとしても人族が望む女性像とはかけ離れている。
「強さを求めるのは私の本能のようなものだからな。譲れないんだよ。そこを妥協して結婚しても上手くはいかない。何かあれば ”私より弱いのに” ってなってしまうのが目に見えている」
「じゃ、昨日の相手とは結婚しないの?」
「制御できない召喚士など未熟も未熟。勝負にすらなっていない。召喚されたバケモノは確かに強かった。が、あれは理性の無い獣のようなもの。結婚など無理に決まってる」
「そうか。それじゃ仕方ないね。いい旦那さん見つかると良いね。応援してるからね」
「おい! 何を言ってる。私とひと勝負するだろう。強い嫁でも私は構わん」
「私は結婚なんて考えてないよ。でもセリが負けた時、私の仲間になってくれるのならその勝負してももいいけど」
「嫁ではなく魔王の仲間になれと。それでいい。結婚するには見た目が若すぎるからな。もうちょっと後でも私は構わない」
「だから、結婚はしないって。ちなみにセリが勝ったらどうするの?」
「そうだな。普段はあまり要求などしないのだが、折角だ剣でも拵えてもらおうか。次期魔王から賜った武器ともなれば箔がつく」
「剣ぐらいいいよ。余ほどの自信があるんだね」
「何を言ってる。ケーナはあのバケモノに勝ったのだろ? どこにそんな強さがあるのか教えてほしいぐらいさ」
「でも勝負はいつ、どこでするの?」
「そんなの今、ここでするに決まっているだろう」
そう言って私の前に立つと、両腕を軽く広げ手をにぎにぎとアピールしてくる。
「力比べは苦手か?」
剣士なので剣が最も得意なのだろうが、私に対してそれを使わないのはセリなりの手加減なのかもしれない。
「構わないわよ。手四つの力比べ。ルールは?」
「先に膝が床についた方が負けだ」
身長差、体重さ、誰が見ても有利なのはセリ。
だがそれは、見た目だけの話だ。
「いいな、その自信に満ち溢れた顔。だがその余裕も今だけだぞ」
「やっぱり剣で勝負ってのはナシだからね」
「そーと決まれば僕が合図をだしますねー」
腕を伸ばすと両手をガッツリと握られる。始まる前から劣勢のような形。既に重さものってきている。
「よーーーーい。始め!!」
掛け声と同時に一気に勝負を仕掛けてきたのが分かる。スキルを発動させ、両手に力が込められる。
女性とは思えない圧力。鬼の血が流れているせいで一般女性の限界を軽く超えている。
だが、それぐらいで私の腕も膝も折れることは無い。
「涼しい顔して、面白いじゃない」
「セリも血管浮き出る顔で面白いよ」
と煽ったと同時に、圧力が2倍、3倍と上がっていくのが分かる。
セリは息を止め、唸りながら私の体を潰そうと必死だ。
膨張する筋肉が赤い湯気を出している。魔力をエネルギーに変換させ筋力を上昇させている。
私は素の状態でもSTRとVITが高いおかげで余裕十分。
しかし、一番最初に音を上げたのが床だった。
ガキバキッ ズボッ
私の足元の床が一気に抜け、膝まで床に埋もれてしまう。そこで一旦力が弱まり、仕切り直しになるのかなと思いきや。
「はぁ、はぁ、ほらぁ、床にぃ、膝がぁ、ついたぞ!」
言われて気づく。膝まで埋もれたせいで確かに膝が床についてしまった。思っていたのとは違うが、ルールに従うなら私の負けだ。
「あ゛!」
「セリ様のかーーちーーー!」
一体どこまで力が上がるのだろうとワクワクしてしまったのが最大の油断。
仲間になるなら実際にセリの力を受けるのもいいと思っていたので、床のことなんて一切気にしていなかった。
「待った!」
「待ったなーーーし」
「えー、だって床が、私だってまだ本気じゃないし」
「ケーナ、残念だが女同士でそのセリフは効果がないぞ」
1
あなたにおすすめの小説
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
精霊の森に捨てられた少女が、精霊さんと一緒に人の街へ帰ってきた
アイイロモンペ
ファンタジー
2020.9.6.完結いたしました。
2020.9.28. 追補を入れました。
2021.4. 2. 追補を追加しました。
人が精霊と袂を分かった世界。
魔力なしの忌子として瘴気の森に捨てられた幼子は、精霊が好む姿かたちをしていた。
幼子は、ターニャという名を精霊から貰い、精霊の森で精霊に愛されて育った。
ある日、ターニャは人間ある以上は、人間の世界を知るべきだと、育ての親である大精霊に言われる。
人の世の常識を知らないターニャの行動は、周囲の人々を困惑させる。
そして、魔力の強い者が人々を支配すると言う世界で、ターニャは既存の価値観を意識せずにぶち壊していく。
オーソドックスなファンタジーを心がけようと思います。読んでいただけたら嬉しいです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝🌹グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
そう名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
✴️設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
✴️稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる