たぶんコレが一番強いと思います!

しのだ

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未来の花嫁⑨

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◇◇◇

 ゴールドラドへの出発当日、家の庭に豪華に飾られた極楽鳥が3頭降りてきていた。極楽鳥が持つ籠まで豪華仕様になっている。

 3頭いるのは客室用、荷物用、護衛用と用途別になっているのと財力を見せつけるためだろう。

「薔薇姫さんとそのお連れさんも遠慮せず乗るんさ」

 ンダサに案内され、極楽鳥には私に続いてハクレイ、フラン、クレアが乗り込む。

 このときに結婚のことを心配してるのはハクレイぐらいで、フランとクレアは旅行気分になっていた。

 乗り込むとすぐに飛び立ち、あっという間にカスケードの町が小さくなっていく。

 極楽鳥による空の旅と言えば聞こえはいいが、あまり変わり映えのしない景色に思わず漏れる本音。

「ゆったり空の移動も最初はいいけど、飽きるね」

「余はゆったりの方が好きなのじゃ。ケーナの空間転移は便利ではあるが、旅行の移動があっという間じゃ味気ないじゃろ?」

「旅行じゃないんだけどね」

「何事も楽しむことがいいのじゃ」

「それはそうだけど……ハクレイ、膝枕して」

「はい! どうぞ」

「なんじゃ、寝る気か?」

「着いたら起こしてぇ」

「はい、かしこまりました」
 
 ハクレイの膝に頭を乗せ目を閉じると、安心感と抱擁力のせいで本気で寝てしまう。

 トントンと肩を叩かれてハクレイに声をかけてもらった時には豪邸の前に来ていた。
 聞くところによるとここはゲストハウスでトラントは住んでないらしい。

「今日はここで休んで欲しいんさ。家中の物は自由に使って構わないんさ。気に入ったら持ち帰ってもいいんさ。もし足りない物があればメイドに言えばいいんさ」

「トラントさんには今日会えないの?」

「んーこのまま会いに行くんさ?」

 仮にも結婚するかも知れない相手なんだから身綺麗にしろってことだろう。冒険者の装いのままは流石に失礼かもしれない。

「やっぱり明日でいいよ」

「おらもそれがいいと思うんさ」

 設備はどれも羨むほどの贅沢で豪華。

 皆んなで入った風呂は前世の記憶のスーパー銭湯を呼び起こすほどで、ここに住みたくなる気持ちが湧いてきてしまった。

「金持ち凄い……」

 カスケード家も貴族なので一般的な家と比べると豪華ではある。
 ただ金が湯水のようにあるわけではないので敷地内にカジノ施設があったり、豪邸のゲストハウスがあるわけではない。

「大浴場といったでありんすか? わっちは気に入ったでありんす」

「余もいいと思うのじゃ。ケーナか結婚したら余も一緒に住むから旦那に善きにはからえと伝えておくのじゃ」

「ちょっと何で結婚することになってるのよ」

「なんじゃ、気に入らんのか? 皆で風呂に入るなどここでしかできんのじゃ」

「ここは気に入ったけど、それとこれとはちがうじゃない」

「ハクレイはどう思っておるのじゃ? 皆で風呂に入るのは嫌か?」

「い、いえ、そのようには思ってません。ハクレイは嬉しいです……」

 恥ずかしいのか、のぼせているのかわからないが肩まで肌がピンク色になっている。

「だそうじゃ! ケーナ、今回の戦いは負けても良い。余たちは負けて失うものがないのじゃ」

「私は結婚ちゃうんだけど!」

「もうクレアとしとるじゃろ。ちょっと増えるくらい騒ぐことではないじゃろうに」

「まだ正式な返事はもらってないでありんす」

「クレアみたいにいいなと思ったら即結婚申し込みと違って人族の結婚は簡単じゃないんだよ。ね、ハクレイからも言ってやって!」

「そうですね、人族の結婚は契約に近いかもしれません」

「そう! 縛りみたいのがあるんだよ」

「ハクレイもクレアと同じ縛りのない結婚でいいのでケーナと結婚したいです」

「へぁ? ちょっと! 急に! さきに上がるね」

 ザバッと立ち上がり、顔を見られないように出ていく。

「ふー熱いのぉ。余も上がるかのぉ」

「そうでありんすね、わっちも出るでありんす」

「ハクレイは……もうちょっと温まります……」

 翌朝はメイドたちだけが忙しくはしりまわっている。

「前にも似たことがあった気が……」

 私によってたかってドレスを選び、髪を結って、化粧をし、いつもの冒険者スタイルとは違い、まるでどこかのお姫様だ。

 今回は私だけじゃなくて、フランやハクレイもおめかし対象だ。クレアだけは魔法で自前の真っ赤なドレスで着飾り済ませてしまっている。

「お召し替えさせていただき、ありがとうございました。眼福でございました」
「この仕事をしていて久しぶりに昂りました」
「是非、奥方様になられましたらまた担当させてください」

 お礼をするのはこちらなのに、メイドたちが感謝を伝え部屋を出ていく。

 入れ違いになるように勇者のンダサが部屋へきてトラントへの案内をしてくれる。

「いやー驚いたんさ。ケーナ様はもちろんのこと、お連れの方々もお綺麗なんさ」

「何を今さらじゃ。余たちは生まれつき美しいのじゃ」
 
「ささっ、外に竜車を待たせてるんさ。本邸までお連れするんさ」

 煌びやかな竜車に揺られて進むと窓から真っ白な城が見えてくるが正面の門には人だかりができていた。

 人だかりを探索スキルで調べると、ほとんどが平民の方々。「結婚反対!」「成金帝は結婚詐欺師」などなど、まだ決まってもない結婚に対する批判活動が起こっていた。

 もし貴族や王族相手に批判活動などした場合、その場で打首でも文句は言えないがトラントには爵位がない。

 ここで騒いだところで捕まりはしても、殺されはしないと分かっているのだろう。

 城をぐるりと回って裏門から入ることとなり、平謝りされた。
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