たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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魔王降臨オンステージ①

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 雲ひとつない快晴。
 空高くから見下ろしてもスカモ大平原の広さが分かる。

 私から見て右手に連合聖騎士軍、左手にインテルシア魔導軍。

 両軍にまだ大きな動きはないようだった。

 守る連合聖騎士軍は対魔法使い戦の想定をして魔法障壁を前戦に揃えて待ち受けている。

 人をかき集めて量で守りに徹するつもりなのだろう。
 その数は約12万。
 各国が1万ずつ軍を作ったように見える。

 変に軍を混ぜて戦うより、それぞれの国ごとに固まった方が動きやすいのだろう。

 攻めるインテルシア魔導国は3万ほどの大軍を一歩も動かすことはなく、大平原を歩くのはたったの3人しか見えなかった。

 最終通告を行う使者にしては妙だなと思い鑑定眼でステータスを覗いてみると

 Lv110 サニー・サイアップ 20歳 女 六大魔導士
 Lv115 シイナ・ブリザード 29歳 女 六大魔導士
 Lv122 ギビ・クラウド 86歳 男 六大魔導士
 
 各自人族のレベル上限に到達しているようなの猛者揃い。
 
 それもそのはず、全員六大魔導師の肩書付きだった。

 スキルで会話を盗み聞きをしてみたが緊張感は皆無のようにみえる。

「ねぇええ"え"ぇぇ!なんで歩きなの? 飛んでいこーよーねぇえ。どうせバレないよー。ギビ爺ちゃんも大変でしょー」

「まーーったくだぁ! あーのババァ。余命の短いジジイを引っ張り出して散歩なんぞさせおって! 何を考えてるのか分からん」

「サニーもギビさんも我慢しぃーなぁー」

「こんな戦争なんてちゃちゃちゃーっと終わらせちゃってさ、3人でお酒でも飲みにいこーよー」

「ええのーたまには両手に花で呑みたいのー」

「もう、終わった後のこと考えてはるんですの? ほんに気がはやいことー」

「てかぁーこれって本当に戦争なの?」

「わいもおかしぃなぁーと思っとった思っとった。緊急招集で即戦前配備だしのー。この3人を呼ぶとなると戦争以外の目的があるんじゃないかと嫌でも勘ぐってしまうわい」

「火力馬鹿が勢揃い! ウケるぅ!」

「一括りするのはやめてもらえますー?」

「わいはテクニシャンだからのー」

「うーわ自覚ないの、ヤバぁ!」

 これから戦争が始まるとは思えない会話。

 前日に作戦が変わると言うことは憤怒の魔王の情報が上層部には伝わってると考えていい。

 ミストのような六大魔導師の内、3人も集めているのがその証拠だ。
 
 戦争なんかに大魔導師を本気で投入したら小国なんて簡単に蒸発してしまう。
 
 ただ、できるからといって本当に蒸発させては戦争する意味がない。それをやったら金の卵を産む鶏を殺すようなものだからだ。

 きっとこの3人は憤怒の魔王への囮であり、対抗手段。
 
 何事もなければそのまま歩かせ適当に連合聖騎士軍を削って弱らせる、情報通り憤怒の魔王が現れれば討伐させようってことなのだろう。
 
 六大魔導士がいても私のやることは変わらない。

 
 魔法を発動させ、最初は水の小さな粒と熱風で入道雲を発生させる。
 手のひら程度なら簡単だが、地平線が見えるほど平原を覆うとなると大量の魔力を必要とするが、私の魔力量ならそれでも余るほどの雲を作れる。
 
 空は分厚い雲に覆われ太陽の光りを遮ると、辺りは一気に暗くなり地上を暗転したようになった。
 戦場に立つ者たちの視線を空に集める。両軍にとっては急に雲行きが怪しくなってきたといったところだろう。
 
 次は、舞台を整えるため雹を降らせる。
 ゴゴゴゴゴゴと雷鳴轟く暗い雲からダーっと列をなすかのように一斉に降りそそぐ雹。
 粒は1、2mmほどの小さな氷なので当たってもダメージにはならないが、僅かな時間でくるぶしが隠れるぐらいまで雹を降らせて地面を包んだ。

 突然の天気の変わりように驚く兵士たちではあったが、この程度で列が崩れるようなことはない。

 雹が止んだ静寂の中、ゆっくりと雲に丸く空を開ける。
 
 暗い中、スポットライトのように日が差し込む。
 
 まるで空から降りた光の道。

 陽が当たる地面は雹でキラキラと光り、何者も寄せ付けぬ聖域のように見えるほどだった。

 舞台を整えたあとは連合聖騎士軍、インテルシア軍の中間あたりに、空間収納から取り出した巨大な立方体の白い魔石を2つ並べる。

 魔石は気合いを入れてデカく作ったので上の方はちょっと雨雲に隠れてしまうぐらいの大きさだ。

 突然現れた巨大魔石にどよめく兵士達の声が両面から聞こえてくる。

 いいリアクションをしてくれる兵士に思わず口が緩みそうになる。

(本当に驚くのはここからなんだから)

 フランとクレアは出番が来るまで空間収納内で待機してもらっている。
 2人とも私のように魔力を完全に抑えることが不可能だと漏らしていたので、魔力探知対策のためだ。

 ⦅フランそろそろだからね。しっかりね⦆

 ⦅余に任せておくのじゃ!⦆
 
 念話でタイミングを伝え、雲に開けた空の中心にフランを転移させる。

 光りの道をゆっくり降りる女神様。
 といった感じだろうか。
 儚げな表情。
 環境効果も十分な働きをしてくれている。
 
 光出す巨大魔石。

 そして魔石の6面には、変身して女神のドレス(?)を着たフランを映し出した。

 巨大魔石を巨大スクリーンとして使うこのアイディアは、ドボックで見たマクラーン魔道具からパクらせてもらっている。

 魔石内部の魔力の共振を利用するところまでは理解していたので、後はマインドプロンプトに手伝ってもらい私専用に仕上げてもらったのだ。

 手元にある平面レンズ型の魔石から入る光を、巨大魔石の表面に映し出す。

 カメラマンとしてまずはフランの大胆な姿を存分に撮ることから始めることにした。

「まずはフランからしっかり撮らないとね。緊張してきた!!」

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