たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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バレないように①

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 家に帰って後は寝るだけといきたかったが、気になっていることが1つ。例の着ぐるみたちが追っていたその後の事だ。

 今すぐカスケード家に行くとラルンテが起きている可能性があるので夜中になるまで待つ。

 そして、人族も妖精族も妖魔族も寝静まった頃。自室からカスケード家の自室へと転移する。

「そろそろ来る頃かと思って待ってたよ」

 小さな明かりを付けてベットの上で座って待っていたコピーエーナ。

 言われなくともいつものフュージョンとコピー。もう慣れたものでこの作業も一瞬で終わる。

 そしてじわじわとコピーエーナの記憶が私の記憶に混ざってくる。

 例の着ぐるみ達の行動により導師とやらを手懐けていたていたり、勝手に勇者を名乗り始めていたりと。
  
「私より楽しんでる……」

「まぁ、ここからできる事は限られているわ」

 コピーの方が優秀というか、要領がいいというか、ここにいるコピーエーナは空間収納内のタイムのお供に付けているコピーエーナとは明らかに違いがある。

 あちらは正に私のコピーといっていい。想定内の思考、想定内の行動で驚くことは特にない。
 だが実家のコピーには以前にも私が思いも付かないことをして驚かされる事があった。

「ねぇ……。今中にいるのは本当に私のコピーなの?」

「私はあなたのコピーだよ」

「本当に私なの?」

「私はあなたのコピーだって」
 
 これでは押し問答だ。

 どうせ鑑定眼スキルを使っても複製体に違いなんてない。

 となればいつもの最終手段を使うしかない。

《何をなさいますか?》

 困った時のマインドプロンプトさんだ。

(私のコピーに宿る魂について調べて)

《複製された魂の他に、もう1つの魂を見つけました。が、見失いました》

(魂を見失うって……)

 対抗できるとするなら、同じマインドプロンプトしかない。私だけがこのマインドプロンプトを使っているわけではない。実家のコピーエーナに限っては勝手にナナスキルを使用してスキルを増やしていた事がある。
 
 ならば万能スキルともいえるこのマインドプロンプトを使用して、魂を隠すのは容易なことだ。

「そっか、そうだよね。私だよね。ごめんごめん。じゃ、また来るからよろしくね」

 混乱しそうになったので逃げるようにケーナの自室に戻る。
 
 コピーとはいえ強さは同等。ゴースト系モンスター風情が憑依できる隙などない。

 となると見失った魂について思い当たるのは1つだけ。
 
 それはもともとのエーナ・カスケードの魂だ。

 もしエーナの魂が転生した英太の魂と入れ替わりであるなら、最初に見るのは天井じゃなくて、やたら目立つ格好の死神が目に飛び込んでいたかもしれない。
 私が特別なスキルを発動していなくても死神が見えるのは、幸運の勇者の時に見ていたのでわかる。

 エーナの魂を既に迎えに来ていてすれ違いの可能性もあるが、エーナのHPが完全に0になっていたらあのラルンテが気づいて大騒ぎになっていたはず。
 
 となるとHPが僅かに残っている状態で、エーナの魂もあるところに転生した英太の魂が入ったと考える方がいい。

 ステータスの値は注文通りだったので、魂が入る直前に病気で弱っていた体を強制的に回復と強化を施したと見て間違いない。

 転生後しばらくの間はエーナの魂は潜んでいて、コピーを作った時はそちらに移動していたのだろう。

 フュージョンする時はコピーエーナに残る元のエーナらしい行動や感情の記憶を操作してしていたとするならこちらは気づく事はできない。

 そこまでして魂の存在を隠すのは、死神の存在を記憶の統合で知っているからなのか。あとは私が邪魔だと思って消されるとでも思っているのか。

 あくまで憶測で確証を得たわけでは無いので、こちらとしても知らないふりをしておくことにした。

《何をなさいますか?》

(次回以降フュージョンするときは今考えていた元のエーナの魂に関する記憶だけ統合しないようにできる?)

《できますが……》

(やっぱりできるんだ。ん? どうしたの?)

《いえ、そのようにいたします》

(よろしくね)

 寝る前に統合された膨大な記憶を整理していると思う。
 
 私が全ての魔族・魔物を統べる魔王になって、エーナが国力をも圧倒する歴代最強の勇者になれば、それはもう世界征服したのと同じ事じゃないかと。

「それは、それで逆に面倒だなぁ」

と呟き、フフッと鼻で笑った。
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